その男が進む道は・・。   作:卯月七日

17 / 187
VSディケイドの回です。
ではどうぞ。




悠はオーロラから出てきた茶髪のコートを着てる男、鳴滝から始末するように言われたターゲットの方へ歩み寄っていく。

男は近づいてくる悠に対し、今の自分の状況を分かってないのか確かめるために話しかける。

 

「なぁ、あんた。ここは一体…。」

 

「お前がディケイドだな。」

 

男の質問に聞く様子もなく逆に質問する悠、それに対し男は自分の正体をいきなり知られたのか目を見開いてた。

 

「…あぁ失礼、こういう時は先にこっちから名乗るのが先だったよな。…灰原 悠だ。覚えなくていいぞ。」

 

「…御門 士郎だ。」

 

お互いに名前を明かした後、御門は悠に警戒心を持って問いかける。

 

「アンタ、何で俺がディケイドだって知ってる?アンタは一体何モノなんだ?」

 

「一つ目の答えはある奴からお前の事を聞いた。それで二つ目は…。」

 

 

御門は悠が懐から取り出したモノ、戦極ドライバーに目を見開く中、悠はドライバーを装着しながら。

 

 

「…お前の敵だ。」

 

 

次に取り出したのはロックシードだがブラッドオレンジの様な果実ではなく、骨格のようなものが描かれているものだった。

悠は手に持ってるロックシードを開錠する。

 

<<フィフティーン!>>

 

骨型のクラックからドクロが悠の元へ降りていき、ロックシード手を離すと自動的にドライバーへセットされた。

 

「変身。」

 

<<LOCK・ON>>

 

錠前を閉じカッティングブレードを倒すと、ドクロが悠と一体化するように溶けていき禍々しいオーラを纏って現れたのは。

 

骨格の様なボディに頭部の白髪と額に大きく書かれてる十五の文字

 

 

十五の英雄の魂を操る骸骨[仮面ライダーフィフティーン]

 

 

「ッ!!、何だと!?」

 

「どうした、変身しないのか?それならそれでこっちは楽に済むんだが。」

 

「くっ!」

 

御門は懐からカメラの様なドライバー、ディケイドドライバーを装着すると腰についているライドブッカーからライダーカードを取り出す。

 

「アンタが何者かまだ分からないが黙って殺られるわけにはいかない、変身!」

 

<<KAMEN RIDE──DECAD!>>

 

十の残影が御門に集まり、プレートが顔に集まって表れたのは御門が持つ破壊者の姿、仮面ライダーディケイドになった。

 

「やっとやる気になったか…そんじゃあ…おっ始めっかぁ!」

 

お互い変身した状態でこれから激戦になる戦いが始まるとしてた。

フィフティーンはアームズウェポンの[黄泉丸]を、ディケイドはライドブッカーのソードモードを構えてお互い同時に駆けて行った。

黄泉丸とライドブッカーを打ち合わせ、まずは互角の状態で剣をぶつけ合っていた。フィフティーンの上段をディケイドが受け止め、ディケイドの横なぎをフィフティーンが受け止める。

このやり取りをしばらく続けた後、鍔迫り合いになりフィフティーンはディケイドに話しかける。

 

「一つ聞く、お前がその力を選んだ理由はなんだ?お前は破壊者の力で、一体何を壊すつもりだ?」

 

「俺は破壊者になんかなるつもりはない!この力で助けを求めてる人たちを救うために俺は仮面ライダーになったんだ!」

 

「ほう、そうか…ならば目の前の障害くらいは乗り越えなくてみなぁ!」

 

剣を弾いて距離を取った後ディケイドはライドブッカーから一枚のライダーカードを取り出してベルトに入れた。

 

<<KAMEN RIDE──KUUGA!>>

 

ディケイドの姿は赤い戦士クウガに変わり接近戦でフィフティーンに攻撃してくる。

フィフティーンは攻撃を黄泉丸で防ぐが、連続のパンチとキックが数回当たり何とか黄泉丸を大きく振るう事で距離を取った。

 

「そこそこはやるようだな、だが…。」

 

そう言って取り出したのは十五のライダーの顔が描かれた[平成十五ライダーロックシード]を開錠する。

 

「そういうの、俺も出来るぜ?」

 

<<アギト!>>

 

クラックからアギトの顔が降りてきてフィフティーンはロックシードをベルトに嵌める。

 

<<LOCK・ON>>

 

<<アギトアームズ!目覚めよ・その魂!>>

 

アギトの顔が展開してアームズになりフィフティーンはアギトの力を持ったアギトアームズへとチェンジする。

 

「アギトに?!それだったら。」

 

<<FORM RIDE──KUUGA・DRAGON!>>

 

クウガは青い姿、ドラゴンフォームへ変わりドラゴンロッドを持ってフィフティーンにジャンプして突きを喰らわす。

 

対してフィフティーンは一瞬体が光ると自身も青い姿、ストームフォームへと変わりナギナタのストームハルバードを振るって突きを弾く。

 

そのまま長物同士の打ち合いを繰り広げていくが、パワーが欠けてるドラゴンフォームに対しストームハルバードを大振りに振りながらも隙のない連撃で繰り広げている為、若干のパワー負けでドラゴンロッドが弾かれ、クウガはストームハルバードの一撃を喰らった。

 

「うあっ!」

 

斬られて距離が5m程空いた後フィフティーンはクウガに向けて接近するが

 

「ここだ!」

 

<<FORM RIDE──KUUGA・PEGASUS!>>

 

緑の姿、ペガサスフォームへと変わり武器のペガサスボウガンを瞬時に構えて圧縮した空気の矢を放つ。

 

しかし、フィフティーンはまるで次が分ってたかのように姿を赤のフレイムフォームへと変え能力の超感覚を最大限に引き出してフレイムセイバーで空気の矢を叩き斬る。

クウガは防がれたことに驚くがその隙にフィフティーンがフレイムセイバーで肩掛けに斬り、そのまま下から斬り上げてダメージを与える。クウガは元のディケイドの姿に戻って吹き飛ばされた。

 

「この!ならこいつで。」

 

<<KAMEN RIDE──BLADE>>

 

ベルトから青いゲート、オリハルコンエレメントが出現しそれを潜ってブレイドの姿になった。

 

<<LOCK・OFF>>

 

「お次はコイツだ。」

 

<<オーズ!>>

 

<<オーズアームズ!TATOBA TA・TO・BA~! >>

 

フィフティーンはオーズの力を持ったオーズアームズになりメダジャリバーを構える。

 

<<ATTACK RIDE──MACH!>>

 

<<タカ・トラ・チーター!>>

 

マッハによる高速移動と、チーターレッグによる俊敏な動きで剣と剣のぶつかり合いが続く、やがてブレイドのカードの効果が切れ動きが止まった際フィフティーンが仕掛ける。

 

<<タカ・ゴリラ・チーター!>>

 

<<ATTACKRIDE METAL!>>

 

フィフティーンは腕のゴリラアームで殴るがブレイドのメタルの効果で弾かれるも再度殴りかかる。

 

「オラ、オラ、オラ、オラ、オラ!」

 

「ぐっ!」

 

段々とブレイドが押されていき、遂に効果が消えてしまった時ゴリラアームの一撃を喰らい吹き飛ばされ、ダメ押しで両腕のガントレットを発射するゴリバコーンを喰らいディケイドの姿に戻る。

 

「はあ、はあ、こんの!」

 

<<KAMEN RIDE──FAIZ!>>

 

「ふん。」

 

<<ダブル!>>

 

<<ダブルアームズ! サイクロン!ジョーカー!ハッ・ハッ・ハッ!>>

 

ファイズの姿になりラフファイトの格闘で攻めて行くもダブルのアームズのスピードのある足技に攻撃は弾かれ風を纏った回し蹴りがファイズの顎に炸裂する。

 

「はあ、はあ、こうなったら!」

 

<<FINAL ATTACK RIDE──FA,FA,FA,FAIZ!>>

 

勝負を決めようとしたファイズが必殺技のクリムゾンスマッシュを放とうと空中へ跳ぶが…。

 

「バカが。」

 

<<ルナ・トリガー!>>

 

ルナトリガーの姿になったフィフティーンのトリガーマグナムから放たれた変幻自在の弾丸で撃ち落とされ、ディケイドの姿に戻ってしまった。

 

「ぐああッ!!……がっ…!」

 

「どうした。もうお終いか?」

 

かなりのダメージで起き上がれないディケイドにフィフティーンは声を掛ける。

 

(ダメだ!こっちはキバまでしか変身出来ないのに対して向こうはダブルやオーズの力を使ってくる。おまけに向こうはこっちの攻撃に対して瞬時に対応してるからコイツ自身の実力はかなり強い!)

 

「…なあ、お前その力で誰かを救うとかどうこう言ってたが、具体的にどうやってその力を有効に使うんだ?」

 

「何だって?」

 

ディケイドの言葉にフィフティーンは溜息をついて呆れた様子で言う。

 

「だから、具体的にお前は誰を助け、誰から守り、どのようにして守るか、尚且つ守るためにどのように力を付けるか。全てを破壊するディケイドの力をお前はどうやって使うんだ?」

 

「そ、それは…。」

 

「答えられないか。そもそも誰かを助けたいんだったら戦う以外にもあんだよ、警察になって市民を守ったり、医者になって病に苦しむ人を治せばいい。神の力ならそのくらいの特典余裕で貰えるだろ。」

 

「……さい。」

 

「なのにお前は仮面ライダーになった。必要もない力を望んだんだ…お前は誰かを助けるなんて心地いい名目で自分の欲に従っただけの…。」

 

「うるさい!」

 

淡々と告げるフィフティーンにディケイドは声を上げる。

 

「お前みたいな悪党なんかに言われる筋合いは無い!俺は正義だ!仮面ライダーだ!お前みたいな悪を倒すヒーローなんだ!」

 

「……どうやら鳴滝の危惧した通りらしいな。」

 

<<ディケイド!>>

 

「っ!」

 

<<ディケイドアームズ! 破壊者オン・ザ・ロード!>>

 

フィフティーンはディケイドと同じ力を持つディケイドアームズを身に纏い、ディケイドは自分と同じ力を使うフィフティーンに怒りを覚える。

 

「来いよ、次で終いだ。お前のその覚悟が空っぽだってことその身に叩き込んでやる。」

 

<<ディケイドスカッシュ!>>

 

「ふざけるなああ!俺は、俺は悪を倒す仮面ライダーだああああ!」

 

<<FINAL ATTACK RIDE──DE,DE,DE,DECAD!>>

 

「おおおぉぉぉぉッ!!!」

 

「オウゥラアッ!!」

 

二人が空中に跳び、必殺技であるディメンションキックがぶつかり合い凄まじい爆発が起こる。

爆発の規模は辺り一遍を吹き飛ばすほどの威力でしばらく爆発は止まず、辺りは一瞬で更地になった。

爆発が止み、一人の影が立っている姿が段々と見え始め視界が良好になって立っていたのはフィフティーンだった。

フィフティーンの視線の先に変身が解かれた御門が倒れており近くにディケイドドライバーが転がっていた。

御門は這いつくばりながらドライバーの元へ近づきあと少しで手に触れると言った所で無情にもフィフティーンにドライバーを踏み砕かれてしまい御門はディケイドの力を失ってしまった。

 

「結局、お前の覚悟は唯のハリボテ同然の偽物だったな。」

 

「…ならお前はどうなんだ…お前は、何のために戦ってるんだ…。」

 

瀕死の状態でフィフティーンに戦う理由を聞きだす御門。御門の質問に対しフィフティーンは答える。

 

「強いて言うならこれは俺の罰だ。止まることは許されない過去に犯した罪のけじめ……考えは人それぞれだがそれに命を賭けるかどうかはそいつの意志の強さだ。お前に足りなかったのは、それだ。」

 

「意志…の……つ、よさ……。」

 

それを聞いて御門は力尽きこの世を去っていった。

御門の死を確認して、変身を解くとオーロラが悠を包み込み次に目に入った光景は先程まで居た学校の屋上。満足気な表情の鳴滝が悠に称賛の声を上げる。

 

「流石は歴戦の戦士だ、偽物と言えどディケイドを難なく倒すとはね。」

 

「やってることは人殺しだがな。」

 

「だがそれで恐るべき世界の破壊は防げた、君のやったことは事実上大きな戦果を挙げたんだ。

さて、君は私の頼みを見事叶えてくれた、これが約束のモノだよ。」

 

そう言って鳴滝は懐からある物を取り出して悠に差し出す。

悠は鳴滝の手に持ってる物に目を見開くなぜならば

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳴滝の手には先程倒した御門の持っていたディケイドライバーがあるのだから。

 

 

「これは…。」

 

「コレはかつて別世界のショッカーが全てのライダーを排除する為全てのライダーのデータを集め、ショッカーの持つ技術力を最大限に使い出来たのがこれだ。

だが一号を筆頭にする仮面ライダー達がショッカーを崩壊させたたが、破壊される前に私が密かに回収した。」

 

「…随分皮肉な話じゃないか…ディケイドを倒したい奴がディケイドの力を与えるなんて。」

 

「何度も言うが、私が倒したいディケイドは唯一人。門矢 士だけだ!

それに、これは私から君に対する信頼の証だと思ってくれていい。たった一人で世界の崩壊を防いでる君に対してのね。」

 

鳴滝は悠の手を取り、持っているディケイドライバーを渡す。

鳴滝はオーロラを出現させてまた違う世界へ行こうとする。

 

「そして、これは私の勝手な願いだが、出来れば君がその力を使って門矢 士を倒してくれることを望んでいる…。

ではさらばだ。修羅の道を行く孤独な仮面ライダーよ。君の物語の行く末を、これからも見届けさせてもらうよ。」

 

鳴滝はオーロラを潜り、この世界から消え去って行った。

屋上にはディケイドライバーを持った悠が風になびかれて立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 




鳴滝は主人公の事をえらく評価している様子です。
次回は原作キャラ含めたオリジナル回です。
お楽しみに。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。