いや、これくらい大丈夫だよきっと。
さて。ダルク君やライアちゃん、ウィンダやカームが出るのを期待していた人はガッカリしたかもしれないですが、前書きなどで出すかもしれないので安心してください。
「でも、どうしてランドスターの剣士を出すんですか? 明らかにこの作品の重要キャラじゃないですよね」
当然、俺が好きなモンスターの1体だから。それ以外に理由はない。
因みに、お前みたいにさっさと退場させる気は全くないから。変な期待はすんなよ。
「そんなー。どうして僕だけ」
ラウンドスターじゃなくて、ランドスターだよ。 byランドスターの剣士
俺とエドが握手をしていると。
「ふふ、なかなか面白いものが見れたな」
茂みの中からヘルカイザーが出て来た。
アイエエエエエ!!? ヘルカイザーナンデーー!
「へ、へ、へ、ヘルカイザー!?」
「亮!? いつからそこに?」
「最初からだな」
マジで! それってずっと木とかの影に隠れてたって事だよな。……木の影に隠れるヘルカイザー……しゅ、シュールだ。
「お前……名は確か未来といったなぁ。……いいデュエルを見せてもらった。……お前とはいずれ戦ってみたいものだ」
マジかよ! ヘルカイザーからデュエルのお誘い受けちゃったよ!
本当なら今すぐにでもデュエルしたいとこだが、今のカイザーは……
「え、えーと……き、機会があれば……」
そんな機会は多分……来ないと思うけどな。
……でも、もしデュエルする機会があったら、その時は全力で相手になってやるぜ!
そうだ!せっかくエドに会えたんだし……さ、サインを貰おう! えーと、何か書くもの……
「ん、あれは……十代じゃないか?」
「えっ!十代!?」
探すのを止めてエドが指を指した方を見てみると、確かに十代がいた。
十代はハネクリボーを追って歩いている。おそらく王家の遺跡の跡に向かっているんだろう。
あれ、そういえば俺……現実世界なのにカードの精霊が見えてる!
「確かにそうだな」
「こんな遅くに、一体何をしてるんだ?」
「えーと……散歩……とか?」
「……何か、妙な胸騒ぎがする。追ってみよう」
「そうだな」
あっ、スルーですか。 まぁ良いけどさ。
俺たち3人は気づかれないようにして、十代の後をつけた。
……ああ、サイン貰えなかった……いや、まだチャンスはある筈だ!
十代を追っていくと、やはり王家の遺跡の跡についた。さらにそこには、空間の歪みがあった。
「あの空間の歪みは?」
「異次元への扉」
「まさか…十代一人で!」
「まだ奴には理解っていない。……自分の行動の結果に、責任が生まれるということを」
「いや……理解っているからこそ、自らの手でヨハンを助けようとしているんじゃないのか?」
「お前も、まだまだ子供だな」
「何!」
「もし十代が異次元に戻る事を知ったら、周りが放って置くと思うか?」
「……仕方ないんじゃないか。十代は話を聞いた限り、ただ純粋にデュエルを楽しんでるだけのヤツみたいだしさ。……それにヘルカイザーやエドも、十代の事が心配だからこうして見守ってんじゃないのか?」
「……ふっ、違いない」
ヘルカイザーの予言?の通り、みんなが十代を追ってやってきた。
万丈目、アスリン、剣山、ジム、オブ様は十代と一緒に異世界に行くと言い出したが、翔、三沢、ブッキーは異世界に行く事を反対していた。
「結局……そういうことになる」
「十代が動けばみんなが動く。もうそれだけの影響力を持つ人間になっているって事か」
「自覚していないのは……十代自身だけだ」
「異次元への入り口が不安定だ!今飛びこむと、どこへ飛ばされるか分からないぞ!」
「何か有効な戦略はないのか三沢!!」
「俺の計算が正しければ、カードの精霊の力を借りれば。このあたりはデュエルエナジーが満ちている。精霊の実体化が出来るかも」
「やるしかないわ」
「みんなの気持ちを一つにするドン」
そう言うと十代はネオス、万丈目はXYZ 、ドラゴン・キャノン、アスリンはサイバー・エンジェル 弁天、剣山はスーパー・コンダクター・ティラノ、ジムはスカルキング、オブライエンはヴォルカニック・デビルを召喚した。
すると空間の歪が光りだして、十代たちが召喚したモンスターたちが実体化した。
十代たちは実体化したモンスターたちに命じて、空間の歪に攻撃をぶつけた。
するとその様子を見て心が動いたのか翔がスーパービークロイド ステルス・ユニオンを出したのを皮切りに、三沢がウォーター・ドラゴン、ブッキーが真紅眼の黒竜を出して空間の歪に攻撃をぶつけた。
すると空から白い光の柱が空間の歪に落ちてきた。 ……どうやら、異世界への扉が開いたみたいだな。
成功してホッとした様な悲しい様な……複雑な心境だ。
「……美しい友情……それがどんな結果をもたらすか……」
ああなるとは……流石のヘルカイザーも思ってなかっただろうな。
「……それは誰にも分からない。神のみぞ知るセカイってやつだ」
呆然と光の柱を見てると、光の柱がどんどん広がり始めた。
あっという間に十代たちを包み込んで、俺たちがいる場所にも迫ってきた。
「ヤバ! モンスター回収発動!」
光の柱に飲み込まれる直前に間一髪で、モンスター回収を使いセームベルとプノを回収する事が出来た。
その直後、俺たちはその光の柱に飲み込まれた。
「未来。このカードやるよ」
「えっ! こ、これ、デステニードローだぞ! 悪いよ」
「一枚も当たんなかったんだろ。未来からはいつも、いろんなカードを貰ってんだ。これは礼だよ」
「で……でもよ」
「素直に受け取れ。ほら」
「……」
「大切に使ってくれよ」
「ああ、約束する。ありがとな……勝平」
……目が覚めると知らない場所に居た。
どうやら俺は布団みたいな物に寝てるみたいだ。……何処だここ?
「目が覚めたか?」
声のした方を見てみると、1人の男が椅子に座っていた。
そいつは俺が知っているモンスターカード、戦士ダイ・グレファーだった。
ダイ・グレファー。正義(ドラゴン・ウォーリアー)にも悪(ダーク・ルシアス)にもなるモンスターだったなー。
俺はとりあえず起き上がった。
因みに俺が寝ていた物は、藁の上にシーツを引いた布団もどきだった(枕つき)。
……まぁ寝心地は悪くなかったよ。
「……俺はどうしてこんな場所にいるんだ?」
「覚えてないのか?……なら教えよう。キミは森で倒れてたんだ」
「俺が……森で」
えーと俺は確か、異世界へ通じる光の柱に飲み込まれたんだったよなー。
なら確か十代たちが最初に行く世界は、バードマンたち鳥獣族が支配する世界だったはず。
ひょっとしてここはその世界なのか? それとも別の世界か? グレファーに聞いてみるか。
「ここは……何処だ?」
「……ふむ。もしかして君は私たちと同じように、気がついたらこの異世界に飛ばされて来たのか?」
「えっ!……ああ、そうだな」
「ふむ、やはりそうか。実は私もキミと同じく、別の世界から飛ばされて来たんだ」
そういえば、グレファーは異次元に飛ばされたことがあったなぁ。……あれ、でもその時は確か、仲間の魔法使いが異次元への扉を開く魔法を開発して事なきを得た筈だ……どうなってんだ?
「あっ、おじさん! 起きたんだね」
「無事で良かったよ〜」
いつの間にかセームベルとプノがデッキから出て来てた。
「プノ、セームベル!……2人とも、心配かけて悪かったな」
「別に私は心配してなかったよ」
「あははは〜ベルベルは素直じゃないね〜」
「う、うるさい!」
はは、この2人は相変わらず仲良いなー。
「……この町は私たちの様な、異世界から飛ばされて来た人たちが集結して出来た町だ。キミも気の済むまでここに居るといい」
それはありがたい。ここ最近大変だったから、しばらく休みたいと思ってたとこだ。
「ああ、そうさせて貰う……ありがとう」
「気にするな。こうゆう時は助け合うものだろ」
そう言ってグレファーは微笑んだ。……ヤバイ、カッコイイ。惚れちまいそうだぜ。
なんて事を考えていると突然ドアが開き、1人の男の子が入って来た。
「グレファー様。 倒れていた人は目覚めましたか?」
それは俺が知っているモンスター、ランドスターの剣士だった。
「ああ、目覚めたぞ」
「そうですか! それは良かったです。…あっ、 初めまして。僕の名前はランドスターの剣士です。よろしくお願いします」
ランドスタースターの剣士。城之内くんが使ったバニラモンスターで、覚醒すると効果を持ったチューナーモンスターになるんだったなー。
……そういえば。ランドスターには他にも銃士とか騎士とか格闘家とか、がアニメで出た気がする。
確か、デュエルモンスターズのドーマー編か、KCグランプリ編あたりだったかな。
「らうんどすたーの剣士?」
「ち、違うよ。ラウンドスターじゃなくて、ランドスターだよ」
「ラウンドスター君だね。私、セームベル。よろしく」
「いや、だからランドスター」
「じゃ〜ラウラウだね〜。私はプノだよ〜よろしく〜」
「ラ、ランドスターなのにー」
プノ…お前、絶対ワザとだろ。分かっててそんなアダ名を……このままじゃランドスターが可哀想だ。
仕方ない。俺はきちんと名前で呼んでやるか。
「俺は未来だ。よろしくな、ランドスター」
「!!……ハイ!よろしくお願いします!」
「へぇー、そうなんだ。セームベルさんたちは色々な世界に行ったんだね」
「うん、そうだよ。えへへー、凄いでしょー」
「そうだね」
「あははは〜。ベルベルは大した事して無いのに、そんなに威張れるなんてすご〜い」
「コラー!馬鹿にするなー!」
「ふふ。2人はとっても、仲が良いんだねー」
「仲良くなんか無いよ!私はコイツなんて、大っ嫌いなんだから!!」
「も〜、ベルベルは素直じゃないな〜。でもそんなところも、ベルベルらしくて私は好きだよ〜」
「あ、アンタに好きだなんて言われても、全然嬉しくない!」
名前の事で一悶着あったけど、今では2人ともランドスターと仲良くなれたなぁ。
……なんだかちょっと、妬けるぜ。
「ハッハッハー。良かったなランドスター、同世代の友達が出きて。……では私はそろそろ町を見回る時間なので、しばらくの間は失礼するよ。もし困った事があったらランドスターに聞くといい。では……」
そう言ってグレファーは外に出て行った。
……あっ!そういえば、この世界の事を詳しく聞くのを忘れてたなー。……まぁ、いいかー。
さて、俺はどうしよう。3人の話しに交じっても良いんだけど……この世界がどの世界かを知りたい。
ランドスターに聞いても大した情報が得られない気がするし、ひとまずこの町を探索してみよう。
「なぁランドスター。俺ちょっと、この町を見て回りたいだけど、いいか」
「え……ええ別にいいですよ。では僕が案内を」
「いや、そこまでしなくていいよ。1人で回りたい気分なんだ。 ランドスターは二人の話し相手になっててくれ」
「はい、分かりました。ですが町からは出ないでくださいね。この世界では得体の知れないバケモノが出るらしいので」
得体の知れないバケモノか……きっと悪魔族やアンデット族とかの事かな。いやでも、あの世界だったら鳥獣族もあり得るな。まぁ会うことは無いだろうけどな。
「ああ、分かった。2人ともしばらくランドスターと遊んでろよ」
「うん、分かったよー」
「気をつけてね〜……暗黒界のモンスターに(小声)」
俺はしばらく町をぶらぶらと歩いてみたけど、特に面白そうな場所がなくてガッカリした。
まぁ、ここは借り住まいみたいなもんだし、仕方ないっちゃー、仕方ないだが。
……俺はこんなんじゃ全然、満足出来なかった。こうなったら……町の外に出て満足するしかないよな!
ランドスターには出るなって言われたけど、町が見える範囲なら大丈夫な気がする。
ん、この世界が何処だかを調べてたんじゃないのかだって。……はは、そんな事はもうどうでもいい。
よし、村の近くにある森に言ってみよう!とても 楽しめる気がする。
へへ、俺の満足は……これからだ!!
そう決心した俺はこっそりと町から出て、近くの森を探索してみた。
森には獣族や昆虫族や植物族などがいた。……正直、昆虫族と獣族にはアイツらの町を滅ぼされたから、複雑な気持ちに成った。でもあの町の中よりは、全然楽しかったぜ!
……あーあ、ピケルとクランは元気にしてるかなー。また会いたいなー。
「……さてと。少しは満足したし、そろそろ引き返そうかな……んっ、あれは!?」
1時間ぐらい探索して、そろそろ町に戻ろうとした時、1人の女の子が地面に倒れているのを見つけた。
俺は急いでその女の子の近くまで走った。…その女の子は俺が知っているモンスターだった。
「……リチュア……エリア?……」
一方その頃……十代たちは……
バードマン「若き戦士よ」
十代「バードマン……あっ!……そうか。俺が勝ったから…お前は……」
バードマン「……気にするな。戦士として、誇りに出来るデュエルだった。俺も所詮レベル4……低レベルの星しか持た者……自らの運命に抗う勇気も無く、より低レベルの者達を支配し……頼む……この世界からレベルによる支配を無くし……前が……お前が奴に代わり覇王として……」
十代「えっ……覇王!?」
タニア「ここから次の階層にいける。ありがとう、後は私達で何とかする。アンタ達は自分らの目的地に向かって突き進め!」
「俺はここに残る」
「この世界の謎を解明するために、異世界から飛ばされてきた、彼らの話をもっと聞きたいんだ。謎が解明出来たら、俺も必ず後を追う」
十代「……あの階段の先…扉の向こうに……ヨハン、お前がきっと……生きていてくれる」
今日の最強カードはランドスターの剣士。
通常モンスター。レベル3。地属性。戦士族。攻撃力 500、守備力1200。
剣の腕は未熟だが、不思議な能力を持つ妖精剣士らしいんだ。
これからの成長に期待だぜ。
今週の遊戯王……卓球次元に侵略されて放送しなかったなー。
「ええ、そうですね。かなり楽しみにしてたので、ショックでしたよ」
この流れだと絶対、シンジの無茶苦茶な言い掛かりとか、「くたばれ、榊 遊矢!」とかのコモンズからの暴言も有耶無耶にされるだろうなー。それは遊矢が可哀想だ。
せめて、シンジから詫びの一つでも言って欲しい。
「そうですよね。幾ら何でも、くたばれは酷すぎます」
……次の話は3月15日に投稿しますので、楽しみにしていてください。