桜井和生と暗殺教室   作:トランサミン>ω</

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2人のエルレンシアが遂に激突。
蒼魔凍を使用する2人の戦い…どうなるのでしょうか!
それでは今回も拙い文ですが読んでいただけると嬉しい(〃・д・) -д-))ペコリン


エルレンシアの時間

「先ずはそこにいる方からです!」

 

 

ルウシェは倒れ込んでいるハダルの首を掴みとり、少女とは思えない力で烏間たちの方へ投げ飛ばした。

一方その烏間たちはと言うと。

 

 

「な、何が起こっている!?」

 

 

突然ハダルが自分たちの方へ飛んできたことに驚きを隠せずにいた。

 

 

「殺せんせーでも見えないの?」

 

 

倉橋が殺せんせーに見えないのか問いかける。

 

 

「すみません…もう少しで目が慣れそうですから、待っていてください」

 

 

「和生…いったいどうしちゃったっていうの…?」

 

 

速水は和生の身を案じて涙を浮かべていた。

その時中村が烏間たちにあることを言った。

 

 

「ねぇ、殺気から桜井ちゃんの動きが全く見えないけどさ?ハダルって奴は倒したんでしょ?今は誰と戦ってるの?」

 

 

「「「あっ!?」」」

 

 

生徒たちと教師たちはその言葉に驚きの声を上げる。

 

 

「確かにおかしいよねぇ〜?誰かほかに敵がいるっての?」

 

 

「カルマ君、それは違うようです」

 

 

「殺せんせー?」

 

 

カルマの言葉を否定した殺せんせーに茅野が問いかける。

 

 

「目が慣れました。今なら辛うじて見えます、2人とも止まっていますので」

 

 

「2人だと?」

 

 

「烏間先生、和生君には妹がいるんですか?」

 

 

「お前…何故それを?」

 

 

「助けに来てくれたんですよ、妹さんが和生君のことをね」

 

 

「「「妹!?」」」

 

 

殺せんせーの言葉に生徒たちが叫び声を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、周囲の安全が確保できた事ですし…行きますよ?お兄様」

 

 

「ルウシェだよね。いいよ、でも俺も手加減は出来そうにないからね?」

 

 

2人の数秒見つめあった後、少ない言葉を交わして戦闘に入った。

 

 

「覚悟っ!」

 

 

ルウシェが居合いで瞬時に間合いを詰める、カズキはその一閃をレヴィアタンで受け止めながらヴラドのトリガーを引き絞る。

真紅の杭がルウシェに襲いかかるが、ルウシェは紅桜の紅い刃をレヴィアタンの刀身を滑らせて杭と衝突させる。

 

 

「流石ですお兄様!お母様の仰っていた通りとても強く、カッコいいです!」

 

 

ルウシェはカズキの戦いの最中にも関わらず笑顔だ。

 

 

「ルウシェはまだまだ余裕そうだね」

 

 

「はい!嬉しいんです!こういうのを兄妹喧嘩と言うのですよね!ずっとしてみたかったんです♪」ニコッ

 

 

「兄妹喧嘩か…ふふっ…そうだね。じゃあお兄ちゃんも本気でぶつかってあげなきゃね」ニコッ

 

 

ルウシェの純粋な笑顔がカズキの心の温度を一瞬戻した。

 

 

「ヴラド、トリガーをセカンドに移行する」

 

 

『承知した。だが主よ、セカンドからは余を両手に携えるのだ』

 

 

「わかった…!」

 

 

カズキは左手に持っていたレヴィアタンを鞘に納め、もう一丁のヴラドをホルスターから引き抜く。

するとカズキがレヴィアタンの冷気で止血していた傷口が再び開き出す。

カズキの上半身から血が溢れ出した。

 

 

「ヴラド…『喰らえ』」

 

 

『…拝領』

 

 

カズキの腕を流れていた血液がヴラドの銃身へと取り込まれていく。

文字通り血を喰らっているのだ。

 

 

「ルウシェ、お兄ちゃんあんまり時間が無いんだ…だからもう終わりにしよう」

 

 

カズキはヴラドを構えた腕を胸の前でクロスさせる。

そんな様子を見たルウシェの顔は一層笑顔になる。

 

 

「お兄様、約束して頂いても宜しいでしょうか?」

 

 

「なに?」

 

 

「この勝負、私がお兄様を止めることが出来たら…思いっきり甘えさせてくださいますか?」

 

 

「…止められたらね」

 

 

「わかりましたっ!ではこちらも本気で行かせて頂きますね?」パァッ

 

 

ルウシェはカズキの返答を聞くやいなや紅桜を鞘に仕舞った。

 

 

「紅桜…『百鬼夜行』」

 

 

ルウシェが小さくそう呟くと、彼女の脳内に紅桜が語りかけてくる。

 

 

『宜しいのですか?』

 

 

「はい、お兄様を止めれば甘えさせて頂けるのですから、負けるわけにはいきませんっ!」

 

 

『では…紅い桜を咲かせましょう』

 

 

次の瞬間、紅桜の柄から黒い木の根のようなものが生え、ルウシェの腕に絡み付いた。

その根は腕に絡み付くとその色を紅く染める。

 

 

「ぐぅっ…」

 

 

ルウシェが一瞬苦悶の表情を浮かべるが、すぐに笑顔に戻す。

 

 

「それではお兄様、初めての兄妹喧嘩に決着を付けましょう!」

 

 

ルウシェはそう言うと紅桜を鞘から引き抜く。

引き抜かれた紅桜の刀身は先程とは打って変わって黒くなり、紅い桜の紋様が浮かび上がっている。

 

 

「じゃあ俺も行かせてもらう!」

 

 

そして2人は同時に動き出した!

ルウシェは間合いを詰めるようにカズキに向けて走り出す。

一方のカズキはヴラドをルウシェの方に向け、トリガーを引く。

 

 

バァンッ、バァンッ

 

 

2発の銃声が鳴り響く…しかしルウシェに向かってくる杭の数は優に50は越えていた。

しかしそれを前にしてもルウシェは止まらない、普通の人間と蒼魔凍を用いる人間の戦いならばこの量を捌く事ができるかもしれないが、カズキも蒼魔凍の使用者だ。

余りにも無謀に思える突進だが、ルウシェがその行動をとるのには理由があった。

 

 

ヒュンッ!!ガキィンッ!!

 

 

 

ルウシェが1振りの斬撃で全ての杭を弾き飛ばした。

 

 

「くっ…!」バァンッ、バァンッ

 

 

再びカズキが杭のを撃ち出すのたが…

 

 

「無駄ですっ!」

 

 

ルウシェがことごとく弾き飛ばす。

 

 

「何故だ!セカンドトリガーを解放したヴラドの1発の杭は25発だぞ!」

 

 

「甘いですお兄様っ!『百鬼夜行』状態の紅桜の斬撃は『一閃百殺』です!1振りの斬撃は空中に百閃の斬撃を残留させます!残念ですが私の勝ちです!」

 

 

ルウシェはカズキの放つ杭を全て弾き飛ばした後、カズキが携えるヴラドをも残留する斬撃で弾き飛ばしてしまった。

武器を失ったカズキにルウシェは『百鬼夜行』を解除する。

そして…

 

 

「お兄様ぁ〜♪」

 

 

紅桜を鞘に納めたかと思うとカズキのむねにダイブした。

 

 

「がはっ…ルウシェ…ごめん…今は甘えさせられないや…でもお兄ちゃんの負けだ…」ガクッ

 

 

「え、ええっと!お、お兄様っ!」

 

 

戦いを終えた瞬間に和生は気を失った。

 

 

「あっ!ヴラドを弾き飛ばしてしまったからですね!ごめんなさいお兄様!」アウアウ

 

 

ルウシェは和生の元へヴラドを拾って持ってくる。

そして彼の手にヴラドを再び握らせた。

しかし気を失っている和生の蒼魔凍は解除されている。

つまりルウシェが蒼魔凍を使っているため動かないのだ。

 

 

「ヴラドを戻したので出血は問題ないでしょう。それでは私も蒼魔凍を解除しましょうか。『紅桜』ありがとう」

 

 

ルウシェは紅桜にお礼を一言いうと蒼魔凍を解除した。

 

 

「桜井君!!」

 

 

先程までは視界で捉えられなかった和生の姿を確認すると烏間が急いで駆け寄る。

 

 

「あなたがお兄様の先生ですか…?」

 

 

「あぁ、そうだ。君がルウシェさんか?」

 

 

「はいそうです。お兄様は時期に目を覚まします。恐らく命には別状は無いでしょう」

 

 

「なぜそう言えるんだ?」

 

 

「『血属器』であるヴラドがありますので、生命維持は問題ないはずです。なので今はしっかりと休める場所に…連れて行ってくださ…い…」フラッ

 

 

ルウシェはそう言うと和生に寄り添うように気を失った。

 

 

「先ずは生徒たちの解放だな」

 

 

烏間は死神の胸ポケットから奪った端末で生徒たちを解放する。

 

 

「和生っ!」

 

 

真っ先に飛び出したのは速水だ。

 

 

「また無理して…」ポロポロ

 

 

速水は余程和生のことが心配だったのか和生のもとへ駆け寄ると涙を流し始めた。

 

 

「烏間先生、和生君の自宅へは私が送ります。烏間先生は他の生徒達を送ってあげてください」

 

 

殺せんせーがそう言って和生とルウシェを抱き抱えようとすると呼び止められた。

 

 

「では私の車に乗ってくださいますか?」

 

 

「あなたは一体?」

 

 

呼び止めたのは緑髪の女性、カノープス。

 

 

「私はカノープス。ルウシェ様の眷属にあたるものです。私が車で送りますのでどなたか道案内をお願いできますか?」

 

 

「で、ではわた…にゅやっ!?中村さん!何するんですかっ!?」

 

 

殺せんせーが名乗り出ようとすると中村がナイフを殺せんせーに投げつける。

 

 

「殺せんせー、空気読みなよ?はやみん、行っておいで?」

 

 

「莉桜っ…?」グスッ

 

 

「きっとまた桜井ちゃんは冷たくなっちゃってるからさ?はやみんが温めてあげなよね?」

 

 

「そうだね!凛香ちゃんがいいとおもう!」

 

 

「わたしもわたしもーっ!」

 

 

女子たちが満場一致で速水を推薦している。

 

 

「速水さん、お願いできるか?」

 

 

遂には烏間までもが速水に声をかけた。

 

 

「親御さんには俺から連絡しておくから安心してくれ」

 

 

「じゃ…あ、行きます…」

 

 

「では速水様、こちらへ」

 

 

カノープスは和生とルウシェを軽々と抱えると速水に手招きして建物の外へと歩いていく。

そんな時、もう一人歩いていこうとする者が…

 

 

「ビッチ先生!逃げないでよね!」

 

 

「そうだよ!明日からも一緒だから!」

 

 

矢田と倉橋が逃げようとするイリーナを引き止める。

 

 

「なんで…?アンタたちを殺そうとしたのよ?」

 

 

「ビッチ先生?桜井君の無線から聞こえてたよ?『死ぬんじゃないわよ!?』だっけ?やっぱりビッチ先生はビッチ先生だよっ!」

 

 

「陽菜乃…」ウルッ

 

 

倉橋の言葉にイリーナが涙ぐむ。

すると今度は烏間がイリーナの前に立ち、1輪の薔薇を差し出す。

 

 

「この花は生徒たちからの借り物じゃない。俺が俺の意志で敵を倒して得たものだ。誕生日は…それならいいか?」

 

 

「…はい」

 

 

クラスをいい雰囲気が包み込む。

こうしてE組の生徒たちと死神たちとの戦いが幕を下ろした。




ついに決着しました!
次回はブラックコーヒー必須回にしますので準備の方をお願いしますね?
それでは!感想など待ってますね!

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