D-HEROと共に戦うデュエリスト   作:無言の短パン

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今回から台本形式は止めました。

「今さらかよ。さっさと台本形式から卒業すれば良かったのに、ホント短パンってバカだよな〜」

うるせー。仕方なかったんだよ!俺、まだまだ初心者だったんだぜ。

「言い訳してんじゃねーよ。・・・まぁいい。じゃあそろそろデュエルしようぜ」

待て!その前に1つ言いたいことがある。

「んだよ。今さらかよ取り消しか?んなの出来ねーに、」

ユベントスがアウェーでマンチェスターシティーに勝ったぜーーー。イャッホーー。

「はっ?」

最高の試合だったぜ。モ○タの芸術的なシュートといい、ブッ○ォンのスーパーセーブといい俺は今、最高に満足してるぜ。
それでは本編のスタートです。
ちなみにライズベルト(覚醒師)とのデュエルは後書きから始めます。

「遊戯王のssで、サッカーの感想言ってんじゃねーーよ」


あの頃の未来さんの方が、もっと輝いてました!!Byピケル

「み、未来、、、、さん」

 

 突然震えるような小さな声がした。

 声のした方を見るとピケル、クラン、ショナーがいた。

 

「あーん。ピケル、クラン、ショナーじゃないか。どうしたんだ、何故こんな所に入るんだ」

 

 俺は出来るだけ静かに、落ち着いた声でそう聞いた。

 

「そ、それはこっちのセリフよ。アンタが居なくなっていつになっても帰ってこないから心配して、探したのよ!」

 

「はーん、そうだったのか。そいつは嬉しいな。でっ、どうして2人はそんなにビクビクしてんだ?」

 

 ピケルとクランはさっきから、俺を恐ろしいモノを見るような目で見てきてんだ。

 

「ついさっき、キミが言った事を聞いたからだ」

 

 ついさっき?・・・ああ、アレか。

 そうか、だからそんなにビクビクしてんのか。

 

「さっき言ってた事は・・・冗談ですよね。」

 

「本気だけど。この狂った世界を俺の力によって1つに統一すれば、きっと平和な世界に成るだろう」

 

「そんな。どうしちゃったんです、そんな事を言うなんて。今の未来さん、おかしいですよ」

 

「おかしい、どこが?俺はいたって真面目だぞ。」

 

 こいつらは一体何を言ってんだ 。

 

「アンタ・・・どうしちゃたの。いつものアンタらしく無いわよ」

 

「いつもの俺・・・か。・・・あの頃の俺の方がおかしかったんだよ!!毎日が楽しくって、いつまでも続くとか思ってた俺が、この世界を舐めきってた俺がな。だから・・・だから、ライズベルトは・・・」

 

「未来さん!・・・そんな事無いです。あの頃の未来さんはおかしくないです!むしろ、今の未来さんがおかしいです!」

 

「そうよ。それにベルトだって、アンタのせいで死んだんじゃないわよ」

 

 こいつら・・・言わせておけば。

 

「黙ってろガキが!!知ったような口を聞くな!!」

 

 俺は大声で怒鳴った。

 2人は一瞬だけ怯んだ。だが直ぐ俺に言い返して来た、

 

「知ってるもん、少しの間だったけど一緒に居たからこんな事が言えるんですよ。今の未来さんより、あの頃の未来さんの方が、もっと輝いてました!!」

 

「今の未来はデュエルの事。ううん、自分のカードの事すらどうでも良いって目をしてる。デッキのカードを信じてデュエルするんじゃなかったの!」

 

 デッキのカードを信じる・・・か。昔の俺はそんな甘い考えだったな。

 だが今の俺は。

 

「・・・もうテメーらが知ってる未来はこの世に居ないんだよ!今の俺は勝てるならどんな事でもするリアリストだ!」

 

「いや違う。今の未来はいろいろ無理をしてるように見えるわ」

 

 無理だと・・・違う、これは俺の本心だ!

 俺は心の底から思って・・・・・・・る。

 

「黙れ、黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ、クソガキが。俺はテメーらの相手してる暇はないんだよ」

 

 俺にはこれからやる事が有るんだよ。

 ・・・もうこいつらの相手する必要は無いな。

 

「短い間だったけど・・・世話になったな。・・・あばよ」

 

 そう言って俺は、この場から立ち去ろうとした。

 

「待ってください。まだ話しは終わってないです!!」

 

「図星を突かれたからって、逃げるな!!」

 

 2人の怒鳴り声の直後、俺の体が全く動かなくなった。

 どうやら、ピケルとクランは俺に金縛りのような魔法を掛けてきたようだ。

 

「くそ、動けねぇ。テメーらいい加減にしろよ!」

 

 俺は2人を殺気をこめた目で睨んだ。

 

「まだ俺と話したいなら、俺とデュエルしろ!デュエリストにとって一番の会話はデュエルだろ」

 

「はぁ?バカなこと言ってんじゃ」

 

「本気だ!何、ここにはショナーが居るんだ、デュエルで負けても死なないようにする魔法をかけて貰えば死人は出ない。やるか、やらないか?さぁどうするんだ!」

 

 俺は2人を睨んだまま、大声で叫んだ。

 所詮こいつらはまだガキだ。少し脅せば怖がって何も出来なくなるだろう。

 そう思っていた。

 

「・・・分かりました。デュエルしましょう」

 

 ピケルは静かに呟いた。

 俺は内心驚いていた。まさかピケルが乗ってくるなんて思ってなかったからだ。

 

「なっ。ピケル、何バカな事言って」

 

 それはクランも同じようでピケルの事を諭そうとした。

 

「今の未来さんには、口で何か言っても無駄なんだよ。でも・・・でもデュエルなら、未来さんを正気に戻せるかもしれない!だから、だから私は未来さんとデュエルするの!」

 

 ピケル・・・お前。

 

「・・・そうね。今の未来を正気に戻せる方法はそれしか無いわ。・・・でもピケル1人じゃやらせないわ。・・・私も未来とデュエルするわ。私達2人のデュエルで、未来を正気に戻すわよ」

 

 クランは覚悟を決めたように言い放った。クランまで・・・。

 

「お、お姉ちゃん・・・うん!」

 

 ピケルはクランが共に戦ってくれ事が嬉しいのか、泣いていた。

 

「・・・俺とクランとピケルの3人でデュエルか・・・いいぜ2人まとめて瞬殺してやるよ」

 

 そう言って俺はデュエルディスクを構えた。

 正直、このダメージを負った体でデュエルはかなりキツイ。

 だが仕方ない。デュエルを挑まれた以上、デュエリストとして・・・。

 どうやら俺はまだリアリストに慣れてないみたいだな。

 この2人とのデュエルで、完全なリアリストに成ってやる。

 

 

 

 

 ショナーは俺達に、デュエルをしても死ななくなる魔法を掛けた。

 どうやらショナーはピケルとクランを信じて、デュエルには参加しないみたいだ。

 正直、厄介なショナーがデュエルに参加しなくてありがたいぜ。

 

「ルールは2対1、つまり俺は圧倒的に不利。さぁ始めようぜ、デュエルを!!」

 

「デュエル(だ、です、よ)!!」

 

 俺達3人のデュエルがはじまった。

 俺は絶対このデュエルは一切手加減はしねー。そう決めたんだ。

 

「先行は俺が貰った。ドロー。・・・D-HEROダイヤモンドガイを攻撃表示(1400)で召喚。更にダイヤモンドガイの効果発動」

 

 さて今回はどのカードがくるかな?

 

「引いたカードは・・・トラップカード、D-カウンター。・・・デッキの一番下に戻す」

 

 馬鹿な!俺が・・・外した・・・だと。

 俺がダイヤモンドガイの効果を外した事は、数える程しかないのに。

 どうなってんだよクソ。

 

「くっ、これでターンエンド」

 

 くそ、最先悪いな。

 

「お姉ちゃん。先に私がいくね」

 

「分かったわ!頑張って」

 

「うん。私のターン。カード、ドロー。・・・エンシェントエルフを攻撃表示(1450)で召喚します」

 

 エンシェントエルフか。確か魔法使い族でバニラモンスターだったな。

 ピケルのヤツ、そんなクズカードまだ入れてたのか。

 やはりピケルは、警戒する必要は無いな。

 

 ピケル「カードを一枚伏せます、これでターンエンドです」

 

 

「次は私のターンよ。ドロー。・・・連弾の魔術師を攻撃表示(1600)で召喚。知ってると思うけどこのモンスターが私のフィールドに存在する限り、私が通常魔法カードを発動する度にアンタは400ポイントのダメージを受けるのよ」

 

 んな効果ぐらい知ってんだよ。馬鹿にすんな。

 2対1のルールなので、相手にダメージを与えるカードを使ってもピケルはダメージを受けない。

 くっ、やはりダメージデッキのクランは危険だな。最初にクランを倒すべきだな。

 

「手札からファイアーボール発動。このカードの効果で500ポイントのダメージを受けるのよ」

 

 マジかよ、いきなりファイアーボールかよ。

 空から、ファイアーボールが俺目掛けて落下してきた。

 

 俺「うぁーーー」

 

 俺のライフは500ポイント減り、3500になった。熱い。

 

「まだよ。連弾の魔術師の効果で更に、400ポイントのダメージよ」

 

 連弾の魔術師の周りに浮いている玉のような物が、俺目掛けて飛んできた。

 玉は俺に当たった瞬間、爆発した。

 

「ぐはぁ」

 

 俺のライフは400ポイント減り、3100になった。

 くそ・・・身体が痛え。

 

「カードを一枚伏せる。これで私はターンエンド」

 

 

 

 俺のフィールド

 モンスター

 D-HEROダイヤモンドガイ(攻撃表示)1400

 手札5枚

 ライフ3100

 

 

 

 

 ピケルのフィールド

 モンスター

 エンシェントエルフ(攻撃表示)1450

 伏せカード1枚

 手札4枚

 ライフ4000

 

 

 

 クランのフィールド

 モンスター

 連弾の魔術師(攻撃表示)1600

 伏せカード1枚

 手札3枚

 ライフ4000

 

 

 

 

「俺のターン、ドロー。ダイヤモンドガイの効果発動。・・・引いたカードは・・・D-HEROドレッドガイ、デッキの一番下に戻す」

 

 2回連続で外した・・・だと。こんな馬鹿な!

 

(未来さんがダイヤモンドガイの効果を2回連続で外しました。いつも通常魔法を引いていたのに、信じられないです)

 

 ピケルは驚いた顔で、俺の事を見つめている。

 どうしたんだよ俺。俺に運が無いのか?

 それとも・・・デッキのカードが。・・・いやカードは関係ない。ついてなかっただけだ!

 

「ダイヤモンドガイを生贄に、D-HEROダブルガイを攻撃表示(1000)で召喚」

 

「レベル6で攻撃力1000のモンスター?多分、何か特殊な効果を持ってる、油断しないでピケル」

 

「手札からフィールド魔法発動、ダーク・シティ」

 

 俺たちの周りから、黒いビルが大量に出てきた。

 

「そのカードは!!」

 

 ショナーは覚えてるみたいだな。まぁ当然か。

 

「バトルだ。ダブルガイでエンシェントエルフを攻撃、デスオーバーラップ」

 

「何故攻撃するんですか?攻撃力はダブルガイの方が低いのに」

 

「ピケル、あのフィールド魔法の効果、忘れたの。D-HEROが攻撃力の高いモンスターと戦闘する時、戦闘するD-HEROの攻撃力を1000ポイントアップするのよ」

 

 ああそうだ、クランのヤツよく覚えたな。

 

「そうゆう事だ。ダブルガイはダークシティの効果で攻撃力が1000ポイントアップして攻撃力2000だ」

 

 ダブルガイ(2000)の攻撃でエンシェントエルフ(1450)は破壊された。

 

「ううーー」

 

 ピケルのライフは550ポイント減り、3450になった。

 

「ピケル、大丈夫!」

 

「う、うん平気だよ」

 

「まだだ、ダブルガイの効果発動。ダブルガイは1度のバトルフェイズで2回攻撃が出来る。ダブルガイで連弾の魔術師を攻撃、デスオーバーラップ。ダーク・シティの効果で攻撃力は2000だ」

 

 ダブルガイ(マッチョの方)の攻撃で連弾の魔術師は破壊された。

 

「うっ・・・。このくらい大した事ないわ」

 

 クランのライフは400ポイント減り、3600になった。

 

「カードを2枚伏せる、これで俺は、ターンエンド」

 

 

 俺のフィールド

 モンスター

 D-HEROダブルガイ(攻撃表示)1000

 フィールド魔法 ダーク・シティ

 伏せカード2枚

 手札2枚

 ライフ3100

 

 

 

 

 ピケルのフィールド

 モンスター無し

 伏せカード1枚

 手札4枚

 ライフ3450

 

 

 

 クランのフィールド

 モンスター無し

 伏せカード1枚

 手札3枚

 ライフ3600

 

 

 

「私のターンです。カード、ドロー。・・・私はわたし自身・・・白魔導師ピケルを守備表示(0)で召喚します」

 

 ピケルのフィールドに、ピケルが出てきた。

 前の俺ならピケルが2人も居たら、興奮したかもしれない。

 だか、今の俺はなんとも思わない。

 

「この瞬間、伏せカード発動。ライバル登場!。このカードは相手フィールドのモンスター1体と同じレベルを持つモンスター1体を私は手札から特殊召喚できるのよ。私はピケルの白魔導師ピケルを選択、これで私はレベル2のモンスターを特殊召喚できるわ」

 

 ライバル登場!か・・・。カードデザインが好きだったな。

 レベル2のモンスターか・・・おそらく召喚するとしたらあのカードだろうな。

 

「来てわたし・・・黒魔導師クラン」

 

 クランのフィールドにクランが守備表示(0)で出てきた。

 ピケルとクランが合計4人か・・・癒され・・・おっと、何考えてんだ俺。

 クソ、ピケルとクランが可愛くてデュエルに集中出来ない。

 クソ、完璧なリアリストになるんじゃ無かったのかよ。

 

「私は、手札から魔法カード発動です。治療の神ディアンケト。この効果で私のライフポイントを1000ポイント回復します。これで私のライフポイントは4450ポイントです」

 

 ピケルの後ろにババア(ディアンケト)が出てきて、光の粒の様な物ををピケルに浴びせた。

 クソ、いきなりそんなババア出すなよ。気分が悪くなった。

 だがババアのおかげで、かわいいカードえの気持ちが冷めた。

 良かった。これでデュエルに集中出来る。ありがとなババア。

 

「カードを一枚伏せます。これで私は、ターンエンドです」

 

「私のターン、ドロー。・・・!このカードは・・・。このカードなら」

 

 クランはドローカードを見て、そう呟いた。

 何だ?何を引いたんだクランのヤツ。

 

「黒魔導師クランの効果発動。相手フィールドのモンスター1体につき、相手に300ポイントのダメージを与える。未来のフィールドにはダブルガイが1体。よって300ポイントのダメージよ。くらいなさい」

 

 黒魔導師クランは持ってる鞭で俺の事を叩いた。

 クソ、痛いな。そういえばクランにもよく鞭で叩かれたな。

 あの頃が懐かしいな・・・。

 俺のライフは300ポイント減り、2800になった。

 

「手札から魔法発動、早すぎた埋葬。ライフを800ポイント払う事で、墓地の連弾の魔術師を私のフィールドに特殊召喚してこのカードを装備するわ」

 

 連弾の魔術師を復活させたか。だがそれに何の意味が?

 

「黒魔導師クランと連弾の魔術師を生贄に・・・氷の女王を攻撃表示(2900)で召喚」

 

 なっ、氷の女王だと!

 

「そ、そのカードは!確かお姉ちゃんが未来さんから貰ったカード」

 

 ああそうだ。氷の女王は俺がクランにやったカードの一枚だ。

 クソ、そのカードを出して来んのかよ。

 

「ええそうよ。このカードは未来から譲り受けたカードよ。このカードで未来の目を覚まさせるわよ」

 

「バトル。氷の女王でダブルガイを攻撃、コールドブリザーーード!!」

 

 氷の女王は杖から、凄まじ威力の吹雪を出して来た。

 ダブルガイはダーク・シティの効果で攻撃力が2000になったが、氷の女王の2900には太刀打ち出来ず破壊された。

 

「うぁーーーーーー。・・・」

 

 俺は吹雪をくらってその場に倒れた。クソ、何て威力だよ、身体が凍えそうだ。

 俺のライフは900ポイント減り、残り1900になった。

 

「未来、思い出して!アンタが私達と過ごした日々を、このカードをくれた時の事を!!今の未来は本当の未来じゃない、ただ無理してるだけ。ねぇお願い、昔の未来に戻って!!・・・戻ってよ」

 

 クランは俺が倒れてる時に、俺への思いをぶつけて来た。

 見えないがたぶん、最後の「戻ってよ」を言った時は泣いていたと思う。

 無理してるか・・・んなこた、分かってんだよ。だけど。

 

「クラン・・・・・・・悪いな、俺はもう戻れねーんだよ」

 

 俺は冷たく静かに言い放ち、立ち上がった。

 

「そ、そんなどうしてですか?どうして!!」

 

 クランの本心からの発言に黙ってたピケルも疑問だったのかそう言ってきた。

 ・・・ゴメン、本当にゴメンな2人とも。俺はもう・・・。

 

「・・・もうする事が無いなら、ターンエンドしろよ」

 

 俺はピケルの言った事を無視して、クランに冷たく言い放った。

 

「っ!・・・私はこれで、ターン・・・エンドよ」

 

 クランはショックを受けたようで、涙目でそう呟いた。

 

 

 

 俺のフィールド

 モンスター無し

 フィールド魔法 ダーク・シティ

 伏せカード2枚

 手札2枚

 ライフ1900

 

 

 

 

 ピケルのフィールド

 モンスター

 白魔導師ピケル(表側守備表示)0

 伏せカード2枚

 手札2枚

 ライフ4450

 

 

 

 クランのフィールド

 モンスター

 氷の女王(攻撃表示)2900

 伏せカード1枚

 手札2枚

 ライフ2800

 

 

 

「・・・俺のターン、ドロー。ダブルガイの効果発動、戦闘で破壊された時次の俺のスタンバイフェイズに俺のフィールドに2体のダブルガイトークン(攻/守1000)を特殊召喚する」

 

 ピケルもクランも俺から言われた事がショックだったのか、特に何も言わなかった。

 

「・・・D-HEROデビルガイを召喚。3体のモンスターを生贄に、ブルーディーを攻撃表示で特殊召喚」

 

 ・・・何だろうな。ブルーディーを召喚した途端、今まで迷ってた事がどうでも良くなっちまった。

 

(そうだ、お前は覇王になるのだろう)

 

 そうだ俺はこれから覇王になるんだ。こんなザコ共といつまでも遊んでる訳にはいかないよな。

 

 ああ、そういえばそうだったな。ショナーとのデュエルはとっても楽しかったなー。

 

「ブルーディーの効果発動。相手のモンスター1体を吸収して、そのモンスターの攻撃力の半分とモンスター効果を得る。ブルーディーが吸収するのは氷の女王だ!いけブルーディー、グラプティーブラッド」

 

 これでブルーディーの攻撃力は、氷の女王の攻撃力の半分1450ポイントアップして、3350になった。

 今、クランのフィールドはガラ空きだ。ブルーディーのダイレクトアタックで、クランのライフはゼロになる。

 クランさえ倒せば、ピケルは瞬殺出来る。

 2人を倒した瞬間、俺は身も心も覇王になれそうだぜ。

 

「バトルだ!ブルーディーでクランにダイレクトアタック。クラン、この攻撃でお前のライフはゼロだ。ブラッディーフィアーズ」

 

 ブルーディーは両方の翼からクランにむけて、針のように先の尖った血の塊を大量に放った。

 

 

「あ・・・ああ・・・」

 

 クランは絶望して諦めた顔をしていた。よし、このデュエル貰っ

 

「させないです、伏せカード発動。トラップカード、絆の守護神」

 

 何だそのカードは、聞いた事もないカードだぞ。

 

「プレイヤーがダイレクトアタックを宣言した時に発動出来るカードです。ダイレクトアタックを受けるプレイヤーのダメージを半分にして、ダメージを受けたプレイヤーはダメージを受けた攻撃力以下の攻撃力を持つモンスター1体を選択して特殊召喚出来ます。絆の守護神、お姉ちゃんを守って」

 

 クランの前に石像が出てきてブラッディーフィアーズを半分受けた。

 残りのブラッディーフィアーズがクランを襲った。

 

「うぁっ・・・」

 

 クランのライフは3350の半分1675のダメージを受けて、残り1125になった。

 

「ピケルの絆の守護神の効果発動。私の墓地の連弾の魔術師を守備表示(1200)で特殊召喚するわよ」

 

 クランの前にあった石像の中から、連弾の魔術師が出てきた。

 クソ、仕留め損ねたか。

 

「ピケル・・・ありがとう、助かったわ。私、未来に言われた事がショックで・・・」

 

「うん、大丈夫だよ、お姉ちゃん。分かってから」

 

 はっ、お涙ちょうだいの姉妹愛を見せられたぜ。くだらねえ。

 クソ忌々しい、ピケルのせいでクランを仕留め損ねちまったよ。

 はっならばこのカードで、貴様らを絶望のどん底に叩き落としてやるよ。

 

「手札から魔法カード発動、D-フォース。俺のデッキの上に、このカードを表側表示で置く。これで俺はターンエンドだ」

 

 

 

 

 俺のフィールド

 モンスター

 D-HEROブルーディー(攻撃表示)3350

 フィールド魔法 ダーク・シティ

 伏せカード2枚

 手札0

 ライフ1900

 

 

 

 

 ピケルのフィールド

 モンスター

 白魔導師ピケル(表側守備表示)0

 伏せカード1枚

 手札2枚

 ライフ4450

 

 

 

 クランのフィールド

 モンスター

 連弾の魔術師(表側守備表示)1200

 手札2枚

 ライフ1125

 

 

 

 D-フォースとブルーディー。この2枚のカードがあれば・・・。

 もうこのデュエル、俺の勝ちは決まったようなものだ。

 

(そうだ、お前は勝てる。そしてお前がこのデュエルに勝った瞬間、お前は完全な覇王になる)

 

 ああ俺は・・・覇王になるんだ!!




デュエルの勝敗は、未来はどうなってしまうのか?次の投稿をお楽しみに。

「さて、今度こそ俺とデュエルだ!」

待て。まだルールを説明して無かった。

「今さらかよ!」

ルールはマスタールール2を適用するからな。
簡単に言えばペンデュラムは無しで、先行ドローは有りた。
あと普通のデュエルなので、モンスターは実体化しないから。

「テメー。絶対に、手抜きしたいだけだろ!」

ち、違うぞ。それじゃあ次回で・・・デュエルだ!

「これだけ引っ張っといて、ふざけんなー」

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