試験日当日
カズキと磯貝はいち早くテスト会場にやってきていた。
「カズキ…あれは誰だ?」
「わ、わかんない」
ふたりが戸惑っていると烏間がやってきた。
「律役だ、流石に人工知能の参加は許されなくてな。ネット授業で律が教えた替え玉を使うことでなんとか決着した。」
「そ、そうなんですか」
「交渉の時理事長に、『こいつも大変だな』という哀れみの目を向けられた俺の気持ちが君たちにわかるか」
2人はおもった。
いや、本当頭が下がりますっ!!
「俺からも律と合わせて伝えておこう頑張れよ」
「…はい!!」
そうして2人はテストに臨んだ。
椚ヶ丘中学のテストはモンスターだ
英語
「どいつもこいつもラストの問題でやられてるだろーなぁ、でも俺は違う1年LAにいたんだ今更日本の中学レベルの問題でつまずくかよぉ!………嘘だろ?倒れない!?」
瀬尾が躓いていると
「お堅いねぇ、力抜こうぜ優等生!」
「E組ごときが満点解答だと!?」
「多分読んでないっしよ?サイリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』」
「やった!」
中村に続き渚も解けたようだ。
「いやータコにすすめられてよんどいてよかったよ」
理科
「そぉ〜らっ!理科は暗記だ記憶野の閃光で敵の鎧を剥いでいく、だが頭の装甲だけが剥がせないちゃんと暗記したはずだが」
すると奥田がモンスターの方に乗って現れた。
「本当の理科は暗記だけじゃ楽しくないです。君が君である理由をわかってるよってちゃんと言葉にして伝えてあげたら、この理科とっても喜ぶんです!」
奥田は感じでいた。
理科にも届く国語力が必要って殺せんせーが言っていたのは本当だったと。
社会
「し、しくじったぁ…!?」
今回の問題はアフリカ開発会議の首相の会談の回数だった。
「ふー危なかった、一応覚えておいてよかったよ」
「磯貝キサマ…社会でこの俺を出し抜くとは…」
「たまたまだよ、俺んち結構な貧乏でさ。アフリカの貧困にちょっと共感して調べてたら現地に連れてかれて、さらに興味が広がっただけさ」
「…クククたった一問解けたくらいで調子に乗るなよ…何故なら」
国語
「思った以上にやるようだなE組顔だけでなく言葉もなかなか美しい!」
「神崎さんも頑張ってるんだね」
「桜井くん?なんで休んでるの?」
「休んでる?ちがうよ、ほら俺の周りを見てご覧」
「えっ?」
「なにっ!?」
カズキの周りにはモンスターの一体もいることはなく、桜吹雪が舞っていた。
「榊原くんもがんばってねー?」
「神崎さんならできるから大丈夫だよ」ニコッ
「うんっ!」
そう言うとカズキは桜吹雪の中にきえていった。
「だが、ただ一片の会心の回答ではテストの勝敗は決まらないっ!」
そう我々には総合力の怪物がいるのだから…
榊原はそう言い残しきえていった。
数学
「僕には全教科死角はない、クラス対決も頂上対決も圧勝で制し、E組には父を支配する駒になってもらう」
浅野の野望は恐ろしいものだしかし彼にはそれを実現しかねない実力がある。
「あーあ、みんな目の色変えちゃってまぁ…正しい勝ち方教えてあげるよ」
そういってカルマも戦場へ繰り出した。
2日間の攻防の末すべての戦いが幕を下ろした。