申し訳ありません。
うちの学校では学年内順位も答案と一緒に届けられる。
テストの行方は一目瞭然だ。
「では発表します。まずは英語から…E組の1位…」
クラス全員が固唾を飲む
「そして学年でも1位!中村莉桜!!」
中村莉桜
英語 100点 学年1位
「完璧です、君のやる気はムラっ気があるので心配でしたが」
「うふふーん、なんせ賞金100億かかってっから。触手1本忘れないでよ、殺せんせー?」
「はい、渚君も健闘ですが肝心なところでスペルミスを犯す癖が治ってませんね」
「うーん…」
「桜井くんはいつもながら素晴らしい、1位ではないにしろ、好成績ですよ、E組では2位です」
「ありがとー、殺せんせー」
「さてしかし、1教科でトップを取ったところで潰せる触手はたった1本。それにA組との対決もありますから喜ぶのは全部返した後ですよ…続いて国語…」
みんなが神崎に注目を集める中、神崎はカズキの方を見ていた。
「E組1位は…桜井和生!学年でも1位です!」
「「「おぉー!」」」
桜井和生
国語 100点 学年1位
「しかし…1位は2人、もう1人は浅野学秀です。A組もやりますねぇ」
「やっぱり浅野はとってくるよな」
「強すぎ、英語だって中村と一点差の2位だぜ?」
「流石全国1位、中間より難易度高かったのに全教科相変わらずスキがない」
「そうだねー五英傑なんて呼ばれてるけど、浅野くんを倒せないと学年トップは取れないよー」
「でもカズキさんもすごいじゃないですか!私の情報によれば…」
「律ー?それは秘密ね?」
「は、はい。すみません…」
「後で国語教えてあげるからね?」
「わかりましたっ!」
「「「(ん?なんだろ)」」」
クラス一同カズキと律の会話を不思議に思っていた。
「神崎さんも大躍進です学年2位ですよ」
「神崎さんもすごいね!」
「ありがとう渚くん」
「では続けて返しますね」
現在A組とは2:1でE組がリードしているが、まだ油断は出来ない。
「社会!E組1位は磯貝悠馬97点!!そして学年では…」
みんな心配そうだ…
「おめでとう!浅野君を抑えて学年1位!マニアックな問題が多かった社会でよくぞこれだけ取りましたね!」
「おめでとう悠馬!」
「カズキみたいに100点は取れてないけどな」ハハッ
「では次は理科です。E組1位は奥田愛美。そして学年でも1位です!素晴らしい!」
「これで3勝1分け!数学の結果を待たずしてE組の勝ち越し決定!!」
「やったっ!」
「仕事したな奥田!触手1本お前のものだ」
「ってことは賭けの報酬はいただきだな」
「楽しみだね〜」
それぞれが思い思いに喜んでいる。
「あれ?」
そこで渚は気づいた。カルマがいないことを
「数学の1位は浅野くんでした、そして総合1位も浅野くんです」
「やっぱり総合は無理か…」
みんなそう思っているようだ。
「惜しかったですねー、カズキ君」ニュヤリ
「殺せんせーどこで勝負がついたの?」
「やはり数学と英語の2点差でしょうか。社会では勝っていましたし」
「まだ足りないかー」
「「「えっ!?」」」
クラス全員が驚きを隠せない
「総合2位桜井和生、本当に惜しかったです」
「「「す、すげー!!!」」」
「刃って言うのは磨けば磨くほど鋭さをますものだよ?」
「「「(か、かっこいい)」」」
全員がそう思う中、カルマは校庭の外れの木陰にいた。
「流石にA組は強いカズキ君は大健闘でしたが結局はかてませんでした。」
「なにがいいたいの?」
「恥ずかしいですねぇ〜『余裕で勝つ俺カッコイイ』とか思ってたでしょ」
カルマは顔を真っ赤にしている。
「先生の触手を破壊する権利を得たのは中村さん磯貝君、カズキ君、奥田さんの4名。君は今回、暗殺においても、賭けにおいてもなんの戦力になれなかった。」
「…」
「わかりましたか?殺るべき時に殺るべき事を殺れない者は…この教室では存在感を失います、刃を研ぐのを怠ったものは暗殺者じゃない、ただのガキです」
そういって殺せんせーはカルマの頭を触手で撫で回す。
「チッ……」
そういってカルマは教室にもどっていった。
「よかったのか?」
「強者は敗北を知った時にこそ強くなります。だからいいのです。」
その後寺坂君たちの策でさらに4本の触手を破壊する権利を得た僕らは賭けで手に入れた報酬で暗殺をすると殺せんせーに誓った。