お気に入り数300突破!ありがとうございます!
暑い日々が続いていますが、今後とも頑張りますのでよろしくお願いします!
そもそも。
過去に発見された
あのモンスター達なら階層を破壊しながら進む事など容易だろうが、問題はそれではない。
あんな巨体が通れば、1階層など丸ごと更地になってていても決しておかしくなかったのだ。
「……だが、私達が探索に訪れた時は全くと言って良いほど地形に異常は見られなかった」
「……その結論が、『迷宮は修復される』、ねぇ……頭が痛くなるな」
うんざりした様にジャックが吐き捨てる中、グリファスは息を吐いた。
「……一週間後、が目処だな。次の探索で、本当の事が分かるはずだ」
「……いや、待て待て待て、階段、だと?」
顔を強張らせる極東出身のヒューマン、
ジャックの指示で呼び出された『
方位磁石が使えなくなる、モンスターは壁から『産まれる』、といった未確認の情報に一同を驚愕が支配するが、『階段』の存在は圧倒的だった。
ある者は困惑し、ある者は頭を抱え、ある者は静かに熟考する。そんな中グリファスは報告を続けた。
「階段の発見後我々は砲竜―――ヴァルガング・ドラゴンに
「31だ」
「何?」
グリファスの発言を訂正したディルムッドは視線が集中するのを感じて続ける。
「千里眼で先程
地面の下を確認した
「おいおい、冗談だろ?」
「いくらなんでも広過ぎんだろ……」
何名かがうんざりした様に吐き捨てる中、黙考していたグリファスは顔を上げて告げた。
「……以上で迷宮についての報告は終わりだ。『穴』の付近で防衛を行っていた面々の話を聞きたい」
「……」
「……おい、白夜」
「……え?あ、あぁ、済まない。考え事をしていた」
隣の
「あー、防衛を行っていた時の話、だったか?そうだな……ジャック達が行ってから少しした頃からモンスターが
『……』
主力陣が分散される中1人で飛竜を討ち取っていたと言う白夜の話を聞いていたたまれない雰囲気を醸し出すのはグリファス以外の探索に行っていた面々だ。ジャックなど『絶対に行かせない』等と息巻いていた手前惨めに頭を抱えてしまっている。
「(馬鹿な、砲撃でできた穴から
「(……ほ、ほら、アレじゃない?階段ごとぶち抜いてきた穴は放置していたから、そこからモンスターが別の通路を通って……)」
「(うっわぁぁああああああ恥ずかしぃいい。『
「(おい、やめろ、やめてくれローゼ!?心を抉るな!?)」
その様子を見た白夜はなんとなく察したのか、疲れ切った様に息を吐いて座り込む。
「……結局、ジャックのせいだった訳か。納得した」
「待て、納得するな!?なんで俺だけなんだっ、というかそもそもアレは砲竜がっ……!?」
「落ち着け、ジャック」
その後もグリファスがまとめる中、『蓋』として機能する事になる塔や
「それでは、最後だが―――今後の迷宮探索においての、防衛部隊の編成を変更する」
グリファスの言葉を受け、その場にいる者は多くが
彼の説明は続く。
「迷宮探索において、もはや防衛部隊は最重要案件だ。何しろ戦力が分散する中、多種多様の凶暴なモンスターが何体も地上に進出しようとする訳だからな。飛竜や砲竜などの強大なモンスターが地上で野放しになってしまえば確実に犠牲者が出る。とてもじゃぁ無いがそれらに対応できるのが白夜だけでは不味い」
「あぁ、それについては心底同意する。そういうのは確実に始末するべきだ」
「……それじゃあ、面子はどうする」
「もう考えてある」
白夜が同意を示し、クレスの問いに応じたグリファスは円卓に座る面々を見回した。
「アルマンド、ゴルド、ローゼ、それから―――ディルムッド」
名を呼ばれた
「私が?」
「あぁ。
「了解した」
騎士が了承する一方、自分の名が呼ばれなかった白夜は少しほっとした様に息を吐き―――
「白夜にはディルムッドの代わりに
「え?」
顔を確かに強張らせた。
どこも真夏日が続く中、ジリジリと肌を焼く日差しは本当に憎たらしいですよね!