その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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今回は敵の正体が一部明らかに。


襲撃

 

 

「ずいぶん遅くなったな。」

 

「まぁ姫柊さんがあそこまで猫に戯れてたのが意外に時間掛かったな。」

 

「うぅ。」

 

日もすっかり落ちて廃教会を後にして凪沙を除く悠と古城達は古城が住んでいるマンションへと向かっていた。

 

事のきっかけは上機嫌の凪沙が教会に居る面子で夕食を取ろうと提案したのが発端で、悠や夏音は最初は戸惑ったが凪沙のマシンガントークに飲まれて夕食をご馳走になることになった。

二人が来ることになったので凪沙は一足先に悠達の元から離れ食材の調達に行き、残された悠達は未だ猫と戯れてる雪菜を余所にそれぞれ猫にエサやり等の世話をしていた。

 

そうしている内に外はすっかり日が落ちて夜になっていき今に至る訳である。

前に古城と悠が並んで歩き、後ろでは顔を赤くして俯いてる雪菜を隣の夏音が慰めながら街路を進んで行ってる。

 

「なんだがすみません。私もご飯に誘ってもらっちゃって。」

 

「いや凪沙は少し強引な時があるから気にすんな。

初めて会った姫柊や灰原だってよく誘ってんだし。」

 

「えぇ、凪沙ちゃんの作るご飯はおいしいですからきっと叶瀬さんも気に入りますよ。」

 

「それに彼女のことだから、皆で食べた方が良いとか言いそうだしそこは遠慮しないでいいんじゃない?」

 

「最初凪沙の誘い渋ってたお前が言うか。」

 

「俺は別に礼はいいっていう気持ちからで言ったまでだよ。」

 

「礼って、お兄さん凪沙ちゃんとはどういう関係なんですか?」

 

「あぁ、こいつが凪沙が襲われてる所を助けたらしくて、最初は凪沙がずっとなにかお礼がしたいって言ってもこいつが頑なに遠慮し続けていく日々が続いて、そんでもって最近ようやく付き合いよくなったと思ったらぱったりと会う機会が無くなって凪沙の機嫌が悪くなっていったって訳。」

 

「・・・・長い説明どうも。」

 

「でも本当に凪沙ちゃん灰原先輩と会えなくて落ち込んでましたよ。

実際の所今まで何やってたんですか?」

 

「おい姫柊!」

 

「あっ。」

 

雪菜がしまったという顔をしていたがそんなことを余所に悠はいつもの様にはぐらかしながら答える。

 

「別に、特に何かやって会わなかったとかじゃなくて偶々会う機会が無かったってだけの話さ。

それより、あんまり遅いとそれこそ凪沙ちゃんがまた不機嫌になっちゃうよ。」

 

そう言いながら先に進んで行く悠。

悠の言葉に簡単に心の内を明かしてくれないことに心にモヤが罹ったような気持ちになる古城と、出会った時に体中にケガを負った事が何か関係があるのではないかと思考する夏音などそれぞれが思うなか、背を向けてながら歩く悠の背中を見る事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

カラカラッコロカラッコロ

 

 

「ん?」

 

「どうしました?先輩。」

 

その時ふと後ろから何か落ちた音が聞こえたので後ろを振り向く古城達に自然と悠の足も止まる。

 

振り返ると道端に石ころの様なものがいくつかあり、先程の音の正体はこれらが原因だと知る。

しかしなぜ石が?と思った矢先石から紫のオーラが出て来ると同時に次第に形が変わりそれが人間大の大きさになる頃には石は人型の石の肌を持った短い角を生やした人外の姿に変わっていた。

 

「なんだよコイツ等は!」

 

「新手の魔獣!?先輩、叶瀬さん!下がって!」

 

古城達が突如現れた怪物に驚くなか唯一人、悠だけは目の前の怪物に違う点で驚いていた。

 

(どういう事だよ、なんでこの世界にグールが・・。)

 

目の前の怪物、グールは悠の知りえるなかでは下級の怪人だがその力は人間を遥かに超えており銃を持った兵士が相手でも簡単に返り討ちにしてしまうし存在なのだ。

 

(って、考えられるのは一つしかないだろ!)

 

「暁!二人連れてお前等は逃げろ!」

 

「なっ、何言ってんだよ灰原!」

 

「コイツ等は魔力で出来たデクだが力は人間の倍だ。

普通の人間相手じゃ相手にならん。」

 

剣を構え古城達の前に出てグール達に対峙する悠、悠に逃げるように言われた古城達だが納得がいかないと言う顔で悠に反論する。

 

「待てよ!何でお前がアイツ等に関して知ってるのか知らないけど、このまま言う通りに逃げろって言われて素直に出来るか!」

 

「バカか!こっちは姫柊さんや叶瀬が居るんだぞ!?この状況で二人をココに居させる訳に・「大丈夫ですよ、灰原先輩。」・・・はい?」

 

悠の言葉を遮るように言った雪菜は背負ってるギターケースから槍のようなものを出してグール達に構える。

 

「私、こういった荒事には慣れてますのでお気遣い無用です。

灰原先輩、あの魔獣達は決して倒せない相手って訳じゃないんですよね?」

 

「あ、あぁ。それなりの腕があれば戦闘不能にすることは出来る。」

 

「なら先手必勝です!」

 

槍を構えた状態でグール達に突っ込んで行く雪菜。

グールは手に持ってる槍を向かってくる雪菜に突きつけたが雪菜はそれを跳んで回避しすれ違いざまに槍で一閃する。

 

グールの輪の中に入った雪菜は周りのグール達を巧みな槍術で薙ぎ倒していき、グールに反撃の隙を与えずグール達を全滅させた。

 

「・・・・ねえ暁。姫柊さんて実は結構強い?」

 

「あぁ、実力ならそこら辺の功魔師よりも強いぜ。」

 

「すごいです、雪菜ちゃん。」

 

本当なら三人を逃がし、逃げ切った頃合いに変身して対処しようとしたのだが雪菜の奮闘によりグール達は悠の手を下すまでもなく倒された。

 

グールが立ち上がらないことを確認した雪菜は悠達の元へ行き雪菜は悠に先程のグールについて問い詰める。

 

「さて色々聞かせてもらいますよ灰原先輩。あの魔獣達は結局何なんですか?それになんで灰原先輩はあの魔獣達について詳しかったんですか?」

 

「えぇとそれは・・・。」

 

槍を持ちながら悠に問い詰める雪菜に古城と夏音も中々口を開くことが出来ず、対して悠の方も先程易々とグールについて知ってますよと言う事を口に出してしまったのでどう誤魔化すか必死で考えていた。

 

「あーあれはだな、えーと・・・・。

!、皆伏せろ!」

 

悠がいち早く気づき全員に伏せる様に叫ぶと悠達の周りに火球のような攻撃が爆発する。

 

「きゃああ!」

 

「うわっ!」

 

「また新手!?」

 

火球が飛んできた方へ眼を向けると、牛のような角を頭に着けた怪物が唸りながら此方に歩んできていた。

 

(おいおい冗談だろ。グールの次はファントムが来るとか!)

 

「灰原先輩!あれもさっきの魔獣と何か関係があるんですか!?」

 

雪菜が槍を構えながら悠に目の前の怪物について聞き出そうとするが、こちらに来る怪物、ファントム・ミノタウロスは再び口から火球を悠達に向けて放った。

 

「!、雪霞狼!」

 

槍を前に突き出して防壁の様なものを出すがミノタウロスの火球が強かったのか雪菜は防壁を出したまま後ろに吹き飛ばされた。

 

「きゃあああ!」

 

「姫柊!」

 

「ちィ!」

 

剣を抜いてミノタウロスに斬りかかるも強靭な皮膚を持ってるファントム相手では今一つ効果が無かった。

 

(クソ!グールは兎も角やっぱり変身しないとファントム相手じゃ厳しいか!)

 

「オ・・・レテ・・・・。」

 

(ん?)

 

棒立ちするミノタウロスに幾度か斬りつけるが効果が無い事に内心悪態をつけるがミノタウロスが口にした言葉に気を取られ剣を掴まれてしまう。

 

「オンナ・・・ツレテク・・アルディギア・・オンナ・・。」

 

(!、コイツの狙いは叶瀬か!!)

 

「ジャマスル・・ヤツ・・・ケス!!!」

 

敵の狙いが夏音であることに気付いた悠にミノタウロスが殴りかかり、突然の事に我に戻るのが遅かった悠はミノタウロスの一撃をモロに喰らった。

 

「がはっ!」

 

「お兄さん!」

 

「灰原!この野郎ォォォ!」

 

吹き飛ばされた悠を見て古城がミノタウロスに向かって行き、古城は自身の持つ力を解き放って渾身の力でミノタウロスを殴った。

 

(硬ぇ!吸血鬼の力使ってこの程度とかコイツどんだけなんだよ!)

 

「ブオォォォォォッ!!!」

 

ミノタウロスの顔に渾身の拳を叩き付けたが逆にミノタウロスの怒りを買ってしまった古城にミノタウロスは口から火球を放とうとする。

 

(ヤベェ、避けれねえ!)

 

「先輩!」

 

「ウラァ!」

 

寸での所でミノタウロスに跳び蹴りをして火球の軌道を逸らした悠。

蹴られたミノタウロスが一瞬よろめいた隙に悠は体の全身を最大限に使った突きをミノタウロスの喉元へ突き出す。

 

「オラァ!」

 

「ブオォッ!!」

 

流石のファントム言えど急所を突かれたことによりたじろくミノタウロス。

 

この間に悠は夏音を逃がすように二人に言おうとするが。

 

「暁。いいか叶瀬を・・。」

 

「灰原お前大丈夫なのかよ!?

さっきアイツに吹っ飛ばされて立ってるとか。」

 

「平気だから今は・・。」

 

「暁先輩!なんで何の考えも無く突っ込んだんですか!?

灰原先輩もさっき吹き飛ばされたのに無茶しすぎです!」

 

「分かった、後でいくらでも説教は聞くから、今はかな・・。」

 

「お兄さん!大丈夫ですか!?」

 

「・・・・いいから話を聞けぇ!

アイツの狙いは・・。」

 

「お兄さん後ろ!」

 

「ブルァァァァァァッ!!!」

 

「なっ!?」

 

「うおっ!」

 

「先輩!」

 

「お兄さん!」

 

中々最後まで言えない悠に立ち直ったミノタウロスが悠達に突進してきて悠と古城を掴みあげそのまま猛スピードで駆けていく。

 

二人を掴んだミノタウロスはビルの壁に二人を叩き付け、そのまま首を締め上げようとする。

 

「がっ!」

 

「ごはっ!

・・こんの。」

 

掴まれてる状態の悠は持ってる剣を逆手に持ち替えミノタウロスの右目に突き刺す。

目を刺されて堪らず二人を放し雄叫びを上げながら深く刺さってる剣を抜こうとする。

 

「ブアァァァァァァァッ!!!」

 

「若雷!」

 

「ブアッ!!」

 

雪菜が放った掌底はミノタウロスに簡単に入り後方へ吹っ飛ばされる。

その隙に雪菜と夏音が古城と悠の元へ駆け寄る。

 

「お兄さんしっかりしてください!」

 

「あぁ生きてるよ。問題無く。」

 

「先輩無事ですか!?」

 

「おう、灰原が何とかしてくれた御蔭で。」

 

「取りあえずみんな聞け、アイツにはどうやっても勝てる見込みがない。

そこでだ、俺が時間稼ぐからその間にお前等逃げろ。」

 

悠の言った事に三人は目を見開く。

特に夏音なんかはこの前のはぐれ悪魔の時も自分を助けるために一人ではぐれ悪魔に向かって行ったのを思い出して悠の腕を掴んで否定した。

 

「嫌です!あの時はお兄さん無事だったけどまたお兄さんを置いて逃げるなんて絶対に!」

 

「そうですよ!勝ち目がない相手なら灰原先輩がそこまでの危険を犯す必要はないはずです!」

 

「アイツに関して知ってるのはこの中で俺だけだ、別に最後まで戦り合う気はない適当に時間稼いだらさっさと逃げるよ。」

 

「バカ野郎!こんなザマになって一人で残るとかふざけんじゃねえぞ!

そんな事ならオレが・・!」

 

一人で残る事を言う悠に最後まで納得がいかない古城に胸倉を掴んで今まで見せた事の無い目で古城を睨む。

 

「いいかよく聞け。俺はお前等逃がすために死ぬ気は毛頭ねえ。

ここで誰か残って時間稼ぐのが得策だと考えたから言ったまでだ。それとも全員で逃げて追いついたアイツに皆殺しにされる可能性を取るか?」

 

「っ!」

 

「・・・先輩。ここは灰原先輩に任せましょう。」

 

「姫柊!?」

 

「正直言って叶瀬さんが居るこの状況で守りながら戦うのは危険です。

おまけにこちらは敵の正体について知る時間もない。」

 

「そういうこった。姫柊さん、何処かで籠城できるような術とか持ってる?」

 

「えぇ、簡単な結界ぐらいは。」

 

「なら叶瀬を連れて何処かの建物でしばらく身を隠してくれ。

敵がアイツだけとは限らないから。」

 

「分かりました。」

 

「おい灰原!」

 

「何度も言わすなよ、俺は死ぬ気は無い。

その代り、ちゃんと二人を守ってやれよ男の子。」

 

古城の胸に拳を付けて激励した悠は夏音の前に立ち頭を撫でながら言う。

 

「お兄さん・・・。」

 

「大丈夫だ、すぐまた会える。

・・・・俺を信じろ。」

 

「・・・・はい。」

 

泣きそうな顔をしながらも首を縦に振る夏音。

 

ミノタウロスが剣を引き抜き、右目が潰れてる状態で唸りながら近ずいてくる。

 

「ツレテク・・アルディギア・・・。」

 

「さて、・・・・いけお前等!」

 

ミノタウロスに向かって走る悠とは対象に逆方向へ走っていく古城達。

 

古城が後ろを振り向くとミノタウロスと組み合ってる悠の姿が段々と小さくなり遂には見えなくなるまで走った所で雪菜に言った。

 

「おい姫柊!ホントにこのまま灰原を置いて逃げるつもりかよ!?」

 

「大丈夫です。あそこに式神を置いてきましたから何かあれば・・・えっ!?」

 

「どうした!?」

 

「・・・・・灰原先輩と魔獣が・・消えました・」

 

 

 

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場所は誰もいない廃工場。

 

その中の上空で突如一人の男と牛の様な怪人が現れ、二人はそのまま重力に従って落ちていった。

 

「ぐっ!」

 

「ブアッ!」

 

起き上がった悠の手に持っていたのはZと描かれた一本のガイアメモリ。

あの時ミノタウロスと組み合った時に、取り出したゾーンのメモリを使って自身とミノタウロスを一目の無い所まで飛ばしたのだ。

 

「ジャマ・・モノ・・・・ケス・・ケスゥゥゥッ!」

 

「ここなら誰にも気にせず戦える。

さぁ、ここからが本番だ。」

 

懐からゲネシスドライバーを装着してロックシードを構える。

 

「変身。」

 

<< レモンエナジー! >>

 

<< LOCK・ON >>

 

<< SODA! >>

 

<< レモンエナジーアームズ! >>

 

<<FightPower!FightPower!Fi,Fi,Fi,Fi,F,F,F,F,Fight!>>

 

変身したデュークを前に一層闘気を高めるミノタウロスにソニックアローを構えるデューク。

 

「さっきは随分と世話になったなあ。

お礼にこの前チューンアップしたばかりのゲネシスドライバーの性能とくとご覧に入れようじゃないか。」

 

「ブルアァァァァァァッ!」

 

角を前に突き出してデュークに突進してくるミノタウロスを片手で受け止め、ソニックアローでミノタウロスの角を両方とも切り落とす。

次に前蹴りで少し下がらせ、威力が上がったソニックアローで斬り付けミノタウロスにダメージをじわじわ与えていく。

 

「ハアッ!」

 

「ブハッ!」

 

数度斬られ蹲るミノタウロスを前にベルトのシーボルトコンプレッサーを押す。

 

<< レモンエナジースカッシュ! >>

 

するとホログラムで出来たデュークの幻影がミノタウロスの周りを囲み、ミノタウロスは目に見えるデュークを片っ端から攻撃するが幻影であるため通り過ぎてしまい見事に錯乱する。

 

デュークはソニックアローの弦を引き、横に捻るとアークリムが広がり巨大な弓から放たれた矢はミノタウロスに大きなダメージを与えた。

 

「ブアァァァッ!!!」

 

大きく吹き飛ばされ膝を着くミノタウロスにデュークは黒幕が誰であるか聞き出そうとする。

 

「お前に指示を出したのは誰だ?お前は一体誰の元で生まれたファントムなんだ?」

 

「ブウゥゥゥッ!」

 

この世界には仮面ライダーの怪人はいない世界。なのに関わらずグールやミノタウロスなどの怪人が現れたと言う事はそれを生み出した転生者が居る事。

夏音を攫って何を企んでるかは知らないがこのまま野放しにする気は無い、デュークはミノタウロスの言葉を待つが。

 

「オンナ・・ツレテク・・・アルディギア・・・ツレテク・・。」

 

「言葉は通じないか。どうやら聞き出すのは無理らしい。」

 

<< LOCK・ON >>

 

「ジャマスルヤツ・・・ケスゥゥゥゥゥッ!!!!」

 

ソニックアローにロックシードをセットして構えるデュークに再度突進するミノタウロス。

デュークは弦をまた捻って弓を強大化し、威力を倍にしたソニックボレーを放とうとしていた。

 

「ハッ!」

 

<< レモンエナジー! >>

 

「ブアァァァァァッ!!!!」

 

螺旋の軌道を描いた矢は真っ直ぐミノタウロスの元へ突き刺さりミノタウロスは叫びながら倒れ爆散していった。

 

変身を解除した悠はミノタウロスが倒せれたことを確認すると、古城達の元へ行こうと思って歩いた。

 

「・・・にしてもアイツなんで叶瀬を・・・。」

 

悠は何故ミノタウロスが夏音を狙ってるのか不思議に思った。

 

すると悠はミノタウロスが言ってた言葉を思い出す。

 

 

 

 

アルディギア

 

 

 

たしかにミノタウロスはこれを言ってた。

 

 

 

狙われた理由は夏音にアルディギアの血が流れてるから?

 

 

 

ならば敵の狙いはアルディギアの血が流れてる人間?

 

 

 

 

 

 

「!、まさか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「おや、ミノタウロスがやられましたか。」

 

どこか古めかしい書庫の中で黒スーツの男、大臣は水晶玉に写ったミノタウロスの死に際に対して驚く様子もなく口にした。

 

「なるほど、これが仮面ライダー君の実力ですか。

まあミノタウロスに頼んだお遣いは失敗したようですが彼の力を見れたのでいいとしましょう。

それに・・・。」

 

大臣が水晶玉に手を翳すと写ってる景色が変わり、それを見た大臣は笑みを浮かべる。

 

「さすがに予想できないでしょう?私が放ったファントムがもう一体いるとは。」

 

水晶玉には空港で燃えている飛行船とラ・フォリアの姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





後編に続く。

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