お待たせしました!
これから激しく加速していく物語をどうぞごゆっくり。
油断はしてないつもりだった…。
相手の力量は分からずとも一瞬の隙を突けば何とか戦えるモノだと思っていた。
それが甘い考えだと知らずに…。
「がっ!……んがあっ!!」
全身が裂けるような痛みが襲う。
倒れた体を起こそうにも血を伝ってる腕は指すら動かず足も言う事を聞いてくれない。
口の中から鉄の味がし額を切った所為で左目に血が入って見えない始末。
「ふぅむ、どうやらここまでのようだね。」
聞こえて来た声に朦朧としていた意識が段々と覚めて来た。
ぼんやりとしか見えない右目で声のした方へ目を向ける。
「いやはや、思いのほか奮闘したよキミは。
あれは流石のボクもヒヤッとさせられたよ。」
足音と共に此方に話しながら近づいてくる金色の影。
体に立ち上がれと頭から命令を出してるが意を返すように体は言う事を聞いてくれない。
「さて、見た所かなり苦しんでる様子だし此処で楽にさしてあげよう。
キング辺りが残念がるだろうがこれもまた運命と言うヤツか…。」
金色の影は手に持ったブレイクガンナーの銃口を此方に向けてくる。
ここで確実に此方の息の根を止める為に。
「それでは御機嫌よう、噂の仮面ライダー君。
キミの事は忘れないであげるよ。…ボクの計算を狂わせた人間としてね…。」
(クソッ…たれッ!!)
何故このような事態に為るかの経緯は数時間前に遡る。
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数時間前。
「………。」(ペラッ)
「………。」(ボーッ)
「ハハッ、ホーレホレ。」
「皆さーん。お茶入りましたよぉ。」
自宅にてソファーに寝転がって本を読む悠、向かいのソファーでボーっと座ってる露出の多い服装に長い銀髪を三つ編みにした雲龍、床に寝転がってバイラルコア達で遊んでる長い黒髪に腹部を露出した和服の葛城、そこに和服を着た焦げ茶色の髪をした天城が全員分のお茶を用意するなどの静かな時間を過ごしていた。
「邪魔するわよー、…って、アンタ達見事にぐーたら過ごして…。」
「あっ、瑞鶴先輩。」
「あら瑞鶴さん。
瑞鶴さんもお茶飲みます?」
「ん、頂くわ。
にしてもこの家ってすっかり私達の溜まり場みたいになっちゃたわね。」
「家主の俺を置いてな。
まあこの間みたいに騒がしくしてくれなきゃ別に良いんだけどさ。」
「あー、駆逐艦の子達に遊び場にされてんだっけアンタのラボ、明石さんや夕張も含めて。」
「最近じゃ見かけなくなったけどな。
聞く所によると俺の新戦力の開発に関わってるみたいだし、この間なんか新戦力にシフトカーも大きく関わってるから調整の為に貸してくれなんて言ってソイツ等以外皆向こうに行ってるし。」
「へ?」
頭と肩にバイラルコアを乗せた葛城が此方に振り向く。
悠の言った通り、この間悠の元に夕張が訪れシフトカーの調整の為に此方に貸してくれと言われ今現在悠の手元に居るのはバイラルコアのスパイダー、コブラ、バット。
戦闘ならこの三台だけでも十分だが、あの二人に変に弄られてないか内心少し心配だったりする。
「まあ休日は休日で休める時はしっかり休むのが出来る男ってもんだからな。
今はこの平和を存分に堪能するさ。」
「ふーん。でもさあ、そう言うのっていわゆるフラグっていうのじゃあ…。」
Priririririri!
「………。」
まるでタイミングを計ったようにソファーに挟まれてるテーブルに乗ってる携帯に着信が入る。
画面には上司と書かれた文字が出ていた為出ない訳にいかず悠は上体を起き上がって携帯を手に取る。
「もしもし。」
「休みの所悪いね。」
「別にいい。で、用件は?」
「うん。まず転生者の状況についてだけど、今君の居る世界で対象になる転生者は例の奴等を除いて粗方居なくなったよ。君はもちろん奴等も転生者を消していたようだからね。」
「ならこれからは奴等を倒すのに専念できるって訳か。」
「そう言う事になるね。あと例のドライブについてだけど完成の目途がついたよ。
早くて今日中にはそっちに届けられるかな?」
「そうか。」
「……それとこれは伝えるかどうかかなり悩んだ報告なんだけど…。」
「…なんだよ。」
「……例の転生者の情報、やっと一人掴めたよ。」
その言葉を聞いた瞬間、悠の纏う雰囲気が変わったのをその場に居た四人が察知した。
特に瑞鶴は悠のもう一つの顔を知る数少ない人物なので、あの時川原で感じた威圧感とは違い静かに闘志が湧きだってるのが目で見て分かった。
「潜伏場所は?」
「こっちで既に確認されてる。…行くのかい?」
「ああ、ようやく相手の居場所が突き止めたなら行かない訳にいかないだろ。」
「だが此方が近んだのはたった一人の顔と名前だけだ。
どんな特典をもらって力を有してるかの知らせは一切無い。ここは焦らず、せめてドライブの完成を待った方が…。」
「こっちがそうしてる間に向こうは着実に力を着けていってる。
受け身に入っていずれ向こうの力量に押されちまうなら先手を打って少しでもこっちのペースに入らなきゃ勝てる勝負も勝てない。」
「……。」
「ねえちょっと。アンタ本気で行くつもり?」
「ああ、今の俺はOFFモードから一気にお仕事モードだ。」
ガレージの前にてエクステンダーに跨りグローブを嵌めてる悠に瑞鶴達が声を掛ける。
あの後上司はこうなることが分かっていたかの様に特に何も言わず悠の携帯へ転生者の居場所が載ったメールを送りこれからそこへ向かうというのだ。
「でも相手はかなり強いんでしょ?アンタが言ってた新戦力とやらが来るまで待った方がいいんじゃない?」
「何度も言うがね瑞鶴。相手が集団で尚且つ何か企みが有るのなら少しでも早く相手の出鼻を挫くことが俺のやり方なんだよ。」
「それでも決して油断はしない様にしてくださいね。一番の敵は慢心ですから。」
「…気を付けてね。」(ナデナデ)
「アンタ達も壊れない様に気を付けるんだよ。」
「言われずとも分かってるよ。あと雲龍、頭撫でなくていいから。」
「願掛けよ。」
雲龍の手を除けてヘルメットを被り葛城の手に乗ってたバイラルコア達が悠の元に跳び移ったのを確認するとエクステンダーのエンジンを掛ける。
「ちょっと待って、最後に一つだけ…。」
「まだ何か?」
「…まあ何と言うか、その……やるからにはちゃんと勝ってきなさいよ!負けたら承知しないんだからねッ!」
「…当然。」
瑞鶴の激励を受け取ってアクセルを全開に回しエクステンダーを走らせガレージから飛び出て行き悠が走り行く段々と小さくなってく後ろ姿を見えなくなるまで眺めていく四人。
「それにしても妙な気分ですね、本来なら私達が戦いに出る存在なのにこうして戦いに出る人を見送る立場になるなんて…。」
「…それがあの子の望みなら仕方ないわ。」
「?、どうしたんです瑞鶴先輩?
なんか浮かない顔してますけど。」
「…うん。なんて言えばいいか分かんないだけど……アイツの本当の顔ってどっちなんだろうなって…。
無気力でボーっとしてる方か今みたいに戦ってる方なのかって…。」
「それは……どっちなんだろ?」
「どうして今そんな事を?」
「何となくよ。強いて言えばさっきの変わり様見てかな?」
「…もしかして、どっちも本性じゃ無いのかも…。」
「え?どういう事、雲龍姉。」
「……何となく。」
いずれこの話が艦娘達の間で広まるのは後の話である。
(此処か…。)
エクステンダーを止め、これから立ち入ろうとしている所の入り口を眺める悠。
”親不孝通り”、荒れ果てた廃墟の街であるそこは手に付けられない不良の溜まり場や違法な取引の場としてある意味有名な場所であり此処には警察の手にも追えない程の無法地帯である。
悠も名前だけは聞いていたが街の様子を見るにゴーストタウンとスラムが合わさった様な場だと思った。だがこのように人の手が行きづらいような場所は下手に人目に付かない場所に潜伏するよりも絶好の場でもある。
(……行くか。)
フルフェイス型のヘルメットのアイシールドを下ろして廃墟の街へエクステンダーを走らせる悠。
街の通りは想像通りと言うべきか、並び立つビルはどれも廃れて建物としての機能性が無い状態のが目に付き見かける人間も一般の目には自然と警戒されるような格好の者やヨレヨレの布を纏った様な服装の子供など以下に此処が世間の目から離れた場所と言うのが見て分かる。
(……何処の世界にも有るんだな、こういう所は………ん?)
内心そう思ってると前方に前を通らせない様に立ち尽くす集団が目に付く。
ヘルメットの下で溜息を吐きながら集団の前に止めると物陰から更に人が出てきて悠はあっと言う間に囲まれる形になってしまった。
とんだ歓迎だと思いながら前の方から左腕に入れ墨を入れた長髪の男がニヤついた顔をしながら悠に近ずいてくる。
「よォ兄ちゃん、こんな所までバイクでツーリングとは変わった趣味してるじゃねぇかよオイ。」
「すまないがこっちは急いでる身なんだ、そこを通してくれ。」
此方に話しかけて来る男の言葉を一蹴する悠だがそんな事お構いなしに男は悠の肩に手を掛ける。
「へぇー、この状況でよくそんな口が叩けるもんだなあ、度胸は有るってか…。
なあ、そのヘルメット取って顔見せてくれよ。これでイイ面構えの男だったら…ッ!?」
男の手が悠のヘルメットへ向けられた時、男が伸ばしてくる腕を悠は掴む。
掴まれた腕は押しても引いてもビクともしない、腕力には自信がある男にとっては目の前の存在に力負けしてる事に驚愕の色を出していた。
「…どうやら言葉が足らなかったらしい…。失礼した、改めて言わせてもらう。」
「テメエ何言って…。」
「俺はお願いを言ってるんじゃない……退けと言ってるんだ。」
「ッ!?」
バッ!
「?、どうしたんすか?なんかすっげえ汗出てますけど…。」
「うっせえッ!余計な口叩くな!」
男が掴まれた腕を振り払って瞬時に後ろに下がった事に手下と思われる不良の一人が声を掛けるも男はそれに全く耳を傾けず未だエクステンダーに跨ってる悠に目を向けている。
(何なんだよ今のは!?オレがビビった?オッサンでもねえこんなヤツに。)
ヘルメット越しで素顔は分からないがあの時此方を見た悠の目は此方を射殺す様な目をしていたのが嫌でも分かった。でなければ何故自分は冷や汗を流しているのだ?何故あの時反射的に腕を払って後ろに下がった?そうでなければ自分の先程の行動に説明がつかない。
そんな最中、囲んでる不良の一人が不意に空に目を向ける。
「…ん?、なんだありゃ?」
「?、何見てんだ?」
「いや、あそこになんか変なのが。ホラあそこ。」
一人の不良が指を指した方へ顔を向けると、周りの者も釣られるようにそちらへ顔を向け自然と悠も向ける。
指は空を指しそこには確かに人影のような物が翼を広げて空に浮かんでおり此方を見下ろしているようにも見えた、その場の者達が見上げるなか悠だけは空に浮いてるそれの正体がバットロイミュードである事がすぐに分かった。
「あん?なんだぁ人か?ありゃあ・(ドォォォンッ!)・ってうわぁぁぁぁっ!?」
全員の目が空にいるバットロイミュードに目を向けてるなか、下に向けて指先から光弾を放ち下に居る悠や不良の集団を関係無しに攻撃していく。
悠はエクステンダーから降り近くの瓦礫の物陰に隠れ、そこに先程の男が悠の隠れてる所に来て空に居るバットロイミュードを改めてみる。
「なんだよアレは!?あんなモン見た事ねぇぞ!」
「……オイ。俺がアレ引き付けてる間にお前等此処から逃げろ。」
「あぁん!?何でテメエの言う事なんか聞かなきゃなんねえんだよ!」
「聞くか聞かないかはお前等次第だが、少なくともこのままじゃ余計な怪我人どころか死人出すことになるぞ。」
「!」
悠が目を向けたのは先程の攻撃で怪我をしてる何人かの不良。
傷はそこまで深くないが頭や腕といった所から出血してるのが分かり、これに気付いた男は苦虫を噛んだような顔になる。
「いいな?とにかく怪我人をこの街から出して病院にでも連れて行け。」
「ってオイ!ちょ、お前!」
男の制止を無視してエクステンダーの元に走り、アクセルを回して走らせる。
悠の存在に気付いたバットロイミュードは上空から悠に光弾を放ちながら追いかけ、この場から離れさせる事に成功した。
男は悠の走り去った後を呆然と見ていたが、その後気に食わない顔をした。
そんな事を知らずに一人の不良が男の元に駆け寄る。
「リュウさん!さっきのヘンな奴の所為で何人か…。」
「うるせえ!んなこたぁ言われずとも分かってんだよ!
…チッ、おいオマエ等!怪我した奴連れて此処から離れっぞ!!」
悠は頭上高くから降り注いでくる光弾の雨をエクステンダーを走らせながらひたすら避け続けていた。
このくらい騒ぎを起こせばこの街に居る人間は警戒して騒ぎの中心から離れるだろう、悠としては一見只逃げ回ってる様に走ってるがなるべく被害を抑える為にあえて目立つような逃げ方をしてるのだ。
(そろそろ打って出るかッ。)
廃墟のビルの中に入って行き、此方を追いかけてくるバットロイミュードに不利な場所へ誘いだし、誘いに乗らず空から攻撃するなら変身して此方から打って出る。それが悠の取った選択だった。
ビルの中は仕切りの壁は無く支柱の柱を除けばエクステンダーを走らせても問題ないくらいの広さだった。
エクステンダーを停め、追って来ない様子から未だ空から中に入った此方の様子でも見ているのか暫く経っても何の動きも無い。そう思ってた矢先背後から此方に近ずいてくる足音が二つ。
その正体は此方を見据えてる二体のロイミュード、コブラとスパイダーの下級ロイミュードが歩み寄って来ており、それと同時に先程まで動きが無かったバットロイミュードが翼を仕舞って此方に降りて来た。
(動きが無かったのはコイツ等が来るまで待っていただけか…。)
一対三と囲まれてるこの状況。
普通に見れば今の悠は正に袋の鼠と言われるのが合っているのだろうが。
「……フッ。」
対して変わらず鼻で笑う程の態度だった。このような状況等全く脅威では無いと言う様に。
三体のロイミュードが同時に襲い掛かって来るがその瞬間ロイミュード三体のボディに当たって来る黒い影。
黒い影の正体、ダークカブトゼクターはロイミュードに体当たり攻撃をした後悠の周りを飛び回り、やがて悠の手に収まる。
「変身!」
<< HENSHIN >>
腰に巻いてるライダーベルトへセットし重装甲のマスクドフォームへ変身したダークカブト。
ダークカブトは先ずスパイダーへ目を付けカブトクナイガンのガンモードで射撃を繰り出したがスパイダーは跳躍し蜘蛛のように天井に張り付く。
その後コブラが特攻を仕掛けるがこれを受け流し、アックスモードへ持ち替え重みのある斬撃を一撃。
天井に張り付いてるスパイダーは口から粘着性のある糸を吐くがダークカブトはこれをローリングして回避、だが回避した所をバットに後ろから押さえつけられ動きを封じられてしまう。
動きを封じたダークカブトへコブラは指先からの光弾を放とうとするがダークカブトはゼクターの角に手を掛け
「キャストオフ。」
<< CAST・OFF >>
後ろで抑えてたバットとコブラから放たれた光弾が吹き飛んだアーマーによって弾かれ、特にほぼ密着してたバットは大きいダメージを負った。
<< CHANGE BEETLE >>
ライダーフォームになったダークカブトにスパイダーは再度糸を吐くがクナイガンのアックスモードの持ち手を引きクナイモードになったクナイガンで吐き出された糸を斬る事で防いでいくダークカブト。
コブラが糸を斬っているダークカブトへ走り寄って来るがこれに気付いたダークカブトは跳躍してロイミュード二体から距離を取りあるモノを取り出す。
四つの射出砲が付いたダークカブトのアイテム[ゼクトマイザー]の中央上部にあるタッププレートを押すと左右に射出砲が展開しそこから自立飛行破片手榴弾である[マイザーボマー]が射出される。
連続で射出される黒いカブトボマーの大群がコブラ、スパイダー、バットに向かって行き、マイザーボマーによる連続の小規模爆発に翻弄される。
マイザーボマーの爆発に天井に張り付いてたスパイダーが落ちて来たのを見計らいダークカブトはスパイダー目掛けて跳躍し、クナイガンをスパイダーへ振り下ろす。
「ハッ!」
逆手の状態でスパイダーの首元に刃を突き立てる[アバランチスラッシュ]が炸裂しスパイダーは爆散。
爆煙が上がってるなかふと視線をあるところに向け、そこには翼を広げたバットの足に掴んでるコブラの二体が空に飛び立つロイミュードの姿を見て停めて有ったエクステンダーに乗りロイミュードの後を追いかけるダークカブト。
体勢を立て直すために逃げてるかどうか分からないがこのまま易々と逃がすダークカブトでは無い。
追いかけながら突如現れたDエクステンダーのハンドル付近に出現したタッチパネルを操作する。
「キャストオフ。」
<< CAST・OFF >>
タッチパネルを操作したことでフロントカウルが排出され展開された前輪の中央部から錨型の[エクスアンカー]がせり出されたDエクステンダーのもう一つの形態[エクスモード]へ姿を変える。
最高速度900km/hのエクステンダーのアクセルを捻りビルの壁目掛けて跳び上がる。
ビルの壁に跳び移り、アクセルをフルスロットルに回して壁伝いに走り、それを撃ち落とそうと光弾を放つロイミュード二体だがビルから上がる爆発を背に一向にスピードを緩めず走り続けるダークカブト。
そしてビルから隣に立ってるビルへと渡りながら走り続けスピードが乗ってる頃合いを見てロイミュード目掛けて大きく跳び上がる。
跳び上がった高度は空を飛んでるロイミュード二体に行き着くまで十分にあり、此方に向かって跳んでくるエクステンダーから逃げようとするバットだがその行動は既に遅くバットロイミュードのボディにエクスアンカーが突き刺さり重力に従って落ちて行くエクステンダーに釣られそのまま地面目掛けて真っ逆さまに落ちて行く。
地面に叩き付けられたバットは刺さってるエクスアンカーの重量によって地面の着地と共により深く刺し込まれ真っ二つの状態になってしまい爆散。
その時近くに居たコブラはその爆発の威力に吹き飛ばされ、ダークカブトはエクスアンカーを軸に車体をうまく着地させコブラと相対する形になる。
暫くしたらコブラは痺れを切らしたように此方に特攻を仕掛け、ダークカブトはエクステンダーから跳び上がってエクスアンカーの上に立つ。
<< ONE・TWO・THREE >>
「ライダー…キック。」
<< RIDER KICK >>
ゼクターホーンを操作しタキオン粒子が頭部のカブトホーンに行き着くと同時にエクスアンカーにもタキオン粒子が走り、腰を落として構えるダークカブト。
コブラとの距離が段々と縮まっていき
「…ハアッ!」
エクスアンカーが伸びたと同時にコブラに跳び回し蹴りのライダーキックを叩き込み爆散するコブラロイミュード。
三体のロイミュードを撃破したダークカブトは再度エクステンダーに乗り込みアクセルを回す。
これから本命の強敵と戦う為に。
場所は薄暗い研究室のような一室の中。
そこに目の前の画面に写しだされてる光景を見て椅子に掛けてる男が誰に聞かせる訳でも無く言葉を放つ。
「…ふぅむ。いずれ来るとは分かっていたがまさかいきなりボクの所に来るとはね…。」
灰色の頭髪をし白衣の格好で腕組みをしながらドクターは呟く。
「やれやれ、暴れん坊のキングか変わり者のラヴァーだったらバカみたいに喜ぶんだろうけどよりによってデスクワークがメインのボクの所とは、……まあ此処に来るのならしょうがない。
丁重に迎え入れなくてはね。」
そう言って椅子から立ち上がり研究室を後にするドクター。
「それに、これを使って性能確かめるのにいい実験になりそうだね、彼なら…。」
手に持った黒いベルトを手にしながら。
新しいムービー対戦、ドライブから復活のロイミュード軍団にチェイスが写った時はこれ絶対見に行こうと思いました。
それでは次回お楽しみに。