「はい、到着です」
「こ、ここが桜井の家?」
殺せんせーに連れられてきたのはいかにも富豪が住んでいそうな家だった。
「そうですねぇ、彼はここで一人暮らしをしています」
「一人暮らしなんだ…」
速水は思う、こんな広い場所でひとりだなんて寂しいに決まってるいると。
「では、先生突入しますっ!」
そういって殺せんせーは家に入っていく。
さっきまでの超スピードとはうって変わってゆっくりと
2人を運びこみカズキの部屋のベッドに寝かせた。
「ねぇ、先生」
「なんですか、速水さん」
「制服持ってきてよ、これじゃ流石にね」
「わ、わかりましたっ!マッハでとってきますっ!」
そう速水はプールの授業のままここに来たのだ。
制服などは全て教室にあり、今は学校指定の水着を着ているだけだった。
その水着もまだ濡れており、このままでは風邪をひくのは間違いないため殺せんせーに頼んだのだ。
数分後に殺せんせーが戻ってきた。
「速水さん、持ってきましたよ。では先生は戻りますので、カズキ君のことは任せましたよ」
「う、うん…」
殺せんせーはそう頼むとまた飛んでいってしまった。
「とりあえず着替えないと」
速水は多少力が抜けたカズキの腕から抜け出し制服に着替えた。
「床とかも濡れちゃってるし拭いておこうかな」
速水は床が濡れてしまっているのに気づきタオルで拭き取り始めた。
しかしもっと大きな濡れている存在に気づいていない。
「これで、いいかな」
全て終わらせた速水はカズキの部屋に戻った。
そこで重大なことに気がついてしまった。
「桜井の服…どうしよ…」
そうカズキはまだビショビショの制服を着ているの。
ましてや夏風邪で休んでいた彼である。
「で、でも脱がせるのは恥ずかしいし…」
そうかんがえていると。
ピンポーンとインターホンがなった。
速水は誰だろうと玄関まで行き扉を開けた。
そこには彼女もよく知るクラスの委員長がいた。
「磯貝がどうしてここに?」
「殺せんせーが俺のとこきてさ、ひとつだけ仕事を頼まれたんだ」
「そうなんだ。で、仕事って?」
「カズキの着替えだよ、流石に速水でも無理だろうって殺せんせーが言ってきたから」
「あ、ありがと…」
「クラスメイトのためだからさ」
その時速水はクラスメイトたちが彼をイケメンだと言う理由がわかった気がした。
「じゃあやってくるから速水はまっててくれ」
「うん」
そういって磯貝はカズキの部屋に入っていきしばらくすると戻ってきた。
「終わったから俺は戻るよ、後はよろしくな」
「わかった」
そういって磯貝も帰っていった。
これで正真正銘桜井と2人きりだ…
速水はそう思い、少し照れながらカズキの部屋に入っていった。
着替えたカズキの姿は黒を基調にライトグリーンのラインが入ったジャージという楽な格好で、磯貝の気遣いが感じられた。
「2人って仲いいもんね」
速水はカズキの寝ているベッドの傍に近くにあった椅子を置いて寝顔を眺めながら呟いた。
「桜井って風邪で休んでたのに水に飛び込んで助けてくれたんだよね…ありがとう」
そういってカズキの手を握って疲れのせいか眠ってしまった。
タイトル詐欺とはこのこと
看病とはなんだったのか
そして磯貝くんイケメンですね。
イチャイチャはまだ続きます