今回から体育祭に入ります。
桜井君は何の競技に出るのでしょうかね。
「A組と棒倒しで対決だぁ!?」
磯貝から説明を受けた岡島は驚きの声を上げた。
そんな彼に前原がこと細かく説明する。
「そう、勝てば磯貝たちのバイトは見逃してくれんだとよ」
「…でもさ?俺らってもともとハブられてんじゃないのか?」
木村の言う通り、E組の生徒は団体種目には出ることが出来ない。
戦うも何も無いのだ。
「浅野くん曰く、挑戦状を叩きつければ大丈夫らしいよ」
渚の言葉に男子達は納得のいかなそうな顔をする。
「第一、A組男子は28人E組男子は16人。とても公平には思えないな」
竹林の言葉に生徒たちはため息をもらす。
「ケッ、俺らに赤っ恥かかせるって魂胆が見え見えだぜ」
「どーすんだよ。やらなきゃ磯貝は下手すりゃ退学なんだろ?桜井だって停学くらいにはされるだろ」
寺坂に続き杉野も思いを口にする。
そんな彼らを見て磯貝が重い口を開いた。
「いや…やる必要はないよ皆。浅野の事だから何されるか分かったもんじゃないし、俺が撒いた種だから責任は俺が全部もつ。クビ上等!暗殺なんて外からでも狙えるしな」
そんな事を清々しい顔で言う磯貝を見て男子達はこういった。
「「「イッ…イケ…イケてねーわ!!」」」
「ええ!?」
「何自分に寄ってんだこのアホ毛貧乏が!」
男子達から批判を受けまくる磯貝に前原が話しかける。
「難しく考えんなよ磯貝、ガリ勉のA組と暗殺者の俺達だったら楽勝じゃねーか!」
前原が磯貝の机の上に対せんせーナイフを立てる。
「そりゃそーだ。寧ろバレてラッキーだな」
「日頃の恨みはらしてやろうぜ」
そのナイフに三村、寺坂が手を重ね次々に男子たちの手が集まっていく。
そのナイフを磯貝は手に取った。
磯貝がナイフを手に取った後、握っている手に和生が手を重ねてこう言った。
「悠馬。お前はこのナイフを1人で振り抜くんじゃないさ。最初は切れ味の悪い刃でも、磨けば鋭く研ぎ澄まされる。俺達はこれまでそうやってチカラを付けてきたんだろ?」
「和生…」
「俺達は殺すつもりで行けばいいんだ。いつもみたいにな」
「そうだな…よし!いっちょやるかお前ら!!」
「「「おうっ!!」」」
男子達のそんな様子を見て殺せんせーはこう思っていた。
「(イケメンも高い能力も彼の一番の強みではない。決して傲らず地味な仕事も買って出て、自分よりもクラスのことを優先する。それが積み重なって生まれた『人徳』こそがリーダーとしての彼の一番の魅力でしょう。)どうれ、イケメン同士私も一肌脱ぎましょうかねぇ」
こうしてE組の体育祭が幕を開けたのである。
次回からは体育祭らしく運動しますよw
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