日記を再開した。
三大
ヘラとゼウスを逃がした後はどうするか悩んだが、今現在オラリオに存在する全ての(
商業系【ファミリア】も多少興味があったが、今後の方針を現実的に考えるとやはりダンジョン系【ファミリア】だな。
大派閥から考えて行くと、【ロキ・ファミリア】はともかく【フレイヤ・ファミリア】は止めておこう。あの女神はどうも気に食わない。それに美の女神には少々トラウマがある。下手に誘惑されたらレイラが化けて出て来そうだ。当然【イシュタル・ファミリア】は論外。
【ガネーシャ・ファミリア】は……悪くないが、主神が面倒臭いな。
色々考えると……絞られたのは【ロキ・ファミリア】に【ヘルメス・ファミリア】だな。
【ロキ・ファミリア】にはこの先が楽しみな若者が多く、主神であるロキも酒好きである点を除けば
【ヘルメス・ファミリア】は
そう考えると、【ヘルメス・ファミリア】に入る必要性を感じなくなって来たな。あの中立派閥であれば【ロキ・ファミリア】にいてもアスフィの面倒を見れるだろうし、渡してある通信用
それにしても今日は書く事が多かった。明日は【ロキ・ファミリア】を訪ねる事にしよう。
随分あっさりと話が終り、【ロキ・ファミリア】に入る事となった。ロキは大分狂喜していたな。ヘルメスにその事を伝えると頭を抱えてうずくまっていたが。まぁあの駄神の事は置いておこう。
夜食の時ベートとか言う
眠い。
今夜は夜中にティオナに叩き起こされて昔話をする羽目になった。結果的に二時間以上話を聞かせる事になったが、よくもまぁ飽きない物だ。どうも童話や英雄碑が好きらしい。前も誰かが言っていたが、そう言うのを生で見聞きした者―――私の様に長生きしたエルフや精霊等―――から話を聞くのはやはり違うらしい。
三大
私が【ロキ・ファミリア】に入団してから一ヶ月が過ぎ、今日は
Lv.8になった事で、私の二つ名も変わったらしい。
【
【
そしてもう一つ、ヘラから連絡があった。
ゼウスが逃げたらしい。思わず通信用
一回アイツ殺した方が良いんじゃないか?
アイズがLv.2になった。
いや、私も耳を疑った。何しろ過去にオッタルが実現した
12階層で
今更だが、よくリヴェリアと若い頃のレイラが重なる。アイツも怒った時は本当に怖かった。
私も気を付けるとしよう。
最近
【ハデス・ファミリア】が潰れた後姿を隠していた者達もそこに合流している様だ。全くキリが無い。
都市内では【ガネーシャ・ファミリア】や【アストレア・ファミリア】が取り締まりを強化しているが……ダンジョンでは既に冒険者同士の殺し合いが多発している。フィンも団員達に警戒を促していたが……アイズやティオナ達は普通にダンジョンに行きそうだな。仲が良いのは結構な事だが、しばらくは止めて置いた方が良いだろう。
【アストレア・ファミリア】の【疾風】がまたランクアップしたらしい。アイズと言いアスフィと言い最近の若い者は凄く成長が早いな。あまりうかうかできないかも知れない。
27階層で多くの死者が発生した。
ダンジョンにあると言う
一緒にいた私も戦ったが……まさか『邪神』の一角が自らダンジョンに潜って神威を放ち、故意に『
結果生まれたのは27階層の階層主、
本来Lv.5のはずだったソレはダンジョンの怒りによってLv.6の
【アストレア・ファミリア】の主力は多くが死んだらしい。【疾風】リオンの遺体が無かったが……一体どうなったのか。
今後に期待していた若者達の多くが失われた事を考えると本当に痛い損失だ。
【アぺプ・ファミリア】が壊滅した。死んだと思われていた【疾風】によって叩き潰されたらしい。一人残らず、皆殺しだった。邪神と登録されていた神アぺプは半死半生―――『神殺し』と呼ばれる禁忌を侵さないギリギリまで痛めつけられていた。
あそこには第二級冒険者……Lv.4が何人かいたが、強力な『魔法』によって消し飛ばされていた。多対一の状況が成立した中であれ程の魔法を行使した事実に感嘆を隠せない。彼女は想像以上の力を持っていた様だ。
だが、ギルド等の公的機関に姿を現さない事が気になる。した事を軽く咎められはするだろうが、【アぺプ・ファミリア】を壊滅させた事は恩賞を貰っても良い事だったのだが……。
……嫌な予感は外れて欲しいものだが。
不味い事になった。
リオンの主神であったアストレアは既にオラリオの外へ逃がされ、止める者―――いや、止められる者のいなくなった【疾風】は、仲間を死に追いやった要因全てに復讐をしている。
結果として悪事に手を染めなかった冒険者や、さらには一般人、ギルドの人間にも被害が出ている。もうじきギルドのブラックリストに登録されそうだ。
こんな事になるとはな…つくづく神が嫌になる。
ブラックリストに登録されていた
『強化種』が現れたらしい。同族を次々と襲い、魔石を喰らったトロールが恐ろしく強くなったとか。
……つい先程行って来た『豊穣の女主人』でどこか見覚えのある
アイズがLv.5になった。ベートに先を越される事となったが、あの若さで第一級冒険者になるのは本当に凄い事だと思う。あの子に刺激される形でティオナやティオネもすぐに【ランクアップ】する事だろう。
……アイズは、本当に丸くなった。ダンジョンに籠もる癖は決して治ってはいないが、ティオナが友達になってからは本当に良くなった。あの調子で居てくれれば、我々は言う事が無いんだが……。
そう言えば、もうすぐ『学区』からエルフの女の子が来るらしい。アイズの一つ下で、Lv.2の優等生だとか。確か名前は……レフィーヤ・ウィリディスだったか。彼女にもアイズの支えになって貰いたい物だ。
新たな団員としてレフィーヤが【ファミリア】に入った。アイズやティオナとも仲良くなっている様で何より。『魔法』が発現しているとの事で、彼女はリヴェリアが見ている。筋が良いと褒めていた。しっかりと勉強に励んでいるのは良い事だ。アイズやティオナはしょっちゅう逃げ出していたからな……、うん?
不味いな、この派閥の幹部陣大丈夫か?
以前の黒竜との戦いから、あっと言う間に時間が過ぎた。
時代の流れを感じる。
フィン、リヴェリア、ガレス、オッタル……かつての
まだ、黒竜には早いのだろう。
だが、ゼウスがいなくなった後、世界は少しずつ静かに変遷を迎えようとしている。
もうそろそろだ。
あと少し、新たな要素が加われば―――恐らくは、黒竜にも届き得る。
もうすぐだ。
時代が動く。