その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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今回は会談メインの話です。


対処

 

 

日付が変わった夜の学園に一室で行われている会談。

その中心にいる三大勢力のトップ

 

悪魔勢からサーゼクス・ルシファー

 

天使勢からミカエル

 

堕天使勢からアザゼル

 

それぞれのトップの付き人として、セラフォルー・レヴィーアタン、一部を除いたグレモリー眷属、ソーナ・シトリーと女王の椿、ヴァーリー、紫藤イリナを含めた面子で会談の主軸である神の不在、和平の話が終わった所でアザゼルがある話を持ち出す。

 

「さて、皆が仲良くしましょうって事になったんで話を変えようぜ。

コカビエルを殺ったリュウガってヤツのことをよ。」

 

アザゼルの切り出した内容にその場の空気が変わる。

 

「そうですね、話を聞く限りその者は教会のエクスカリバーを破壊したと一部の者が騒いでますから。」

 

「たしかそのリュウガという者に関しては、リアス。君達がこの中で一番関わったんだよね?」

 

「はい、魔王様。」

 

「正直あのコカビエルが殺られたって話を聞いたときはなんの冗談かと思ったが、それ以上にソイツは見た事も無い鎧を幾つも持ってるっていう話が俺の中では一番気になる話なんだよなぁ。」

 

「アザゼル。アナタは仲間が死んだというのに些か不謹慎ではありませんか?」

 

「そんな事は分かってんだよミカエル。

でも正直言って近い内コカビエルは俺らの中では早く死ぬと思ってたぜ、あいつ根っからの戦闘狂だからよ。

それにオレはこの欲があるから堕天したんだぜ?なら気になるもんがあるなら悲しむよりそっちに目がいっちまうっての。」

 

ミカエルがアザゼルの欲に対して呆れているのに対してサーゼクスが自身の妹であるリアスにこれまで確認されてる姿について聞き出す。

 

リアスはサーゼクスに言われた通りこれまで自分たちが見てきた事を言う。

 

二天龍の力に匹敵するほどの龍を従いコカビエルを倒したリュウガ

 

様々な姿と共に武器を巧みに扱う武神鎧武

 

そして四本のエクスカリバーを破壊した牙王

 

リアスから話されるリュウガについてその場に居た物はその正体について考えるが一向に謎が深まって行くだけであり、また一部を除いてリュウガのその計り知れない強さに期待しているものが一人いた。

 

「それにしても聞けば聞くほど謎の存在だね、アジュカにも聞いたがそれに該当する神器も我々悪魔の開発した魔道具でもないと来たからな。」

 

「エクスカリバーを破壊し、尚且つコカビエルを倒すほどの実力。

これは、敵に回れば厄介な相手かもしれませんね。」

 

「聞けば聞くほど興味が出てくるなあソイツ。

錠前で変わる鎧と武器に、カードで出す武器や魔獣?一度会って調べてみてぇなぁ。

・・・おいヴァーリー、お前考えてること顔に出まくりだぞオイ。」

 

「仕方ないじゃないか、今の話を聞いて抑えろと言うのが無理な話だよ。

正直あの時なんで何もしないで帰ったのかってすごく後悔してるんだ。あれ程の未知な強敵なんて滅多に会えないと言うのに。」

 

それぞれがリュウガについて見ていくなかサーゼクスはリアス達にあることを聞き出す。

 

「君たちはリュウガについてどう思う?この中では君達が一番彼と関わり戦ったとも聞いた。それを踏まえて君たちが感じた事を聞かせてほしい。」

 

サーゼクスの言った事にグレモリー眷属に目がいくなか先頭に立って言い出したのはハルナだった。

 

「私は・・正直アイツは何か目的があって戦ってるんじゃないかって思うんです。

コカビエルの時はパーティーに誘われたって言って来たから今回の事は偶然起きた事かもしれないけどそれまでのアイツは何かしらの理由があって戦っていたと思います。

その理由っていうのが分かりませんけど。」

 

ハルナはこれまでの行動からリュウガについて考えた結果最初にあった時の戦っていた転生者が関わりがあるんじゃないかと推測を立てたがそのようなことなど当然この場で言えることではない。

 

それにあの時、武神鎧武と戦っていた時に言われた言葉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「触らぬ神に祟りなしって知ってるかァ?」

 

あの言葉を聞いて関われば自分の身が危うい事になるかもしれないと強く思うようになりハルナ自身はリュウガについてあまり関わらない方が良いと思ったのだ。

 

ハルナの意見が終わり次に言い出したのは朱乃だった。

 

「私は一度戦ってみてのことなのですが、私の雷を躱すほどの反射神経と相手によって変えていく立ち回りなどから、かなり戦い馴れた凄腕の人と言った感じです。」

 

「俺としてはイケ好かない野郎といった感じです。

・・・でも、口で言って来るのに対してそれに合う強さを持ってるって言う事は認めざるえません。」

 

朱乃に続いて一誠の心境が打ち明けられた所に祐斗は若干遠慮気味に前に出ていく。

 

「僕は・・・最初は仇であるエクスカリバーを壊した憎い奴だと思っていましたが、コカビエルが矢を放った際に近くにいた僕を蹴って後ろに下がらせたんです。まるで助けてくれたかのように。

僕が斬りかかった時もこの街より僕の復讐を優先するのかって言葉を今思い返すと彼は彼なりにこの街を守ろうとしていたんじゃないかって思えるんです。」

 

「私も・・・私も祐斗さんの意見に同意です。

あの時皆さんが倒されてあの人が帰って行く際に言ってたんです。

あまり早まった行動はするな。じゃなきゃ全滅するぞって。

・・・・私は私達の事を気に欠けてくれたあの人がそんな悪い人だと思えません。」

 

祐斗の言葉に便乗するアーシアにより一層謎が深まっていく。

サーゼクスは残ってるリアスに意見を聞き出そうとする。

 

「リアス。君はどうだ?君から見て彼はどう見える?」

 

「私から見て途轍もない力を持った人間として見てます。

あの未知な力は敵にすれば確かに脅威ですが味方につければ心強い存在だと言えます。」

 

「オイオイ嬢ちゃんよぉ、お前さんまさかソイツのこと狙ってんじゃねえだろうな?そいつは些か無謀な賭けじゃあないか?」

 

「いえ、ですがもしこちら側に引き込めば和平を結んだ三大勢力の大きな戦力として期待は出来るのではありませんか?」

 

「部長!?」

 

「・・・・リアス。君は彼を味方に着けられると思っているのかい?」

 

リアスの表情から自信に満ちている顔を見てサーゼクスは問う。

リアスは兄に対して肯定の目を向けて首を縦に頷き答える。

 

「はい、祐斗やアーシアが言ってる事が間違って無ければ此方からアプローチをすれば

少なからず答えてくれるかもしれません。」

 

「ですが、彼が行った行為は教会のエクスカリバーの破壊に堕天使幹部のコカビエルの殺害。

このような者と協力関係が結べるかどうか今のところ疑心暗鬼なのですが。」

 

「まぁなんにせよ、実際にソイツに会って話聞かなきゃ始まらんからなあ。

取りあえずはヤツの身柄確保って形が妥当な案か。」

 

「ふむ、・・・・・ならばリアス。君たちはソーナ君達と共にリュウガの捜索及び確保について任せる。」

 

「分かりました。必ずやご期待に添えましょう。」

 

一通りリュウガの対処について話が決まった所で、ハルナはこの場に来てからずっと疑問に思った事を聞き出す。

 

「あの、一つお伺いしますけどゼノヴィアは?

彼女もあの場に居たのだからこの会談に出ても可笑しくないはずなんですけど。」

 

ハルナの言った言葉に反応するミカエルとイリナ。

イリナの顔は一気に落ち込んでいき、ミカエルがハルナの質問に答える。

 

「ゼノヴィアは、神の不在を知った事で教会の者から追放されました。

私が聞いたときには既に追放された後でそれ以降の足取りが掴めていません。」

 

ミカエルの言葉にハルナは本来リアスの眷属になる筈のゼノヴィアの失踪について驚き、最早これからの展開は自分の知る原作通りにいかないという事実に頭を抱える。

 

 

そして、そんなやり取りを天井に張り付いてるシフトカー[ミッドナイトシャドー]が会談の一部始終を全て見ていた。

 

 

 

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「俺を捕まえるか。」

 

ラボからミッドナイトシャドーから送られる映像を[カラフルコマーシャル]の映像から見ていた悠は三大勢力が自分の対処を知った。

 

「あの女、あれほど言ったのにまだ懲りないか。まぁ、あの程度の奴等なら大した脅威にはならないな。

・・・・それにしてもアイツ行方不明とかいきなり過ぎじゃねえのか?」

 

あの時生き方について言ってやったゼノヴィアの失踪に引っかかる悠。

 

そんな時カラフルコマーシャルの映像が一瞬止まったかと思ったら一部の奴らを除いて皆動きが停止しており、アザゼルがこの現象をテロリストの襲撃とみて各自応戦に向かってる状況だった。

 

「テロね、こういうこと考えてある程度の対策は立てるんじゃないだろうか。

シャドー、もう戻って来い。

ある程度向こうの事が知れた。これ以上そこに居る必要は無い。」

 

悠からの指示を聞いて撤退するミッドナイトシャドー。

悠は自分が狙われてる状況だと言うのに何の動揺も無くラボから出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本格的に主人公に目を向ける三大勢力。
主人公の運命はいかに!?
そしてゼノヴィアの行方は!?

これからの展開に乞うご期待!

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