全てが白一面で出来た世界。そこでとある人物が周りの色に溶け込むような白く上品なイスに座りながら待っていた。
するとその世界に灰色のオーロラが現れ、そこから一人の男、先程転生者を排除した鎧武者の男が姿を現した。
「いや~、悪いねえ仕事終わりに急に呼び出しちゃって。」
「本当だよ。さっさと家に帰って寝たかったのにさ。」
申し訳ないという、表情で待っていた男はこれもまた白いスーツに白い髪、金の瞳の男は今来た黒髪黒目で紫のシャツと黒いズボンを履いている男を対面に置いてあるイスに座るように勧めた。
「それで、わざわざ俺の上司でカミサマのトップのあんたが急に呼び出すなんて、そんなに暇なように見えるかね俺が。」
「そんな意地悪を言わないでくれよ、私だって君に仕事を与えている身なんだからどれ程大変かくらい分かるよ。
君とこうして喋ってるのだって余程のことがない限りしないって。」
「つまりその余程のことが今現在起こっているってこと?」
その言葉に、上司である神があちゃーとリアクションをとっている中、男はこれから来るであろう悲報に頭を抱えていた。
「いやねぇ~、私もその部下も至る所に目を光らせているんだけど、悪さを企む奴っていうのはどうもこうして手際がいいんだろうねぇ。
主犯を捕まえようにも時すでに遅しで逃げられるわで…「愚痴はいいから早く本題に行ってくんない?」…あぁそうだったね」
話が脱線しそうな所を何とか戻しつつ男は神から事の事情を聴く。
「君もすでに知っているだろうけど、我々神が様々な世界を造り、異なる文化や生命を造るのは観察だ。
その世界で起きた歴史、現象から見て、人間の進化の可能性や本質について見極めるのが本来の目的だ。まぁだからと言って前世の記憶を持ち、神から特典を得た転生者を違う世界に放り込むのは最初何考えてんだとは思ったんだけどね。
おっと、失礼話が逸れてしまったね。んで、当然のことながら我々にも守るべきルールがある。
基本、転生者以外でその世界に必要以上に手を出さないこと。」
「今回破られたルールは正しくそれってワケ?」
「ご名答。何を考えたのか、そいつは手当たり次第いろんな世界を混ぜちゃってねェ、ある意味CHAOSな世界にしちゃったんだよ~~」
「…それ、そんなにヤバいの?」
「ヤバいってレベルじゃないよ!!いわば劇薬混ぜて化学反応で大・爆・発!のレベルだからね!正直今ちゃんとバランスが保ててる今がまさに奇跡だよ!下手したらこっちのセカイにまで影響が来るんだからね!」
「分かった!分かったから!!、それで具体的に何と何が合わさった世界なんだ?」
「それがまだちょとねぇ、複雑に絡んだ糸を一本一本手作業でほどく作業だから。ただ、わかってることはホントに色々混ぜたようで…ジャンルで言ったらラノベやらエロゲやら色々含まれてるらしい。」
「あぁ、聞くからに面倒臭そう…。
…まだそれだけじゃないんだろ問題は、じゃなきゃ俺をここに呼んだ意味がないからな。」
「君は本当に鋭いねえ、そう、君を呼んだ理由はこれからだ。
その主犯の神には色々と協力者がいたみたいでね、そいつは何とか捕まえたんだけど、そいつの口からとんでもない言葉が出てね。」
「…転生者か。」
「そう、どうやらあの世界に放り込んだみたいなんだよ。それもかなりの量が。
唯でさえ不安定な世界に転生者を送り込んだら今度こそバランスが崩れてその世界は崩壊する恐れがある。」
「そして、その余波が下手したらアンタ等のセカイにまで来ると。」
「正解。ホントに厄介な事態だ。コレは間違いなくワーストワンに入るレベルだよ。
…さて、ここからは仕事の話だ。灰原 悠君、君に複合した世界に居る転生者達を全て消してもらいたい。」
最初の空気から一変して緊張に走った空気が流れる。仕事の内容はいつも道理転生者という存在を殺す汚れ仕事。ただ今回はかなり規模のでかい仕事内容だった。
「分かった。」
「即決だね、まぁ私としては大いに助かるけどね。何か特典に関して付け足してほしいものはないかい?」
「特にない、必要になったら言うさ。」
「了解、というか私が与えた特典以上にすごいの作るんだからなあ。たしか、新しいベルト作ってるんだっけ?」
「まぁね。少し行き詰ってるが、どうにか仕上げるさ。」
神からの質問に簡潔に答えると俺の後ろに先ほど同じ様にオーロラが現れイスから立ち上がりオーロラに向かって行く。
「じゃあ君の家や仕事内容に関しては、いつも通り携帯で連絡するから。」
「あぁ、じゃあな。」
悠はオーロラ潜り狩るべき転生者たちのいる世界へと行くのであった。
「行ったか。にしても最初は色々悩んでて脆そうだったあの人間がよく化けたものだよ。人の身であそこまで行くなんてね。さて私も早くあのバカを捕まえなくては。」
ちょっと会話文が多かったかな~。
次は新しい世界来て早々バトルです。