まぁ、その一つ目が磯貝の修行になります。
彼の成長がE組にどんな影響を及ぼすのか乞うご期待です。
E組下着偵察事件が起きた放課後、和生と磯貝は和生の家の地下室にいた。
「ここが和生の修行場か…」
磯貝の眼前に広がるのは修行する為に使うのか分からない機器の数々であった。
ピッチングマシンにガラス張りの部屋、スムーザーに巨大な冷蔵庫。
「なんか色々すごいな…あんなデカイ冷蔵庫何が入ってるんだ?」
「ん?まぁ、スムージーの材料とかアイスとか」
「どこまで行っても和生は和生だなw」
「まぁなw。でもエネルギー補給班大事だからさ」
和生はそんなことを言いながらトランクのような物を取り出した。
「とりあえず悠馬には獲物を選んで貰わなきゃいけないよ」
和生がトランクを開くとそこには様々な武器が入っていた。
「この中から選べってことか?」
「そういう事になるな。気に入ったやつで修行しよう」
和生の言葉に磯貝は頷いた後、獲物に手を伸ばした。
彼が最初に手に取ったのは直剣、西洋の騎士が扱う一般的な剣である。
磯貝は一振りしたあと、「少し重いな」と呟きトランクにしまった。
「この武器はなんて言うんだ?」
磯貝は手に取った武器について和生に問いかける。
「それはファルシオン、所謂曲剣だね。刃が薄い分軽くて使い易いから手数と流れるような動きで戦う武器って感じさ」
和生の言葉に磯貝は、確かに軽いと感じ曲剣を使うことに決めた。
「これにするよ」
「悠馬の運動神経ならキツめの修行でも大丈夫だよな?」
「あはは…お手柔らかに頼むよ」
和生は磯貝をガラス張りの部屋に通した。
「とりあえず素振りを500回ね」
「500だけでいいのか?」
磯貝がそう思うのもその筈、500という数字は普段の体育でもやるような数字だからだ。
「まぁ、楽しみにしてなよ」
2人はガラス張りの部屋に入ると和生は機器の操作を行った後、刺剣を。
磯貝はファルシオンを構えた。
「和生、今何をしたんだ?」
「今からこの部屋の酸素濃度は普段の約半分」
「は?」
「疲労度は普段の3倍だと思った方がいい」
「え、ちょ」
淡々と説明をする和生に表情が固くなる磯貝であった。
「じゃあ始めるよ。いーち、にー、さーん」
「い、いーち、」
そこからは磯貝にとって地獄であった、疲れで呼吸が乱れても吸う酸素が部屋にはなく、和生のペースが落ちることも無い。
辛うじて同じペースで素振りを終えることが出来たが、終わる頃にはヘトヘトで座り込んでしまった。
「和生はいつもこんなにのをやってるのか?」
「まぁ一応ね、振らないと鈍っちゃうしさ。平日は出来なくても土日は必ずやってる。じゃあ次の奴行こうか」
『次』という言葉に磯貝は苦笑しながら和生の後に続いてガラス張りの部屋を後にした。
「次はピッチングマシンから飛んでくるソフトテニスのボールを避けるよ」
和生は3台のピッチングマシンを起動させた。
「さ、3台使うのか?」
「あ、5台がよかった?」
「いや、3台でいい…」
3台のピッチングマシンから放たれる球を持ち前の動体視力で躱す磯貝。
それを見た和生は
「じゃあ球速を上げるね」
ニッコリと笑って球速を60km/hから80km/hに上げた。
「うおっ!?」
急激に上がった速度に磯貝は先程の疲労もあってかボールが当たり始める。
暫くして和生はスイッチを切った。
「はい、お疲れ様」
「さんきゅうな…」
和生は磯貝に桃のスムージーを手渡す。
「あ、美味いなこれ」
「まぁ、それなりに研究してるからな。どうするまだやる?」
「あー、悪い!この後喫茶店でバイトなんだ。だからそろそろ帰るよ」
そう言って立ち去ろうとする磯貝に和生が衝撃の一言を言った。
「あ、そういう事なら俺も手伝うよ。その体じゃいつもみたいには働けないだろうし、俺の分の給料も悠馬が貰ってくれ」
「そんなの悪いよ」
「俺が追い込んだ結果だし、何より悠馬が強くなろうとしてくれることが嬉しいんだ」
「そう…なのか。ありがとうな、マスターに言っとくよ」
磯貝のこの言葉が後に波乱を呼ぶことになるのを彼らはまだ知らない。
磯貝の武器はファルシオンですね!
ダクソ廃人の私としてはやはり自分が使っていた武器種を持たせたいもんですw
対人もかなりやり込んでましたねw
感想待ってますよ!