「前回のあらすじ!
バグスター、ロードバロンを相手に苦戦する俺と剣バカ。
ウジウジとウザったい剣バカに一括入れてやり斬月ジンバーメロンへと変身した剣バカと共にカチドキアームズでロードバロンに挑む俺!はてさてどうなる最新話!?」
「ねぇ灰原くん。私つくづく思うんだけど私の周りにいる男子って女子力高くない?」
「え、いきなり何?」
「だって彩守くんは毎日あのお重の弁当作ってる訳だから料理出来るし、灰原くんは手先器用でラ・フォリアさん達の髪セットしてるし、秋は私より流行りもの詳しいうえにオシャレ気にしてるし…。」
「そんなに気にする事でも無いと思うが…。」
「私は気にするのよ!!あー、なんかまた頭痛い。ていうかなんか酷くなってる。」
「無理しないで今回は休みなさいよ。とりま、最新話でも見てさ。」
「クソッ!クソッ!クソがァ!!」
薄汚れた路地裏の一角で蹴られたポリバケツが中のゴミを散らして転げ回る。
怒りに歪んだ形相をした白髪の男、グレムリンことフリードは先の戦闘でスナイプからガシャットを奪われた為に感情を爆発させていたのだ。
そんなフリードの様子を「アーララ」と口にしながら眺めていたアベルはおもむろに声をかける。
「荒れてるねぇ、そんなにあのガシャットが気に入ってたのかい?」
「そりゃ当然だろうがよォ!!あんなスッゲエの聖剣やら神器に比べたらゴミカス当然の力をビンビンに感じたんだぜぇ!?
なのにあん野郎がァ!!すまし顔決め込んで奪い取りやがって!!」
「まー向こうもレベル50のガシャット使っていたからねぇ、差が出ちゃうのは当然とも言えるか…。」
「チックショウ!!このままじゃ絶対終わらせねえぞ!!……見ていやがれ…!!」
(お?これは面白そうな展開が来そうだな♪)
同時刻、現実世界から隔離されたドーム内のゲームエリアでユートピアドーパントと戦闘してるレーザーターボ、ゲンムによるタッグは、ワンサイドゲームともいえる戦況であった。
<< ス・パーン! >>
「ソラァッ!!」
『グァァッ!!』
ギリギリチャンバラガシャットから呼び出した鎌モードのガシャコンスパローによる二連撃をユートピアに浴びせるレーザーターボ。
バグスターにとって天敵ともいえるレベル0のウイルス抑制とゲンムの腐敗によるダメージのお陰でユートピアは既に虫の息と言えるくらい装甲もボロボロ、体から腐敗臭すらまき散らす程にユートピアは追い込まれていた。
『馬鹿な…こんな、筈では…。』
「いよしッ!んじゃそろそろキメワザ、っと…「ちょっと待ったァ!!」うわビクった!!んも何さおやっさん!?これからカッコよくキメるとこなのに!」
「折角ならコレを使いたまえ。今のキミなら問題なく扱える。」
「ん?何コレ?」
ギリギリチャンバラガシャットをスパローへ挿そうとする直前に眼前に入ってきたゲンムに驚かされながらも差し出された黒いガシャットをジッと見つめると、その正体に叫んだ。
「ってコレ、プロトガシャットじゃん!!コレ使っちまったら…。」
「問題なァいッ!!レベル0ならプロトガシャットの強大な力はそのままで、反動を無かった事に出来る!」
「は?…マジかよ。悠兄さんが可哀そうじゃん…まぁ使うけどさ。」
レーザーターボは呆気に取られながらもゲンムからプロトガシャット、シャカリキスポーツガシャットを起動させた。
<< SHAKARIKI SPORTS >>
<< ガッチョーン──ガッシャット! >>
「えーっと、んじゃあ──爆速ッ!」
<< ガッチャーン!──LEVEL UP! >>
<< BAKUSOU BIKE!──アガッチャ!>>
<< ──シャカシャカ!コギコギ!──SHAKARIKI SPORTS! >>
レーザーターボの周りを出現したBMXバイクが変形し合体。プロトスポーツバイクゲーマーへと変わったレーザーターボは体の具合を確かめる。
「…確かに何ともねぇ。ていうか超力漲ってきたァ!!」
「当然だァ!!この私が丹精込めて手を掛けたのだからなッ!!さぁ、一緒に決めるぞ!!」
<< CRITICAL END! >>
「オッケイ、悠兄さんんトコの様子も気になっしな!」
<< ガッシャット!──キメワザ! >>
レーザーターボはエネルギーが蓄積される肩のトリックフライホイールを外すと車軸の突起部をバイクのアクセルを回すような動作をし、ゲンムは高く跳躍し勢いよく縦回転しながらユートピアへ向かって急降下していった。
『ッ!!』
<< SHAKARIKI CRITICAL STRIKE! >>
「オゥッ、リャア!!」
レーザーターボが勢い良く投降したホイールは不規則な軌道を描きながらユートピアを切り裂く丸鋸となって何度も勢いよく当たっていく。
そして縦回転しながら向かってくるゲンムも死を告げる凶刃が如く強力なキックを叩き込んだ。
「ヌラァァアッハァッ!!!」
『ンガアアアァァアアッ!!!』
蹴り飛ばされたユートピアは体から火花を血の様に流しながらゆっくりと立ち上げると、観念したかのように顔を上げた。
『あぁ……理想どころかとんだ悪夢を見せられました…──。』
<< GAME CLEAR! >>
その場で立ち尽くしながら爆散したユートピア。炎の中から出て来たガシャット、ダブルのレジェンドライダーガシャットを手にしたレーザーターボは、ドライバーからガシャットを抜き、ゲンムも続いてガシャットを抜いて変身を解除した。
「これで残り3体、と。やっとここまで来たか…。にしてスゲェなこのガシャット、ユートピアを簡単にブッ飛ばせた。」
「ブァアッハハハハハ!!当然だとも!!この調子で残りも意図も容易く…とは、いかないか。」
奇行な態度から一変、真剣味を帯びた真面目な態度の神太郎の移り変わりに秋はギョっとしたが、秋は神太郎の言っている言葉の意味が理解していた。
残るバグスターは3体。一体は今悠と蓮司が相手をしているロードバロン。そして残る2体、全てのレジェンドライダーのガシャットの中で未だ確認出来ていないのは、平成ライダーの原点であるクウガと10番目のライダー、ディケイドのガシャット。
二つの物語の中から予想できるラスボス、その内一体はこれといった強敵に目星の確信がつかず、未知数というのが不安な所。
そして最後、平成ライダーの始まりとして最も強烈な印象を刻み付けたラスボス。その能力は五人が束になって勝てるかどうか危うい位に危険な怪人。能力も、内に潜めてる残虐性も、今までのバグスターの中では一番にヤバイ相手だ。
正直な所、一番最初に出て来たバグスターがそいつでなかった時点でチームライダーズはかなり幸運と言える。
「…フゥ。とにかく今は悠兄さんの所に行こうぜ。まだ終わってねぇなら加勢に行かなきゃ。」
「あぁそうだな。急ごう。」
いずれ来る最悪最強の敵を危惧しながら二人は色々と心配である悠と蓮司の元へと向かうのであった。
「──ハァッ!!」
『ク…ッ!セァァッ!!』
「オラそこォ!!」
『グゥ…ッ!!』
場所は変わりビルの屋上。一般的な高層ビルの屋上では、猛烈に剣を打ち合う剣戟とけたたましい銃撃の音が激しく飛び交っていた。
強化アイテムと焦りが無くなった斬月の一振りは以前と比べようがない程に、キレも、打ち込む強さも桁違いに上がっており、優勢だった筈のロードバロンがその剣筋を防ぐのに手を焼く程に斬月の勢いは凄まじい。
受け流して弾き返した際に待ち構えているが如く死角をついて火縄大橙DJ銃を放つ武神鎧武。
威力のある大砲モードから放たれる一撃は強固なロードバロンを仰け反らせるのに十分な威力。ダメージ共に大きな隙を作り、尽かさず肉薄していく斬月が両手に持った無双セイバーを横一文字に振るう。
「イィヤアァッ!!」
『ッ!!──ヌゥゥッ!!』
咄嗟にグロンバリャムを前に出して直撃を避けたが、余りの威力に後退させられるロードバロン。
そこに牽制射撃かDJ銃をマシンガンに切り替え連射する武神鎧武。ロードバロンがグレムリンを盾に防ぐなか、斬月は接近しながらカッティングブレードを倒した。
<< メロンスカッシュ!>>
<< ジンバーメロンスカッシュ! >>
「セエェィヤァッ!!」
『ヌゥッ!!』
袈裟懸けに黄緑色のエネルギーを纏わせた無双セイバーの刃をロードバロンはグロンバリャムで受け止める。
激しく飛び散る火花。僅かな間つば競り合う斬月とロードバロンだが、斬月は瞬時に息を肺に取り入れる。
「スゥー……ッ!」
剣を握る手に、剣を振り抜く上半身に、踏み込む足に力を一瞬、ほんの一瞬だけ脱力し、瞬間的に取り込んだ酸素と共に全身の力と気迫を込めて振り抜いた。
「キィィイェヤァァァァッ!!!!」
『ッ!?──グァァッ!!』
全身のバネを活かした斬月の一振りは、ロードバロンのグロンバリャムを押し切りその体に大きな傷を刻み付けた。
斬られた箇所を抑え下がるロードバロン。
<< LOCK・ON! >>
『ッ!!』
「剣バカにだけ目ェ向けてるヒマはねぇぞ!!」
ロードバロンの視線の先には、銃口にエネルギーが蓄積されるDJ銃を向ける武神鎧武の姿があった。
『貴様ッ…!』
「悪いな先輩。」
<< カチドキチャージ! >>
漁夫の利を狙った必殺技は、真っ直ぐロードバロンに直撃。ロードバロンがいた所は忽ち爆炎が立ち昇った。
「…フン。本当に性根が腐ってるな。」
「ハッ、二対一ならよくある事だろ?」
悪びれる様子も無くDJ銃を肩に担ぐ武神鎧武を見て、斬月は仮面の下で顔を歪める。
すると突然燃え盛る炎の中から感じる強い闘気。武神鎧武と斬月とはそれぞれ剣と銃を構えだす。
「やはりまだ健在か。」
「やっぱ不意打ちなんぞで倒れる程ヤワじゃあ無いか。」
二人の想像通り、炎の中から傷つきながらも姿を見せて来たロードバロン。
手負いの状況に追いやられたのもあってか、身に纏うその雰囲気は歴戦の覇者と思わせる重圧な覇気を二人に向けていた。
『…成程。先程までとは別格の強さという事か…。いや、むしろそうでなくては困る。
白いアーマードライダー、赤い鎧武…別人といえどオレはお前達に大きな貸しがあるのでな。
貴様等に恨みは無いが、あの時のリベンジを…果たさせて貰うぞ!』
「来るぞッ!!」
此方に向かって駆けて来るロードバロンに警戒を強める武神鎧武と斬月。
ロードバロンは体を霧状に変化させ、二人を牽制するように周囲を回り、時に二人の間を通り過ぎたりして翻弄していった。
「クッ!?実体が無いのか!?」
「ダーッ!来やがったよこのインチキ攻撃!!」
「知ってるならどうにか出来ないのか!」
「出来たらやってる!とっくにやってる!!」
剣を振るうも実体の無い霧相手では斬る事が出来ず、銃も同様に幾ら連射して当ててもダメージは一切入らない。
ロードバロンの厄介な能力に翻弄される二人。次の瞬間、霧となったロードバロンは二人を包み込んで中へ浮かした。
「グァッ!!」
「ガッ…!」
包み込んだ二人をビルの壁、地面へと勢いよく何度も叩き付けたりして、仕舞には放り投げる。解放された二人は地面を転がり、元の姿に戻ったロードバロンは狙いを武神鎧武へと定め、特攻を仕掛けた。
「ッ!──このッ!」
『ウオォォォォッ!!!』
武神鎧武は向かって来るロードバロンにマシンガンモードのDJ銃を発砲。大口径の弾丸が無数にロードバロンへと放たれるが、ロードバロンはその身で弾丸を受けながらも向かって来る速さを緩める事無く、遂には武神鎧武の元に辿り着いてDJ銃を掴み取り、強引に放り投げられてしまった。
『セェイィィッ!!!』
「マズ…ッ!!」
大きく振り上げられたグロンバリャムを勢いよく上段から振り下ろすロードバロン。武神鎧武は咄嗟に背中のカチドキ旗を取り外し、二本を交差して受け止めようとしたが、渾身の力を込めたグロンバリャムの一撃は強靭な強度を誇るカチドキ旗をバッキリと折ってしまった。
「な…ッ!?ヤベ…!」
『ヌァアアッ!!!』
ガードを無効にされグロンバリャムの刃が武神鎧武の脳天を叩き割らんとしたその瞬間、二人の間から出て来た細身の刃がグロンバリャムを受け止めた。
『何ッ!?』
「ッ!?──剣バカ…。」
「この男を斬るのはッ…ッ!、このオレだァ!!」
グロンバリャムを弾き、ロードバロンへ斬りかかりに行く斬月。只ひたすらに、余計なモノには目もくれず只目の前にいる敵にだけに全神経を向け一心不乱に無双セイバーを振るい続けた。
「ウォォォォオッ!!!!」
『ッ!!……凄まじい闘志だ…いいだろう!!貴様の全てをオレにぶつけて来い!!』
目の前の斬月から溢れ出る気迫を感じ取り、自身も全身全霊を以て本気を出す決意を決めたロードバロン。
その行為の表している意味、今対峙している白い鎧武者を本気を出すに値する強者と認めた故の敬意でもある。
『ヌ゛ァァアアァァァァッ!!!』
「ハァァァァァァァッッ!!!」
魔王と鎧武者、両者の振るわれる剣の打ち合い。刃と刃がぶつかるだけで空間が軋み、甲高い音が辺りを包み込む。
そんな両者の真剣勝負を武神鎧武は静かに見ていた。拾ったDJ銃で斬月を援護しようと考えたが、あの嵐と思わせる程の剣戟の争乱の中、割り込もうとする間など何処にも無いほどに凄まじい一騎打ちを繰り広げているのだ。
そんな中武神鎧武は斬月の繰り広げる大立ち回りを見て、ある事に気付く。
「…剣バカの動きが…。」
(コイツ…!動きが、段々上がっている…!?)
「────ッ!!!」
斬月の繰り出す斬撃、防御、足運び、打ち合うにつれてその精度がロードバロンが舌を巻くほどに上がっていく動きを見て、武神鎧武は斬月の動きが良くなった現象の答えに目星をつける。
人間は一つの物事に取り組む際それに対して意識は100%向けられてはいない。必ずしも別の考えや視界や聴覚によって得る情報などに脳が働き、いわゆる雑念というモノが生じる。
だが稀に、プロのスポーツ選手等が極度の集中力によって普段のポテンシャル以上のプレーが出来るといった現象、コレを”ゾーン”と言う。
武神鎧武も実際にゾーンを体験している為この現象に至るにはとにかく目の前の事に集中する事が必須だと重々理解している。
彼の基本スタイル上、相手にとってあらゆる武器、戦法を編み出しながら戦う為に意識的に出そうにも出せない。過去この世界でそれを見せたのはまだグレモリー眷属だったハルナと敵対していた時、その時一緒にいたキンジ撃った弾丸がベルトへと放たれた際、彼は向かって来る弾丸へ極度の集中力を発揮しそれを防いだ。
あの時は彼にとって数少ない危機的状況というのもあって出来たがそれっきりだ。むしろ意図的に出そうとすればするほど余計な雑念が混じり、ゾーンへと至る事など永遠に不可能だ。
今斬月が至っている境地がそれだ。剣術に長い年月を掛けて来たからこそ、またこれといった能力を有せずスペックの強化しただけの斬月だからこそ至れるに至った経緯なのかもしれいと武神鎧武は思う。
そして今ゾーンへと至っている斬月、彼の中にはただ目の前の強敵にだけしか眼に写っておらず、その他の考えなど一切無い。
只々剣を振るう。躱す。受ける。流す。斬り返す。今見ている世界が目では無く体で感じ取って動いているなど知る由も無く。彼の剣は、グロンバリャムを巻き上げて絡み取り、ロードバロンの手から離れさせたのだ。
『ッ!?』
ロードバロンは言葉に出す事無く空に打ち上げられたグロンバリャムを見上げた。
ロードバロンはグロンバリャムを巻き上げで空に打ち上げられるまで、技を掛けられたという認識が出来なかったのだ。
余りにも的確に、尚且つ精密なまでに繰り出された熟練の技。
その技量に魅せられてしまったロードバロンに、斬月が巻き上げて振り上げた無双セイバーが、袈裟懸けに振るわれた。
「ィイイヤァッ!!──ッ!!」
『ッ!!!───ァ……グゥゥ…ッ!!』
黄緑の軌跡を描いて振るわれた一撃。左肩から右の腰に掛けてロードバロンの強固な体に大きな傷をつけた斬月。
致命傷を負ったロードバロン、もはやこれまでと膝をついて倒れる、かと思われた矢先、ロードバロンは斬月の持つ無双セイバーの刃を掴んだ。
『まだッ……まだ、だァ!!!──ヌ゛ア゛ァッ!!』
「ッ!!コイツまだ…ッ!?」
斬った手応えから確実に仕留めたと思っていた斬月だったが、瀕死の状態にも関わらず凄まじい握力で無双セイバーの刃を掴み、砕いたその胆力に掛かっていたゾーンが解けてしまった。
武器を失った斬月にロードバロンは拳を振るう。
その身で受けた拳はとても死に掛けの状態とは思えない程の力に、今度は斬月が舌に巻かれてしまう。
(コイツ、強い!!今までの敵とは違って中身が…心の強さが!!)
ロードバロンの根本的な強さの真意に気付く斬月。
あらゆる強敵、不利な状況にも決して屈せず立ち向かう不屈の闘志。その思いを込めた拳は決して軽いモノでは無い。
膝をつく斬月へロードバロンは攻める手を止めず再度振りかかろうとしたその時だ、斬月を庇う様に前に出た武神鎧武が大剣モードのDJ銃で受け止めて弾き返したのだ。
「お前…。」
「フゥ…これでさっきのはチャラだ。」
<< フルーツバスケット! >>
<< LOCK・OPEN! >>
『ッ!?そのロックシードは…!──グァッ!!』
武神鎧武の開錠したロックシード、極ロックシードに目が向くロードバロンだが、頭上のクラックから現れたアームズに弾かれ、弾き飛ばしたアームズはそのまま武神鎧武の周りを円を描きながら吸い込まれた。
<< 極アームズ! >>
<< 大・大・大・大・大将軍ッ! >>
「オラァッ!!」
武神鎧武は白銀の鎧を纏った最終形態である極アームズへとなると大剣モードのDJ銃を手にロードバロンへ特攻。破壊力のある豪快な一撃一撃をロードバロンへ見舞わす。
『グゥッ!──何故、貴様が葛葉のロックシードを…!!』
「ッ!安心しろ、こいつはパチモンだ!!」
振り下ろしたDJ銃を交差した腕で受け止めるロードバロン。
DJ銃を弾き、武神鎧武の胸部に拳を一撃叩き込む。吹き飛ばされる武神鎧武、地面に倒れ追撃を仕掛けるロードバロンだが。
<< マンゴーパニッシャー! >>
『グゥッ!?』
「オウゥリャアッ!!!」
武神鎧武が召喚したメイス型アームズウェポン、マンゴーパニッシャーを腹部に突き出し、盛大な掛け声と共にそのまま持ち上げて投げ飛ばし地面に背中を打ち付けるロードバロン。
武神鎧武はマンゴーパニッシャーを捨て、新たにアームズウェポンを召還した。
<< バナスピアー! >>
<< 極スパーキング! >>
「セエェイリャッ!!!」
地面に突き刺した槍型アームズウェポン、バナスピアーから放出されたエネルギーがロードバロンの足下から無数のバナナ状のオーラとなって突き刺し、ロードバロンの動きを止めた。
『グゥゥッ!!ァァアアァァァァアアッ!!!』
「このまま一気に決めちまえ……剣バカッ!!」
放った言葉の直後に、武神鎧武の肩に足が乗せられ、大きく跳ねた。
武神鎧武を踏み台に上空へ跳んだ斬月。落ちる先は勿論拘束され身動きの取れないロードバロンの元へ一直線へ。
<< 無双セイバー! >>
<< メロンスパーキング! >>
<< ジンバーメロンスパーキング! >>
落下の最中、武神鎧武が召喚した無双セイバーを手に取り、カッティングブレードを三度倒して最大力の必殺技を叩き込んだ。
「セエェィハァァッ!!」
『グァァァッ!!!』
「──ハァッ!!」
拘束しているバナナ状のオーラごと縦に、そしてダメ押しと言わんばかりに横に一閃。
斬られた箇所から血の様にオレンジの粒子が体外へ流れるロードバロン。その体が足下から徐々に消えていき、彼の敗北が決した。
『……ここまでか。』
「…あぁ。そのようだ。」
『…下手な言い訳はするまい。今のオレよりお前達が強かった。ただそれだけの事…だが忘れるな。
その姿、その力を使う以上、無様な姿を見せるのは許さん…肝に銘じておけ。』
「…あぁ。その忠告、聞き入れよう。」
「ご親切にありがとよ。先輩。」
『………フン。』
その言葉を聞いて何を思ったのか、ロードバロンはそれ以上何も言わず上を見上げて消えた。
<< GAME CLEAR! >>
変身を解除二人。蓮司がロードバロンの立っていた場所に落ちているガシャット。鎧武のレジェンドライダーガシャットを拾い上げ、悠がガシャットを手にした蓮司に声を掛けた。
「そのガシャット、譲ってやったがトドメを刺したのはお前だからな。特別に譲ってやる。」
「当然だ。そのくらいの報酬が無ければやってられん。」
「ハッ…にしても最後のアレ、お前俺が叫ぶ前から走ってたな。いつ気付いた?」
「言った筈だ。貴様の考えそうな事はお見通しだと。」
「…イヤだちょっとそれキモイんですけど。」
「斬るぞ…と、言いたいが。お前を葬るのは暫く後回しだ。今はバグスター、BABEL、アベルの悪事を止めるのに専念する。」
「へぇ?どういう心境の変化だよ?」
「深い理由は無い…ただ、すべき事を思い出しだしただけだ。」
「…あ、そう。」
「あ、居た!おーい悠兄さーん!!」
「その様子だと無事倒せたみたいだねぇ二人共。ま、分かってたけど♪」
ビルの屋上に秋と神太郎が合流してきた。二人は悠と蓮司に比べほぼ無傷であった為に二人揃って腑に落ちないといった顔していた為に神太郎は内心ニヤついたが、バレたら厄介になりそうなので必死に表に出ないように堪えた。
「…これで残るは二体。後二体倒せば、バグスターの脅威は消え去る。」
「あぁ……でも、途轍もなくデカく高い壁だ。考えるだけで頭が痛い。」
「やっぱそうだよなぁ。特に、アイツが…。」
「そこまでの敵なのか?……うぅむ…。」
「…フフ…フフフハハハハッ!ハーッハッハッハッハ!!問題無いさ皆ぁ!!何せ此方には神の才能がいるんだからなァッ!!!」
(((あぁ。またか…。)))
最早お決まりといった展開に目が細くなる悠、秋、蓮司の三人。神太郎はうんざりな気分の三人の事などお構いなしにガシャットを高らかに取り出して暴走する。
「こォんの私が作ったガシャットォ、特に私の使うデンジャラスゾンビさえあれば敵無ァしッ!!!これからも大船に乗ったつもりで安心したまえ!!!
ブアァッハッハッハッハ!!!ヌァアアッハハハハハハハハハッッ!!!」
「あぁハイハイ。すごいすごーい。」
「これで本当に有能ってトコがマジ理解できねぇ…。」
「全く…。」
毎度の事にうんざりし先程まで激闘と言える戦いを繰り広げたのもあって疲労度が半端じゃない三人は早く帰りたかった。
だからこそ四人の元に攻撃が放たれるまで、その悪意の存在に気が着けなかった。
「「「「ッ!!!」」」」
四人の周りで起こる小規模な爆発。吹き飛ばされる程の威力は有してないモノの、煙で視界を奪われてしまう。
「何ッ!?一体何処から!?」
「落ち着け!固まって敵を見つけろ!!」
「してやられた!まさかこのタイミングで来るとは…!」
「やれやれだ、また神の才能を見せなければいけないとは……ん?……なぁあああああああッ!?!?!?」
「るっせぇ!こんな時にまでキチガイになってんじゃあねぇ!!切り替えろボケ上司!!」
「無い!無い!無ァああああああいッ!?私の、私のデンジャラスゾンビが無ぁああいッ!!!」
「「「ッ!?」」」
「アッヒャッヒャッヒャッ!!お探し物はコレですかぁ~~?」
「ッ!貴様…!」
「グレムリン!」
突然の奇襲を仕掛け、神太郎の手からデンジャラスゾンビのガシャットを奪い取ったグレムリンことフリードは、奪ったデンジャラスゾンビを見せびらかしながらその歪な笑みを悠達に向けていた。
「テメエやってくれやがったなぁ!セッコイ真似しやがって!」
「私のガシャットォ!!返せぇええええええ!!!」
「ウシャシャシャシャッ!!油断大敵だぜぇお兄さぁん?」
<< DANGEROUS ZOMBIE >>
「ッ!待て!!そのガシャットで直挿ししたら…!!」
「ハッ!そんなん今更聞くかよ!!オレはこれで力を…ぜぇんぶブッ壊してやる程の力をォォオオッ!!!──培養ォォォォォォォォォォッ!!!!」
「止せぇ!!!」
神太郎の必死の静止の叫びも届かず、フリードは起動したガシャットを胸に差し込み取り込んでしまうと、その体から尋常じゃない程のドス黒い瘴気を包まれながらもがき苦しみ絶叫を上げた。
「ガアアアアアアアアァァァァッッッ!!!!」
「…何てことだ。」
包まれた瘴気が晴れた其処に居たのはファントム・グレムリンの姿であったが、其処に居たグレムリンは彼らの知るグレムリンでは無かった。
肉体は腐って朽ちたように表皮が崩れ中の筋肉繊維が所々に見え、顔の部分も真ん中から左側の部分が崩れ、瞼の無い赤い眼球がギョロギョロと不気味に動いている。
『ァァ~~……ァア…。』
「アイツ…自我を保ってないのか。」
「当然だ、あのガシャットにはレベルXに至るまでの死のデータが入っている!ドライバーを経由しないで使えば自我なんて保つ所か即消失してしまう!」
『ア゛~~…。』
「アッハッハッハッハ!!最高!!最ッ高だよグレムリン!!」
離れたビルの屋上で一人、事の一部始終を見ていたアベルは、変わり果てたグレムリンを見て興奮を隠さず笑い声をあげていた。
「まさか気まぐれで拾ったキミがここまでのサプライズを見せてくれるなんて…ああやっぱりこの世界は最高だ!!ボクが作ったこの最高の舞台は!!」
『ア゛ア゛ァ~~……ブァァ~~~ッ!!!』
一人笑い声をあげるアベルとは対象に、自我を失い本当の怪物と化したグレムリンの叫び声は聞くに堪えない程の絶叫だった。
アマプラで久々に見たバスケアニメでコレ使える!と思って取り出してみました。
にしてもオーマジオウの力が半端ねぇ。未来を創ってしまうとか…。