その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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悩むに悩んだ結果、オリジナルの話で行く事にしました!
原作を期待した皆様、ごめんなさい。


暗躍

「見つかったって…この間言ってた身内って言うのが?…。」

 

『えぇ。その件でまた其方に伺う事になったんです。それで私がその子に会うまでアナタにその子の護衛をお願いしたいのですが…。』

 

「…なぁ、その身内ってのもしかして中学ぐらいの年齢?」

 

『あら、その口ぶりだともしかして…。』

 

「…ちょっとした事故で少し、ね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日が変わって学校終わりの放課後、悠は以前行った廃教会の元へ向かっていた。

 

頭の中でどうラ・フォリアが来るまでどう自然に彼女の傍に居るかを考えながらこの間の一件を思い出して余りの奇跡的な繋がりにしみじみ思う。

 

「にしても奇妙な縁だ事で…。」

 

昨日の電話であの時の少女が思ってた通りにラ・フォリアの血縁者である事が分かった

悠はラ・フォリアの頼みを受けて少女の護衛をしてやることにした。

この間の一件での恩もある事から悠にしては珍しい事をしてると自分でも思うくらいだ。そんな考え事をしている内にあの時の廃教会に着いた。

 

まだあの時の戦闘の爪痕が残ってる様であり所々地面が抉れたり、木に削った後が残っているのを横目で見ながら教会の中へ入っていく。

あの時は詳しく中の様子を見ていなかったがボロボロの長椅子が乱雑に置いてあり壁に穴が開いたりなどしていた。

 

そんな廃墟にチラホラ目に写る猫が多数、この数を一人で世話していたのかと思うと彼女はかなりのお人好しだと言うのが再確認される。

そんな事を思ってると悠の足元に猫がすり寄ってきた。

悠はしゃがんで無意識に猫の喉元を撫でてやり、撫でられてる猫は気持ちよさそうに鳴いている。

 

その時こちらに向かって来る気配を感じ彼女が来たのかと思ったがその気配は一つではなく複数。

思わず壁際の柱に隠れて身を隠し様子を窺う事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おわっ、また随分居るんだな。」

 

「先輩!見てください。ネコですネコ!ネコがいっぱい!」

 

「うわぁー、すごい数だね。

この子達皆夏音ちゃんが面倒見てるの?」

 

「はい、皆捨てられていたの私がココで面倒見ているんです。」

 

(…オイオイ。)

 

入って来たのは今回の目当てである彼女であったが、なんの偶然か見知ってる面子が居る事に頭を抱える悠。

 

この状況でどうやって彼女に近ずこうか悩んでる時に、さっき撫でた猫が悠の足元に近づいて鳴き始めた。

構って欲しいのか鳴き続ける猫に「しー!」と言うも一向に鳴りやまず、仕方なしに抱き抱え先程と同じ様に喉元を撫でる。

撫でられたことにご満悦か目を細めて気持ちよさそうにする猫を見て「ほっ。」と溜息をつくも。

 

「…お兄さん?」

 

「灰原、…何やってんだお前。」

 

「ネコ~~♡」

 

「悠先輩!?」

 

「………やぁ。」

 

時既に遅しだった。

 

 

 

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「いやー本当に久しぶりですね悠先輩。

最後に会ってからどのくらい経ちましたっけ?確かアタシの記憶では一カ月と少しですね。アタシの方から会いに行こうにも家の場所も知らないし携帯の番号だって教えてくれませんでしたし、那珂ちゃんから聞こうにも知らないの一点張りですからこのまま会えなくなると本気で思っちゃいましたよ?

おまけに古城君から聞きましたけど先輩のクラスに来た転校生と随分仲良くなってるそうで悠先輩ってホント女子にモテますねえ?そのうえ夏音ちゃんとも仲良くなってるなんて知りもしませんでしたよ。」

 

「…ホントに申し訳ありませんでした。」

 

隠す様子も無く腕組みをしながら青筋を立て背後に尋常じゃないオーラを纏いながら正座する悠に問い詰める凪沙。

思わず深々と頭を下げ謝罪する悠を今噂の仮面ライダーだとは誰も想像しないだろう。

そんな悠に同情したのか古城が止めに入る。

 

「ま、まぁ凪沙。お前の意見は最もだけどこうしてまた灰原に会えた事だし、今回はその辺にしとけ。な?」

 

「むぅー。…まぁ本当はまだ言いたいことが一杯あったけど夏音ちゃんも居るし、今日はこの辺にしましょう。」

 

(今日はって、後日またやるつもりなのかよ。)

 

「ただ、さすがにこれじゃあ消化不良なんで悠先輩に罰を与えます♪」

 

正座から解放されたと思いきや突如悠に対してのぺナルティを提案した凪沙。

今の状況では悠は何言っても凪沙に対して反論できないため、渋々ぺナルティを受けることを承諾する。

 

「まずこれから悠先輩のことをゆーくんと呼ぶことにします。

話し方も古城君と同じように話していきますので。」

 

「…まぁその程度なら全然構いやしないが。」

 

「次に、これから週一でも良いんで、ウチにご飯食べに来てください。」

 

「あー、。…それってドコが罰?」

 

「最後に携帯の番号とアドレス教えてください。

言っとくけど拒否権はありませんよ♪」

 

「……はい。」

 

満悦の笑みで言ってくる凪沙に逆らうことができず携帯の番号とアドレスが描かれたメモを渡す。

 

上機嫌になった凪沙を余所に例の彼女が悠の元へ歩み寄る。

 

「あの…もうケガは大丈夫でしたか?」

 

「あぁ。お陰様で、全快さ。」

 

「怪我?灰原お前ケガなんてしてたのか。」

 

「はい。私が見つけたとムグッ!」

 

「あぁ、バイクでちょっと転んでケガした時に彼女にね。」

 

彼女はあの時の怪我がバイクの転倒で着いたケガでは無い事に疑問の目をするが口を塞いだ悠の目が”合わせろ”というアイコンタクトを取っていたのでその場は悠に合わせる事にした。

 

「どうした灰原?いきなり叶瀬の口塞いで。」

 

「あぁ、こういうのは他人が言うのと自分で言うのとは大分違うから。

それはそうと君叶瀬って言うんだ。」

 

「ぷはっ!ふう。

はい、叶瀬夏音っていいます。」

 

「灰原悠だ。あの時はホントに助かったよ。」

 

お互い自己紹介した後悠は何故ココに古城達が居るか考え、恐らくは携帯を見て上機嫌になってる凪沙が夏音の知り合いで夏音が猫の様子を見るのに便乗した所古城と雪菜が巻き込まれたという推測を立てる。

 

とりあえず夏音には後であの日の事について黙ってもらうよに頼むとして多少のイレギュラーはあるが夏音の警護へ切り替える悠だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネコ~~♡」

 

「…姫柊さんって、猫好きなの?」

 

「あぁ、かなりな。」

 

 

 

 

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同時刻、場所は何処かの室内と思われる場所。

そこにある巨大な丸テーブルを照らす光しか無い空間に三人の男。

 

丸テーブルに付いてる椅子が二つほど空いてるが三人の内黒いスーツに身を包んだ男が仕切るように口を開いた。

 

「さて、では会議を始めるとしましょうか。」

 

「待てよ、空席が二つほどあるんだが?」

 

赤いジャケットを羽織った黒髪に金メッシュの若い男が発言するが黒スーツの男は静かに答える。

 

「あぁ、ジャッジとラヴァーは今お楽しみの時間で来れないそうですよキング。」

 

「なぁ、そのキングっての変なアダ名、前から聞こうとしてんだがこれ意味あんのか?」

 

「深い意味はありませんよ。ただこういうの悪の組織と言う感じがして雰囲気が出るじゃないですか。」

 

「そろそろお喋りはその辺にして本題に入らないかい大臣?

ボクも軌道に入った作業を中断してまで時間を作ったんだから。」

 

大臣と言われた黒スーツの男に灰色の髪をした白衣を着た男が話を進める様に言う。

 

「これはすみませんドクター。

ではここ最近の活動報告を・・・ドクター、お願いできますか?」

 

「あぁ、作業は概ね順調だ。

オリジナルのコアに比べれば上級の進化やコピーは出来ないが作業コストと最低限の性能はうまくいってるから大量生産に問題は無い。

あとはボディの制作をすればこちらのノルマは達成だ。」

 

「素晴らしい。ではキング、貴方の方はどうですか?」

 

「昨日はココに嗅ぎ付けた何処かの組織の奴らを始末した。

一人捕まえてココの地下に縛っておいたから後で何処の回しもんか聞いてみるさ。」

 

「お願いします。

あと、ここに居ないジャッジとラヴァーからの報告ですが、我々の拠点と資金面については問題なく。ラヴァーからも先程敵対してた転生者のグループを掃除したと来てます。もしかしたらキングが聞き出そうとしてるお仲間の所かもしれないですねえ。」

 

「あっそう。変人なのか働き者なのかどっちかにしろっての。」

 

「ところで君はどうなんだい大臣?

例の人造体と人間の適合は。」

 

「えぇ、なんとかうまくいきました。

ただこちらの命令を聞く以外理性が無いのが難点ですが、実力はオリジナルと同等かそれ以上の秘めてます。

それとテストして適合させるのに面白い人材の情報を掴んだので今日出来たのをテストとして回収させる手筈です。

もし運が良ければ彼に遭遇するかもしれません。今噂の仮面ライダー君に。」

 

「はっ、んなモン俺が直接出向いて綺麗に始末した方が手っ取り早いっての。」

 

「落ち着きたまえキング。今我々の方針は準備期間だ。この世界を圧倒的に支配するためのね。」

 

「ドクターの言う通りです。それに焦らずとも近い内彼と戦う事になりますよ。

彼が仮面ライダーなら尚更我々五人とね。」

 

「・・・・・ふん。」

 

「さてこれ以上無いのでしたら今日はここまでにしましょう。

皆さん、自分の役割に専念してください。」

 

大臣が仕切って会議が終わり、ドクターとキングは部屋を後にする。

残った大臣は笑みを浮かべながらこれから会うべき敵であろう存在を思い浮かべながら口を開く。

 

「さて、噂の仮面ライダー君はどれほどなのかこの目で見るのが楽しみですよ。

・・・っと、今は仕事に取り掛からなくては。」

 

大臣がテーブルに置いたファイルを持って席を立とうとした弾みにファイルから一枚の写真が床に落ちる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真に写っていたのは今悠の傍に居る夏音の姿が写っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回出た謎の組織の正体は?
そして夏音に来る魔の手とは?

次回お楽しみに。

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