その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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ドライブの挿入歌[Spinning Wheel]を初めてフルで聞きました。
正直鎧武の[乱舞Escalation]並みにいい曲ですよ、これは。




 

 

 

「あーー、なんかダルイ。」

 

いつもの自販機の前でコーヒーを買いながら一人物言う悠。

 

落ち着いてコーヒーでも飲んで気分を変えようと思ってた矢先、ふと後ろに感じる気配に居ても立ってもいられず、後ろで隠れてる人物に話しかける。

 

「男の後ろ姿見たって喜ぶのは余程の物好きか変態ですよーー。」

 

「あはは、ヤルねえ~。気配消したのにお姉さんビックリだよん。」

 

物陰から現れたのは先日屋上であった燕だった。

 

「何時から気付いてたの?」

 

「最初から。そもそも死んでもないのに気配完璧に消したとか言ってる時点で大きな矛盾だと思いません?」

 

「なるほど~。確かに言われてみればそうだね。」

 

「・・・・で?なんで俺から隠れて覗いてたんです?」

 

「いやいや覗くとかそんなんじゃないよん。

それよりもこの間あげた小町納豆どうだった?おいしかったでしょ?」

 

「あぁ、納豆食べた事の無い外人のクラスメートにあげました。」

 

「ありゃ、食べてないの?

それならサービスにもう一個・・。」

 

「あぁ大丈夫です。

さすがに会って間もない人にそこまでさせる訳にはいきませんから。」

 

「そんな遠慮しないで大丈夫だよん。」

 

「いえいえ、そういう訳には。」

 

「・・・・もしかしてキミ・・。」

 

先程とは違って真面目な顔で悠の顔を下から覗いて悠の確信を突こうと燕は真剣な目で悠の目を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「納豆、嫌い?」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・。」

 

「・・・・・・・・。」

 

「・・・・別に食べなきゃ死ぬ訳じゃないし。」

 

「何だってーーー!?

私を前にしてそのセリフは聞き捨てならないよん!!」

 

「いいじゃないですか。誰にだって苦手なものはあるんですから。」

 

「いいやよくない!!絶対よくない!!!

・・・決めた、色々忙しい燕さんだけどキミの納豆嫌いを治してやるよん!!!」

 

「いやいいです。自分の仕事なりアイドルなり頑張って励んでくださいよ。」

 

「フフフ。この私が本気になったのはずいぶん久しぶりだよん。

さぁ!観念してこの小町納豆を食べなさい!そしたらキミも絶対好きになるから!!」

 

「嫌だって言ってるのが分かんねえすかねえ!」

 

後ろで納豆を混ぜながら箸で突きつけてくる燕を振り切るのに本気で走った悠だった。

 

 

 

 

 

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「あー酷い目に遭ったわホント・・。

なんで納豆であそこまでマジになれるかねぇ。」

 

放課後悠は帰宅しながら今日の燕に追いかけられたことに嘆いていた。

学園の人気者である燕に追い掛け回された所為で無駄に周りの視線を浴びて、今日の昼休みは燕から逃れた悠が古城とキンジに愚痴を言ったそうな・・。

 

そんな事を思いつつ今日の夕飯と新兵器開発のロックシードに付いて思考しながら歩いていると。

 

「ぎゃああぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

「!」

 

突如聞こえた叫び声に思わず叫び声が聞こえた場所へ足が駆け出す。

 

悠が辿り着いた先は、血塗れに倒れた男が倒れてる傍に赤いジャケットを羽織った黒髪に金メッシュの男が立っていた。

金メッシュの男は悠の存在に気付き、口を開く。

 

「あん?んだよ見られちまったか。」

 

「こんな日がまだ落ちてない時間に堂々と殺人?随分といい趣味をお持ちで・・。」

 

「おいおい、いきなり人を危ないヤツ扱いかよ。まぁ確かに仕事と言う名目で殺しちまったがよォ。」

 

頭を搔きながらめんどくさそうに言う金メッシュの男は、”あっ”と何か思い出したように悠に質問する。

 

「そういえばオレちょっと捜してる奴が居んだけどよ、お前知らねえか?

仮面ライダーってのによ。」

 

「!・・・・何だって?」

 

「おっ!何か知ってるようだな。

ツイてるぜ、大臣の奴に比べてコッチは捜せば何とかなるもんだな。」

 

「大臣・・・ソーサラー?

・・・成程、おたくがアイツの言ってたキングってヤツ?」

 

「・・・・へぇ、そういうお前も大臣の会った仮面ライダーってヤツか?

・・・・ハハッ!やっぱツイてるぜ!こんな早くに会えるとは正直思ってみなかったよ。」

 

二人の素性が分かった瞬間あたりの空気は殺伐とした空気に変わり悠と対峙してる金メッシュの男、キングはよほどうれしいのか笑いが止まらなかった。

 

「いやー、正直さっき殺った転生者も全然骨が無くてよォ、こうなったら強いと噂のお前と戦いたくてずっと会えるのを楽しみにしてたんだぜぇ。」

 

「そうかい。此方としてもお前等の企みについて色々聞きたいからなぁ、適当に痛め付けた後知ってる事全部話してもらう。」

 

「いいねえ、おたくもやる気満々ってことは。

・・んじゃあ。」

 

キングは懐からある物を取り出す。

 

それは黒いバックルに小刀が付いた悠も使ってるベルト、戦極ドライバー。

戦極ドライバーを装着して更に懐から金色のリンゴが描かれたロックシードを取り出す。

 

「変身!」

 

<< ゴールデン! >>

 

クラックから金色のリンゴが落ちてきてロックシードをベルトに嵌める。

 

<< LOCK・ON >>

 

ベルトから西洋のファンファーレが鳴り響き、カッティングブレードを倒す。

 

<< COME・ON! >>

 

<< ゴールデンアームズ! 黄金の果実! >>

 

アームズが展開し、金色のアンダースーツに赤と金のリンゴを飾り切りにしたような鎧を纏い、手にアームズウェポン[アップルリフレクター]を構えた騎士でありながら王の品格を持つ戦士、仮面ライダーマルス

 

「・・・やっぱりライダーだったか・・。」

 

「ホレ、お前も早く変身しろよ。待っててやるから。」

 

「ならお言葉に甘えて、・・変身。」

 

<< ブラッド・オレンジ! >>

 

<< LOCK・ON >>

 

<< ブラッド・オレンジアームズ! 邪ノ道・オン・ステージ! >>

 

悠も戦極ドライバーを取り出し、武神鎧武へと変身する。

 

マルスはアップルリフレクターに収納されてる大剣[ソードブリンガー]を抜き、武神鎧武は腰の無双セイバーを抜いて大橙丸との二刀流で攻めて行った。

 

「フッ!」

 

「ハッ!」

 

まず無双セイバーとソードブリンガーがすれ違い様に火花を散らし、武神鎧武は大橙丸で追撃するもソードブリンガーで受け止められ弾かれる。

数回剣と剣の打ち合いが火花を散らし、マルスは盾のアップルリフレクターで大橙丸を弾いて武神鎧武の手から離させる。

無双セイバーだけでマルスと渡り合う武神鎧武だが、剣の一撃をアップルリフレクターで受け止められソードブリンガーの突きで後ろに飛ばされる。

 

「ぐっ!」

 

「はっ!どうしたぁ?そんなものか?」

 

後ろに飛ばされた武神鎧武を見て嘲笑うマルスだが倒れた状態の武神鎧武は無双セイバーのバレットスライドを引いて弾丸を装填しバレッドトリガーを引いて銃弾を油断したマルスに全弾命中させる。

 

「うあっ!・・ちィ!」

 

「これでダメなら・・。」

 

<< パイン! >>

 

「戦法を変えるまでだ!」

 

<< LOCK・ON >>

 

<< パインアームズ! 粉砕・デストロイ! >>

 

ブラッド・オレンジからパワースタイルのパインアームズに変え、フレイル型の[パインアイアン]を振り回しながらマルスへ駆ける。

 

「ハッ!多少は楽しめそうだな!」

 

「そのまま油断してろ!」

 

パインアイアンを巧みに扱い、トリッキー且つ振り回すことで生じる遠心力を利用してマルスに容赦ない連撃を繰り出す。

予測できない変則な重い攻撃をアップルリフレクターで受けることしか出来ず、防戦一方になるマルス。

 

「この・・・舐めるなぁ!」

 

アップルリフレクターでパインアイアンを頭上高く弾いたマルスだが

 

「!・・居ない、何処に・・。」

 

<< パイン スカッシュ! >>

 

「!」

 

「ハアッ!」

 

一瞬の内に武神鎧武の姿を見失うマルスだが頭上に聞こえた電子音に目を向けると、先程弾いたパインアイアンと同じ高さまで跳んだ武神鎧武が必殺の[アイアンブレイカー]を発動させる。

エネルギーを纏った足でサッカーボールの様にマルスに向けて蹴り飛ばし、一際巨大になったパインのエネルギー態は真っ直ぐマルスへ向かってった。

 

「ぐっ!、ぐおォォォォォォォッ!」

 

アップルリフレクターでアイアンブレイカーを受け止め雄叫びを上げながら耐えるマルスは力技でアイアンブレイカーを耐え切った。

 

「お次は・・。」

 

<< マンゴー! >>

 

<< マンゴーアームズ! FightOfHammer! >>

 

今度はメイス型の[マンゴーパニッシャー]を構えてマルスへ駆ける。

マルスは先程の反動の所為か動きが少し鈍く、マンゴーパニッシャーの攻撃に押されていく。

 

「ぐおっ!?」

 

「オラァッ!」

 

マルスの胴にマンゴーパニッシャーを突出し、そのまま持ち上げてマルスを投げ飛ばす。

投げ飛ばせれたマルスを見て、カッティングブレードを二回倒す。

 

<< マンゴー オーレ! >>

 

「ハアァァァァァッ!!」

 

マンゴパニッシャーをハンマー投げの様に振り回しながらエネルギーを溜めていき、マルスへマンゴパニッシャーを投げつける[パニッシュマッシュ]が炸裂しマルスへ大きなダメージを与えた。

 

「こんのォ、・・・・やってくれんじゃねえかオイ!」

 

<< COME・ON! ゴールデン スカッシュ! >>

 

どこか嬉しそうな声を出しながらカッティングブレードを倒しマルスの周りに金色のリンゴが無数現れる。

目の前の光景に武神鎧武は新たにロックシードを開錠する。

 

<< メロン! >>

 

「喰らいやがれ!」

 

無数のリンゴが武神鎧武に向かうなか、開錠したロックシードをベルトに嵌め、カッティングブレードを倒したと同時にマルスの攻撃は武神鎧武に着弾し爆発する。

 

(・・・・やったか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<< メロンアームズ! 天・下・御・免! >>

 

爆炎が晴れ、中から出て来たのはメロンを模した盾[メロンディフェンダー]を構えた武神鎧武が無双セイバーを手に持ちマルスへ歩み出す。

 

「さっきからコロコロ変わりやがって!」

 

「そういう仕様なんだよ!」

 

盾と剣と言う、両者同じ武器を持ってぶつかり合い。

無双セイバーがアップルリフレクターで防がれ、ソードブリンガーがメロンディフェンダーで防がれ、時には盾を攻撃に使うなど両者互角の激しいぶつかり合いを魅せた。

 

「ドラァッ!」

 

「オラァッ!」

 

メロンディフェンダーとアップルリフレクターがぶつかり合い、両者の盾は上に弾かれその隙をマルスは突きを、武神鎧武は上段を振り下ろし二人の体に火花が散る。

 

「ぐっ!・・・・ククク、ハハハ。」

 

斬られて下がりながら笑うマルスを余所に武神鎧武はドライバーのフェイスプレートを外してゲネシスコアを装着させる。

 

<< ブラッド・オレンジ! >>

 

<< レモンエナジー! >>

 

<< MIX! >>

 

<< ジンバーレモン! ハハァー! >>

 

武神鎧武はジンバーアームズへと変わりソニックアローを連射したが、マルスのアップルリフレクターに弾かれてしまう。

 

「ハッハッハッ!、来い!」

 

笑いながら手招きするマルスに向かってソニックアローを振り下ろしソードブリンガーと鍔迫り合いになる。

鍔迫り合いの状態から武神鎧武はマルスに前蹴りを繰り出し、怯んだ隙にソニックアローで斬り付け、矢を放った。

 

が、放たれた矢はアップルリフレクターに防がれソードブリンガーの反撃が来たが、武神鎧武はこれを無双セイバーとソニックアローを交差して受け止め、ソードブリンガーを弾き、無双セイバーとソニックアローの二振りの一撃をマルスへ喰らわせた。

 

「オラァッ!」

 

「グオアッ!」

 

武神鎧武の斬撃を喰らって転がり回るマルス。

マルスはしばらく仰向けに寝転びながら、また笑いだし起き上がった。

 

「あーー、やっぱお前イイわ。オレをここまで傷つけたのはアイツ等除いてお前が初めてだぜ。」

 

「あぁそうかい。そいつは良かったなあ。」

 

(ここまでやっても対して変わり様がない・・。

ココで使うか?・・。)

 

武神鎧武はマルスがダメージを受けても変わり様の無い様子に懐から一際角ばった赤黒いロックシードを取り出そうとするが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「随分楽しそうだねえ、ボクも混ぜてくれないかい?」

 

「「!」」

 

突如聞こえた声に二人は目を向けると、電柱の上に白スーツに金髪の男、ヴァトラーが武神鎧武とマルスを見て目を輝かせていた。

 

「今日はなんていい日なんだろう。噂の仮面ライダーを見つけただけでなく二人も居るとは・・・これほど嬉しい誤算は無いな。」

 

「・・・オイ、アイツもお宅の仲間かなんか?」

 

「冗談じゃねえよあんな気色悪いヤツ、オレはおろか大臣ですら願い下げだっての。」

 

「話は済んだかな?娑伽羅!」

 

ヴァトラーは自身の眷獣である水の体の蛇を出現させ、蛇から放たれる高圧水流が武神鎧武とマルスを襲う。

 

「ぐッ!」

 

「うおッ!」

 

二人は迫る水流を何とか防いでいたが次々襲い掛かる水流に防戦一方だった。

 

「ハハハハッ!どうしたんだい仮面ライダー?

それがキミ達の実力なのかナ?」

 

「こんのォ・・」

 

「テメエ・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「邪魔 だぁ!・すんなぁ!」」

 

<< ブラッド・オレンジ オーレ! >>

 

<< ジンバーレモン オーレ! >>

 

<< COME・ON! ゴールデン オーレ! >>

 

「ウラァッ!」

 

「ハアッ!」

 

「!、娑伽羅!」

 

武神鎧武はソニックアローから黄色の斬撃を、マルスはソードブリンガーから金色の斬撃をヴァトラーに向けて放ちヴァトラーは蛇を使い高圧水流で二人の斬撃を真っ向から受け止めるが。

 

(!?、押し負ける!?)

 

「ハアッ!」

 

「セリャッ!」

 

段々と水流が二人の斬撃に押されてるなか二人は更にもう一振り斬撃を繰り出し、更に勢いの上がった斬撃はヴァトラーの眷獣を圧倒し、斬撃を喰らった蛇の眷獣は水と共に爆発した。

 

爆煙が晴れると、そこには最早ヴァトラーの姿も無くただ壊れた電柱が有るのみであり二人はお互いに向き合った。

 

「なんか、折角盛り上がって来たのにシラケちまったわ・・・。

なぁ、今回はお預けってことにしねぇ?」

 

「正直賛成したいが、此方としてはお前をみすみす逃がす訳にはいかないんだよ。」

 

「あぁ安心しろや。お前の事は黙っててやるよ。

お前はオレがこの手で倒したいからな、他の奴等に横取りされたくないんだよ。」

 

「・・・・。」

 

「まッ!信じるか信じないかはお前に任せるよ。

・・・そういやまだ名乗って無かったな・・・

オレは小金井 竜二。組織じゃキングと呼ばれて仮面ライダーマルスだ。」

 

「・・・灰原 悠だ・・。」

 

「灰原か、覚えたぜ。

んじゃあ、オレが倒すまでくれぐれも他の奴等に殺されるなよ。」

 

そういってマルスは背後にクラックを出現させて中に入りクラックは閉じていった。

 

消えてったマルスを見て変身を解除し、悠は改めて敵の強さを実感した。

 

「早く完成させる必要があるな・・・新ロックシード。」

 

そう言いながら手に持ったサガラから渡されたロックシードを見ながら悠はその場から離れていった。

 

 

 

 

 






感想の中から、主人公にマルスに変身して欲しいとの声がいくつかありましたが、マルスは敵サイドとして出すことにしました。期待してた閲覧者の方々ごめんなさい。

そして段々と明かされる敵の正体!
ソーサラー、マルス、この流れから後の敵ライダーは察しのいい方なら分かるかもしれません。
でも、なるべく胸にしまって欲しいのが自分の願いです。

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