桜井和生と暗殺教室   作:トランサミン>ω</

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二つ名の時間

「今からケイドロをやりますよ!」

 

 

警官の格好に着替えた殺せんせーがグラウンドに集まった生徒たちの前に現れた。

 

 

「なんでケイドロなの?」

 

 

矢田が殺せんせーに問いかける。

 

 

「ぬるふふふ、先生も昔はよくやったので」

 

 

殺せんせーは意味あり気な笑みを浮かべながらそう言った。

 

 

「ルールは簡単!今から一時間の間、君たちは裏山を逃げ回るドロボウです。警察は私と烏間先生。君たちが全員捕まれば明日の宿題が2倍、君たちが1人でも逃げ切れば烏間先生のサイフでケーキを食べられます。仲間を呼ぶ時は先ほど渡したコードネーム一覧を見て呼ぶように、間違えればペナルティですよ。先生は残り1分まで動きませんので、頑張って烏間先生から逃げてください。5分後に追跡を開始します、さぁ皆さん逃げてください!」

 

 

殺せんせーの丁寧な説明を聞いた生徒たちは裏山へと散り散りになっていく。

日頃の訓練の成果もあり、5分という短い時間でもかなりの距離を移動できていた。

 

 

「いくら烏間先生でもこの広い裏山じゃ全員は捕まえられないだろ」

 

 

変態終末期(岡島)が現状を分析する。

 

 

「変態終末期、そんなに甘く見ない方がいいぞ」

 

 

ギャルゲーの主人公(千葉)は周囲を警戒している。

彼の言葉に近くにいた、このマンガがすごい(不破)とキノコディレクター(三村)も警戒を強める。

 

 

 

 

 

 

 

しかし…

 

 

 

 

 

 

 

 

「変態終末期、ギャルゲーの主人公、キノコディレクター、この漫画がすごい。逮捕だ」

 

 

突如として現れた堅物(烏間)にあっさりと捕まった。

その後も生徒たちは次々に捕まっていき、既に半数を切っていた。

 

 

「野球バカ、どうしようか?」

 

 

性別(渚)が野球バカ(杉野)に案が無いか聞く。

 

 

「ケイドロと言えば、仲間の解放だろ?牢屋までいこうぜ」

 

 

その提案に乗った性別と中二半(カルマ)は牢屋へと向かう。

近くに永遠のゼロ(茅野)もいたのだが

 

 

「永遠のゼロってなに…。ゼロじゃないし…ちゃんとあるし…」

 

 

うわ言のようにそう呟くだけで全く反応しないので、彼等は放置することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「て、鉄壁だ…!」

 

 

野球バカは最強の壁がいることを失念していた。

残り1分まで動かない殺せんせーは最強の守り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

のはずだったw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スッ

変態終末期が胸ポケットから巨乳美女の水着ブロマイドを手渡すと殺せんせーはあっさりと生徒たちを開放した。

その後もポニーテールと乳(矢田)の泣き落としや、生徒による買収で殺せんせーは脱獄を許していた。

それをしった堅物は殺せんせーに次に逃がしたら辞めるという旨を伝えると、再び戦場へと赴いていった。

その場に残された殺せんせーは

 

 

「次からはそんなに簡単には捕まえられませんよ」

 

 

にゅやりと笑った後、

 

 

「ヌッヒョー!この乳やべぇ!!」

 

 

変態終末期に渡された巨乳ブロマイドでニヤニヤしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、糖分?堅物の気配は感じる?」

 

 

「うーん、ちょっと難しいかな。ツンデレスナイパーは何かわかった?」

 

 

「ううん、残念だけど」

 

 

裏山の奥まった位置に糖分(カズキ)とツンデレスナイパー(速水)が隠れていた。

2人は足跡を残さないように木の上に2人で建っていた。

 

 

 

「さっきから牢屋の人数が増えたり減ったりしてる」

 

 

糖分は携帯を眺めながらツンデレスナイパーへと伝えた。

 

 

「そう、でも油断は出来ないよ。堅物はやっぱり次元が違うし」

 

 

2人はできるだけ気配を殺して他の生徒達の動向を観察していた。

 

 

「そろそろ悠馬に指示させた作戦をやる頃かな」

 

 

「どういうこと?」

 

 

ツンデレスナイパーは糖分の言っていることがわからず首をかしげた。

その可愛らしい仕草に糖分は彼女の頭にそっと手を置いて、髪を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、堅物は凛として説教(片岡)、女たらしクソ野郎(前原)、そしてジャスティスと対峙していた。

 

 

「俺と勝負しようというのか?」

 

 

「はい、俺らもできるってとこ見せないといけませんから」

 

 

女たらしクソ野郎が合図をすると3人は散開、女たらしクソ野郎と凛として説教がジャスティスを援護するような陣形になった。

 

 

「(基礎がしっかりと身についていていい動きだ、だがしかしまだ本気の俺には勝てんな)」

 

 

堅物がすかさず詰め寄り、女たらしクソ野郎と凛として説教を捕獲した。

堅物は残っているジャスティスも捉えようとスピードを上げる。

しかしここで堅物は気付いた。

 

 

「(これは…!?あたりが平面かつ走り易い地形だこれだと…)」

 

 

堅物の予想通りジャスティスはグングンスピードを上げていく。

ジャスティスの平坦での直線における加速力と最高スピードは堅物をも凌ぐものであり、E組トップの代物だ。

 

 

ジャスティスと堅物の距離が徐々に開いていく。

しかし堅物も黙っているわけがなく足もとが不安定な場所へとジャスティスを誘導することによって捕獲に成功した。

 

 

「これで俺達の勝ちだな」

 

 

「いや、先生たちの負けですよ」

 

 

「なんだと?」

 

 

「先生は今からプールまでは戻れませんよね?」

 

 

「そういうことか!?」

 

 

ここで堅物は自分が誘導されていたことに気付いた、殺せんせーはプールに入ることは出来ない、つまりプールに隠れている生徒は捕らえられないのだ。

残り時間は1分、生徒達の勝利が確定したようなものだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にゅやっ!?」

 

 

突如として殺せんせーを取り囲むように白い布で覆われた檻が降ってきた。

 

 

「やぁやぁ、ごきげんよう殺せんせー」

 

 

そこに現れたのはシロ。

 

 

そして殺せんせーと同じ檻の中にいるのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今度こそ殺すよ、兄さん」

 

 

更に凶暴化した触手を宿した、イトナの姿であった。

 

 

烏間は生徒を追いかけていたため、牢屋から離れている。

 

 

殺せんせーはこの状況をどうやって打開するのだろうか。




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