「なんて威力なの…。」
リュウガの放ったエンドオブワールドによってこの世から消えたコカビエル。
聖書にもその名を載るほどの存在がたった今消された事実とコカビエルを倒したリュウガの力にリアス達は未だに信じられなかった。
「まさか、あのコカビエルを倒してしまうなんて。」
「…強いです。この前の私たちの時は全然本気じゃなかったようです。」
朱乃と子猫が以前武神鎧武と戦った時、此方は手を抜かず本気で掛かったのに比べ向こうは手加減した状態で弄ばれたと実力の差を今思い知らされたのだ。
そんな二人の考えを余所にリアスはリュウガをジッと見つめていた。
その眼差しは何処か最初の頃と比べ熱を持っており、次第に悪魔としての性か高まった自らの欲望がつい口に出てしまう。
「欲しい。…あの力、私の元に欲しい…。」
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「そんな、エクスカリバーだけでなくコカビエルも・・。」
コカビエルの死によってやっと正気を取り戻したバルパー。
エクスカリバーの破壊だけでなくコカビエルの死という信じられない現実を未だに受け入れられないが、すぐに自身の身の事について考える。
コカビエルという自分を守ってくれるものはすでにいなく、先程やられたフリードも何時の間にか姿がなくなってた。
これからどうすべきか考えるバルパーだったが…。
「がはっ!」
胸に熱いものが込み上げて来る感覚が来た後に激痛が全身に行き渡る感覚を感じると、その時初めて自身の胸に剣が突き刺さっているのが分かったのは息を引き取る寸前だった。
剣を突き刺したのは祐斗であり、エクスカリバーの破壊が出来なくなった今せめてバルパーだけでもと思い。バルパーは祐斗の剣によって命を落とした。
「これで終わった。…皆、こんな形でゴメン。」
復讐を終えた事に亡き仲間に告げる様に言う祐斗。
ふと、バルパーの死体を見ると何かの結晶が転がり落ちているのが見えた。
「これは。」
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(…あれも神が死んだことによる現象か。)
リュウガは祐斗の持った結晶から出て来た魂達が祐斗の剣を聖と魔が合わさった聖魔剣に成ったのを遠くから眺めて一つの推測を立てる。
聖と魔、いわゆるプラスとマイナスの力が合わさることは先ず考えてない。
先程のコカビエルが言った神の死が力のバランスを崩して本来合わさることのない力があの聖魔剣なのだろうとリュウガなりの仮説を立てた。
「…なあ、黒いの。」
仲間に囲まれてる祐斗達を余所に先程まで意気消沈してたゼノヴィアがリュウガの元へ歩み寄って行く。
「私は今までの人生を全て神に捧げてきた。私にとってこれ以上に無いほどの明確な生きる目的だった。
だが、先程のコカビエルの言葉でそれが全て幻だと気付いたときは何とも言えなかったよ。今までの行いが全て無駄な行いだと知ったからな。
・・・・こんな私に見つかるのだろうか。正直、今まで信じたきた神の信仰を裏切りたくない。
そんな私に新しい生き方なんてあるのか?」
「…自分で考えるんだな。」
突き放す様な返答に目を見開くゼノヴィア。そんなゼノヴィアを余所にリュウガは語る。
「何を信じて、何処へ向かうか、どんなに険しい道だろうと進んで行くのは何時だって自分の決断だ。誰かに言われたからってそれがソイツの生きる全てにはならない。
…っま、しいて言うなら。どんなに険しい道のりでも、歩くことやめなきゃ生きてるって実感は湧くぜ?」
ゼノヴィアの抱えてる不安や苦悩にリュウガは全て自分自身だと素っ気なく言う。
それを聞いたゼノヴィアは少しは気が晴れたのか目の色が変わり始めた。
「何時だって自分の決断か。…参ったな、この期に及んで山あり谷ありの人生か。」
「…人間なんてそんなもんだ。」
「…ハハッ、違いない。」
何気ない会話にゼノヴィアの顔色が戻って行く。
「どうやら、既に終わった後のようだな。」
その時、何処からか結界の破る音と共に白く輝く鎧を纏った者が現れた。
「…何だありゃ?」
「白い鎧……まさかアイツは…!」
突如現れたソレは校舎に出来たクレーターの後を見て事の顛末を読み取った風に口を開く。
「まさかコカビエルが殺されるなど驚きだよ。
アザゼルから言われてコカビエルの回収に来たのだがこれは流石にどうしようもないな。
仕方ない。アザゼルにはコカビエルの死亡だけ伝えるとするか。」
「アザゼル?…まさか。今代の白龍皇が堕天使側に居たなんて。」
「驚いたかいリアス・グレモリー。最もそちら側にも一応赤龍帝が居るんだが。先程の戦いでは大した成果を出してないようだね。」
そう言いつつ、白龍皇はリアス達から離れてるリュウガに話しかける。
「君かコカビエルを倒したのは。
…成程、その隙を見せぬ立ち振る舞い。コカビエルがやられたのも頷けるよ。おまけに黒い龍か…これ何とも予想外な。」
「そうかい、俺としては少し物足んなかったけどな。」
「ほう…ならば今ここでオレと戦るか?」
「…お前もぶっ潰されたいんならなぁ。」
リュウガと白龍皇。
二人から放たれているプレッシャーは尋常ではなくその場に居るものを緊張の渦に巻き込む。
「…ホントは君と一戦交えたいとこだが今回は仕事だからな。
この続きはまたの機会にしよう。
オレは白い龍”アルビオン”を宿す白龍皇、ヴァーリー。
君は?」
「この姿の時はリュウガだ、覚えるかはご自由に。」
「そうか。その名前、胸に刻んでおこう。
また会おう、リュウガ。次に会うのは、戦いの場で…。」
お互いに名を明かした後立ち去ろうとするヴァーリーを呼び止める声が響く。
[無視か白いの。]
[起きていたか、赤いの。]
それは一誠の籠手に宿る魂、ドライグがヴァーリーの神器”白龍皇の翼”に宿るドラゴン”アルビオン”に話しかけた声だった。
[せっかく会ったのにこの状況ではな。]
[いいさ、いずれ戦う運命だ。こういう事もある。]
[しかし、白いの以前の様に敵意が伝わってこないが?]
[赤いの、そちらも敵意が段違いに低いが?]
[お互い、戦い以外の興味対象があるということか。]
[そう言う事だ。こちらはしばらく独自に楽しませてもらうよ。たまには悪くないだろ?また会おうドライグ。]
[それもまた一興か。じゃあな。アルビオン。]
ドライグとアルビオンの何気ない会話でこの場が収まると思ったが、一誠は何処か納得がいかないと言った顔でヴァーリーに叫ぶ。
「おい!勝手に現れて勝手に消えてお前なんなんだよ?!」
「強者に物申せるのは強者だけだ。弱者に興味はない。
君も強くなってくれよ。いずれ戦うライバル君?」
ヴァーリーはそれだけ一誠に言って飛び去って行った。
一誠はヴァーリーに弱者だと言われたことが悔しいのか飛び去って行った後を見て強く手を握りしめていた。
「…さて、俺も帰ると…。」
「みすみす帰すと思いまして?」
リュウガもこれ以上ここに居る必要はないと思いこの場を去ろとするがリュウガの前に突如雷が落ちて来たのでバックステップで躱す。
「申し訳ありませんが、アナタをこのまま返すわけにはいきませんわ。」
雷を放った朱乃に続き、グレモリー眷属がリュウガを囲む。
「お前等って何でこうも聞き分けが無いかなぁ。ホント…。」
「そうもいかないわ。エクスカリバーやコカビエルを倒したその力見逃すわけには行かないわ。
時に相談なのだけれど…ねえリュウガ。アナタ私の眷属にならない?」
リアスの言った言葉に眷属たちは驚愕の色を隠せなかった。
「ハァ?眷属?」
「えぇ、アナタ人間でしょう?悪魔になれば長く生きられるし、それなりの成果を上げれば上級悪魔になって優雅に暮らせる。
どう?悪くない話でしょ。」
「ぶ、部長待ってください!」
リアスの発言にハルナは意義を立てる。
本来今この場に居るゼノヴィアが本来ならばリアスの騎士として悪魔になるのだが、自分と言うイレギュラーがいる手前リュウガがリアスの眷属になってしまえばそれこそ何かしらの予期せぬ事態が起こるかもしれないとハルナは危惧しているのだ。
「どうしたのハルナ?」
「私は正直反対です。コカビエルを倒す力も持ちながら私達はこいつについて知らないことが多すぎます。そんな奴を仲間に入れるなんて私は反対です。」
「部長!俺も桜井の意見に同感です!こんないけ好かない奴と仲良くしろだなんて俺は嫌です!」
「…あのさぁ…勝手に話勧めないでくれるかなぁ?」
ハルナとそれに便乗した一誠が反対の声を上げる中、明らかに怒ってる声でリュウガが言葉を放つ。
「ヒトの話聞かないわ、自分の眷属になれだ勝手に色々言ってくれやがって。
冗談じゃねぇっつうの。お前等と話すのはもうウンザリ…。」
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リュウガはリアス達に心底嫌気がさし、メタルゲラスとデストワイルダー召喚して攪乱させる。
その隙に窓ガラスがある方へ行きリュウガはガラスの中へ入りミラーワールドへ行ったのだった。
ガラスの中へ消えたリュウガにまた逃げられたことにリアスは今度こそ捕まえ自分のモノにしてみせると愚かな決意を固めたのだった。
次回のネタがまだ決まらない。