ファイアーエムブレムif 白光と黒闇の双竜   作:キングフロスト

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第57話 真実を知ろうとする者達

 

 スサノオの放った言葉に、場は多大な緊張感に支配される。

 あの温厚なスサノオが、シェイドを罰すると言った。断言した。

 彼の人となりを幼い頃から知るエリーゼなどに至っては、その決断に衝撃を禁じ得ず、自分にとっての教師でもあったシェイドが罰を受けるという事に、愕然とその事実を受け止めていた。

 いや、受け止めざるを得ない。それだけの事をシェイドはしでかしたのだから、当然の報いだろう。エリーゼとて王族の一員、王族に仇なす者の末路など、嫌という程これまで目にしてきた。

 

 だから、然るべき結末なのだ。それがたとえ、先生として憎からず思っていた相手だったとしても……。

 

 

 そして、当の本人であるシェイドはといえば、

 

「………、」

 

 穏やかに笑顔を浮かべて、悠然と佇んでいた。

 それはもう、場違いなまでの穏やかさで。たった今、処罰を下された人間のする顔とは思えない、素晴らしく良い笑顔。

 

 かえって、異常にさえ映るその笑顔に、スサノオはその不気味さに悪寒が走る。罰すると言ったが、それは間違いだったのではないかと思えてくる程だ。

 だけど、一度言ってしまった手前、今更それを取り消すつもりも、彼には毛頭なかった。

 

「……罰の内容を言うぞ」

 

「はい、なんなりと。スサノオ様のご意志のままに……」

 

 俯き、静かにスサノオの言葉を待つシェイド。その様はむしろ、罰を喜んで待っているようだ。

 彼女の異様さに息を呑んで、それでも意を決したスサノオは、静かに罰の内容を口にした。

 

「シェイド、今後一切ノスフェラトゥの研究に関わるな。これは俺より上位の王族──父上かマークス兄さん、カミラ姉さん、そしてレオンの許しが無い限りは解ける事のない禁罰だと心得ろ」

 

 下された罰。それは、今までのシェイドの功績を否定するものに他ならない。死したる怪物──ノスフェラトゥが何故、見境なく自国の民すら襲うというのに、こうも重宝されているのか。それは簡単な話、“コストがかからない”から。

 そもそも、死体を使っている事から、死んだ兵士すらも再利用するという、エコロジーかつ非道徳的なノスフェラトゥの生成。確かに、道徳を無視している点を除けば非常に効率は良いだろう。

 ある程度の操作も可能なので、制御下にある間は自国の民を傷付けるといった欠点もカバー出来る。

 まあ、それでも制御しきれずに野生化や暴走といった事が起こるのだが。

 

 効率的、故にガロン王はノスフェラトゥを放ち白夜に害を為そうとした。それだけで、ノスフェラトゥは有用であるという事が証明出来るというもの。

 そんな、ガロン王さえ許し認めたノスフェラトゥの研究、そして生成をスサノオは禁じたのだ。それがシェイドにとって何を意味するのか。言うまでもなく、先に述べたように、これまでのシェイドのしてきた事を否定する事に他ならないのである。

 

 だがまあ、それもシェイドがスサノオの近くにいる間だけの話ではあるのだが。どう考えても、マークスやカミラ、レオンはともかく、ガロン王がスサノオのシェイドへの罰を許すとは思えない。

 これは、スサノオへの同行を望んだシェイドへの、この遠征の間だけの期間限定の罰とも言える。

 けれど、それでもシェイドには十分だろう。知識欲の塊であり、ノスフェラトゥ研究の一任者である彼女が、一時的とはいえそれを禁じられるのは相当堪える事に違いない。

 

 そう、踏んだスサノオだったのだが───

 

 

「承りました。あなた様がそう仰るのであれば、このシェイド、謹んでその罰をお受けいたしますとも」

 

 

 と、むしろシェイドはグイグイとスサノオに迫り、その両手を掴んで自ら率先して罰を受け入れたのである。

 流石にこれにはスサノオも面食らってしまい、仲間に助けを求めるように視線を送るも、

 

「……」

 

「ぴゅひゅ~、ぷふ~……」

 

 皆一様に顔を逸らし、誰一人として、スサノオと視線を合わせようとする者は居なかった。一人、下手な口笛を吹いているアイシスが、仲間達の『うわ、これは手遅れだ。関わり合いにならない方がいい』という心情を代弁しているようにさえ映る。

 

「いつまで手をお握りなさっているのですか?」

 

 唯一助け舟になりそうなフローラも、すごくイイ笑顔で、しかし何故か絶対零度を思わせる笑顔で、にこやかにシェイドとスサノオの握られた手を見据えていた。

 当然、鈍感なスサノオには、フローラが何故こんなにも冷たく、なおかつ静かな怒りを滲ませているのかは分からない。哀れなり、恋する乙女よ……。

 

「あら、これは失礼を致しましたわ。申し訳ありません、嬉しさのあまり、つい……」

 

 フローラからの極寒の視線もどこ吹く風、シェイドは気にも留めずにスサノオから離れると、今度は少しばかりの恥じらいを持って、謝罪の言葉を口にした。

 

「いや、別にそれくらいはいいんだが……。それよりも、何故嬉しいんだ? 俺はむしろ、お前が軽く絶望しそうな気がしてたのに」

 

 この結果、この彼女の反応は想定外にも程があったのだ。もっと落ち込むか、へこむくらいはするだろうと思っていただけに、期待を裏切られた衝撃も一際大きなものとなっている。

 

 スサノオの率直な疑問は、はたまたその場の全員が抱いた疑問を背負い、代表のような形でシェイドへと投げられる。それを、彼女は悠然とした態度で受け止め、答えを返した。

 

「確かに残念ではありますが、今はそれよりも心惹かれる事がありますもの。そう……あなたの秘めたる竜の力が、今の私には他の何よりも重要な案件ですわ」

 

 そう言って、スサノオに熱い視線を送り、頬を上気させるシェイド。言い知れぬ身の危険を感じたスサノオは、知らずの間に足が一歩、条件反射的に彼女から引いていた。

 

「……ま、まあいい。とにかく、罰はいま伝えた通りだ。そしてお前が俺達に同行するのは認めてもいいが、その代わり、くれぐれも部隊の和を乱すような行為はしないように! それが約束出来ないなら、おとなしく帰ってもらうぞ」

 

「はい。このシェイド、暗夜竜に誓って約束は違えませんとも。些末な事で、得難いスサノオ様との時間を無為になど出来ませんので」

 

 暗夜竜を引き合いに出してくる辺り、やはり彼女も闇の部族の末裔……なのだろうか?

 いや、部族云々はこの際、彼女にとってはどうでも良い事なのかもしれない。彼女の性格からして、闇の部族の特性もノスフェラトゥ研究に便利程度にしか捉えていないだろうし、そもそも彼女は自分本位な部分が強く見られる。

 知識欲を満たすためなら、王家への忠誠もなんのその……を、地で行くのがシェイドという女性だろう。

 あえて暗夜竜と口にしたのは、竜の化身たるスサノオに合わせた、彼女なりのシャレのつもりだったのかもしれない。

 

「さて皆様方、私の加入も無事に済みました事ですし、早速目的地へと向けて出発するとしましょう」

 

 もはや先程までの事は忘却の彼方とばかりに、全員へとすぐさま出発を勧めるシェイドに、スサノオは頭を痛ませる。

 この先、大丈夫だろうか……と。

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で? 私に聞きたい事とは何かしら?」

 

 それはシェイドの一件から少ししての事。彼女がスサノオ一行に加わり、星界の城で全員が行軍の休息をとっている時だった。

 

 呼び出されたシェイドはと言えば、そわそわと落ち着かない様子で、庭園の一角に鎮座する兵舎──正確には、そのうちの一つであるスサノオの部屋へと、チラチラと視線を送っている。

 よっぽど、スサノオの観察に行きたい模様である。

 

「何か疑問があるのでしょう? なら早く訊ねてきなさいな。こうしている時間が既にもったいないというのに」

 

 じれったいと言わんばかりに、鋭く睨みを利かせるシェイド。普段の妖艶ぶりも相まって、より威圧感を感じさせる。

 

「……率直に聞くぞ。お前、ストレルカって覚えてるか?」

 

 そして彼女を呼び出した当の本人──ゼロは、それこそ彼女の要求に応えるように、直球まっしぐらで話を切り出した。

 

「ストレルカ……? これはまた、ずいぶんと懐かしい名前を出してきたものね。もちろん覚えていますとも。あの男を洗脳するように命令された邪術士が誰だったのか、お忘れになって?」

 

 指先を唇に触れながら、挑発的な笑みと共に返すシェイド。実を言えば、ストレルカが死ぬ少し前に、ガロンが彼を洗脳させようとしていた邪術士というのがシェイドだったのだ。

 

「覚えてるのなら話は早い。お前が覚えてるという前提でしないと、今からシてやる質問は無意味だからな」

 

「…? 何かしら。気になる言い方をするじゃない」

 

 ゼロの言い回しも大概だが、それに嫌そうな顔をしない彼女も大概だろうか。本人達は特に何もおかしいと感じていない分、まともな感性の者からすれば余計にたちが悪い。

 

「シンプルに聞こう。お前、ストレルカの死体をどうした? いや、その死体を使ってナニをシた?」

 

 言葉使いはアレだが、その質問内容は至極真っ当なものだった。ゼロのコレはもはや癖になっている部分もあるが、その顔は真剣そのもの。

 彼のその様子に、シェイドもまた、茶化すような場面ではないと判断したのだろう。軽く溜め息を吐くと、素直に彼の問いに答える。

 

「別に。ノスフェラトゥの素体にしたいとは思ったけれど、病に冒された肉体ではね……。体の内も外もボロボロだもの、まるで使えないから普通に埋葬したわ」

 

「……本当か?」

 

 ゼロは、ノスフェラトゥに関してはそこまで詳しくない事もあり、シェイドの言葉が真実であるのかを確かめる術はない。

 だけど、病死した死体が使えない、というのは理に適っているような気もしないでもない。

 そして、それはシェイドとて分かっていたようで、自分の胸元を何やらゴソゴソと探ると、そこから何やら丸められた紙束を取り出した。

 

「信じられないのなら、これをご覧なさいな。私が直属でまとめたノスフェラトゥ研究の資料よ。これなら、嘘はつけないでしょう?」

 

「ふーん……王家の紋章入り、か。確かに、これなら王家を欺くような真似は出来ないようだな。ヤれば即あの世イキだ」

 

 資料を受け取ったゼロは、内容に目を通し、王家の紋章の判がある事を認めた。つまり、ガロン王が直々に承認したという何よりの証があったのである。

 もしここで嘘を書いていようものなら、ソレが発覚した時点でシェイドの首は無いも同然。流石にそんな馬鹿な真似は、彼女であってもしないだろう。

 

 真偽の程は分からない。けれど、王家の紋章の判を偽造するのは、それだけで処刑レベルの大罪だ。そんなリスクを犯す程、シェイドという女は浅はかではない。

 それを知っていたゼロは、ひとまずは彼女の言葉を信じる事にした。()()

 

「ストレルカの死体を弄ってナニかをシた訳じゃないならイイ。この話はこれで終わりだ。じゃあな」

 

 要件も済んだ、とゼロはすぐに退散しようとするが、それを問屋が許さない。よく考えてみてほしい。知識欲の塊のような彼女が、何故こんな質問をされたのか、気にならないはずもないのだから。

 

「ちょっと待ちなさい。理由くらい言ってから去っても良いのではなくて? 流石の私も、訳の分からないまま話を終わらせる程、間抜けではないわよ」

 

 去ろうとするゼロのマントを掴んで離さないシェイド。このまま強引に行こうかとも考えたが、ここで上手くあしらったところで、今後付きまとわれる可能性がある。

 ノルンやアカツキの件を見て知っていただけあり、シェイドのしつこさと実行力は信頼を置けるレベルで知っていたゼロは、諦めて理由を語る事にした。

 

「本人かどうかは知らんが、黒竜砦での戦闘の際、ソイツらしき敵兵が居た。どんな仕組みか、姿は透明という奇天烈な格好でな」

 

「姿が透明……? 魔法や呪術での透明化かしら」

 

「いや、それがどうにも違うらしい。そういうのに詳しいチビが断言シたからな。そもそも、ヤツはもう死んでて、お前のさっきの言葉が本当なら、別人だろうさ」

 

「……透明な兵士、ねぇ。気になるわ、とても」

 

 マントから手を放すと、ぶつぶつと何やら呟き始めたシェイド。好機とばかりに、ゼロは彼女から距離を取り、話を切り上げようする。

 

「ともあれ、だ。お前がナニか知ってたなら良かったんだが、知らんのならもう用はない。スサノオ様の為に情報を集めるのは、レオン様の為にもなるからだったんだが……地道に当たるしかないか」

 

「姿が見えないのに動けるのは何故? 透明化を維持したままで機敏に動ける? いいえ、まず死者が再び意思を持ち動くという事も謎だわ。魔法でもなく、呪術でもないのなら、何が原因で……」

 

 もはやゼロの声など届いてはおらず。完全に自分の世界に入り込んでしまったシェイドに、ゼロはここぞとばかりに退散したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、そのやりとりを見ていた者が居た。

 

「なるほど、シェイドも透明な兵士については知らない、と……」

 

 一言一句、逃さず聞き取っていた内容をメモするのは、眼鏡がキラリと光るライルだ。

 そしてもう一人、

 

「……まだ終わらないの?」

 

 ライルの陰に隠れるようにして縮こまっていたのは、その豊満な肢体を隠しきれずにいるノルン。ビクビクと、いつシェイドにバレるかと心配しながら、息を潜めてしゃがみ込んでいた。

 

「いいえ、もう終わります。おかげで情報収集が捗りましたよ、ノルン……、ッ!!」

 

 最後の一行を書き終えると、ライルはシェイドから視線を外し、自分の足下に居たノルンへと視線を移す。その時、彼の目に何が映ったのかは、まあお察しといったところか。

 

「…? どうしたの、ライル? 顔が赤いけど……」

 

 何故か顔を赤くして顔を反らしているライルに、当然のごとくノルンは頭に疑問符を浮かべるが、知らぬが花である。

 ライルも、ノルンがその理由に気付かないうちに話を逸らそうと、無理やり話を続けた。

 

「…コホン。ともかく、図らずもゼロのおかげでシェイドが()()知らないという事が分かりました。彼女のあの様子では、間違いなく真実、何も知らない事でしょう」

 

「なら、もういいわよね……? 見つかる前に帰りたいわ……」

 

 そわそわと落ち着かないノルンに、ライルは申し訳なくも感謝の気持ちでいっぱいになる。

 というのも、2人がゼロ達に聞き耳していた事がバレないで済んだのは、ノルンの存在あってこそだったのだ。

 

 弓の名手であるノルンだが、実は魔道の心得もあり、少しくらいなら魔法や呪術も使えるのである。

 しかも、普段のノルンはネガティブかつ逃げ腰な性格をしている事もあるため、気配殺しや音消しなど、敵からの逃走や、やり過ごすといった事に特化した呪術を得意としていた。

 今回はそれの応用で、気配を殺して、息を潜めて隠れていたという訳だ。そこにライルの技術で即席だが補強が加えられ、気配に敏感なゼロと、魔道に明るいシェイドの目を欺けたといった具合である。

 

「そうですね。速やかに退去しましょうか」

 

 2人は息を潜めたまま、一人残されたシェイドから離れていく。彼女の姿が見えなくなったところで、ノルンは気配遮断の呪術を解除した。

 

「……ハア。やっと解放されたのね。なんだかとても疲れたわ……。まるで生きた心地がしなかったもの……」

 

 一息つくと、ノルンが脱力して地面へとへたり込む。極度の緊張感から解放され、気が抜けてしまったようだ。

 

「ありがとうございました。シェイドが苦手であるノルンに辛い役目を押し付けてしまいましたし、お詫びに今度の街に着いた時に、何かご馳走しますね」

 

「あ、ありがとう……。でも、別にお礼なんていいからね? これだって、ライルが必要だと思ったからの事だったんでしょう……? なら、私は当然の事をしたまでだから……。……確かに、寿命が縮まる思いだったけど」

 

 ホッと安堵する彼女の姿に、ライルは苦笑いを返すしかない。いや、あのノルンがよくここまで耐えてくれたと褒めるべきかもしれないが。

 

「それで、どうして盗み聞きなんてしたの? 普通に混ざって聞けば良かったんじゃ……」

 

「それが出来ていれば、僕だってこんなコソコソした真似はしませんよ」

 

 口にして、ライルの顔に苦々しいものが浮かんでくる。その理由こそが、最も彼を悩ませているのだが、ノルンにはそれが何か分からなかった。

 

「いいですか、彼女が透明な兵士について知っているという事は、つまりある程度ガロン王に近しい立場であるという事です。僕らはまだ、どういう訳か奴の刺客を送られていませんが、探っている事が奴の息の掛かった者にバレれば、安全は保障出来なくなる可能性もあった」

 

「……そっか。もしバレて、刺客が襲ってきても、私達にはスサノオ様達に真実を証明する術が無いのね。だから、シェイドがアイツと繋がりがあるかもしれない内は、悟られてはいけなかった……という事なの?」

 

 ノルンの言葉に頷いて、肯定の意を示すライル。彼が危惧していた事が何か、ノルンもこれでようやく理解出来た。多分、これがアイシスだったらノルン程すぐに理解するのは難しかっただろう。

 

「ですが、もうその心配は無用ですね。シェイドはシロで確定的でしょう。それに、今のスサノオ隊には、怪しい者も居ないと考えて良いですね」

 

「怪しい……、あのニュクスって子は?」

 

 つい先日、スサノオが仲間に迎えたニュクスの名を出すノルンだが、ライルはその考えをすぐさま否定した。

 

「彼女も関係者とは考えがたいですよ。彼女が仲間になったのは、偶然が重なっただけでしょう。スサノオ様が見つけていなければ、彼女は姿を眩ませていた可能性もあった訳ですし」

 

「…それもそうね。あそこであの子が立ち往生してたのは、暗夜軍と白夜軍の戦闘が原因だし、彼女もスサノオ様の誘いを一度は断ったそうだし。それに、あの子には親近感が湧くというか……。なんて言うのかしら、こう、呪術で酷い目に遭った事がある的な……?」

 

 うんうん、と一人ニュクスに親近感を覚えているノルンをよそに、ライルは考えていた。

 今はまだ、大々的に怪物達は襲って来ていないが、真実へ近付こうとする程に、彼らは牙を剥くだろう。

 そして、真実へ迫るだけではまだ足りない。自分達には決定的に足りないものがある。そう───

 

 

 ───証明する為の手段、だ。

 

 

 だが、鍵を握るのはスサノオ。そしてここには居ないアマテラスであるのは間違いない。出来れば、2人が揃って共に居てくれたら良かったのだが、それは無理な話。

 

 どうにか、打開策を見つけなくてはならない。

 

 当面の目標も定まり、ライルは考えるのをそこで止めた。今は考え事ばかりしていても仕方ない。情報が少ない以上、単なる空想でしかないのだ。

 なら、今はただ、前へ進むだけ。そうすれば、自ずと真実への足掛かりも見つかる事だろう。

 

「……さて、腹ごしらえにでも行きましょう、ノルン」

 

「え? え、ええ。確か今日の食事当番は……フローラだったわね。…羨ましいわ、料理上手で、気配り上手で、それにあんなに器量もあるなんて……。私の理想のお嫁さん像よ……」

 

 どんよりとした空気を纏い始めるノルンに、ライルは乾いた笑いを零すのだった。

 

 ──ごめんなさい、僕では理想の女性像へなる手助けは出来ません。どうにも、そういった事には疎いもので……。

 

 それがその時、彼が思った事だったらしい。

 

 




 
「ベロアの『くんくん、ガルーアワーズ』…」

※ここからは台本形式でお送りします。

ベロア「皆さん、やっていますか『ファイアーエムブレム ヒーローズ』」

カンナ「あたしはやってるよ! 無課金で!」

ベロア「課金しなくても、ある程度は当たりやすいですからね。キングフロストも、無課金で☆5は2人出ましたし」

カンナ「シーダさんとユリアさんだっけ?」

ベロア「☆4もそこそこ出るには出ますが、覚醒の必要素材が鬼畜です。もっと軽くしてほしいですね」

カンナ「そして何故かピックアップだったのに☆4で来たカミラさんとルフレ(♂)さんね。それなのに演出あったのは驚いたけど」

ベロア「逆に☆5で演出なかった事に驚きですが。特にユリア」

カンナ「あと、ノーマルなのに難易度高いよ、9章5節」

ベロア「まあ、修練の塔に関しては消費スタミナが良心的ですし、スタミナ回復も早いので、比較的レベルは上げやすいと言えるでしょう」

カンナ「あ、フルボイスでギュンターさんにも声があったのは嬉しかったなぁ!」

ベロア「まあ、流石に新規のボイスは無理のようでしたが。あと、わたしが実装されれば神ゲー認定ですね。あとカンナ」

カンナ「うわ~……すごい自画自賛だぁ」

ベロア「そんな訳で、幼女に惹かれたマークスも登場する『ファイアーエムブレム ヒーローズ』。無理のない範囲で楽しみましょう」

カンナ「それじゃあ、次回もよろしくね!!」

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