D-HEROと共に戦うデュエリスト   作:無言の短パン

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3週間以上の間、全く投稿出来ずに大変申し訳ありませんでした。
次はもっと早く投稿出来るように頑張ります。

それでは作者とライズベルトのデュエルから。
先ずは、前回のおさらい。

ライズベルト
モンスター
アルティメットサイキッカー(攻撃表示)2900
装備カード サイコソード(アルティメットサイキッカーに装備)
伏せカード2枚
手札1枚
ライフ2600

短パン
モンスター
ギガンテス(攻撃表示)1900
メタモルポット(攻撃表示)700
伏せカード1枚
手札1枚
ライフ2600

俺のターーン…ドローーーー!!……ふっ……来たか。これで俺の勝利のピースはすべて揃った!

「……何、バカな! この状況だぞ!? このターンで俺に勝利するなんて不可能だ!」

それはどうかな! 遊戯王はカードとカードを組み合わせる事で無限の可能性を秘めているんだよ!
俺の墓地に存在する4体の岩石族モンスター(番兵ゴーレム、コアキメイル オーバードース、コアキメイル サンドマン、地球巨人ガイアプレート)をゲームから除外することで、手札からメガロックドラゴンを攻撃表示で特殊召喚するぜ!
メガロックドラゴンの攻撃力と守備力は、こいつを特殊召喚するためにゲームから除外した岩石族モンスーの数×700ポイントの数値になる。俺が除外したの数は4体、よって攻撃力は2800だ!

「……で? それがどうしたんだ? アルティメット サイキッカーの方が攻撃力が高いぞ」

そう慌てるなよ。言っただろ、カードとカードを組み合わせるってな。
俺はさらにロストガーディアンを攻撃表示(100)で召喚するぜ!

「攻撃力がたった100のモンスターを攻撃表示で召喚だと!?」

ロストガーディアンは、俺の除外されている岩石族モンスター×700ポイントした数値が守備力になる。俺の除外されている岩石族モンスターは合計7体、よって守備力は4900だ!

「守備力4900のモンスターを攻撃表示で召喚する……まさか! 狙いは攻守逆転!!」

ああ、その通りだ! 俺は伏せていたトラップカード、反転世界(リバーサル・ワールド)を発動するぜ!
このカードの効果は、フィールド上の全ての効果モンスターの攻撃力と守備力を入れ替えるだ!
反転世界の効果で互いのフィールドにいる、全てのモンスターの攻守が反転した。

ライズベルト
モンスター
アルティメットサイキッカー(攻撃表示、攻1700・守2900)
装備カード サイコソード(アルティメットサイキッカーに装備)
伏せカード2枚
手札1枚
ライフ3300

短パン
モンスター
ロストガーディアン(攻撃表示、攻4900・守100)
メガロックドラゴン(攻撃表示、攻2800・守2800)
ギガンテス(攻撃表示、攻1300・守1900)
メタモルポット(攻撃表示、攻600・守700)
伏せカード1枚
手札1枚
ライフ2600

「……まさか…俺が負けるだと。…そんな…バカな…」

コイツの表情から見て、どうやらこの状況を打破出来るカードはないみたいだな。
……もしかしたら演技かもしれないけど、俺は攻撃するぜ!

行くぞ、バトル! ロストガーディアンでアルティメットサイキッカーを攻撃!

ライズベルトは3200ポイントのダメージを受けて、残りのライフが100になった。
一番攻撃力が高いモンスターで攻撃しても何もしなかったって事は、アイツが伏せてるカードは特に危険なカードじゃないってことだな。よし、このデュエル勝った。

トドメだ! メガロックドラゴンでダイレクトアタック!

メガロックドラゴンのダイレクトアタックは通り、ライズベルトのライフは0になった。

「…… チクショーーー!!……認めねぇ。こ、こんなのただお前の運が良かっただけだ!も、もう一回だ!もう一回デュエルしろ!」

……ホホ…ダメ。
……さてと、丁度いいタイミングだし、そろそろアイツに戻って貰おうかな。
最新のパックで当てたあるカードを試すいい機会だしな。

揺るがぬ絆、発動!

なっ!う、うわぁぁぁーーー!!……あ、あれ、僕は一体何をしていたんだ?

それでは本編に入ります。因みに、次回の前書きからは何か新しい事をしようと予定しています。



爪デュエルってなーに? byセームベル

 レイの看病がある程度終わって、ようやく十代が俺の事を思い出したみたいで、皆んなに俺の事を紹介してくれた。 ……あー気まずかったー。全く、気づくのがおせーよ十代。

 俺、セームベル、プノはアスリン、ザウルス、トメさん、クロノス先生などに軽い自己紹介した。

 ……えっ、「あともう1人レギュラーキャラが居るだろ!」だって?

 ……あっ、三沢くんが居たんだった。 イヤー、スッカリ ワスレテタナー。

 今は疲れているのか、全員か体育館で休んでいる所だ。

 

「……そうだ!なぁ未来。お前一体、どんなデッキを使ってんだ? 俺 、ちょー気になるぜ」

 

 十代が唐突にそんな事を聞いてきた。

 

「おっ!俺もそれは気になるな。なんか未来はデュエル強そうだからなー」

 

「へぇー。俺も君のデッキには興味があるな」

 

 ヨハン、三沢が立て続けにそう言ったから、休んでいた体育館にいる全員の注目が俺に向いた。

 ……これは教えるしかない流れだな。

 

「俺はD-HERO使いだ」

 

 俺はそう言ってドグマガイのカードを十代たちに見せた。嘘だとか言われない様にだ。

 

「でぃ、D-HEROーー!! そ、それって確か、エドの親父さんがエドのためだけに作った、エドだけが持ってるHEROの筈だよなぁ!? 」

 

「そ、そうザウルス!アニキの言う通りだドン! エ、 エドだって僕しか持ってないって言ってたドン!」

 

「……へーD-HEROってのは、そんなに凄いカードだったのか。……だとしたら、なんで未来はそんなカードを持ってんだ?」

 

「まさかD-HEROとはなぁ。俺も予想外だよ」

 

「ええ、そうね。私もビックリしたわ」

 

 やはり、ほとんどのヤツが驚いてるな。……まぁ無理もないか。

 なんてったって、プロで大活躍してる俺のエドが使ってるHEROシリーズだからな。

 ここは適当な嘘で誤魔化そう。

 

「お、俺が異世界に飛ばされた時に偶然出会ったんだ。そして仲良くなって俺のカードになってくれたんだ」

 

 ……み、皆んな無言だ。さ、流石にこんな滅茶苦茶な作り話、無理があったか。

 

「へーそうだったのかー。実は俺も認められて仲間になってくれたモンスター達がいるんだよなー。だからきっと、未来の言ってる事も本当なんだろうな」

 

 アッサリ信じちゃったよ! ネオス達のせいで十代の常識は狂っちまったのかな。

 

「そうだな。俺の宝玉獣も似たようなものだし、未来は嘘はついて無いと思うぜ」

 

 いや、ついさっき思いついた嘘なんだが……まっいいか。俺にとってはむしろありがたい。

 ……しかし流石、ナチュラルに狂ってるって言われてるGXだな。

 少し冷静に考えれば、おかしい点が幾らでも有るのになぁー……

 

 

 

 

 その後はほとんどの体育館にいる生徒達は役割を与えられて、様々な作業をしていた。

 剣山は何人かの生徒と一緒に閉じないドアを強引に閉める作業をしている。

 三沢とアスリンは何人かの生徒と一緒に、廊下に机や椅子を積み合わせてゾンビが来れないように廊下を塞ぐ作業をしている。

 ジムは何人かの生徒と一緒に、板を釘でつないでバリケード作りをしている。

 オブ様はブルーベレーとかいう名前の警備隊を率いてアカデミア内の見回りをしている。

 十代とヨハンはレイの看病をしている。

 俺か? 俺は俺のデッキとセームベルのデッキの調整だ。……まぁほとんどセームベルのデッキ調整だけどな。

 えっ、プノのデッキは調整しないのかだって?プノは何故かデッキを見せてくれないから調整のしようがないんだ。

 まぁプノが「私は大丈夫だよ〜」って言ってるから心配はしてないけど……少し寂しい。

 セームベル……おっ、良い事思いついた。

 

「? おじさん。私のカードとおじさんのカードを置いて何してるの?」

 

「これか?これは俺、お手製の詰めデュエルを作ってんだよ」

 

「爪デュエルー?……爪デュエルってなーに?」

 

「爪デュエルじゃなくって、詰めデュエルな」

 

「ベルベル〜詰めデュエルはね〜……簡単に言えば。あるデュエルの場面から、そのターン終了時までに相手に勝てば良いんだよ〜。つまり詰めデュエルは、どのカードを使うか考えたり、自分が使うカードは当然、相手が使うカードの効果もしっかり覚えてないといけなくて、と〜てもデュエルの勉強になるんだよ〜」

 

「へーそうなんだー。……だったら私、やってみるよおじさん!」

 

 気合い十分だな。その気合いが空回りしなければ良いんだけどな。

 

「因みに〜相手の伏せてあるカードも確認できるから、絶対に確認しなきゃ駄目だよ〜」

 

 俺が詰めデュエルを作っている間、プノがセームベルに詰めデュエルの事を色々教えていた。

 あいつら……こうして見るとスッゲー仲良しの友達に見えるなぁ。……なんか嬉しいぜ。

 俺は……子供には笑顔でいて欲しいと思ってる。子供の笑顔は見ててとーーーーっても癒されるからだ。

 ロリコンと言われようが、ショタコンと言われようがいい。俺はあの時……ただ悲しくて、悔しくて、塞ぎ込んでいた時、妹と妹の友達の無邪気な笑顔に救われた。

 この世界ではそれは不可能に近い事は分かっている。……でも俺は

 

「へー、詰めデュエルをやるのか。だったら俺は見学させて貰うよ」

 

 いつの間にか作業が終わったのか三沢が俺の隣にいた。……正直、全く隣に居ることに気がつかなかった。

 まぁ三沢は詰めデュエルとか好きそうだから、興味津々なのは当然かな。

 

「…よし、出来た。セームベル、この詰めデュエルをやってみろよ」

 

 

 相手

 

 ライフ2400

 モンスター

 ルイーズ(守備表示)1500

 カオスソルジャー(攻撃表示)2200

 伏せカード

 聖なるバリアミラーフォース

 コザッキーの自爆スイッチ

 

 

 セームベル

 

 ライフ500

 モンスター

 召喚師セームベル(攻撃表示)600

 サイバネティックマジシャン(攻撃表示)2400

 伏せカード

 神秘の中華鍋

 強者の苦痛

 

 手札

 サイクロン

 大嵐

 魂喰らい

 ビッグバンシュート

 

 

「……へー、なかなか面白い詰めデュエルだな。…もっとも、俺はもう解けたけどな」

 

 流石、三沢だな。セームベルのレベルに合わせたのとは言え、少し見ただけですぐに分かるなんて。

 

「奇遇だね〜エア〜。私もすぐに解けたよ〜」

 

「……エアーはやめてくれないか」

 

 そうそう、プノは三沢の事をエアーと呼ぶんだ。

 俺が「どうして三沢はエアーなんだ?」と聞いたら、プノが「空気みたいに〜存在感が薄いから〜」って答えたんだ。それを聞いた時の三沢、かなーーり落ち込んでたなぁー。

 ……頑張れ三沢!俺はお前のそんなところ、嫌いじゃないぞ!

 

「うーん…ふむふむ、なるほどー。…それならー、こうすればー……」

 

 セームベルは、まず相手の伏せてあるカードを確認して、その後自分の手札、フィールドのカードを効果を読みながら確認して、しばらくの間、どうするか考えていた。

 

「……私、分かっちゃったよー。まずは魂喰らいを攻撃表示で召喚するでしょー。その後手札からサイクロンを発動して、相手の伏せてある、聖なるバリアミラーフォースのカードを破壊するでしょー」

 

 はい、その時点で不正解。…でもそれを指摘するとセームベルのためにならないから、ここはあえて何も言わない方がいいな。

 

「そして手札の大嵐をコストにして、サイバネティックマジシャンの効果を私(召喚師セームベル)にたいして発動するでしょー。これで私の攻撃力は2000になるよ。そしてさらに私にビックバンシュートを装備するんだよ。これで私の攻撃力は2400になるよ」

 

 ふむ、それでどうするんだ?…どうやってもこのターンで相手のライフは0に出来ない気がするが。

 

「そしてバトルフェイズに突入ー! まず、サイバネティックマジシャン(2400)でカオスソルジャー(2200)に攻撃。これで相手は200ポイントのダメージを受けるでしょ。次に私(2400)で守備表示のルイーズ(1500)を攻撃。私はビックバンシュートの効果で守備モンスターを攻撃した時、攻撃力が守備力を超えていた時に貫通ダメージを与えるから、相手に900ポイントのダメージ。そしてトドメに魂喰らい(1200)で相手に直接攻撃。これで相手のライフポイントは0に……」

 

「ならないよ〜ベルベル〜」

 

「……えーー!……そ、そんな訳ないよ!適当なこと、言わないでよ!」

 

 プノは親切に教えてくれたのに、その言い方はあんまりだぞ。

 

「いや、プノの言う通りだぞ。相手は100ポイントライフが残るぞ」

 

「そ、そんな訳……あーー! ホントだーー!」

 

 セームベルは適当な紙に計算式を書いて、ようやく相手のライフポイントが残ることを理解した。

 おいおい、詰めデュエルだったから良かったけど、ガチのデュエルで計算ミスはシャレにならないぞ。

 

「えーと、それならー。魂喰らいにもサイバネティックマジシャンの効果をビックバンシュートをコストにして発動して、3体のモンスターで総攻撃すれば……駄目だー」

 

 セームベルはその後、色々な方法を試した。しかし、なかなか答えには行きつかなかった。

 

 

 

 

「……おじさーん。これ難し過ぎるよーー」

 

 ……等々、泣き付いてきちゃったよ。

 おいおい、こんなのどう贔屓目に見ても下の中か上くらいのレベルだぞ。

 ……まぁとは言え、詰めデュエルは1度詰まったら、なかなか答えは出せないからなー……ヒントくらいは出してやるか。

 

「セームベル、ヒントを出してやるよ。この詰めデュエルでキーになるカードは、ズバリ、ビックバンシュートだ。ビックバンシュートを上手く使え」

 

「ほぇ……ビックバンシュート?」

 

 ビックバンシュートのカードがキーなのは予想外だったのか、かわいく「ほぇ」と言って驚いていた。

 因みにビックバンシュートは装備魔法で、装備モンスターの攻撃力を400ポイントアップする。そして守備モンスターを攻撃した時、攻撃力が守備力を超えていた時貫通ダメージを与える。そしてこのカードがフィールド上から離れた時、装備モンスターをゲームから除外する3つの効果を持っているカードだ。

 当然だがここでキーになるのは一番最後の効果だ。

 

「攻撃力アップ…貫通ダメージ…ゲームから除外……ん!……そうか、ビックバンシュートを相手のモンスターに装備させれば!……でも、サイクロンで破壊するとミラーフォースがフィールドに残っちゃう。だとしたら、大嵐を使えって事だよね。だったら……」

 

 ビックバンシュートの使い方を理解した途端、すらすらと解けてるみたいだ。

 

「……おじさん、今度こそ完璧に解けたよ!」

 

 ……流石にあそこまでヒントを出したんだから、解けたよな?

 

「まずは魂喰らいを攻撃表示で召喚。その後、伏せてある魔法カード、神秘の中華鍋を発動。私を生贄にして、私の攻撃力600分のライフポイントを回復。これで私のライフポイントは1100。

 さらにビックバンシュートを相手のカオスソルジャーに装備。……これで準備OK。

 手札から大嵐を発動するよ。このカードの効果で私と相手の魔法トラップカードは全て破壊される。コザッキーの自爆スイッチの効果で1000ポイントのダメージを受けるけど、私のライフは100残るから、なんにも問題ない。ビックバンシュートが破壊された事で効果発動。カオスソルジャーはゲームから除外されるよ」

 

 そう、俺がやって欲しかったのはこれだ!

 ビックバンシュートをわざと相手に装備して、その後ビックバンシュートをフィールドから除去する。ビックバンシュートがフィールドから離れた時、装備されているモンスターはゲームから除外される。

 一見、回りくどい方法かもしれない。だが装備カードが相手モンスターにも装備できる事、コザッキーの自爆スイッチの様に破壊される事で効果を発動するカードがある事、そして何よりセームベルも持っているビックバンシュートの様々な使い方となどが、よく分かると思ったから俺はこの詰めデュエルを作ったんだ。

 わざわざ、セームベルのデッキに入ってるカードを使ってな。

 

「そして手札のサイクロンをコストにして、サイバネティックマジシャンの効果を魂喰らいにたいして発動。これで魂喰らいの攻撃力は2000になる。そしてバトルフェイズにチェンジ。

 攻撃力2000の魂喰らいで守備力1500のルイーズを攻撃。

 攻撃力2400のサイバネティックマジシャンでライフポイント2400の相手にダイレクトアタック!

 ……これで私の勝ちだよね?」

 

「ああ、正解だ。……よく頑張ったなセームベル、偉いぞ」

 

 俺はそう言って、セームベルの頭を優しく撫でた。

 

「あははは〜嬉しそうだね〜ベルベル〜」

 

「……!! 子供あつかいする……!!

 

 

 

「セームベル、よく頑張ったね。偉い、偉い」

 

「……えへへーー。くすぐったいよ、お兄ちゃん……」

 

 

 

 ……お兄…ちゃん…」

 

「……えっ!」

 

 俺は驚いて、直ぐに手を引っ込めた。

 ……ずっとライズベルトの事は言わなかったから、もう少しは忘れたのかと思ってた。

 そんな事、ある訳ないのにな。 あんなに兄に懐いてたんだぞ!その兄が死んだ時には、あんなに泣いて悲しんでたんだぞ!

 ……ライズベルトの事を思い出させる様な行動を取るなんて、 俺はバカだ……大バカだ!

 

「……ゴメンね。ちょっとぼーとしてたみたい」

 

 空気が悪くなったのを悟ったのか、セームベルがそう言って来た。

 

「……あ、ああそうか。……なら他の詰めデュエルもやってみるか?」

 

「……うん。お願い」

 

 それを聞いた瞬間、俺は逃げるように詰めデュエルを作り始めた。

 ……それにしても。よくよく考えたらセームベルは、まだデュエルのやり方を覚えて1日ぐらいしか経ってないんだよな。……だとしたらセームベルは中々すごくねぇか?

 ……いや多分、興味ないって言ってただけで、実際はやって見たかったんだろうな。

 じゃなかったら、落ちてるカードなんて拾わないしなぁ。

 俺はその後も、同じぐらいのレベルの詰めデュエルをなん問か作ってセームベルに解かせた。

 1回目ので多少慣れたのか、そこまで苦戦してはしてなかった。

 

 

 

 

「みんなーーご飯だよーー!」

 

 トメさんの声を聞いて、いつの間にか飯の時間になっている事に気づいた。

 トメさんとおば…セイコさんの周りには、我先にと生徒達が群がっていた。

 因みに配ってたのは、謎のゼリー1個だった。

 当然俺たちは貰えないと思ってたが、トメさんとセイコさんのご厚意で1つだけ貰えた。

 俺は当然、2人に何度も頭を下げてお礼を言った。

 トメさんには「1つしかあげられなくてゴメンね」と謝られた。……マジでトメさんは良い人だと、身に染みた瞬間だったよ。

 ……まぁゼリーはプノとセームベルに半分ずつあげたから、俺は食ってないんだけどね。

 2人とも美味しかったって笑顔で言ってたよ……2人の笑顔が見れたんだし悔いはない。

 

 はらだ、てらおか、やまなかとかいう名前の3人を筆頭に「もっと食いたい」とか言って、暴動が起きかけた。

 でもオブさまが脅して黙らせてた。オブ様マジでカッコイイーー。

 そもそも俺は何にも食べて無いんだぞ! 少しは見習えってんだよ全く。

 ……まぁそれは取り敢えず置いておこう。

 今騒いでいた3人が、多分今日の夜にここから抜け出して、無表情の仮面、笑いの仮面、怒りの仮面に成るはずだ。

 別に止めるつもりはない。このまま原作通りに進まないと、確実に皆んな仲良く餓死だからな。

 だけどあくまでそれは俺が知っているGXの出来事であって、この世界で起こるなんていう保証はどこにもない。

 だからこそ、ここは俺が知ってる世界だと証明する為に、寝たふりして3人が抜け出すかどうか観察する。

 それを見届けるまでは絶対に起きてるぜ!!

 因みに皆んなのご厚意で、余っていた布団を3人分貸して貰いました。

 ほんと、GXは良い人が多くてマジで助かったぜ。

 ……それにしても、腹減ったなー。牛乳も飲みてぇ。

 ……ハングリーバーガーでも召喚して食ってみようかなー。

 

 

 

 

 深夜…………

 

「…zzzz」

 

「…お兄ちゃん…恐いよ…お兄ちゃん…」

 

「…痛い…痛いよ…お母さん……なんで私を叩くの…私何も…何も悪いことしてないのに…」

 

 未来くんは見届ける前に、爆睡してしまいました。

 




今日の最強カードはビックバンシュート。
装備カードで、装備したモンスターは攻撃力が400ポイントアップして、さらに貫通能力も得る事が出来るんだ。
ただし装備されているビックバンシュートがフィールド上から離れた時、装備モンスターはゲームから除外されてしまうんだ。
相手モンスターに装備して除去すれば、強力なモンスターでもゲームから除外出来るんだぜ。


いやーー、ようやく俺とライズベルトのデュエルが終わったなー。……我ながら、どうしてあんな事しちゃったんだろう。

「……絶っっっ体、アンタが馬鹿だからよ!」

「そうですよ。短パンさんは少しおかしいです」

そこまで言う事ないだろ。俺は……俺はただ、誰もしたことないような事をしたかっただけなんだよーーー!!

「あーそうですかー!……ところで、どうして投稿がこんなにも遅かったのよ!!」

仕方なかったんだよ! 最近は車の免許とか、親戚の家に新年の挨拶とかで忙しかったんだよ!
あっ!今更ながら、新年明けましておめでとう御座います。

「本当に今さらです!」

「最新パックを3箱買ってガキみたいに喜んでたのはどこの誰よ!!」

ココの俺だが!!

「そ、そんな堂々と言われてもです」

「……とーりゃ!」

は?……痛ってーー! な、何だよいきなり!

「お・し・お・き・よ」

そ、そんな理不尽な……ギ、ギャャーーーー!!



「あれれー。どうして僕の出番が無かったんだー……久しぶりに復活したのにー」

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