ファイアーエムブレムif 白光と黒闇の双竜   作:キングフロスト

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第37話 悦ばせにきたんだぜ…?

 

「凍えろ!!」

 

「くっ!」

 

 勢いよく走り出したスサノオだが、その行く手を複数の部族の者達が吹雪によって阻む。その猛烈な勢いに、スサノオの体は前へとなかなか進む事が出来ず、それどころか強すぎる吹雪で徐々に後退させられていた。

 

「氷の大地に、氷の部族特有の力か…思った以上に厄介だな!」

 

 叩きつけてくるように顔を襲う吹雪に、スサノオは腕でガードしながら対抗策を考える。流石は氷の部族というだけあって、地の利と部族特有の能力が恐ろしい程に相乗効果を生み出しているようだ。これを切り崩すには、相手にとってのどちらかの有利性を打開しなければならない。

 

「氷には炎を、ですよ…!」

 

 と、轟々と燃え盛る火炎弾がスサノオの正面を走っていき、部族の者達にぶつかる直前で勢いよく弾ける。その凄まじい熱量の余波で火炎弾の通った跡は痩せた地面が肌を露出させていた。

 

「ライル!」

 

「ご安心を。彼らに直撃する前に爆散させましたので。まあ、少しばかりの火傷は負うでしょうが」

 

 もはやライルの専売特許になりつつある、そのメガネをクイッと上げる仕草をしながら、彼はスサノオの隣へと並び立つ。

 共に己が得物を手に、どんどん増え始める部族の兵を前にして力を入れる。

 

「これで彼らの能力は相殺出来ます。しかし、地の利までは奪えませんよ」

 

「分かってる。ただ、俺に少し考えがあるんだ」

 

 牽制のファイアーを放つライルの隣で、これを好機とばかりにスサノオは辺りを見回していた。それは目には見えない、感覚的に分かるあるものを探すためだ。

 

「やっぱり、この感じ…うっすらとだが感じる。どこかにあるのは間違いない」

 

 それはスサノオの内に流れる血が、確かにあると彼に告げていた。目には見えない大地を走る力の奔流。そしてその漏れ出した欠片、すなわち『竜脈』の力を。

 部族特有の力は奪えないが、地の利ならば神の所業とまで言われる竜脈を使う事によって、完全に奪ってしまえるかもしれない。

 

「なるほど、竜脈ですか。なら僕らで時間稼ぎをしましょう。スサノオ様とエリーゼ様は竜脈の感知を急ぎお願いします」

 

「ああ、じゃあ俺は一旦下がるぞ。ネネ! ライルのガードを頼む!」

 

「了解です! 仕方ないからネネがライルを守ってあげるです」

 

 ライルはスサノオの意図を理解し、他の者達にも指示を飛ばす。その通達を全員がしっかりと受け取り、ネネと入れ替わりスサノオも、エリーゼと話すために一旦後方に下がる。

 

「エリーゼ、やる事は分かったか?」

 

「えっと、竜脈で何かすればいいのね? よーし、あたしがんばっちゃうよ~!」

 

 気合いの入れようが微笑ましくも熱意に溢れるエリーゼに、傍で護衛に付いていたエルフィ共々、スサノオは後押しされるように戦意を高揚させる。

 

「よし! じゃあ竜脈を見つけ次第、炎柱を発生させるんだ。いいか?」

 

「まかせといて!」

 

 力強く了承すると、エリーゼは馬を走らせ竜脈を探し始める。そして無論、

 

「待ってエリーゼ様! 1人で行ってはダメよ!」

 

 例によって例のごとく、エルフィを置いて1人で。どうにもエリーゼは、1人で行動を起こすところがあるらしい。良くも悪くも、やんちゃで元気なおてんば姫なのであった。

 

「少し心配だけど、俺も竜脈を探さないと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方で、敵を殺さない上に、スサノオ達の邪魔をさせないように立ち回る必要も求められた臣下達は、苦労しながらもどうにかそれを両立させていた。

 

「ヒーロー…ナッコーゥ!!」

 

 敵の武器による攻撃を斧で防ぎつつ、隙を突いてのハロルドの正拳突きが部族兵の腹へと吸い込まれるように刺さる。

 

「ぐへぁ!?」

 

 短い悲鳴とともに、部族兵が地面を転がって吹き飛んでいく。ちょっぴり、出してはいけないような声が出ていたような気はするが、彼はしっかり存命である。

 

「さあ、掛かってきたまえ! この私が正義の何たるかを教えてあげよう!!」

 

 仁王立ちで部族兵の行く手を阻む彼の姿に、彼らもまた、なかなかに攻め崩せないでいた。

 運が悪いと有名なハロルドではあるが、その不運を受けてなお、前向きに生きてきた彼は強い。不運によって肉体と精神は人一倍頑強に鍛えられ、不運にも挫けぬ屈強な心を以て正義を信じる彼を、生半可な実力では倒せはしない。

 そして何よりも、部族兵が攻め倦ねていたのは、ハロルドの暑苦しいまでの正義論が、何故か本能的に近づき難いものだったからという事を、ハロルドは気付いていない。

 

「どうしたのかね? 来ないならば、こちらから行かせてもらうよ!」

 

「うわ、き、来たぞ!?」

 

「ひぃ!?」

 

「ハーッハッハッハ!!」

 

 爽やかな性格ではあるが、生まれ持ったその暑苦しさは敵をも忌避させるものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はあ」

 

 そんなハロルドの姿を遠目に、ミシェイルはため息を吐いていた。あれが元同僚というのだから、頭が痛くもなる…かもしれない。

 

「おお~! やってるねー!!」

 

 その隣でペガサスを羽ばたかせるアイシスは、ハロルドの雄姿(?)を前にして、鼻息を荒く目を輝かせていた。

 

「あれがお前の理想像に近いと、まだ言えるのか?」

 

「え? なんで? カッコいいじゃん」

 

 何言ってるの? と言わんばかりに、キョトンとした様子でミシェイルへと視線を戻すアイシスに、彼は先程よりも更に深いため息を吐く。

 

「…もういい。それより、こっちもさっさとやるぞ」

 

「あいよっと。殺さないようにするなら、これが一番てっとりばやいよねー」

 

 と、アイシスは手にロープを持って空へと舞い上がる。そのままぐんぐんと、こちらへと押し寄せていた部族兵達の頭上を通り過ぎ、ミシェイルと向かいになるくらいの地点で高度を地面すれすれまで落とした。

 ちょうど、部族兵達が2人の中間になる辺りで、アイシスは持っていたロープをグイッと引っ張る。

 

「いくよー!」

 

「ふん…行くぞミネルヴァ」

 

 座り込んでいたミネルヴァを立ち上がらせる彼の手にもまたロープが。彼は纏めてあったロープから、もう少し長さに余裕を持たせて斧で切ると、アイシスと同じくロープを引いた。そしてグイッと引き返されるロープ。つまりその先は、アイシスの手元へと繋がっているのだ。

 

「はいよー!」

 

 手綱を勢いよく引き、ペガサスと飛竜が猛烈な速度で飛行を始める。互いが左右反対の動きをし、接触する距離まで来るとぶつからない高さに調整しあう。ここにきて初めて、部族兵達は敵であるアイシス達の狙いに気付いた。

 自分達の体にグルグルと巻き付くこれは、動きを封じるためのものである、と。

 挟み撃ちが狙いだと勘違いしていた事もあり、気付くのが遅れ、気付いた時には既に遅く、彼らは身動きが取れないくらい何重にもロープでグルグル巻きにされていた。

 

「うーん! 相手が無傷で、こっちが勝つならやっぱり拘束しちゃうに限るよね!」

 

 イエイ! とVピースでミシェイルに笑顔を向けるアイシスに、彼は再びため息を吐くと、

 

「分かったから、次に行くぞ。言っておくが、同じ手はそう何度も使えんからな?」

 

 さっさとミネルヴァと共に次の敵へと向けて飛び立ってしまった。

 その後を慌ててアイシスは追いかける。

 

「あわわ、ま、待ってよー!?」

 

 

 

 

 

 

 

 アカツキとノルンは皆の闘いを見ながらも、落ち着いて敵の対処をしていた。

 向かいくる部族兵にはノルンが弓で牽制、または足や腕などでなるべく後遺症が残らない箇所を確実に射抜いていく。

 アカツキは、ノルンが撃ち漏らし接近してきた部族兵をその両手に持つ逆向けた霊刀で、1人、また1人と確実かつ堅実に、即座に意識を刈り取っていく。

 

「皆もよくやるが、お主の弓の腕も流石だな」

 

「わ、私なんて…お守りが無いとまともに闘えないもの…。みんなの方がよっぽどすごいわ…」

 

 アカツキは強い。アイシスやライル達、馴染みの顔が揃う中で、彼女は最も高い実力を持っている。それは彼女がそれだけ死に物狂いで強さを求めた結果で、それは他の幼なじみ達も知っているし認めている。

 そんな、皆から認められる強さを持つアカツキが言うのだから、ノルンの弓の腕前は事実、誰よりも優れたものであると、誰が見ても分かるだろう。

 それでも、生来の臆病さと自信の無さ故に、ノルンは自分自身を過小評価しがちになるのである。自分にはみんなほどの強さは無い。自分が強いと言うならば、それはお守りの力で、紛い物だ、と。

 ノルン自身が、自らを否定してしまうから、周りの評価がいくら良かろうと、彼女の自信に繋がらないのである。

 

「そう言うな。お主にはしっかり強さがある。でなければ、王族の臣下になどなれはしないからな」

 

 事実、ノルンは他の者と同様、王族の臣下だ。それは彼女がその地位に見合う実力を持っているという他ならぬ証拠。

 それがたとえお守りの後押しによるものだとしても、紛い物だったとしても、彼女はそれだけの力を有している。それは変わらない事実なのだ。

 

「でも…」

 

 それでも、やはりノルンは自信を持てない。まあ、ネガティブではあるが、そこが彼女の魅力とも言えなくもない。

 

「…まあ、お主くらい華奢で、女々しい性格の方が男には好かれるのだろうな。うむ。やはり自信を持て。少なくとも、私よりは女らしいぞ」

 

「女らしい…? ………、!!?」

 

 アカツキの視線が、ノルンのとある一部分に向いている事に気付くと、途端に彼女は赤面し、腕でそこを隠す。

 

「な、な、何を言ってるの!? わわ、私だって好きで大きくなったんじゃ……、ハッ!?」

 

 取り乱すノルンだったが、ふと視線を部族兵達に移して、とある事に思い至る。

 

 

 

 男共の視線も、私の胸に向いている?

 

 

 

 あの男達(中にはもちろん女戦士だっているが)は、私の体にその汚らわしい醜い欲望の視線を送っている?

 あまつさえ、隙あらば私の体を欲望のままに蹂躙し、汚し尽くそうとしている?

 もし捕まっても私は殺されずに、死ぬまで延々と凌辱の限りを尽くされて、哀れで醜く生きて男の欲望を全身で受け止め……………。

 

 

「き、さまらあぁぁぁ!!! 私を下卑た目で見ていたのかあぁぁぁ!!! させん、させんぞぉぉ!! そのような不埒な輩はこの私が! 天誅を下してくれるわぁぁぁァァァ!!!!!!」

 

「な、何を…!?」

 

 戸惑う部族兵達を置いて、ノルンが当に鬼の形相で照準を当てる。その狙いは、敵の股間に向けられていた。

 その迫真さと恐ろしさに、彼らは顔を青くして、思わず手で股間をガードしてしまう程に、ノルンは鬼気迫ったオーラを全身から放っていたのである。

 それは、すぐ近くにいるアカツキでさえも冷や汗が落ちる程で、とんでもない濡れ衣を掛けられた部族兵達には同情せざるを得なかった。

 

「頼むから、スサノオ様の命令は守るのだぞ、ノルン…」

 

 

 

 

 

 

 そして、そのスサノオはと言うと、

 

「…よし、見つけた! これで2つ…!」

 

 順調に、竜脈を見つけてその力を解放していた。意識を竜脈に傾け、一気に溢れ出させるイメージで解き放つ。すると、竜脈が漂っていた地面から、エネルギーが火柱へと変換されて高々と立ち上がる。

 

「よし、次だ」

 

 遠くでは、エリーゼの起こした炎柱がいくつか見えており、それはスサノオの発生させたものよりも多かった。どうやら、エリーゼは竜脈の感知に長けているらしい。子どもは感受性豊かと言うが、そこら辺が関係しているのだろうか。

 

 地面に付けていた手を離し、次の竜脈を探すために立ち上がる。スサノオの所にもいくらか部族兵達が押し寄せてはいたが、やはり殺到するという程でもなく、皆が上手く引きつけている成果が出ているようだ。

 スサノオはすぐに意識を集中し、微かに感じる竜脈の力を探るが、

 

「くらえぇ!!」

 

「ちぃっ!」

 

 再び部族兵が数人、スサノオの元へと集まってきた。逐一闘いながらでは、竜脈を発動させるのが随分遅れてしまう。

 しかし、だからといって闘わない訳にはいかない。

 

「くそ、やるしかないか…!」

 

 夜刀神を構え、ジリジリと間合いを詰める部族兵達に注意を払う。

 だが、多勢に無勢と判断したのか、数で勝る彼らは一斉に攻撃を仕掛けようとし、スサノオも身構える。

 

 

 

 

「闇が囁いている…守るべき者達の身が危ないと」

 

 

 

 突如響いた男の声と共に、威嚇射撃であるかのような矢が、スサノオと部族兵達の間へと撃ち込まれる。それにより、部族兵は警戒を露わに一旦下がり、態勢を立て直す。

 

「仕方ない…たぎる闇の奔流を行使し、勝利という名の輝きを俺達が見せてやろう…」

 

「はあ…勝手に一括りにするな。俺は1人でも、奴らを天国にイかせてやれる…」

 

 緊張感の張り詰める戦場で、木の影から、まるで闇から現れたかのように出て来た2人の男。彼らは、まるでここが死地ではないと言うように、余裕しゃくしゃくといった様子だ。

 

「…? なんだ? 新手か?」

 

 そのヤバそう…というか、ちょっと危ない発言に、スサノオも自然と警戒するが、

 

「よく聞いてくれたな…!」

 

 片方がスサノオの言葉に嬉しそうに反応し、高らかと名乗りを上げた。

 

「…俺は漆黒のオーディン! 暗夜王国王子レオン直属の、選ばれし闇の近衛騎士だ…!」

 

「レオンの…!? ではレオンがお前達をここに?」

 

 まさかの弟の名前が出た事に、スサノオは驚くと同時にホッとした。今の登場の仕方や言動から、明らかに変わり者なのは間違いない。変人が敵ではなくて安心したのである。

 

「ああ。…俺の名はゼロ。主君よりの命令で、スサノオ様を悦ばせにきたんだぜ…?」

 

 もう1人の、少し色黒…というより浅黒い肌で不健康に見える男も名乗る。そして、やはり言動に少し難があり、眼帯で片目しか見えないが、その目は獲物を見つけたと言わんばかりにギラギラしていた。

 

「よろこばせる?」

 

 しかし、その意味までは伝わらなかったようで、スサノオが聞き返すが、オーディンが慌てて遮る。

 

「あわわ…気にしないでください。こいつ、いつもこんな感じなんで!」

 

 喋り方が普通になっていたが、ゴホンと咳払いを一つ、オーディンは再び仰々しい口調に戻り、

 

「と、とにかく安心しろ、スサノオよ。ここからは俺の秘められし力で、貴様に仇なす者を排除してやろう…。くっ…! 血が騒ぐ…! 早く奴らを倒さないとこの呪いは、」

 

 と、何やら腕を押さえながら部族兵達に視線を送るオーディンに、スサノオは焦り声を掛ける。このままでは、部族兵が殺されてしまうかもしれないからだ。

 

「ちょ、ちょっと待て!」

 

「ん?」

 

「?」

 

 オーディンだけでなく、意気揚々と弓に矢をつがえていたゼロもポカンとして止まる。

 やはり、普通に殺し合いをしようとしていたらしい。

 

「えっと、来てくれたのは嬉しいが…あんまり妙な真似はしないでくれるか。俺達は絶対に彼らを殺さずにこの場を収めたい」

 

 スサノオの言葉に、唖然として固まる2人。そして、様子を窺っていた部族兵達も、その言葉に動揺していた。

 

「へぇ…つまり、真面目にヤれって事ですか? 今日は何人天国イきにしてやれるか、楽しみにしてきたのに…?」

 

「せっかく必殺技を100個も用意してきたのに?」

 

「あ、ああ…すまないが…」

 

 この短いやりとりだけでスサノオは分かってしまった。この2人、話すだけでも相当疲れる、と。

 片や、生前の世界でも話には聞いていた中二病。片や、明らかにソッチ系を匂わせる、ちょっとアブナいっぽい人…。

 

(レオン…お前、よくこんなの2人が臣下で、胃が保つな。俺はお前を尊敬する…)

 

 こっそりと、心の中で弟を労るスサノオを余所に、ゼロとオーディンはため息を吐いて、

 

「…ご命令とあらば、従わない訳にはいかないな。俺はこう見えて従順なので、ナニをされても、文句は言いませんよ…?」

 

「はーい…俺もこう見えて素直なので、言う事聞きます。真の力が出せぬのは残念だが、必ず力になってやろう」

 

「あ、ありがとう…ははは、頼りにさせてもらうぞ。

ははは……はあ」

 

 案外あっさりと言う事を聞いてくれたので、ホッと一息吐くスサノオだった。

 

「よし、じゃあ彼らを頼む。俺は引き続き竜脈を探す!」

 

「了解。イイゼ…お前ら全員、天国とまではイかないが、気持ちよくシてヤるよ…」

 

「ふっ…俺の『ブラック・ヴェル・ファイア』が火を吹くぜ…! あ、安心してくれ、ちゃんと峰打ちするから!」

 

 頼もしい? 増援を背に、スサノオは更なる心配事が増えるのだった。

 




「ベロアの『くんくん、ガルーアワーズ』…」

※ここからは台本形式でお送りします。

ベロア「なんだか、ずいぶんと久しぶりのような気がしますね、このコーナー」

カンナ「仕方ないよ。だって、白夜編の方が少し更新続いてたもん」

ベロア「なんとメタな発言をする子でしょう。ですが、そこが可愛いですよカンナ」(←注:ここのベロアはカンナを溺愛しています。しかし、親子ではありません)

カンナ「あはは…ありがとう。…はあ。あ、今回から“正式に”、“名前も決まって”アシスタントになったカンナだよ。詳しくは活動報告にあるから、気になった人はそっちを見てね!」

ベロア「そういえば、キヌのお狐通信に電波障害があったらしいですね」

カンナ「うん。そのせいで、放送が一回分ダメになっちゃったってカムイが言ってたよ?」

ベロア「なんと無駄働きな事か…。こちらでは、そのような事が起こらない事を願うばかりです」

ニュクス「それをフラグ、と呼ぶのよ。お姉さんからの忠告よ。覚えておくといいわ」

カンナ「あれ? ニュクスさんだー!」

ベロア「どうかしましたか? わたしは何も聞いていませんが…」

ニュクス「いえ。今日は私の…その、誕生日…だから、ここにゲストとして呼ばれたのだけど…」

ベロア「え、そうなんですか? ……確かに、スサノオのカンペに書かれていますね」

カンナ「お父さん、あたしたちにも教えてくれたら良かったのに~!」

ニュクス「いわゆるマル秘ゲストというもののつもりだったのかしら。考える事が子どもっぽいわね、スサノオも」

ベロア「皆さん忘れているかもしれませんが、スサノオはいたずら好きな性格ですよ。主にレオンにその矛先が向くようですが」

カンナ「お母さんもね、お父さんのそういうところ、大好きだって言ってたよ!」

ニュクス「あら、スサノオったら顔を赤くして、可愛らしいところもあるじゃない」

ベロア「そそりますね」

ニュクス「あなた達に教えておいてあげる。男が恥ずかしがっていたら、否定せずに受け入れてあげなさい。大概の男はそれで落ちるわ。まあ、シャーロッテの受け売りだけど」

カンナ「??」

ベロア「カンナには早かったようですね。ですが、カンナはそれでいいんです。カンナに悪い虫が付こうものなら、私が潰しますから(物理的に)」

ニュクス「そういう物騒な話は無しよ。女なら、少しはお淑やかさを学びなさい。…さて、そろそろ本題に入りましょう」

カンナ「ニュクスさんが来たって事は、今日のお題はニュクスさんのこと?」

ベロア「キヌの時は、タクミの誕生日に本人が来て、本人の話題をテーマにしたらしいので、今回もそうでしょう」

ニュクス「本当、作者の気まぐれに付き合わされて疲れるわね。……でも、誕生日に特別扱いされるなんて、少し嬉しかったけど」

ベロア「では、テーマをカンナ、どうぞ」

カンナ「はーい。えっとね、『ニュクスマジ夜の女神』…、…???」

ニュクス「……聞かされる側が、とてつもなく恥ずかしいというのは、企画として如何なものかしら…?」

ベロア「では、解説を始めましょう。基本的にファイアーエムブレムのキャラの名前には、由来となるものが数多く存在しています」

カンナ「そうそう。たとえば、『マルス』。この名前も、どこかの神様の名前に同じものがあるんだって!」

ニュクス「フランネルやベロアという名前も、生地などから来ているわ。ニシキ、キヌも言わずもがなね。前作の『覚醒』、タグエルであるベルベットもそうね」

ベロア「『if』でも同じように、名前に何かの由来がある人も居ます。それこそ、先程ニュクスが仰ったように、わたしやパパ、キヌにニシキ、そしてニュクス…」

カンナ「白夜で言うと、オボロさん、カゲロウさん、オロチさん、ツクヨミさん…とかかな?」

ニュクス「今回のお話に出て来たゼロなら数字、オーディンは実在する神の名から来ているわね。ちなみに、私の『ニュクス』という名は、夜の女神と呼ばれているそうよ。他のゲーム(ペル○ナ3)では、私の名を冠するラスボスも登場したりしているわ」

ベロア「もちろん、全てが全て、由来となるものがある訳ではありませんが、そういった遊び心をゲームの中から探してみるのも良いかもしれません」

カンナ「うん! お父さんのスサノオって名前は『スサノオ長城』って形であったり、アマテラスおばさんの名前も、『天照らす』ってスキルで名前があるもんね」

ベロア「話は変わりますが、ニュクスの魔女コスチュームは似合いすぎではないでしょうか。オフェリアも似合っていますが、ニュクスも負けていないとわたしは思います」

ニュクス「また唐突と話が変わるわね…。でも、言われて嫌な気分ではないわ」

カンナ「ニュクスさん、ステータス的には守備が紙だけど、魔力はずば抜けてるから、余計に魔女がお似合いだもんね」

ベロア「まあ、確かに紙装甲で、“お前はどこのキャ○狐”だよ、と言いたくはなりますが、子どもの姿にしては攻撃力が刺々しいですから、それなりに作者のキングフロストはあなたの事を気に入ってるそうですよ」

ニュクス「それは言われてもあまり嬉しくない情報ね。なに? キングフロストってロリコンなの? なら良かったわね。今作は私以外にもロリ枠がたくさんよ。エリーゼにミドリコにカンナに…」

ベロア「わたしやオフェリアはどちらかと言えば童顔なので、胸の大きなロリと言えなくもないですね。実際、わたし達は子世代と言われる世代な訳ですし」

カンナ「キヌも子どもっぽいし、ミタマも大人には全然見えないよ?」

ニュクス「そもそも、主人公の見た目もロリに出来るわね。更に言えば、ツクヨミやキサラギ、ルッツといったショタ枠もあり…フウガやギュンターみたいなタイプまで揃っている…。あらゆるfetishismを取り揃えたのが、この『ファイアーエムブレムifというゲーム』なのよ」(←注:作者の偏見です)

ベロア「タッチで触れ合ったり、結婚したらキスしたり…ifはまさしく未来に生きていますね」

カンナ「そういえば、同性こ…」

スサノオがこれ以上は良くないと判断したため、収録は中断します。

最後にニュクスさん、誕生日おめでとう!!

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