その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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大変長らくお待たせしました。


同類

 

 

 

 

「ホントに何も知らないんだな?」

 

「だから言ってるでしょ。あの時起きた事は見ていた私でも何が何だが分からなかったんだって。」

 

ゴルドドライブを倒した日から数日経ったこの日、退院した悠はラボの中でずっと気にしていた一件について上司から問い詰めていた。

 

「にしても本当になんだったんだろうね。私から見たら君を助けたように見えたんだけど。」

 

「俺からしたら何が起こったか全然なんだよな。いきなりゴルドドライブが壁にめり込んだと気付いた時には外に連れ出されていたわ、見られて困るベルトの類が家のガレージに置かれていたわでさ…。」

 

「それらから考えられるのは、君を助けた何者かは君の素性を知っている人物。と、言う事になるよね自然に考えれば。」

 

ゴルドドライブに止めを刺されそうになったあの時、ゴルドドライブを吹き飛ばし重傷の悠を外に連れ出したと思われる謎の人物。仕舞いには所持品でもあるベルトはおろかバイクまでガレージに置かれていたことから相手は悠の素性を知っている人物と言う事になる。

 

「私もあの時の映像を何度も繰り返して観たけどやっぱりほんの一瞬だったんだよね、敵がいきなり吹っ飛んで少ししたら君が消える様に居なくなった。…まるでそれらを見えない速さで行ったかのようにね…。」

 

「目に見えない速さ……そして、俺の素性を知っていると言う事は……。」

 

「…まぁとにかく私はもう一度見落としが無いか調べてみるよ。もしかしたら味方だと思わせて此方を油断させようとする転生者の仕業かもしれないし。」

 

「あと例の転生者の件もね、此方でも出来る限り調べてみるけど。」

 

電話を切り携帯をデスクに置いた悠は先程の謎の人物に付いて目を閉じながら思考に耽っていた。

相手は限りなく限られた人物。それが敵か味方かと言う問題が今の悠にとってこれからの戦いを左右すると言っても過言ではない。

 

<話は終わったのかね?>

 

自分の世界に入って考えていた悠だが声を掛けられた方へ視線を向ける。そこには台座に取り付けられたドライブドライバーことクリムが悠の元に近ずいて来た。

 

「まぁね。依然として謎に包まれた奴と言う事が分かったくらいだ。」

 

<キミの素性を知っている人間となると我々から除いたらキミが言ってた小金井 竜二と言う仮面ライダーぐらいしか居ないようだが、もしその小金井 竜二が組織に素性を言ったとしても態々キミを助ける様なマネは絶対に無いだろうね。>

 

「だろうな…。」

 

悠はその時どこぞの銀髪の王女の顔が頭に浮かんだが彼女は此方の事情は知らず、あのような事は出来ない筈なので対象から外れた。

 

<あとキミに言われてた番堂 天治のアジトだが、思って通り証拠隠滅させられてたよ。現地のシフトカー達が捜索してるが文字通りもぬけの空だそうだ。>

 

「簡単に尻尾は掴めないか…何か収穫有ればと思ったんだが高望みしすぎたか…。」

 

<向こうもその辺りは徹底してると言う事だ。どうする?もう少し捜させてみるか?>

 

「あぁ、何でもいい。少しでも何か見つかったら連絡するように言っておいてくれ。」

 

<了解した。>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<あぁそういえばそろそろ冷蔵庫の中の食材が尽きかけてるから買い出しに行った方がいいぞ?>

 

「…何で家の冷蔵庫の現状知ってるんだよ…。」

 

<私はキミのサポートをする為に生まれたAIなのでね、戦闘はもちろん私生活に置いてもその役割は適用されるのだ。

キミがとっておいたアイスを赤城が盗み食いするのを取り押さえる様にシフトカー達に伝えたようにね…。>

 

「ち、違うんです!これは、その……毒見!もしかしたら敵が悠さんを亡き者にするための罠かと思って!」

 

クリムがジャスティスハンターと葛巻にした赤城を引きずってるフッキングレッカーを呼び出して満足げに笑っていた。

 

「グッジョブだ、クリム。」

 

<ハハッ、この程度ノープログレムだ。>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商店街にて

 

 

 

 

「…なぁ若葉。それやっぱ無理だろ。腕プルプル震えてんぞ。無理しないで重いのこっちに渡しなさいって。」

 

「…大丈夫だ。この感覚…悪くない。」(プルプル)

 

「いや大丈夫じゃねえし。見栄え的に俺が悪く見えるし。」

 

悠が街へ食材の買い出しに行こうとした時偶々家に来ていた若葉が一緒に付いて行くと言って来たので断る理由も無く好きにさせたのだが、買い出しが終わりいざ帰ろうとした際に何故か食材が詰まった重いビニール袋を片手で一つずつ持つ若葉に頭を悩ませていた。

 

「全く。ホレ、いいから渡しなさいっての。」

 

「あ……。」(しょぼん)

 

「なんでそこで落ち込むんだよ。

……あぁじゃあ分かった。あれだ、今日カレー作ってやっから、な?」

 

「それならば辛さは激辛で頼む。」

 

「…お前はどんだけ自分をいじめたいんだよ…。」

 

「アレ?アナタ…。」

 

悠が若葉から半ば強引にビニール袋を取り落ち込んだ若葉を慰めていた時に後ろから声を掛けられる。

 

後ろを振り向くと以前水上運動会で顔を合わせたハルナと一誠が制服姿でそこに居た。

 

「やっぱり灰原君だったのね。買い物?」

 

「まぁそんなとこ。そういう二人は休日だってのに制服でデート?変わってるねぇ。」

 

「冗談。こんな変態とデートなんて死んでもご免よ。」

 

「ヒデェな桜井…ん?その子…。」

 

「若葉だ。」

 

「…それだけじゃ伝わらないでしょ…あー、一応こいつも親戚の関係でね、今日は偶々買い物に付き合ってくれたんだ。」

 

「…へぇー、そうなの。(この子の名前……やっぱりこの男…)」

 

「お前どんだけ親戚居るんだよ!?しかもまた美少女とか羨ましすぎだろ!」

 

悠が若葉との関係を話してるなか一誠は声を荒げ自身の胸中の思いを叫ぶが対するハルナは悠に対し一つの確信を掴んだ。

そんなハルナは悠に話しかける。

 

「ねぇ、少し時間大丈夫?もしよかったらお茶でもしない?」

 

「何!?あの桜井が逆ナンだと!?」

 

「何言ってんのよバカ、若葉ちゃんも含めての交流よ、交流。それにこっちもそろそろ休憩したかったしね。

それで、どうかしら?」

 

「…どうする?」

 

「私は構わないぞ。」

 

「……まぁ夕飯の支度までなら構わないが…。」

 

「なら決まりね、そこのファミレスにでも入りましょ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハルナの提案によってファミレスの中に入り、店員に案内された席には悠と若葉が座る向かい側にハルナと一誠が向き合って座っていた。

 

「取りあえずドリンクバー頼んどく?」

 

「あぁ、構わない。」

 

「大丈夫だ。」

 

「フーー。やっと座れたぁ、今日一日歩きっぱなしだからなぁ。」

 

「一日中って…制服姿で一日街を歩いてたのか?」

 

「えぇそうよ。私達が転生悪魔って事は知ってるでしょう?ちょっと今ごたつきがあって忙しい身なのよ。」

 

「おい桜井、言っていいのかよそれ…。」

 

「別に良いじゃない?悪魔はおろか堕天使や天使については世間に知られてんだし、私達が何やってるか具体的に言わなければ問題無いわ。」

 

「それもそうだけど…。」

 

「…まぁ君達が休日まで使って忙しいって事がよく分かったよ。」

 

ハルナが愚痴を少し言った所で店員が注文を聞きに来て一旦話はそこで途切れる。

人数分のドリンクバーを頼みそれぞれが飲み物を注いで再び席に着き一誠が若葉に話しかける。

 

「そういえば若葉ちゃん。灰原の親戚ならあの子の事知ってる?」

 

「あの子とは…誰だ?」

 

「あぁほらその…おっぱ、ゲフンゲフン、胸の大きいあの子…。」

 

「言い直しても聞く内容最低だからアンタ…。」

 

「胸の大きい……心当たりが多すぎて分からない…。」

 

「そうかぁ。せめて名前くらいはと思って……ん?ちょっと待って、心当たりが多すぎる?」

 

「うむ。」

 

「…てことは、灰原の親戚って巨乳の女の子が一杯?」

 

「…まぁ、そうなるな。」

 

(それ、お前のセリフじゃねぇだろ。)

 

「何だとッ!?あのロリ巨乳だけじゃ無くその他にも巨乳の女の子が一杯居るだとッ!?」

 

「全てではないが約半数は巨乳だな。」

 

「クッソーーーッ!羨ましすぎんだろッ!……いや待て、今ここで灰原と仲良くなれば……なぁ灰原!オレとダグガッ!?」

 

「うるさい!店の中で騒ぎ過ぎよ!」

 

「お前も少し喋り過ぎだ。」

 

「んぐっ!?」

 

立ち上がって悠に何か言おうとした一誠だったが隣にいたハルナに頭を殴られる事で大人しくなり、悠も此方の事について少し喋り過ぎの若葉の頭に軽く拳骨程度に殴ったがその際に”悪くない。だがもう少し…”と呟いた若葉をあえて無視した。

 

(全く……ん?)

 

ふと悠の目に写ったのは殴られた頭を抑えてる一誠の隣に座ってるハルナがさり気無く一誠の飲み物に小さい粒状の薬の様な物を入れようとしていた。思わずハルナに声を掛けようとした悠だったが此方を見るハルナの目には”何も言うな”と言う無言のプレッシャーを受けて一瞬止まった隙にハルナは薬を入れた。

ハルナが自分の飲み物に薬を入れた事を知らない一誠は一先ず喉の渇きを潤そうとコップを手にし中のジュースを一気に口にして直ぐだった。

 

「ぬぐぅっ!?」

 

「どうしたのよ、兵藤。」

 

「わ…悪い。ちょっと、トイレ…おぉぉゥ。」

 

突然顔を青くし腹を抱えながらよろよろと小刻みに歩いていく一誠。あの様子からすると相当切羽詰まってる様である。

 

「フー、ようやく邪魔者抜きで話せるわね。」

 

一誠の姿が見えなくなってハルナが一息吐いた後口を開く。

 

「今彼に何を飲ませたんだい?」

 

「あぁアレ?私特性に調合した下剤よ。アレ飲んだら暫くトイレに籠りっきりだから落ち着いてゆっくり話が出来るわ。」

 

「その言い振りだとまるで彼に聞かれちゃ困る話に聞こえるけど。」

 

「えぇそうよ、例えば…。」

 

ハルナは悠の隣に座っている若葉に目をやる。

 

「この子の若葉って名前、1900年代に造られた日本の軍艦の名前と一緒なのよね。あの時海で見た子達の名前も調べて見たら皆軍艦の名前だったのよ。」

 

「…君が話したい事って、ウチの親戚に付いて聞きたいのか。」

 

「それもあるわ。でも何より知りたいのはアナタの方なの。」

 

「俺か?」

 

「単刀直入に言わせてもらうけど………アナタ転生者?」

 

少し間を開けて悠に付いて率直な問いを投げたハルナ。

ハルナが下手な勘繰りをせずに直接聞いてきたのは水上運動会の時に見た朧達が生前当時流行ってたPCゲームに出て来たキャラクターと同じ容姿で有る事とあれから悠の学園に転校した微妙な時期から悠が転生者である可能性が高いと判断しての行動であった。

 

そんなハルナの問いに悠は

 

「………そうだと言ったら?」

 

「…否定しないのね。」

 

「特に隠す必要もないから正直に言ったまでだ。」

 

暫くその場に沈黙と緊迫した空気が漂っていたが、悠はハルナの問いに包み隠さず正直に答えた。

 

「…そう。」

 

「それで?俺が転生者であることを聞いてどうするつもりだ?」

 

「別にアナタをどうこうしようとか考えてないわ。ただ海で見たあの子達を見てアナタが転生者かもしれないって思って思い切って聞いてみただけよ。」

 

「そう。」

 

「………っは~~~~。取りあえず同じ存在に会えて嬉しいわ。正直この世界もうアタシが知ってる原作とは全然別物になってるから不満を言おうにもずっと言えなくてどうかしそうだったのよ。」

 

「まさか愚痴を聞いてもらう為に態々こんなマネをしたってか?」

 

「まさか、此処からが話の本題よ。」

 

大きく息を吐いて、自身の予想が当たっていた事と同じ転生者と言う存在に巡り合えた安堵からかハルナの顔は今現在見た中でリラックスしていた顔だった。

だが話の本題を切り出すと表情が一変し真剣みを帯びた顔つきになった。

 

「アナタ、仮面ライダーって知ってる?」

 

「今噂になってるアレの事か?」

 

「えぇ。ソイツも転生者らしいんだけど今三大勢力が捜してる真っ最中なのよ。」

 

(…それなら私の隣に居るのだがな。)

 

「そうか。だが生憎俺はソイツについて知らない。」

 

「そう。それならそれでいいわ。もし何か分かった事が有ったらアタシに教えて頂戴。」

 

「構わないが、下手に俺を巻き込まないでくれよ?俺は問題無く過ごしたいんだ。」

 

「大丈夫よ。その辺はちゃんと約束するわ。

それと時にアナタが転生した時の特典って、この子?」

 

「…まぁ一応ね…。」

 

「ふーん。海で見た子達もあんなちっちゃい子達だったけど…もしかしてロリコン?」

 

「いんやアイツ等だけじゃないぞ、他にもまだ居る。」

 

「他って…どんな?」

 

「それは……若葉頼む。」

 

「私達駆逐艦や軽巡洋艦、重巡洋艦、航空空母、戦艦、潜水艦、あと特務艦と呼ばれる非戦闘の奴も居るな。」

 

「だ、そうだ。(お蔭で名前覚えんのすっごく大変だった。)」

 

「何よソレ、全部いるとか…アンタ戦争でも始める気?」

 

「イヤ全然。くじ引き引いてコイツ等が勝手について来た。」

 

「アンタもくじ引きなんだ…ねぇ若葉ちゃん。貴方達から見て灰原君ってどう?兵藤みたいに下品な目で貴方達を見てない?」

 

「おい、何だその質問は。」

 

「そう言ったのは特に無いな。この間川内が夜戦しようと言って来た所、悠は模擬戦の夜戦と勘違いしてたからな。」

 

「…ちょっと待て。アレ俺の勘違いだったら一体どういう意味での夜戦だったの、ねぇ?」

 

「ふーん、学校での噂通りモテてんのねぇアナタ…。」

 

その後一誠がトイレから戻って来るまでハルナと話してた悠だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…良かったのか?悠。」

 

「何がだ?」

 

ファミレスからの帰路についてる悠と若葉だったが突如話しかけた若葉に悠達は足を止める。

 

ハルナとの転生者同士の話し合いはあの後これと言った重大な話も無くただ時間だけが過ぎて行きトイレから出て来た一誠が未だ顔を青くした状態で帰って来たところでお開きになって今に至る訳である。

 

「あの女に安々と正体を口にして…。」

 

「あぁその事。それなら大した問題じゃないよ、下手にバレたら記憶を消せば良いし、何よりアレは俺の事を転生者と思ってるだけでライダーで有る事に何の疑いも持って無いよ。」

 

「…何故そう自信満々に言える?」

 

「長年の経験ってヤツ。目を見ればわかるよ。

それにあの女と繋がりを持つのは此方にとっても悪くない。現にアイツの口から此方にとって有力な情報を聞けたしね。」

 

「悪魔を襲ってる魔獣とやらか?」

 

「あぁ。」

 

悠はハルナと話してる内に警戒心が薄まったのを見計らってハルナ達が追ってるであろう仮面ライダーについて聞き出したのだ。

機嫌が良かったのかハルナは悠が好奇心から仮面ライダーについて聞いて来たのかと思い、自身が初めて仮面ライダーを見た時から今に至るまで全て話したのだ。

枷が外れた様に喋るハルナに悠は再度質問した、今日も仮面ライダーを追ってるのかと。聞かれたハルナはこう答えた。

 

『それもあるけど今は見回りがメインって感じね。』

 

『見回り?』

 

『えぇ、何か見た事も無い魔獣が突然現れて悪魔や堕天使を襲ってるって話が出て来たの。しかも襲われた悪魔から魔力を奪い取ってね。だからその所為で私達休日だってのに街の見回りやらされてる訳。』

 

『…ふーん。』

 

ハルナからの魔獣騒ぎに悠は心当たりが有った。

ロイミュードと同じく敵の転生者である大臣が造り出した怪人、ファントムの事を

 

「アイツの言ってた魔獣は恐らくファントムだ。魔力奪い取るなんて芸当は無い筈なんだが奴らがそのくらいの芸を覚えさせるのは難しくは無いだろう。」

 

「でも何で魔力なんてモノを?…」

 

「さぁそこまでは…でも集めてる以上何か目的が有る筈だ。…何か。」

 

ドクターこと番堂 天治は悠のデータを集める為にロイミュードを造った。ならばファントムを生み出した大臣は悪魔から魔力を奪い取るのが目的で生み出したのならば奪い取った魔力はどう使うのか、それさえ分かれば奴等の企みは阻止できる。

 

「まぁにしても今日ついて来たのがお前で良かったよ。他の奴だと俺に合わせられなくて最悪嘘がバレるかもしれなかった。」

 

「ならご褒美に是非激辛カレーを…。」

 

「せめてもう少し子供らしいモノをねだりなさいよキミは…。」

 

そんなやり取りをしてるなか突如悠の携帯から着信音が鳴り響き、画面を見てみるとクリムからの電話だった。

 

「どうした?クリム。」

 

<先程パトロールをしているスパイクから連絡が有った。ファントムと思われる怪人が暴れてるらしい。>

 

「場所は?」

 

<キミが今居る場所からそう遠くない。詳しい地点はそちらの携帯に送る。>

 

その直後に携帯の画面に赤い印が印された地図画像が写りだし悠はロックビークルである[ローズアタッカー]を開錠しバイク形態へ変化させる。

 

「若葉。重いけどコレ持って先帰ってろ。」

 

「大丈夫だ。問題無い。」

 

「……やっぱり誰か来るのを待ってここに居ろ。確か家に赤城が…。」

 

携帯にメールを送った後ローズアタッカーに跨りアクセルを回して地図に示された地点へ走る悠。

 

人通りが少ないと確認しバイクを走らせながら腰に戦極ドライバーを装着する。

 

「変身!」

 

<< ブラッド・オレンジ! >>

 

<< LOCK・ON >>

 

<<ブラッド・オレンジアームズ! 邪ノ道・オン・ステージ!>>

 

カッティングブレードを倒し上から来るアームズを被って武神鎧武へ変身。

ローズアタッカーを操りファントムが居る現場へ向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡り

 

「~~♪」

 

「……なぁ桜井。何かお前急に機嫌良くなってるけど、何かあったのか?」

 

「別に。大した事じゃないわよ。」

 

ハルナと一誠は見回りを再開し、先程までとは様子の違うハルナに一誠は困惑していた。

 

ハルナからすれば今までずっと抱え悩んでた転生者特有のストレスをありのまま吐き出せる存在に出会えた為に転生してから言いたくても言えない愚痴を悠に吐き出せたことが今のハルナを上機嫌にさせている理由だった。

 

(にしても案外イイ奴ね灰原君、私の愚痴話ちゃんと最後まで聞いてくれたし。)

 

(こんな機嫌のイイ桜井初めて見るぞオイ。…もしかして桜井も灰原に!?)

 

溜まってた鬱憤を晴らしたハルナを見て一誠はとんだ思い違いをするがハルナと悠の事情を知らない一誠からしたらそう勘違いしても仕方ないことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウ゛ゥゥゥゥゥゥ…。」

 

 

 

 

影から獲物を見る目で見られてる事に二人は気付いてなかった。

 

 

 


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