その男が進む道は・・。   作:卯月七日

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「前回のあらすじ!暁のデリカシーナッシングな一言によって家出して来た凪沙ちゃんを泊めてガールズトーク盛り上がったとさ!」


「今日もいくよチームライダーズの質問コーナー!
先ずはみんなの好きな食べ物!」


「コレって誰得のコーナー?
えー、甘いモノと片手サイズの食べ物。」

「内臓モノ除いた焼肉!あとラーメン!」

「サバの塩焼きに窯で炊いた白米。」

「イカスミやタラコとかの魚介系パスタ。」

「パンケーキ!」




「次は逆に嫌いな食べ物!」


「納豆とか臭い系のモノ。あとガッツリ系。」

「さっき言った内臓系とか、辛いモノ!」

「チョコレートとスパイス類がどうしても口に合わん。」

「パクチーとセロリ、羊肉と生ガキがダメ。」

「えーっと、辛いモノ、苦いモノ、酸っぱいモノ、野菜!」




「じゃあ次ィ、得意な料理は!?」


「炒飯と野菜炒め。」

「たまごかけご飯!」

「焼き魚と鯖味噌。」

「んー…カレーとか?」

「カップラーメン!」



「そんじゃお次は…。」

「はい終了!






 

 

そのアラートが鳴ったのはまだ日が昇りだした直後の早朝。

 

時間帯なだけにまだ覚醒しきれない早朝にも関わらず、けたたましく鳴るアラートの異常さによって一気に脳が醒めて起きた悠達は真っ先にガレージの地下へ。

 

既にラボに居た神太郎が待ち構え、悠、秋、ハルナ、ウラナが揃った事に状況を説明する。

 

「皆おはよう。早速だけど状況を説明するよ。今確認されてる敵の反応は四か所に複数、今カメラの映像を…。」

 

神太郎が操作する端末に従って4つの端末画面に付近の監視カメラから写される映像。映像からは、複数で動いてる仮面ライダーと、唯一単独で動いてる怪人。ゲムデウスの存在が確認される。

 

「またこんな朝っぱらから、優雅な朝のお散歩かよ。」

 

「コレ、確実に罠よね?4か所に出て、位置もバラバラって…。」

 

「だがみすみすと野放しにする訳にもいくまい。」

 

「あ、レンジ!」

 

敵の罠であると公言したハルナの言葉に返すようにラボに現れた蓮司。神太郎が呼んだようだが、それにしても早すぎる登場に悠達は怪訝な顔をするも、蓮司は平然とした態度で階段を下りて来る。

 

「オレは何時もこの時間帯に起きる。寝る時も緊急時でない限り10時就寝だ。」

 

「なんかお爺ちゃんみたい。」

 

「早寝早起き病知らずを知らんのか?

…そんな事よりも、早く誰が何処に向かうか決めるべきでは無いのか?」

 

蓮司に言われ視線を端末に戻す一同。映し出されてる相手を考慮し、いち早く最適と思われる解答を出した悠が口を開いた。

 

「…秋、お前は××地区に行け。剣バカは〇〇地区だ。△△地区は…桜井、ウラナ、頼めるか。」

 

「え、てことは悠兄さんは…。」

 

「あぁ。タイマンなら何とかやれるだろうし、そろっそろ野郎のツラに一発叩きんでやりてぇ。」

 

拳をパキパキと鳴らしやる気満々のアピールをかます悠。ソレに対して神太郎は全員の様子を窺い不満を抱いてる者は居なかった為に悠の考えを採用した。

 

「よし、なら悠君が言った通り、各自それぞれの場所に行って敵を倒してくれ。何か変化があったらその都度此方から連絡する。」

 

「よし決まりだ行くぞ!」

 

「おう!マッハに済ませて朝メシっと!」

 

「気を引き締めてけよウラナ。お前達はヤツの次に難敵な相手だからな。」

 

「うん!」

 

「あ、彩守君!コレ!」

 

「?…コレは?」

 

ハルナは蓮司を呼び止め、彼の前にあるモノを差し出す。それは前日悠が完成させた、蓮司用に仕上げたロックシードであった。

 

「灰原君が渡しておけ、って。なんか私が渡したら喜ぶとかどうとか。」

 

「ッ!…アイツッ、余計な事を…!

とにかく、コレは受け取っておく!あと、ヤツの言った事はあまり気にするな!!戦いの妨げになるからな!!」

 

「え、あ…ハイ。」

 

掠め取るようにロックシードをハルナから受け取った蓮司は、ハルナに悠の言った事を忘れるようにとやたらとにかく言い聞かせながら足早に階段を上っていく姿をハルナは唖然としながら見送った後、彼女もウラナと共に指示された場所へと向かって行く。

 

ラボに残った神太郎は端末に写るゲムデウスを目に、ただどうも納得がいってない表情を浮かべる。

 

(ヤツの狙いがアレを狙ってるなら、こんなあからさまな行動するとは思えない…何を企んでる?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(──あともう少しか。)

 

サクラハリケーンに跨りアクセルを吹かせる蓮司。

 

目的地が近づいていくにつれ気が引き締まってくる蓮司。そんな彼に向けられて放たれた無数の赤い光矢がバイクで駆ける蓮司の真上から降りかかってきた。

 

「ッ!──」

 

降って来る矢をハンドルを駆使して躱していく蓮司。どうにかして躱し切りバイクを止めた先を睨みつけると、そこには矢を放ってきた二人のライダーがいた。

 

ゲネシスドライバーにドラゴンフルーツエナジーロックシードを嵌め込ませた、赤いアームズを付けた二本角の黒い仮面ライダータイラント。

 

もう一人は戦極ドライバーにゲネシスコアを着け、ゲネシスコアに悠の使うブラッドオレンジとバックル中央に赤いザクロを模したザクロロックシードによって変身する仮面ライダーセイヴァー。

 

赤いアームズを纏う二体のバグスターライダーは、ソニックアローと色違いの黒いソニックアロー、セイバーアローを蓮司に向けると高エネルギーで放たれた赤い光矢を放った。

 

「ッ!──」

 

蓮司は向かって来る光矢に対し、背後に停めたサクラハリケーンを跳び超え、しゃがんで身を小さくし壁にする事で光矢を防ぐ。

 

光矢がバイクに突き刺さり爆発して炎上するサクラハリケーンから離れながら戦極ドライバーを装着し、二つのロックシードを開錠する。

 

「変身ッ!!」

 

 

<< メロン! >>

<< メロンエナジー! >>

 

<< ソイヤ!───ジンバーメロン!ハハァ! >>

 

変身を完了させた斬月・ジンバーメロンアームズは、向かって来る矢をメロンディフェンダーを前に防ぎながら腰に挿した無双セイバーを抜刀。

 

連続して放たれる矢の勢いに引き下がる姿勢など見せず、タイラントとセイヴァーに向かって地を駆けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

××地区。秋が担当するエリアでも戦いは勃発していた。

 

ただその全容は目で捉える事が出来ない超高速の世界で起こってるいる為に傍から見ればあちこちから衝撃と火花、後から遅れて金属同士をぶつけた金切り音が起きてるだけにしか把握できない。

 

しばらくこれらの現象が続いた後、とうとうその現象を引き起こしてる正体が目で捉えられたのは、三つの電子音性が流れた直後だった。

 

 

<< CLOCK OVER >>

<< CLOCK OVER >>

<< CLOCK OVER >>

 

 

「ヌンッ!───ヌォォォォォ…!!」

 

ガタックカリバーを手に目の前の敵の刃を受け止めるガタック。

 

ガタックと同じマスクドライダーシステムを用いる仮面ライダー。

銀のヘラクレスオオカブトのライダー、ヘラクスのアックスと銅色のケンタウロスオオカブトのライダー、ケタロスのクナイがガタックへジワジワと迫っていく。

 

「ンンンーーッ!───どっせいィッ!」

 

ヘラクスとケタロスのアックスとクナイを強引に弾き返したガタック。

 

後退した二体のライダーにガタックはカリバーから青白い斬撃を放った。ヘラクスとケタロスは右手首に嵌めてる変身ブレス。カブティックゼクターを180°回転。するとブレスから流れるタキオン粒子がそれぞれの持つクナイガンの刃先に集まっていく。

 

<<<< RIDER BEAT >>>>

 

ヘラクスとケタロスの振るった必殺の一振りはガタックの飛ばして来た斬撃を振り払うと同時に一瞬の内にガタックとの距離を詰め間合いへ。

そのままガタックに向けて振るわれたクナイガンをガタックはカリバーでガードするが、二体のライダーの必殺技の威力を前に易々と吹き飛ばされてしまった。

 

「グァァ!」

 

地面を転がるガタック。更なる追い打ちにガンモードのクナイガン二丁の銃撃がガタックに放たれる。

 

「ッ!──プットオン!」

 

<< PUT ON >>

 

ガタックはダメージ軽減の為にライダーフォームからマスクドフォームへ。重厚なアーマー越しに伝わる衝撃に仮面の下で顔を歪めながらも、立ち上がってヘラクスとケタロスに向かって駆けていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

日が昇ったばかりの街道の景観にそぐわない異形の怪人であるゲムデウスが何もせず只歩いていると、遠くからバイクのエンジン音が段々と此方に近づいて来るのがゲムデウスの耳に入ってきた。

 

耳の次に目で捉えたのは、マシンディケイダーに乗って此方に向かって来るディケイド真・激情態。

 

ディケイダーを停車し跨ったままのディケイドにゲムデウスが語り掛けて来た。

 

『キミが来たか…。』

 

「そんなにご不満か?」

 

『まさか、期待通りだよ。』

 

ゲムデウはデウスラッシャーとデウスランパートを装備し、戦闘態勢に入ってきたのに対しディケイドはディケイダーのアクセルを吹かした。

 

『さぁ、ボクを楽しませておくれよ!』

 

「あぁ…死ぬほど楽しませてやるよ!」

 

アクセルを前回に捻ってディケイダーを走らせる。

ゲムデウスに向かって走らせながら肩に4連ミサイルランチャー・ギガントを召還すると、巨大なミサイル4発全てをゲムデウスに向けて発射。

 

向かって来るミサイルに対し、ゲムデウスはデウスラッシャーを振るうだけでミサイルを切り捨てる。

ミサイルの爆発によって生じた爆炎によってゲムデウスの視界が悪くなるが、超人離れしている聴力は、炎の向こう側から発する電子音を捉えていた。

 

<< ATTACK RIDE──SIDE BASSHAR! >>

 

炎の壁を突き破って現れたディケイドと跨っているディフェンダー、では無く、巨大な鉄の巨人とも言うべきビークル、サイドバッシャーバトルモードに姿を変えたディケイダーを操り、ゲムデウスに右腕のフォトンブラッドで生成されるバルカン砲と左腕のマフラーから放たれる6連装を発射。

 

静寂な朝の空気をぶち壊す派手な爆音が街中に響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

△△地区をクロノスは何も言わずただ付いて来ているソーサラーとコーカサスを連れてアテも無く、尚且つ破壊活動もせずにただ歩いていた。

 

そんな彼等の前に現れたハルナとウラナの登場に、先頭を歩くクロノスが足を止めると、それにつられて後の二人も停止し出した。

 

「フゥ…やはりキミ達がこっちに来たか。」

 

「フフン!アタシ達を前に恐怖で慄いたか!」

 

「ウラナ、そういう言葉使いはしないの!…そういう事よ。アンタ達は私達が倒す!」

 

「フッ…果たして上手く出来るかな?”此処”に居るキミ達に…。」

 

「えぇ、これでも任された身だからね!…行くよウラナ!」

 

「オッケー!」

 

ウラナがハルナの中に入って一つとなると、ゲーマドライバーを装着。両手にマキシマムガッシャットとムテキガシャットを手に、起動させる。

 

<< MAXIMUM MIGHTY X>>

<< HYPER MUTEKI >>

 

<< マキシマムガッシャット! >>

<< ガッチャーン!──ドッキーン! >>

 

「ハイパー!──大変身ッ!」

 

<< パッカーン!──MU・TE・KI! >>

 

現れたゲートを潜り、変身が完了したエグゼイドの背後に現れたマキシマムゲーマーに入り込むと勢いよく射出。

黄金に輝くエグゼイドに流星が纏われると、無敵の黄金戦士が地上に降り立った。

 

<< ──ハイパームテキエグゼイド! >>

 

「ノーコンティニューで──クリアする!」

 

 

「フム…ソレがムテキ、か…。」

 

初めて間近に見るハイパームテキエグゼイドを前にガシャコンバグバイザーⅡをチェーンソーモードにして装備するクロノスとソーサラーとコーカサス。

 

エグゼイドもガシャコンキースラッシャーを手にクロノス達に向けて構える。

 

 

<< EXPLOSION! NOW! >>

 

先制攻撃を放ったのはソーサラーの空間爆発魔法。エグゼイドを取り囲む空間爆発は瞬く間に炎に包みこませる。

だがエグゼイドの纏うEXムテキアーマーの前には全くのダメージを受け付けず無傷。更に、EXコンプリートアーム・レッグの機能を用いて、瞬間移動の如く、クロノス達の間合いに姿を現した。

 

「ハァ!」

 

「ッ!!」

 

横に振るうキースラッシャーをチェーンソーの刃で受け止めるクロノス。二つの刃が交差する箇所から激しい火花を散らす。

 

(コイツの戦闘データさえ取れれば、間違いなく私は”アレ”の境地に至れる!……とことん利用させて貰うぞ仮面ライダー共!私達の野望の為に!)

 

「ヌァアアァァァァアアアッ!!」

 

「ッ!──シャンラァッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

端末に写る4つの激しい戦闘を前に、神太郎はラボで一人思い詰めた表情をしながら悠達の戦いを画面越しに見守っていた。

 

未だ戦況はどちらとも傾いていない拮抗状態。悠の変身しているディケイドもアベルことゲムデウスと思っていた以上にやり合えている。

 

そんな険しい表情の神太郎の横にコーヒーの入ったカップが置かれる。

 

「朝早くからお疲れ様ですお義父様。」

 

「ん?あぁありがとうラ・フォリアちゃん。頂くよ。」

 

「…皆、大変ですね。朝ごはんも食べるヒマも無く戦いに出て。」

 

「仮にも戦争だからね。相手はコッチの都合など考えてはくれないよ…。」

 

差し出されたコーヒーに口付ける神太郎。悲愴な目をしながら画面を見るラ・フォリアと共に戦いを見守ってる中、ラボに降りる階段から複数の足音が聞こえて来た。

 

「おや、みんなもお目覚めみたいだね。」

 

「結構早く起きてましたよ?ハルナがウラナを起こしに行った時結構騒いでましたし。」

 

「そっかぁ、そりゃあみんなに悪い事しちゃったなー…。」

 

「おはようございますっぽい!」

 

「おはようございまーす!」

 

「おはよー、いやぁ朝早いってのに元気だねぇ~、コレが若さかぁ。」

 

「あの…今ゆーくん…みんなは…?」

 

「大丈夫だ、今の所皆ピンチにはなってないし、誰かが終わり次第援護に向かわせるつもりだから。

…むしろ心配するのは、この後のご飯だよ。何も食べずに行ったから、大メシ喰らいの秋くんや蓮司くんがお腹空かして帰って来るよ。」

 

「フフ。それは確かに大変ですね。

なら何時でも帰って来て良い様にたくさん用意しておきますか。」

 

「あ、凪沙も手伝います!昨日の夜よりも沢山作っておかなきゃいけないなら尚更!」

 

「私もお手伝いします!でした。」

 

「じゃあ私達はおにぎり作りますね!」

 

「ぽい!今度はちゃんと塩で握るっぽい!」

 

「そんな心配してるの夕立ちゃんだけだよ~!」

 

悠達が帰ってきた時に備えて朝食を作っておこうと張り切る女性陣のやり取りに、思わず笑みがこぼれる神太郎。

 

先程まで張り詰めた表情が解けた神太郎が視線をラ・フォリア達から端末へ戻そうした時だった。

 

 

ーBe-!Be-!Be-!ー

 

「キャッ!!」

 

「何々!?何なのこの音!?」

 

「敵正反応!?クソ!皆が出てるって時に…!

クリム!位置を特定してくれ!私が向かう!!」

 

<既にやっている!反応は……・・ッ!?>

 

「どうしたクリム!?敵は何処に居るんだ!?」

 

<皆すぐに逃げろ!!敵は───此処の真上に居る!!>

 

「な…ッ!?」

 

 

 

 

 

ードォォォォォンッ!!ー

 

 

「「キャアアアアッ!!」」

 

突如ラボの天井が崩壊しガレージに合った工具やマシンが破壊された状態で落ちて来た。

 

粉塵が舞って視界が悪くなるなか、天井に大きく開いた穴から陽射しが差し込み、ラボに侵入して来た敵の姿を照らされる。その姿を目にした神太郎は大きく目を見開き驚愕した。

 

「バカな…!何でお前が…!!」

 

 

『グッモーニン♪ドッキリ、だーい成功ー♪』

 

其処に居たのは、ディケイドが戦ってる筈のアベル、ゲムデウスが立っていた。

 

 

「どういう事だ!何でお前が此処に!?」

 

『決まってるだろう?ボクがここに来た目的……キミだよ、カイン♪』

 

「ッ!!」

 

 

<< DRIVEtypeNEXT! >>

 

<ウオォォォッ!!>

 

ゲムデウスの襲来に未だ動揺する神太郎を他所に、クリムがオート機能を使いダークドライブに。ブレードガンナーでゲムデウスの斬り掛かるが、ブレードがゲムデウスに直撃してもゲムデウスに対した一撃を与えられていなかった。

 

<ッ!!>

 

『邪魔だなぁ、一介のAI如きがッ!!』

 

<グァァッ!!>

 

 

「ベルトさん!!」

 

ゲムデウスの妖しく灯った拳を叩き込まれ吹き飛ぶダークドライブ。壁に激突するとダメージの許容を超えたのかオート機能が消えてベルトになってしまう。尽かさず吹雪が落ちたベルトを回収するが、ゲムデウスはダークドライブなど眼中になく、その意識を神太郎ただ一人に向けていた。

 

『さぁて、コレで邪魔者は居なくなった…ハハハ♪』

 

「ッ…クリム!皆を連れてココから逃げろ!!コイツの狙いは私だ!!」

 

<だ、だが…!>

 

「吹雪!睦月!夕立!命令だ!彼女達を安全圏まで護衛!!いいか!これは絶対命令だ!!」

 

「「「ッ!!」」」

 

「行けぇッ!!早く!!行くんだ!!!」

 

<ッ……了解。>

 

神太郎の指示を聞き、ラ・フォリア達の前にネクストライドロンが停まってドアが開き、クリムがネクストライドロンの中へ。吹雪達も艤装を身に着けネクストライドロンの周囲を囲み砲身をゲムデウスへと向けていた。

 

<皆!ネクストライドロンに乗るんだ!急げ!!>

 

「待って下さい!本当に置いて行っちゃうんですが!?」

 

<私もキミと同じ気持ちだが、此処は素直にあの方の言う事を聞くんだ!!何より、キミ達が此処に居たままでは、あの方の負担となってしまう!!>

 

「ッ…凪沙、夏音。乗りましょう。」

 

「ラ・フォリアさん!」

 

「クリムの言う通り、私達が足枷になるのをは避けなければなりません…この戦争で私達に唯一出来る事が、ソレです。」

 

「ッ…。」

 

「凪沙ちゃん…。」

 

「…さ、乗りましょう…。」

 

ラ・フォリアが凪沙と夏音の背を押して共にネクストライドロンの中へ。小柄な体格の凪沙と夏音が寄せ合って一つの座席に座り、ラ・フォリアが運転席に座ると、ドアが閉められた。

 

「…お義父様、どうかご無事で…。」

 

<出すぞ!トップスピードを出すからしっかり掴まってるんだ!>

 

クリムが操作するネクストライドロンが発進し、それと同時に吹雪達もラボから出て行く。

 

ラボから外へと出たネクストライドロンが道路を走るなか、クリムは無線を開いてライダーズ全員に繋げた。

 

<皆大変だ!アベルがラボに!───>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァッ!?アベルが…!?──グァッ!!……どういう事だよ!悠兄さんがやられたっての!?」

 

<それは無い!悠はまだゲムデウスと交戦中だ!>

 

 

 

 

 

 

 

「フッ!──ならばどちらかが影武者という事か!?」

 

<それもあり得ない!此方に来たアベルは確かに本物だ!悠の方もニセモノなら、もう倒してる筈!>

 

 

 

 

 

 

 

「アンタ達!アタシ達の家を襲うのが目的だったの!!」

 

「ハッ!──さぁどうだろうね?生憎私達はキミ達みたいに仲良く無くてね!」

 

<< CRTICAL JUDGMENT! >>

 

<< YES! VANISH STRIKE! UNDERSTAND? >>

 

「ウワッ!──」

 

 

 

 

 

 

 

 

「テメェ!一体どういうこった!!!お前がニセモノじゃねぇって事は、戦って分かる!」

 

『アハハハ!忘れちゃったかな?こういう事が出来るバグスターが居るって事に♪』

 

「ッ!…ハイドラグーンか!」

 

『正解♪ボクは本体と別れた分身、疑われないよう本来低い知能を丸っきりコピーしたのに容量喰っちゃったから力はオリジナルより低いよ♪』

 

「だったら!──」

 

<< ライドヘイセイバー! >>

 

「とっとと倒して、人ん家土足で踏み込んでる本物ぶち殺しに行ってやる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瓦礫と煙が立ち昇る悲惨な状態と化したガレージ地下に残った神太郎と襲撃を仕掛けて来たゲムデウス。

 

額から火災の暑さと焦りから脂汗が流れる神太郎はゲーマドライバーを装着する様を見て、ゲムデウスは噛みしめる様な笑いを上げる。

 

『クククッ…勝てないと分かって無駄な足掻きをするつもりかい?頭の良いお前がする事とは思えないなぁ?』

 

「そうでもないさ、彼女たちが逃げ切る時間と、彼等が来るまでの時間を稼げば良いだけだ!」

 

<< MIGHTY ACTION X >>

<< DANGEROUS ZOMBIE >>

 

「グレートX-0──変身ッ!」

 

<< ガッシャット!──ガッチャーン!──LEVEL UP! >>

 

<< ──DANGEROUS ZOMBIE! >>

 

神太郎はゲンムに変身しソードモードのガシャコンブレイカーを手に構える。

 

ゲムデウスはそんなゲンムの姿を前に、覇気は感じられずともデウスラッシャーを構える。どう見ても遊び感覚で相手をするようであった。

 

 

「コンティニューしてでも──クリアする!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チィッ!──このままじゃ時間が過ぎるばかりか!!」

 

一方の斬月は、クリムからの通信を聞いて早々に決着を着けて戻らねばならないと思うも、タイラントの放つ光矢をメロンディフェンダーで防ぐ最中に、セイバーアローと赤い大橙丸を手に斬り掛かって来るセイヴァーの連携を前に苦戦を強いられていた。

 

この状況を打破すべく、斬月が思いついた手は…。

 

(…下らない意地を張ってる場合では無いか!)

 

<< メロンオーレ! >>

<< ジンバーメロンオーレ! >>

 

「ハァァッ!!」

 

斬月はカッティングブレードを二回倒し、ロックシードのエネルギーが纏ったメロンディフェンダーを投げた。

 

投げたメロンディフェンダーは不規則な軌道を描きながらセイヴァーとタイラントを牽制。その隙に斬月は懐から新たなロックシードを取り出した。

 

「今だけは貴様の腕を信じてやる!」

 

<< カチドキ! >>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じようにガタックも、ヘラクスとケタロスの高いスペックの前に苦戦を強いられていた。その上ラボが襲撃を仕掛けられたという報せを受けて、焦燥感が募るガタックのメンタル面が動きを雑にしてしまい、次第に攻撃が入らなくなってしまっていた。

 

(チクショウ!コイツ等早く倒しておやっさんとこ行かねぇと…!

……一か八か、呼んでみるか?)

 

ガタックは前に一度失敗した手を使うかどうか迷うが、今はあの時と条件が違うし、何よりも一刻も速く、誰よりも、神太郎の元へ行きたいと強く思ったガタックは手を上に掲げ、その名を強く叫んだ。

 

「来てくれ!──ハイパーゼクター!!」

 

ガタックが強くイメージし、叫んだ更なる加速を齎す最強ツールは、空間を超えてガタックの手に現れ、その掴み取った手に収まった。

 

「来た!……良し!!」

 

ガタックは喜ぶ間もなくハイパーゼクターをベルトサイドのアタッチメントへ挿し込んで装着させると、ゼクターホーンに手を掛け、強く叫んだ。

 

 

「ハイパーキャストオフ!」

 

<< HYPER CAST OFF >>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






新しい令和ライダーは本と剣か…。おまけに公式では10人も出ると。中々に面白そうなストーリーですね!

夏のゼロワンの映画は劇場版ライダー出るんでしょうかねぇ?

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