「さて、と……」
「わぁ……!」
グリファスの開いた倉庫の中には、強大な力を持つ
「あの、本当に良いんですか……!?」
「あぁ、自由に見て行くと良い」
「はいっ!」
目を輝かせるアスフィは神秘の結晶を一つ一つ見て行く。
アスフィだけの
興奮した様に目を輝かせる少女の姿に、グリファスも笑みを見せる。
「凄い……!これはどんな効果があるんですか?」
「あぁ、その紅い
「……え?」
「……」
「どうした、アスフィ」
「あ、いや……賢者の石は、作っていないんですか?」
一通り見て回り、地下から出た二人は書斎に向かって廊下を歩いていた。
かつて【賢者】と呼ばれた人間が作成した
『
「ふむ……」
一方、顎に手をやって考え込んでいたグリファスはアスフィと目を合わせると口を開いた。
「作れない事は無いと思うが、欲しいとは思わんな」
「えっ……どうしてですか?」
誰もが羨む不老不死を実現する『賢者の石』をそう切り捨てた老人は、少女に可笑しそうな視線を向けた。
「必要が無い、と言うのもあるが。私はLv.7になって老化をほぼ止めた。それに―――」
「あ、グリファス!」
「―――ヘラか」
手を振って駆け寄って来る己の主神にグリファスは振り向く。
清楚なワンピースを纏う女神に笑みを浮かべた。
「そう言えば今日だったな。ヘルメスはもう?」
「うん。いつの間にか消えてたしそうじゃない?あっ、アスフィいらっしゃい。もう私の【ファミリア】に
「え、できるんですか!?」
「おいおい、
「あー、そうだった」
屈託無く笑う女神はアスフィの頭を撫でると、「じゃあ行ってきまーす!」と階段を駆け下りていった。
「そう言えば、今日は
先程の会話も忘れ、疑問符を浮かべるアスフィに老人はうんざりした様な表情で告げた。
「