それではどうぞ。
<<ブラッドオレンジ スカッシュ!>>
「はっ!」
「ぎゃあああああ!」
深夜の街通り。
そこには今日も仕事で転生者を狩る武神鎧武がたった今ターゲットの転生者を消した所だった。
モンスター達のエサやりを終え、変身を解こうとした時にその者は現れた。
「おやおや~?何やらいい悲鳴が聞こえると思って来てみれば、お兄さん中々イカしたカッコしてるじゃありませんか~。」
突如現れた男はこの辺では見かけない神父服を纏い腰に剣を挿して武神鎧武を歪んだ笑顔で見つめていた。
「それはどうも、アンタもそこそこイカしたカッコしてるがね。」
「ありゃ、ホメられちゃった。ボクちんウレシッ!
それはそうとお兄さん。さっきは何やらお楽しみだったご様子ですが、出来ればオレっちも混ぜてちょうだいな♪」
男は腰に挿してる西洋剣を武神鎧武に向け殺意を出す。
武神鎧武は溜息を吐きながら男に向けて話す。
「随分血の気の多い神父だな、通り魔の方が向いてるんじゃないか?」
「ぎゃはは!言いますね~お兄さん!でもあっしはこう見えてクソッたれな悪魔を狩るそれはそれは大変いい人間なんですよ~。
まっ、今は雇われですがね。
さてと、そいじゃあおっ始めますかー!」
武神鎧武に迫る剣を大橙丸で受け止め、鍔迫り合いになる。
剣を受け流して大橙丸で斬り付けるも神父は持ち直した剣で受け止めて弾き、両者剣の打ち合いを続ける。
「ほう、そこそこ腕はあるようだな。」
「お兄さんこそいい殺気がビンビン籠ってやるじゃないでげすか~。
この間戦った悪魔ちゃんとは段違いですな。」
武神鎧武の実力を知って距離を取った神父は、剣が一瞬光ったと同時に姿を消した。
瞬時に反応した所は武神鎧武のすぐ目の前、咄嗟にバックステップで剣の間合いから離れ躱したものの、またすぐに神父の姿が消えてしまう。
すると、四方八方から神父の剣戟が武神鎧武に襲うが無双セイバーとの二刀流で何とかギリギリ防ぐ。
「うっひょー、まさか全部防がれるとは流石のオレッちもビックリですわ。」
「・・・高速移動か、見た所その剣の能力と見たが。」
「ピンポン!ピンポン!大正解~!さっきの手品はオレっちが持ってるこのエクスカリバーの能力でございやす。
さらにさらに、先程のスピードはマックスのスピードではありませ~ん!
さあ~て次はうまく防げるかなお兄さん?」
「成程、速いだけか。
なら問題ないな。」
<<バナナ!>>
自分の手の内を曝し余裕を見せる神父に対し、武神鎧武はバナナロックシードを開錠しクラックからバナナのアームズが降りてくる。
「・・・バナナ?」
<<LOCK・ON>>
唖然とする神父を余所にドライバーにロックシードをセットしてカッティングブレードを倒す。
<<バナナアームズ KnightOfSpear!>>
「バナナ?!バナ、バナナ?!」
アームズを被った時の神父の言葉に一瞬あの言葉を言いそうになるが今は武神鎧武なのでグッと堪える。
西洋の鎧に纏ったバナナアームズのアームズウェポン[バナスピアー]を腰を落として左手で添える様に構え、突きの体制をとる。
「おっといけねぇ、余りの衝撃に唖然としたぜ。
それはそうとお兄さん、そんな構えで一体何やるおつもりで?」
「すぐに分かる。それよりも来ないのか?この体制意外に疲れるんだ。」
「それならすぐ楽してあげちゃいますよー!」
先程と比べ最早目に追いつかない程のスピードで攪乱するなか、武神鎧武はその場を動かず構えを解かない。
(あ~、ありゃもう諦めのパターンか。ならこのまま後ろからブッスリと♪)
「・・・・・セイッ!」
「なぬぅ?!」
後ろからの攻撃を武神鎧武は振り向き様バナスピアーで渾身の突きを繰り出す。
神父は咄嗟にガードしたがバナスピアーの突きの威力は相当のモノらしく大きく後ろに飛ばされた。
「ちょっとちょっと!なんですか今の?!なんであの速さに付いて来られたんですかぁ?!」
「目に見えなくても殺気は感じる。特にお前の場合垂れ流しだったから分かりやすかったぞ。」
武神鎧武に指摘され顔を険しくしながら剣を構えるが、その時自身の持ってる剣に亀裂が入ってることに気付く。
「なにィ!エクスカリバーにヒビ?!どういうことだよ、こいつは伝説の聖剣じゃなかったんですかぁ?!」
「皹が入るってことはその程度ってことだろ。・・じゃあそろそろその剣没収させてもらうぞ。」
<<バナナスカッシュ!>>
「セイッ!」
「のあっ!」
カッティングブレードを倒してバナスピアーにエネルギーが溜まりバナナ状のエネルギーの塊が貫く[スピアビクトリー]を神父の持ってる剣に当て、エクスカリバーと言われた剣は貫かれて爆散した。
「エ、エクスカリバーがバナナに負けたー?!そんなのアリっすか?!」
「単純にこっちが強かったって話だろ。」
エクスカリバーが破壊された事に驚愕する神父の元へ一人の男が近ずいてきた。
「フリード!一体何の騒ぎなんだこれは。」
「大変だバルパーのオッサン!エクスカリバーがバナナに負けた!」
「何だと?!・・・えっ、バナナ?」
フリードと言われた神父の言葉に訪れたバルパーはエクスカリバーが破壊されたことに驚く。
その時、何処からか威圧感が放たれその場の空気が一変して緊張の場に変わる。
「ほう、気まぐれに外に出歩いてみれば何やら面白い事が起きているようだな。」
「あっ、コカビエルの旦那!」
黒い羽根を生やし空に浮かぶ男、コカビエルは武神鎧武を興味深い目で見る。
「た、大変だコカビエル!フリードから聞いたがソイツがエクスカリバーを破壊したらしい。」
「ほう、エクスカリバーをもったフリードを。
そこのお前、なんて言う名だ?」
「そういうのは先にそっちから名乗るのがルールじゃないのか。」
「言うな小僧。まあいい、俺はコカビエル。堕天使だ。」
「武神鎧武だ。」
「武神か。神を名乗るとは随分大層な名だ。時に小僧エクスカリバーを破壊したお前の実力中々興味深い。その鎧の恩恵か将又実力か。アザゼルが知ったら大層興味を出しそうな奴だ。」
「そりゃどうも。で?アンタは俺をどうしたいって?」
「なに唯これからパーティーを開くのでなお前の様な強い奴を招待して場を盛り上げたいと思ってた所よ。
三大勢力の戦争を始めるセレモニーパーティーだ。」
「へぇ。」
「場所はこの町にある学園で行う。興味があるなら来るといい。
・・・さて、何やらぞろぞろと出て来たようだ。」
コカビエルの視線の先に、学園の制服を着た者たちとボディラインがハッキリ分かる服を着た二人の女子がこちらにやって来た。
「あれはフリードにバルパー・ガリレイ!それにコカビエルがここに居るだと?!」
「ゼノヴィア、なんか変なのもいるようだけど。」
「あれは、・・・武神鎧武?!なんで奴らと。」
「やれ、協会の奴らとグレモリーの悪魔か。フリード、バルパー。今は引き上げるぞ。」
「アイサー!、そんじゃお兄さん。また後でねぇ!次はケチョンケチョンのバラバラにしてあげっから!」
「お、おい!まて二人とも!」
「逃がしてたまるか!」
「イリナ!私達も追うぞ!」
「えぇ!」
その場を去るコカビエル達を追う祐斗と教会の二人。
その場に残ったのは武神鎧武と一人を除いたグレモリー眷属だった。
するとグレモリー眷属の一誠が武神鎧武に声を上げて言う。
「おい武神鎧武!お前何でアイツらと一緒に居たんだ!お前は奴らの仲間なのか!」
「俺に質問するな。それよりもお前等この間の事あの金髪から聞いてないのか、俺に二度と関わるなと。」
「でも、状況が状況でしょ。アンタと彼奴等の関係性を知らなきゃこっちは気が済まないのよ。」
前に出て物申すハルナに武神鎧武は溜息をついて渋々答えた。
「あの白髪神父に襲われて、返り討ちにして、コカビエルって奴にパーティーに誘われた。以上。」
「・・・ちょっと待ってください。返り討ちにしたって」
「あぁ、奴の持ってた剣・・・エクスカリバーだったか?そいつをぶっ壊してやった。」
武神鎧武の答えにその場に居るものは皆驚愕の顔をする。
その中で一人、一誠は怒りの表情で武神鎧武を睨む。
「テメエふざけんな!あれは木場を苦しめた剣だ!あれは木場がやらなきゃいけない物を・・。」
「そんなの知るか。やらなきゃ俺がやられてた。
お前そんなふざけた事、仲間がやられた時もそんなこと言って態々殺されてろと言うのか?」
「っ!」
「全く、お前等と関わると疲れる。
で、言いたいことは終わりか?なら俺はここで・・。」
「いいえ、終わってないわよ。」
武神鎧武が去ろうとした時にリアス・グレモリーとその隣にメガネを掛けた黒髪の女子が武神鎧武の前に立ちふさがった。
「部長!」
「会長!」
「お久しぶりね、武神鎧武。いや、ガイムと呼ばせてもらおうかしら。
聞いたところアナタ聖剣を壊したそうじゃない?その話じっくり聞かせてもらうわ。」
「部下が部下なら上司もか、お前等ってホント聞き分けのない悪魔だな。」
<<バナナスパーキング!>>
バナスピアーを地面に刺し、リアス達と一誠達の足元から無数のバナナが突出てその場から動けなくさせる。
バナナが消える頃には武神鎧武の姿は無かった。
次回、学園での戦闘です。