主力陣で会合を行った次の日、その明け方の事だった。
「グリファス、それからジャック。話があるんだけど……」
「?」
「どうした」
陣営内での食事を終えた二人を呼び止めたのはミランダだ。彼女の傍にはアマゾネスの少女がいる。
「ん、とね……まぁ、とりあえず来てちょうだい」
「あ、ちょ、ミランダさぁん!?」
そう言うなり身を翻した彼女は小走りでついていく少女を連れて己の天幕に向かった。
「「……」」
取り残された二人は怪訝な表情をして顔を見合わせる。
「……あの天幕に行ったら沢山のアマゾネスが待ち構えていて、俺達を貪り尽くしたりしないよな?」
「……否定はできないが……まぁ、違うとは思うぞ?殺気が無い」
「だったら良いんだが……」
心なしか不安そうに言い合いながら、二人はアマゾネスの後を追う。
その時、アマゾネス達の寝床となっている天幕の辺りから少年の悲鳴が聞こえた気がした。
「「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」」
「……おい、グリファス」
「……気のせいだと良いんだが……そうだな。ジャック、いざとなったらお前が
「おいこら、
「大丈夫だ、
「ぶっ殺すぞ」
軽口を叩き合いながら、ミランダの天幕に入っていくと。
「遅いじゃない、全くもう」
「うるせぇなぁ、一体何の、用……」
ミランダの文句に応じようとしたジャックが、固まる。すぐ後から中に入ったグリファスも目を見開いた。
そこにいたのは、ミランダ、そして彼女と一緒にいたアマゾネスの少女と―――その腕の中に抱きかかえられている、
「……よし、話を聞こうか」
「昨日、リーナが―――このアマゾネスの子ね?『穴』から出てくるモンスターを仲間と一緒に潰してたんだけど、途中、このモンスターが懐いてきたみたいなのよ」
「……はぁ?」
ジャックが呆けた様な声を出す中、グリファスはリーナに尋ねた。
「その時の状況を詳しく聞かせてもらえるか?」
「あ、はい。そうですね……あれは、私が
「……」
あどけない顔をする少女から自然に放たれた言葉にジャックが顔を強張らせる中、説明は続く。
「戦いを
にへらぁ、と顔を緩ませて
ビクゥッッ!!と、兎が怯えた。
「「……」」
「なんだか、こうクリッとした瞳がとっても可愛くなって、持ち帰ってきたんです!」
「それで私に相談してきたんだけど、見てみたら予想以上に可愛くってさぁ。とりあえず二人に話を聞いてもらおうと思って。ここで飼う事はできない?」
「……」
頭痛が止まらなかった。
頭を抱えるグリファスは、息を吐いて告げる。
「始末してくれ」
「「なんでっ!?」」
ガ―ンッ、と落ち込む二人についていけなかった。
「……そもそも、こいつはモンスターだろう。人の手でどうにかできる物なのか?」
「現にできてるじゃない。
「
ミランダの返答に興味を持った様な顔をするジャックが尋ねた。
「例えばどんな?」
「突き」
「おっ!?」
直後、頭部の鋭い角でニードル・ラビットがジャックに襲いかかった。
ジャックは素手で受け止めてみせる。
「すげぇすげぇ。他には?」
「そうね……辺りをグルグル回らせたり、跳ばせたり、走らせたり……後は、用を足す場所とか、食事とか?完璧に叩き込んどいたわ」
「マジで?」
「凄いんですよ、ミランダさん。全部一度で覚えさせたんです」
「……」
とても楽しそうに話す三人を目の前に、グリファスは物凄く嫌な予感がした。
その直後、笑みを浮かべるジャックがこちらに向かって振り向いた。
「……おい」
「グリファス、飼おうぜ!」
「どこまでも予想通りだな、お前はッ……!?」
多種多様の種族が所属する『
そこに、初めてモンスターが加入した瞬間だった。
はい、
……サブタイ読んでエロい事考えた人手ぇ挙げて