その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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今回はしばらく出てなかった原作キャラを出します。


成果

 

 

 

「あー、授業終わった。」

 

「今日も一段とダルそうだねぇ暁。」

 

「しょうがないだろ、体質が体質なんだから。」

 

「あぁそうか。じゃあ聖水とか十字架やったらちゃんと効くのかなぁ。」

 

「おい、何を考えてるか想像はつくが絶対にするなよ絶対に。」

 

「冗談だよ。」

 

時間は昼休み、この前自身が吸血鬼である事と悠の秘密を知った古城はいつもと変わらない雰囲気で悠と話していた。

 

その時、何やら外の様子が騒がしく二人は窓から覗いて様子を見ると先程悠が屋上で会った燕が百代を前に対峙していた。

 

「あれ?アレってさっきの。」

 

「ん?どうした灰原。」

 

「あぁ、さっき屋上で会ったのがあそこに。・・」

 

「おいおいなんだこの騒ぎは?」

 

「いったい何があるってのよ?」

 

悠が先程燕に会った事を言うなか矢瀬と浅葱が古城の元に来て、突如矢瀬が外にいる燕を見て口を開く。

 

「あれ、アレって松永 燕じゃね!?」

 

「知ってるのか?」

 

「知ってるも何も京都じゃ今人気のアイドルだよ!

まさかこの学園に転校してくるとはなぁ。」

 

「そういえばネットでも結構出てたわね彼女。

んで、灰原アンタさっきなんて言おうとしてたのよ?」

 

「いや、さっき屋上で会ってこれ貰った。」

 

「・・・なんで納豆?」

 

「バカか!お前。燕ちゃんのその納豆小町結構人気あるんだぜ?むしろそれで今の業界に立ってるって言ってもいいくらい。」

 

「俺としては矢瀬がそこまでアイドル通だってことに驚きだよ。しかも彼女持ちの身で。」

 

「灰原に同意。アンタ年上の彼女いるのにそんなんじゃ愛想尽かれるわよ?」

 

「んぐっ!?」

 

悠と浅葱の意外なコンビネーション口撃にダメージを受けてしまう矢瀬。

 

そう言ってる間にも外では燕と百代の戦いが始まっており、両者接戦の戦況になっている。

 

「なぁ、最近のアイドルって武術も達者でなければならないのかなぁ。」

 

「いや、オレに聞かれても。」

 

「なにか騒がしいが一体何が起きているんだ?」

 

「ゼノヴィア。」

 

悠のもとにゼノヴィアが窓から外の様子を見ようと顔を覗かせるといつの間にか燕と百代の周りにあらゆる武器が地に刺さっており、燕は百代相手に武器を変えながら戦っていた。

 

「器用だな、槍やスピア、剣などある程度熟知して扱ってる。」

 

「あそこまで扱うのに相当鍛錬したんだろうねぇ、でも・・。」

 

決定打が無い。これが悠の出した燕の見解だった。

実際悠もアームズウェポンシステムで様々な武器を扱うがドライバーの性能もあって初めて強力な技などが放たれるのに対し、燕の戦法は百代を相手にするには些か手が足りない風に見えた。

そしてなにより、さっきから燕を見てると彼女は勝利を取ろうとしていない。まるで相手の手を調べるかのように立ち回ってるのが、悠の取る戦法と対して変わらなかったから気付いたのもある。

 

そう考えてるうちに燕はギブアップを宣言。

戦ってた百代はかなりご機嫌斜めと言った様子が遠目からでも分かり、そんな百代を前にかなりのギャラリーが見てるなか悠が貰った納豆の宣伝をするなどかなり計算されたプレゼンテーションだと思った。

 

「納豆か・・・そういえばまだ食べた事無かったな。」

 

「じゃあこれ要る?」

 

「ム、これはさっきの納豆じゃないか。どうして君が持ってるんだ?」

 

「屋上で貰った。食べた事無いんなら上げようと思ったけど。」

 

「そうか。ではありがたく頂こう。

ユウもこれから食事だろ?なんなら一緒にどうだ?」

 

「あぁそうしようか。」

 

ゼノヴィアに誘われて少し遅いかもしれないが食堂へと向かう悠とゼノヴィア。

その時悠のポケットに入ってる携帯にメールのバイブが伝わり、今日もかと思いながら一先ず昼食を取ろうと足を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゼノヴィア。流石にエビフライに納豆は・・・。」

 

「そうか?結構うまいぞ、コレ。」

 

「マジで?」

 

 

 

 

 

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「ふあ~~。」

 

「もうしっかりしなさいよ遠山。

そんなんじゃいつ死んでも可笑しくないわよ。」

 

「無茶言うなよ。毎晩こうして寝る時間削って街の中歩いて欠伸出すなって言う方が難しいんだよ。」

 

「同感だぜ遠山。俺なんか最近部長と全然と言っていいほど口躱してないぜ。」

 

深夜の街を歩いてる集団はこの前協力関係を結んだハルナ、一誠、キンジの三人。

 

仮面ライダーを捜索していく上でまずは手分けして街の中を見回り手当たり次第に見つけると言うなんとも無計画な案だが現状そうするしか手は無かった。

 

「にしても今日で4週間だぞ?これだけ見回ってるのに手掛かりが一つもないとか。」

 

「それだけの相手って事でしょ。これだけ話をデカくしてる奴がそう簡単に捕まるとは思えないわ。」

 

「おまけに今ある情報じゃ捕まえるのに何の効果も無いしな。

情報通の理子が色々調べてるようだけど未だ収穫ゼロだしな。」

 

「ハァ~、もう頼むから出てきてくれよ~~~かめ・、(ドオォォォォォォォォン!!)・ん・・・・。」

 

一誠が何か言いかけた所でそう遠くない場所から爆発音が聞こえ、思わずその場の者は皆黙って爆発したであろう場所に顔を向ける。

 

「えっ、ウソ?まさか本当に。・・・」

 

「・・・ハッ!何してるの!急いで行くわよ!」

 

「あ、オイ!」

 

 

 

 

 

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「ハァ、全然対したことねえじゃんかよ。」

 

「クソッ!」

 

別の場所では白い全身鎧の剣を持った転生者を肩にガオウガッシャーを掛けながらガオウがつまらないと言った感じで圧倒していた。

 

「大口叩く割にはそこまで喰い応えは無いし、さっさと終わらせるか。」

 

「まだだ!俺はまだ終わっちゃいない!

俺の気持ちに答えろ!インクルシオォォォォッ!!!」

 

転生者が吠える様に叫ぶとガオウに突っ込んで剣を振るうがガオウに受け止められてしまう。

しかし、先程までとは違い転生者はガオウを押していた。

 

(パワーが上がってる?)

 

「うおぉぉぉっ!!!」

 

鍔迫り合いの状態で段々後ろに下がっていくガオウ。

ガオウは剣をうまく受け流してガラ空きになった背中を斬りつけるが。

 

ギャリィィィッ!!!

 

(硬ぇ。)

 

ガオウガッシャーは鎧の表面に浅い切り傷を付けただけに終わり、先程までとは違いパワーも鎧の強度も上がってきていた。

 

(装着者の思いに答えるタイプの鎧か、なら・・。)

 

「まだまだぁ!!」

 

再度剣を振りかかって来る転生者の攻撃を避けながら手元のガオウガッシャーの先端部を取り外し上に投げる。

更に取り外して持ち手部分に刃の付いたパーツから何もないパーツを取り付ける、刃の付いたパーツを外し先程上に投げた先端部を目で見ずに器用に取り付ける。

そして先端部の横に刃の付いたパーツを取りつけたら刃がオーラと共に巨大化し一振りの斧になった。

 

「はあぁぁぁっ!!!」

 

転生者の剣をガオウはアックスモードになったガッシャーで受け止める。

先程とは違い押される事無く受け止めていき今度は互角の勝負を見せる。

 

「フッ!」

 

「ぐうぅぅぅっ!!?」

 

今度はガオウの方から斧の攻撃を繰り出していき転生者の剣に撃ち続けていく。

すると剣に撃ち続けるたびにヒビが入っていき、それを見計らってガオウは力を籠める。

 

「オラァッ!」

 

「ぐあッ!」

 

剣が斧の一撃と共に砕けていき、武器を失った転生者の体に一撃を入れる。

 

「がはッ!」

 

ソードモードとは違いパワーに優れたアックスモードの一撃は転生者の鎧を砕きながら鮮血を流させた。

 

「まさか、インクルシオの鎧が砕けるなんて。」

 

「ここ最近鍛え直したんでね。

次で終わりだ。」

 

「クソォ!このまま負けて堪るかよ!」

 

「負けじゃない。・・・・死だ。」

 

<< FULL CHARGE >>

 

オーラエネルギーがアックスの刃に溜まっていき転生者に勢いよく駆け出し、対する転生者もガオウ相手に駆けだす。

 

お互いがぶつかり合うその瞬間にガオウは体を急速に回し、相手の運動エネルギーと回転の力を利用してアックスを胴に横一文字叩き付ける。

オーラを纏ったアックスは強固な鎧ごと転生者の上半身と下半身を二つに両断して転生者は断末魔を上げる事無く命を落とし、辺りに血の雨が降った。

 

いつもの様に傍に停めてある車のガラスからアビスラッシャーとアビスハンマーがそれぞれ転生者の上半身と下半身を持っていき死体の処理をしてその場から去ろうとしたが。

 

「やっと見つけたぞテメエェェェッ!!!」

 

自身の神器を出した一誠がガオウに殴りかかり、ガオウはそれをあっさり避ける。

 

「やっと見つけたぞ仮面ライダー!

今度こそテメエをぎゃふんと言わせてやるぜ!」

 

「しつこいなあ。お前、女にモテねえだろ?」

 

「うるせえ!コッチとら部長とアーシアと一緒に住んでんだよ!

毎日がバラ色生活だ!」

 

「でももうちょっと落ち着いた態度取れば今よりモテそうなのに、お前勿体ない奴だなぁ。」

 

「顔隠してるような奴に言われたくねえよ!」

 

「その顔隠してる奴に言われるお前もお前だがなあ?」

 

「ちょっと兵藤!あんた突っ走りすぎなのよ!」

 

後ろからハルナとキンジが遅れて到着しガオウはキンジの姿を見て一瞬目を見開く。

 

(遠山・・・・悪魔と手を組んだって所か。)

 

「よそ見してんじゃねえ!」

 

キンジ達に目が言ったガオウを不意打ちの様に殴っていくもこれもまたあっさり躱されていく。

 

[Boost!]

 

「オラァ!」

 

籠手から音声が流れながらガオウを攻める手を休めない一誠。

対するガオウは一誠の攻撃を躱したりいなしたりしながら立ち回っていた。

 

(コイツは俺の事を舐めているところがある。そこをうまく利用して一見我武者羅に殴りかかって行く様子を見せて、倍加して溜めた力をドラゴンショットで撃つ!

うまくいけばノックダウンにすることも・・・。)

 

(一見何も考えずに突っ込んでるようだが、その目で何か企んでるのが丸分かりだ。

向こうの二人はただこちらを見てる様子だからコイツの単独の作戦と観てもいいだろう。さっきから鳴ってる腕の籠手が奴の秘策なら・・・。)

 

[Boost!]

 

それぞれが思惑してるなか一誠の籠手が鳴り響く、一誠はあと一度の倍化で準備が出来るところまでいき、ガオウは一誠の狙いにあえて掛かってる風に振る舞っていた。

 

[Boost!]

 

(よし!力は溜まった!)

 

一誠が突如バックステップでガオウから距離を取って籠手に魔力を撃ちだす構えを取る。

ガオウは遠距離攻撃が来ると察し、ガオウガッシャーを組み替える。

 

「喰らいやがれ!ドラゴン・(バキュン!)・うわぁ!」

 

一誠が撃ちだそうとしていた瞬間に籠手に衝撃が襲い溜めていた魔力が打ち消されてしまった。

 

一誠が視線をガオウに向けるとガオウガッシャーをガンモードに変えたガオウが銃口を一誠に向けていた。

 

(あの武器、銃にもなるのかよ!)

 

「どうした?まさかお前の立てた作戦あれでお終いなのか?」

 

「ちくしょ・(バキュン!バキュン!)・おあたたたっ!!」

 

ガオウは一誠に向けて銃撃を繰り出し、一誠は容赦なく連射で撃ちだすガオウの銃撃に翻弄される。

 

それを見ていたキンジは隣のハルナに声を掛ける。

 

「おい、俺達さっきから見てるだけだけどアイツの助けに行かなくていいのかよ。」

 

「行きたくても行けないのよ、アイツ・・仮面ライダーは下手な奇襲は通じないわ。

間違ったら逆にこっちがやられる。」

 

ハルナは今までのガオウの戦闘を見て此方との圧倒的な戦力差を思い知らされていき。

ハルナ自身の戦闘力は主にチャクラによる筋力の増加と治癒能力、あとは軽い忍術だがガオウを倒すまでにはいかないレベルである。

 

その時、アリアからある物を渡されたことに気付き、懐からそれを取り出す。

 

「おい桜井、なんだよソレ。」

 

「神崎さんから渡されたの。いざと言うときこれをアンタに見せなさいって。」

 

ハルナが取り出したのは一通の便箋。

キンジは便箋の封を解いて、中に入ってるものを見るが。

 

「ぶっ!?」

 

その中に入ってる写真のようなものを見た時鼻を押さえて突如蹲る。

ハルナはキンジが落とした写真を拾い上げ、写真の内容を見ると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裸体のリアス・グレモリーの姿が堂々と写っていた。

 

 

 

「な、何ナノよこれはぁぁっ!?」

 

さすがのハルナも叫ばずにはいられなく、思わずガオウが射撃の手を休める程である。

 

(アイツ等何やってんだ?)

 

「隙ありィ!」

 

動きが止まったガオウを見て好奇だと思ったのか一誠が跳びかかって来るもあっさり返り討ちに蹴り飛ばされてしまい、一誠はハルナ達の元へ飛ばされた。

 

「ちょっと兵藤!あんた危ないじゃないのよ!」

 

「無茶言うなよ!それよりどうしたんだよ遠山は!?

一体何の写真を見たんだよソレ!?」

 

「あんたは見なくていいわよ!!

それより遠山しっかりしなさいよ!」

 

「・・・・・ふっ。優しいな俺の事を心配してくれるなんて。」

 

「「・・はい?」」

 

顔を上げたキンジは先程までとは言葉遣いも雰囲気も変わっており、二人は急に変わったキンジに怪訝な表情をみせる。

 

「遠山?お前なんか人が変わったみたいになってるけど・・。」

 

「そんな事よりまずはアイツだ。

俺に一つ策があるんだが二人とも聞いてくれないか?」

 

突然変わり出したキンジが思いついた作戦の内容を聞く二人。

ガオウはそんな三人を何もせず黙って見ていた。

 

「ホントにそんなんで行けるのかよ?」

 

「いえ、よくよく考えればこれは結構アイツに効果的かも。」

 

「いいか、これは一度しかできない作戦だ。

二人とも頼むぞ。」

 

「作戦会議は終わったか?」

 

策が二人に伝わった頃合いにガオウが三人に語り出す。

その雰囲気は明らかに余裕の態度だった。

 

「随分優しいのね、待ってくれるなんて。」

 

「まあハンデみたいなもんだ、で?

今度はうまくいくのか?」

 

「これからお前に見せてやる!」

 

そう言って一誠が再度ガオウに突撃する。

ガオウは先程と同じように一誠に射撃するが一誠は躱す様子もなく、ガオウに突っ込んでいく。

 

(コイツ。)

 

(遠山の言う通りだ!アイツは最初からオレに当てるつもりで撃ってなかった!)

 

キンジは先程一誠に向かって撃つガオウを見て、それがギリギリ当たるか当たらないかの微妙な狙いで外していたのが分かりまずは一誠に向かってくる弾丸に怯むことなく突っ込んでいくように指示したのだ。

 

「オラ!」

 

「チッ!」

 

殴りかかって来る一誠をいなしていくガオウを見てキンジは”よし”とうまくいった風に内心喜び、後は二人がうまく行く事を願う。

 

ガオウは一誠の攻撃をいなしながらキンジとハルナの方に顔を向けると、特に変わりなくこちらを見てる様子が見れた。

 

(一体何を考えてる?銃を封じただけでさっきから特に変わりようがない?)

 

「ここだ!」

 

ガオウが思考を働かせている最中、一誠はガッシャーを持った方の腕をガッチリ掴み右手の動きを封じた。

 

「よし!片手捕まえた!」

 

「だがもう片方が残ってるぞ?」

 

残った腕を構えて、一誠に殴ろうとした時一誠がニヤリと笑みを浮かべる。

 

「今だ桜井!」

 

「おう!」

 

「何!?」

 

左腕にハルナが飛び付きガオウの動きは二人掛かりで封じられてしまう。

 

(バカな!コイツは今遠山のすぐ隣に居た筈!)

 

ガオウはいくら早くてもこの距離をすぐに詰めることなど出来る筈がないと先程までハルナがいたキンジの方を見ると、確かにキンジの隣にハルナが居たが少ししたら煙となって消えていった。

 

(そうかフェイクか!最初にコイツに突っ込ませて俺の気を二人から離してる隙に分身を置いて、俺を捕まえるタイミングを見計らっていたのか!)

 

「今よ!」

 

「やれぇ!遠山ぁ!」

 

二人が声を掛けた人物は手に持った銃をガオウに向けていた。

ガオウは銃口から見てキンジが何処を狙っているのかすぐに分かった。

 

(コイツ、まさかベルトを狙って!?)

 

キンジはガオウの姿から見て、腰に付いてるベルトが何らかの関係があると見てあのベルトを破壊すればガオウは無力化するのでは?と推測を立てて狙いをベルトに集中した。

 

(ココだ!)

 

キンジはベルトに銃口を定めて引き金を三回引く。

弾丸は三発ともベルトに一直線に向かって行く、ワンホールショットで狙いはバッチリ決まってた。

 

(さぁ、今日こそその素顔見せてもらうわよ!)

 

(テメエのそのツラ拝ませて、ブサイクかどうか見極めてやる!)

 

(決まった!)

 

弾丸はガオウのベルトにあとコンマ一秒で着弾する。

 

それぞれがこの場で勝利を確信した。

万が一逃げられても、顔をこの目で見ればこれからの捜索がより簡単になり捕まえるのも時間の問題だと誰もが思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相手が幾度の修羅場を潜り抜けた悠でなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バアァァァンッッッ!

 

 

 

 

 

 

 

「え?」

 

「なん・・だと・・。」

 

「・・・足で?」

 

ガオウは右足をベルトの前まで上げて、三発の弾丸を足で受け止めた。

 

意識的ではなく無意識に。

幾度の戦いを通じて得た、悠の生存本能がこの危機的状況で働いたのだ。

 

ガオウはそのまま上げた足を一誠の足の甲に踏みつけて一瞬緩んだ隙に腕を拘束から解き、一誠の頭部にガッシャーで叩き付ける様に殴る。

 

「がッ!」

 

「兵藤!」

 

次いでハルナに銃口を突きつけ思わずハルナは手を放してしまう。

ハルナは距離を取り、ガオウも距離を取って銃を構えて、対するキンジも銃をガオウに構える。

 

「キンジー!」

 

「イッセー君!」

 

「桜井先輩!」

 

その時ガオウの背後から別行動で見回りしてたアリア、祐斗、子猫がやってきて、ガオウは挟まれた状況になる。

 

「遂に見つけたわよ仮面ライダー!

大人しく拘束させてもらうわ!」

 

「アリア!油断するなソイツは一筋縄では行かない!」

 

(・・・引き上げ時か。)

 

ガオウはガンモードのガッシャーを辺りに撃ちまくる。

辺りは銃撃により煙幕が出来て、煙幕が晴れる頃にはガオウの姿は見えなくなった。

 

「あっーーーー!もう!また逃げられた!

キンジ!アンタその状態になっておきながら何で逃げられてんのよ!?」

 

「すまない、どうやら相手は俺達の一つ二つ上を行くような相手だったんだよ。」

 

「でも今回の事で二つほど成果は出たわ。」

 

苛立ちをキンジにぶつけるアリアにハルナは先程の戦闘で得た成果とやらをアリアに言う。

 

「まず、アイツの弱点。あそこまでしたってことは十中八九あのベルトが弱点よ。

それと遠山が撃った時に庇った足、さっき少し引きづってる様子が見られたから足にケガを負った筈よ。」

 

「でもそれだけじゃ決定的に正体を突き止められないじゃない。」

 

「違うんだアリア。桜井が言いたいのは、今まで手も足も出なかった相手にようやく成果を出せた。

この事が何より大事なんだ。」

 

「そう言う事。とにかくこの事を部長に報告しましょ。

足を怪我した奴が仮面ライダーだって。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ふう。」

 

うまく撒いた悠は公園のベンチで足を擦りながら腰を下ろしてた。

 

(まさか遠山があそこまで切れ者とは。・・・

とんでもない奴らと知り合いになったもんだ。)

 

先程のキンジのあの変わり様。こちらの動きを把握して戦術を立てるタイプの奴、普段の雰囲気とは違うから多重人格?など、悠はキンジの事を警戒し始めた。

 

(暁といい、遠山といい。敵に回ればこれほど厄介とは。

ホント今回の仕事は厄介な仕事だよ。)

 

心の内に毒を吐きながら悠は足の痛みを我慢して自宅へと歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





次回お楽しみに。

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