その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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今回はあの男が主人公の前に出てくる話です。




 

 

ガレージ地下のラボ。

そこで悠は新たなロックシードの作成中であり正念場と言っても良い場面に到達してた。

 

「さぁ~て、今度こそ上手くいってくれよ。」

 

キーボードを操作しながら目を向ける先は、ケーブルに繋がれた一つのロックシード。

エンターキーを押して、画面の数値と共に赤く光るロックシードを見ながら成功を祈る。

 

「20…30…40、よし、記録を超えた。このままこのまま…。」

 

画面に出て来た数値に成功の期待を寄せるが、期待を裏切る様に突如ロックシードから電気が走り次第にそれが強くなってくる。

 

「…あー、クソッ!」

 

次の光景が目に見えたのか身を屈めた次の瞬間、ロックシードは大きく爆発した。

 

「…また失敗か。」

 

溜息を吐きながら原形を留めてないロックシードの破片を見ながら落胆する。

 

「これで26回の失敗、また一からプログラムの見直しかよ。畜生め…。」

 

そう言って椅子に背を乗せながら今後の開発プラン見直しをまた練っていく。

 

 

 

 

 

 

コカビエルを倒したあの夜から数日。

 

あの日以降仕事の連絡も無くただ日が変わって行く日が続いていき基本平和そのものと言ってもよかった。

 

しかし、だからと言って気を抜くわけにはいかない。

今この時でも出来るだけ戦力を上げるために自身の鍛錬と新兵器の開発の日々に明け暮れていた。

 

悠は休憩がてら今自分の戦力ともいえるライダーの力を今一度見直す。

 

ミラーモンスターの力を借りて戦うリュウガ

 

空中戦をメインに戦うバランスタイプのサイガ

 

強力すぎて使い時を見極める必要があるオーガ

 

高速移動のクロックアップを使うダークカブト

 

タイマン勝負に強い牙王

 

ガイアメモリの力を最大限引き出すエターナル

 

数々の武器を扱う事が出来る武神鎧武

 

ゲネシスドライバーから変身するデューク、シグルド、斬月

 

平成ライダーの力を使うフィフティーン

 

シフトカーと重加速を操る魔進チェイサー

 

そして鳴滝からもらったディケイドライバー

 

一通り見直した後にふとある物を思い出す。

 

リュウガのカードデッキから未だ使ってない一枚のカードを引き見つめる悠。

それはミラーワールドでの修行の際ある男から出された問答の答えを出した際に渡されたカード。

黒い左翼の翼の背景に青い炎が描かれているカードを見て悠はポツリと呟く。

 

「一体何を考えて渡して来たんだろうねえ、神崎の奴は…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そりゃお前の何かを感じたからこその行動じゃないか?」

 

「っ!」

 

悠の後ろから返される言葉に一気に警戒心を上げて後ろを振り向く。

そこに居たのは民族衣装に身を包んだ男が悠に人懐っこい笑みを浮かべて答える。

 

「ようボウズ。随分見ないうちにまた強くなったようだな。」

 

「…なんでアンタがこの世界に居る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──サガラ。」

 

民族衣装の男、サガラに悠は警戒を解かない。

目の前にいるサガラはある現象と共に現れる存在、悠はサガラが居るという事はこの世界にとって最悪の事態が訪れると危惧していたが…。

 

「そう怖い顔すんなよ、別にお前が心配しなくてもこの世界には黄金の果実の試練には選ばれちゃあいないさ。

オレが今日顔を見せたのは、この世界で頑張ってるお前さんの様子でも見ようと思ってな。」

 

「…本当なんだろうな?」

 

「ウソはつかないさ。

元々この世界は本来存在しなかったはずの世界だ。

流石の黄金の果実もこの世界にとっては起爆剤みたいなもんだからな、試練を与える前にフェムシンムやメガへクスより酷い結末が目に見えてる世界には間違っても来ない。オレが言うんだ。保障するぜ?」

 

「どうだか…。」

 

サガラの言う言葉に一先ずは警戒心を解く悠。

そんな悠の本心とは対照的に軽い気持ちで接していくサガラ。

 

「…それはそうと、さっきのはどういう意味?

神崎が俺に感じたとかナンとかって…。」

 

「それは神崎に聞かなきゃ分からないことだ。

オレはただオレがお前に惹かれたのと同じように神崎もお前の何かに惹かれたんじゃないかっていう仮説を立てただけだ。」

 

「惹かれる?お前や神崎が俺にか?」

 

「あぁ。お前を見てっと自然と思い出してくんだよ。

葛葉 鉱汰。駆紋 戒斗。あの二人が急な壁にぶつかっても最後まで戦っていた時の光景がな。

お前のその意志の強さがあの二人と同等のもんだからかもしれないが、お前がヘルヘイムの森で無数のインベス片っ端ら相手に戦う様はあの二人の影とダブって見えるんだよ。」

 

「…神崎もそうだと言うのか?」

 

「さぁ、さっきも言ったようにそれは神崎自身でしか分からないことだからな。

…っとそうだ、お前さんに一つ土産話があるんだった。」

 

「なんだ、またヘルヘイムの森になんかあったって?」

 

「そんなんじゃない、小耳に挟んだことなんだが。

お前この間この世界の大物と殺り合ったそうじゃないか?

近々お前の通ってる学園に悪魔、天使、堕天使のトップが会談を行うらしい、建前は神の不在と和平についてだが、お前さんの今後の対処について決める話もすんだろうよ。」

 

「へぇ、そりゃまた御大層な所で名が上がったもんだ。」

 

「ほぅ、やけに冷静だな。

三大勢力がお前の敵になるかもしれないんだぞ?」

 

「関係ないね。

相手が悪魔だ天使だが知らんが、敵になるのなら全て叩き潰す。ただそれだけだ。」

 

手を顔の前に出し握りしめながら戦う決意を出す悠。

悠の答えを聞いてサガラは期待通りという笑顔を浮かべて懐からある物を取り出す。

 

「やれやれ、お前さんやっぱりアイツらと似てるよ。ホレ。」

 

サガラから投げ渡されたものをキャッチする悠。

渡されたのは一つのロックシードだが普通のロックシードとは比べ大きく角ばった形状でブラッドオレンジと同じ赤黒い色を出している。

 

「何のつもり?」

 

「強いて言うなら神崎と同じ心境かもな。

お前がその力を使って何を破壊し、何を得るか。

あの二人とは違った結末を見てみたいってのが湧き出てな。」

 

「相変わらず高みの見物ってやつか。」

 

「生憎それがオレの役目でもあるんでな。

…さてお喋りもここまでだ、オレは本来この世界にとっては異物そのものだからな。」

 

サガラの体が足元から消えていき、悠を見る顔は変わらず笑顔を浮かべている。

 

「じゃあなボウズ。お前はお前で自分の思うが儘にその力を使うがいいさ。」

 

それだけ言ってサガラは消えていき、その場に残ったのは渡されたロックシードを持った悠だけが残った。

 

「思うが儘ね…言われずとも使うさ。

俺が俺である為に。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ドライブの映画見てきました!

ダークドライブも思ってたより良かったし、進ノ介とベルトさんの絆が伝わったいい映画でした。

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