その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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さすがに一日に三話連続はキツイ・・。
今回はあのライダーが暴れます!




 

虚空より現れた灰色のカーテンから一人の男が歩いて出て来た。

彼は視界に入る風景を見て、ポツリと言葉を漏らす。

 

「…ここが、混合された世界、か。」

 

誰もいない深夜の高台で某破壊者のようなセリフを言ったのは、紫のシャツに黒のズボンを履いた男、使命を帯びてこの世界に降り立った転生者、灰原 悠。

今彼のいる場所は観光スポットなのか街全体が一望出来る場所だった。下にある街を見て、恐らくあそこにこれから自分の拠点となる家があるだろうと考える。

携帯を操作して上司である神からのメールにより、場所を確認。それから家に着き、まずすべき行動は…。

 

「…眠い。」

 

時刻は深夜、普通なら誰もが眠る時間彼は、先ほどまで転生者の相手をし、その上上司からいきなりの呼び出しを受けた為に早く家に帰って寝りたい気分だった。

 

(とにかく、この辺の調査は休んでからでいいか。)

 

悠は、懐から桜のレリーフがある錠前を解除。上に投げると錠前は姿を変え一台のオフロードバイク[サクラハリケーン]になりヘルメットを被って拠点である家に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

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「…なに、この状況。」

 

 

えーーと、うん。まず落ち着いて客観的に見てみよう。俺は一刻も早く家に入り、ベッドにダイブして好きに寝ようかと思いロックビークルで進んでいた中、偶々通り掛かった公園に視線を向けて思わずブレーキをかけよく見てみると。

 

「ぶるあああああああ!!!」

 

牛だが鬼だが分からん角の付いた上半身裸のやたらデカい化け物が、目の前のビビッて腰抜かしてる女を前に吠えていた。

 

「……うん、わからん…。」

 

見たところ撮影という穏やかな雰囲気でも無い。寧ろ凄く緊迫の場面であることは一目瞭然であった。

 

様々な世界が複合されたと聞いたが、こんな物騒な世界が合わさったと言うのは出来れば最初に聞いておきたかった。

 

「全く、やれやれだな!」

 

アクセルを回し、公園内に入って化け物目掛けて進んでいきウィリー走行で体当たりを仕掛ける。化け物はバイクの騒音に気づいたか、後ろに飛び跳ね女との距離を離し、俺はその間に入り込む。

 

「あっ、あのわ、私・・」

 

「はいはい、まずは落ち着いてそんで俺の目を見て。そんでゆっくり、深呼吸、そうその調子で………おやすみ。」

 

バイクから降りて女の目線を合わせてそれっぽいことを言いつつ、息を吐いて視線が此方から外れた瞬間に、首に手刀を入れて静かになってもらう。

 

「貴様何者だ、なぜオレの食事の邪魔する。」

 

「へぇ、喋れたんだ…まあその質問の答えはただの成り行き…かな?」

 

「ふざけたことを、まあいい、所詮家畜が増えただけだ。貴様も食って、今日の食事は上がりだ。」

 

「食事ねぇ…つかぬ事聞くけどさぁ、おたく転生者って言葉に聞き覚えはない?」

 

「知らんな」

 

「そうそりゃ残念。じゃあもう一つ…お前今までどのくらいの人間食ってきたんだ?」

 

「さぁなぁ、いちいち食った家畜など覚える必要もないな。

強いて言うならこの間食った人間の家族はよかったなあ、まず父親を食って、母親と子供に見せつけて、母親が自分を差し出す代わりに息子の命は助けてくれと言ってきた。俺はいいだろうと言い、息子に逃げるように言った母親が走って逃げる息子を見て安心したところを踏みつぶしてやったけか。

あのときの母親の顔は見物だったなぁ、一瞬にして絶望に変わったあの顔が、まあ今は仲良く俺の腹の中にいるがなあ。ハッハッハ!

さてそろそろお喋りはこの辺にして、食事にさせてもらうぞ、お前とそこの女でなあ。」

 

延々と聞かされる一方的な過去話に、自分の顔付きが変わってるであろうと薄々感じ取る。

 

化け物がいざ掴み掛ろうと悠と気絶している女の方へ進んでいく中、悠は金色のパス

[マスターパス]を持って、再度問いかける。

 

「まあ待てよ、最後の質問に位は答えてくれや、お前は俺を食うっていってたよなぁ?…

 

 

 

 

 

だったら逆に喰われても文句はねえよなァ?」

 

 

悠の腹部から炎と共に現れたモノは悠の腰に自動的に装着される、パイプオルガンのような待機音に化け物は警戒の色を見せる中[マスターパス]を腰にあるベルト[ガオウベルト]に近づけて。

 

 

「──変身。」

 

 

<< GAOH FORM >>

 

パスをベルトに付けると悠の体をスーツが纏われ、銅色の牙を模したアーマーが胸や肩に着き最後にワニのような口が頭部で複雑な変形をして仮面となって装着された。

 

全ての敵を喰らい尽くす暴食の牙[仮面ライダーガオウ]が現れた。

 

「なにっ!貴様神器の使い手か!」

 

「ぐだぐだるっさい、いいから黙って…喰われてろや。」

 

ガオウはベルトに付いてる[ガオウガッシャー]をソードモードにし化け物に斬りかかった。

余りのは速さに一瞬対応が遅れ、腕をクロスして防ごうとしたがガオウの想像以上のパワーによりガードした腕が切られ血が噴き出す。

ガオウは間髪入れず相手に何度も斬りかかり、ダメ押しにエネルギーを右足に集中し炎を纏わせたキックを入れて蹴り飛ばした。

 

「んだよ、全然喰い応えのない奴だなぁ。立派なのは見た目だけ?」

 

「ぐぅぅ!」

 

化け物は両腕の血が未だ流れ、体の至る所に斬らた跡があり蹴りをもらった腹には焼け焦げた足跡がくっきり残っていた。

ガオウは早々に終わらせようとパスを手に持ったが、化け物は口から火を吐き炎の壁を作った。

 

「このままでは、分が悪いのでなあ!この勝負はお預けだ!覚えてろ、次は必ず貴様を食ってやる!」

 

今ボロボロの状態でこのまま続けたら確実に自分は殺られる、この場は一端引いて傷が治るまで大人しくしよう。化け物は傷だらけの体にムチ打ってこの場から急いで離れようとした。

 

 

だが、それを許すほど目の前の相手は甘くなかった。

 

「お前に…次は無い。」

 

<<FULL CHARGE>>

 

 

パスをベルトに当て、ガオウガッシャーの刀身にエネルギーが溜まると刀身がガッシャーから分離し炎の壁を突き破り化け物の両足目掛けてガオウの必殺技[タイラントクラッシュ]が炸裂し、化け物の膝から下は食い千切られたかのような状態だった。

 

「があああァァ!!!」

 

足をやられた化け物は最早逃げる術を失い地に這いつくばった。後ろから聞こえてた足音が鳴りやんだ時恐る恐る振り返ると、ガオウが目の前で自分を見下ろしてた。

 

「そういえば、質問の答えまだ聞いてなかったなぁ。」

 

ガオウが最後に自分に問いかけてたのを思い出し、これが最後のチャンスだと思い、藁に掴むかのような心境で正直に答えた。

 

「お、俺は食われたくない!食われるのは嫌だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そ、答えは聞いてない。」

 

 

<<FULL GHARGE>>

 

無慈悲に言われた死刑宣告と共にエネルギーを纏ったガオウガッシャーで何度も斬られる。まるで腹を空かせた野獣が一心に肉を喰らうように。

 

「ぎゃあ!!や、やめがあああああああああああ!!!」

 

 

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ガオウの目の前には最早原型も留めてない唯の肉塊がそこらに散らばっていた。

変身を解除し、手鏡を肉塊に向けて鏡の中に全て入れた。

 

「まぁなんやかんやでお前を喰うのは俺じゃなくてあいつらなんだけどな。」

 

鏡を仕舞いバイクへと向かいながら悠は思う。来て早々こんな目に遭うなんてホントふざけた世界だと、できる事ならこの世界を造り出したバカとやらを一発殴りたいと思っていた。

 

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「…ヤベェ、あの女の事すっかり忘れてた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、というわけで主人公が最初に変身したのはガオウでした。
最初転生者にしようか迷ったんだけど、ガオウの良さ引き出したいからあえて違う相手にしました。

では、次をこうご期待

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