リリカルなのはVS夜都賀波岐   作:天狗道の射干

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時系列が割と分かりづらいかもしれない今話。
1と2が悪路襲来の翌日の出来事で、3と4が前回の続きです。


副題 空席だらけの学校。
   高町なのはの現状。
   ウルトラクロノくんタイム



第二十二話 不協和音 下

1.

 クロノとユーノの対立から、時間は僅か遡る。

 

 レジャー施設を襲った痛ましい事件の翌日。

 空席が目立つ真昼の学校で、少女達は難しい顔をしていた。

 

 漸くに授業が再開された聖祥大学附属小学校。

 ちらほらと目立つ空席は、先の被害と無関係とは言えないだろう。

 

 あの事件には、巻き込まれた者が多く居た。

 平日のレジャー施設には、休校状態となっていた聖祥の学生も多く居たのだ。

 

 今も尚、病室で過ごしているであろう学生達。

 一歩間違えれば、自分達もそうなっていたのだろう。

 

 金髪の少女、アリサ・バニングスはそう思考する。

 

 

(あれ、一体何だったっていうのよ)

 

 

 アリサは昨日の光景を、余りにも異常に満ちた光景を思い出す。

 見間違いを疑う程に、記憶の程に疑問を抱く程に、それは異質な景色であった。

 

 突如に吹き付けた強風は、強い臭気を放っていた。

 

 まるで生ゴミが腐った臭い。

 それを煮詰めた様な瘴気が、あの瞬間に吹き荒れた。

 

 目に見える程に濁った風。その向こう側に見える影。

 垣間見えたのは、漆黒の巨体。まるで鬼の様な、そんなナニカ。

 

 それが何かと認識する前に、アリサは足を引かれて転がった。

 足下に纏わり付いたのは、泥の様な暗い影。沼地に引き摺り込む魔女の腕。

 

 アリサと、そして同じく傍に居たすずか。

 二人の少女は底なし沼を思わせる影に飲まれて、気付けばまるで別の場所に居たのだ。

 

 レジャー施設で遊んでいた少女達は、水着姿のままに街中に居た。

 気付いて顔を羞恥に染めて、慌てて鮫島へと連絡を取ったアリサ。

 

 そんな彼女はその時に、確かに揶揄う様な笑みを聞いたのだ。

 

 

(ったく、あんな真似する奴は、一人しかいないでしょうが)

 

 

 余りにも異常な事態を、正しく認識させない為の悪戯。

 状況変化に混乱していた頭が落ち着けば、それは確かに己達への助力であったのだと気付いていた。

 

 そんな悪趣味をしながらも、自分達を助けてくれる様な人物を他に知らない。

 その時に聞いた笑い声を、確かにアリサは良く知っていたのだ。

 

 

「……アンナ」

 

 

 その名を呼ぶ。

 教室にある空席の一つ。其処に居た少女の名を呟いた。

 

 本当に、彼女がそうだと言う確証はない。

 実際、そんな事が出来るだなんて、思う事すらしなかった。

 

 それでも確かに、覚えていた。

 そして一つに気付けば、連鎖する様にまた一つを思い出す。

 

 

――今日のこれは悪い夢。寝て起きれば忘れてしまうわ

 

 

 あの泥の様な影に抱かれたのは、一度だけではなかったのだ。

 触れ合う事で確かに気付いて、何度も助けられていたのだと実感する。

 

 

(あの紅蓮の炎。燃え上がる屋敷と、嗤っている黒い影)

 

 

 全てを思い出した訳ではない。

 あの時の全てを、確かに理解した訳ではない。

 

 作りかけのパズルの様に、記憶は虫食いだらけとなっていた。

 

 それでも、あの炎に憧れた事を覚えている。

 それでも、あの影に友の優しさを感じていた。

 

 そして、あの桜色の少女の言葉を、確かに思い出していたのだ。

 

 

――私、魔法少女だから!

 

 

 そう語った、桜の光を纏う親友の姿。

 ならばあの黒い風と、沼地を思わせる影も魔法だろうか。

 

 今もある学校の空席、其処に居る筈の少女達。

 彼女らが関わる魔法とやらが、あの被害を生み出したと言うならば――

 

 

「全く、何が起きているっていうのよ、アンタ達に」

 

 

 自分に何が出来るのだろうか。

 アリサはそんな思考を続けている。

 

 高町なのは。アンナ・マリーア・シュヴェーゲリン。

 真実に程近い場所にいるであろう彼女らは、揃って学校を休んでいる。

 

 そんな彼女らに問い掛けたい。

 真実を知りたいと言う思いは、確かにあった。

 

 だが、それ以上に、感じているのは心配だ。

 その無事を案じながらに、何かがしたいと願っている。

 

 

「早く来なさいよ。馬鹿なのはに馬鹿アンナ」

 

 

 友を想って待つしか出来ない少女は、歯痒そうに呟いた。

 

 

 

 

 

 そして同じ教室で、同じ様に案じる少女が一人居る。

 

 

(なのはちゃん。アンナちゃん)

 

 

 同じ友を想うという立場に居て、より心配の色が濃いのが月村すずかであった。

 

 彼女はアリサよりも多くの事を思い出している。

 あの誘拐事件の際に、自らの親族が行った愚行を思い出したのだ。

 

 何と詫びれば良いだろうか、何と言葉を紡げば良いだろうか。

 己の嫌うこの血が、彼女らに多大な迷惑を掛けてしまっていた事を。

 

 そしてそんな自己嫌悪など混じる余地のない部分で、今起きている事件の途方もなさを何となくであるが理解していた。

 

 

(氷村叔父さんが起こした事件。あの日叔父さんを焼いた炎。……それが何か、関係しているの?)

 

 

 天をも焼き尽くさんとする炎。

 不死不滅を騙る吸血鬼の王が、一瞬で焼き尽された光景。

 

 あの日に自らを救った影が昨日に見た物と同一だと言うならば、腐毒の風はあの炎と似た様な物なのだろう。

 

 夜の一族として、間違いなく歴代最強となっていた氷村遊。

 それを敵ともしない強大な怪物が、友人達に関わっているのだ。

 

 そうと気付いてしまった時に、先ず抱いてしまったのが安堵であった。

 

 アンナと言う友達が、自分と同じ様な人外なのかも知れない。

 夜の一族なんて存在が、木っ端に過ぎないと言える怪物達が居る。

 

 自分と同類が居ると、自分よりも人間離れした怪物が居ると、その事実に安心感を抱いてしまっていたのだ。

 

 

(……駄目だよね。こんな考え。二人は大変な目にあってるかも知れないって言うのに……)

 

 

 そんな思考を抱いて、直ぐにそれを恥じと感じて思考を変える。

 友の無事を案じるのが先だろうと、そうしなくては友人として胸を張れないだろうと。

 

 

(アンナちゃんは、多分大丈夫。……きっと、私と同じ。ううん、私以上の存在だから)

 

 

 僅かに見た赤毛の少女は、人型をした人外だった。

 一目で分かる程にアンナと言う少女は、外れた姿を晒していた。

 

 ならばその身の安全は、自分達より遥かに盤石だ。

 

 

(なのはちゃんも、大丈夫って思いたい。……けど、ちょっと不安)

 

 

 魔法と言う力を持った少女。栗毛をした明るい親友。

 彼女もまた自分よりは力があるが、事件の渦中にあるならば不安が残る。

 

 あの風もあの炎もあの影も、人が触れて良い物には思えないのだ。

 

 

(それでも、アンナちゃんが助けてくれる、よね)

 

 

 あの影とアンナは、同じモノだと感じている。

 そんな彼女が助けてくれるなら、なのはは大丈夫だろうと思いたい。

 

 結んだ友情は、確かなのだ。

 紡いだ絆は確かな物で、決して砕けないのだと信じている。

 

 アンナが例え何を秘密にしていたとしても、友達だと言う事実は変わらない。

 

 秘密があれば、友になれないという道理はない。

 友ならば、全てを語らなければならないという理屈もない。

 

 月村すずかとて友を失うのが怖くて、その血族に関することを話せずに居たのだ。

 今だって、自分から率先してこの血のことを語ることなどは出来ないだろう。

 

 友達相手とは言え、否友達だからこそ、隠したい事があるのは当然なのだ。

 だからこそ隠していて、それでも自分達を助けてくれたのだから友情は確かと断言出来た。

 

 

(けど、どうしてかな。……嫌な予感が、拭えない)

 

 

 アンナはきっと助けてくれる。

 それは確実だと思うのに、何故だか悪い予感がした。

 

 もう二度と会えない様な、絆が崩れ去ってしまう様な、そんな悪い予感が拭えなかった。

 

 

「……また、皆で遊べるよね」

 

 

 確信はない。だから祈るのだ。

 どうかこの予感が的外れに終わって、また皆で仲良く遊べますように、と。

 

 

 

 

 

2.

 自室の窓越しに月を眺めながら、高町なのははぼんやりと過ごしていた。

 

 ベッドに座り込みながら、手足を覆う包帯を見て思う。

 その下の腐敗した傷痕はもう消えているけれど、その心に刻まれた地獄絵図は未だ消えていない。

 

 あの悲鳴が耳に残っている。

 あの狂騒が瞳に焼き付いている。

 

 あの大天魔の冷たく、それでいて煮え滾っていた赤き瞳が心に刻み込まれていた。

 

 それを思い出す度に、ぶるりと背筋が冷たく震えた。

 戦場の中での高揚が薄れれば、胸に到来するのは冷たく冷えた恐怖であった。

 

 

(天魔・悪路。……ただ其処に居るだけで、あれ程に怖かった)

 

 

 レジャー施設で起きた事件は、瞬く間に海鳴中に知られる事となった。

 

 第九十七管理外世界で、大天魔が初めて起こした大事変。

 ただ其処に居るだけで全てを腐らせると言う、恐るべき神威の顕現。

 

 その戦場痕を見た事で、高町家の者達は理解した。

 

 大天魔とは、神とは人が抗えるモノに非ず。

 災害をやり過ごすように、引き籠って耐える事こそが正答なのだと。

 

 

(天魔・宿儺、とは違う怖さ。……其処に居るだけで、世界全てを腐らせる存在なんて、どうすれば良いんだろう)

 

 

 逃げ出そうにも、どこへ行けば良いのか分からない。

 一息で惑星全てを消し去れるような怪物を前に、どこへ逃げろというのだろうか。

 

 戦おうにも、辛うじて戦力と言えるのはクロノとなのはのみ。

 魔導師でなければ生存すら覚束ない。叫喚地獄を統べる主の前に、弱者は立つ事すら出来ない。

 

 それを理解した高町家の面々は、引き籠って嵐が過ぎ去るのを待つ事にした。

 そんな選択に不満を抱きながらも、それでもなのは個人に出来る事は何もなかった。

 

 

(大天魔。恐怖を振り撒いて、周囲を地獄に変える存在)

 

 

 大天魔と言う存在を、なのははそう認識している。

 彼女にとって彼ら偽りの神々は、何時も大切なモノを奪って世を地獄に染める存在と言えた。

 

 

(フェイトちゃん。アルフさん。リンディさん。エイミィさんにアースラの皆。……沢山、沢山、奪っていった)

 

 

 両面の鬼。腐毒の王。

 彼らが奪った命は、余りに尊いモノだった。

 

 それを奪われた事に、抱く義憤の想いは確かにある。

 もう戻る事はない彼女達の存在に、嘆く想いは確かにある。

 

 それでも、動こうと思うと足が震えていた。

 

 

(怖い。怖いんだ)

 

 

 少女は恐れている。彼女が怖がっている。

 大天魔と言う怪物達に、確かな恐怖を抱いていた。

 

 天魔・宿儺に蹂躙されたあの日から、高町なのはは大天魔を恐れている。

 

 

(何も出来ないで、失う事。何も出来ないで、殺される事。それがどうしようもなく、怖いって感じてる)

 

 

 悪路の呪詛が彼らを襲った時、なのはが動くことは出来た。

 咄嗟に起こった出来事に、大切な人達を守らねばと行動出来たのだ。

 

 両面の鬼の時とは違う。

 確かに守る為に動けて、何も出来ない自分ではなかった。

 

 だがそれは所詮、咄嗟の反応。

 動かなければならないから動けただけ、だからそれが自信に繋がることはない。

 

 あの大天魔の瞳が怖い。

 その内に秘めた激情が恐ろしい。

 

 ああ、だが何よりも恐ろしいのは、彼の両面の鬼を思い出してしまうからだ。

 

 両面宿儺に蹂躙された記憶は未だ残っていて、そのトラウマが大天魔全てに対する恐怖へと繋がっている。

 そんなことを自覚しているなのはは恐怖に沈む心を抱きながら、それでも奮起する為に想いを向ける少年へと縋った。

 

 

「ユーノくん」

 

 

 あの日、咄嗟に動けたのは彼が居たからなのだろう。

 あの時、両面の鬼に立ち向かった彼が居たから、その身に危険が迫っていたから奮起出来たのであろう。

 

 月の様に優しい人が傍に居たから、あの恐ろしい大天魔に挑めたのだ。

 

 

 

 だが今は、そんな少年もここには居ない。

 

 

 

 全てを失ってしまったクロノが心配だから、なのはを治療した後でそう語ったユーノは、クロノを支えながら共に去って行った。

 

 その事を思い出すと、胸がチクリと痛む。

 

 クロノが大変な事を理解している。

 失われてしまった人々を、確かに偲んでいる。

 

 それでもなお、クロノに嫉妬している自分が居ることを自覚する。

 恐怖に震える自身を放って、彼が別の相手を優先したことに不満を抱えている自分が居る事を理解している。

 

 

「私、嫌な子だな」

 

 

 そんな自分を嫌悪する言葉を呟いて、なのはは膝を抱えていた。

 

 

 

 

 

3.

 静けさの中に、心電図の音が響く。

 それ以外には物音一つしない病室で、何をするでもなく盾の守護獣は立ち尽くしていた。

 

 その身は人としての姿。

 病院内で獣の姿を晒すことなど出来ぬが故に、浅黒き肌の成人男性としての姿を見せている。

 

 そんな彼は、生命維持装置繋がれ眠り続ける主を思って、唯拳を握り締める。

 

 

 

 院内は昼間だと言うのに人影がない。物音すらしていない。

 当然だろう。つい今朝方まで医師や看護師達は徹夜の作業を続けていたのだ。

 

 その疲労はピークに達し、一段落付いた今敢えて何かをしようとする者はいない。

 病室の殆どを治療が終わったばかりの患者が占めていて、そうでない者も状況を察して静かにしている。

 

 今働いているのは、緊急対応に直接関わっていなかった者達だ。

 その数とてさほど多くなければ、院内が静まり返る事も理解できる。

 

 そう考えて――

 

 

「待て、静か過ぎる?」

 

 

 ザフィーラは漸くに、その異常を理解した。

 病院は静かな場所であろうが、それでも静かに過ぎるのだ。

 

 緊急の作業が終わっても、通常の業務は残っている。

 一般外来こそ数を絞ってはいるが、それでも全面的に受け付けていない訳ではない。

 

 ならば全くの無音と言う現状は、余りにも違和が過ぎる。

 それに気付いた彼は視界を動かし、其処で初めてそれに気付いた。

 

 

「結界、だと!?」

 

 

 窓の外へ、青色の結界が張られている。

 そう気付いて、即座に動こうとしたその時に――

 

 

「ブレイズキャノン!」

 

 

 青き魔弾が病室を撃ち抜く。

 殺傷設定で放たれた魔弾が着弾すると共に、八神はやての病室は崩れ落ちていた。

 

 

 

 

 

 必死になって、少女の身体を抱き寄せる。

 必要な物と持てる物を即座に判断して、手に負えない物を切り捨てる。

 

 それが主にどのような悪影響を及ぼすかは分からないが、このままでは命を落としてしまう。

 

 ならば逡巡している暇はない。

 ザフィーラは衰弱した少女を抱きしめて、病院の廊下へと身を投げ出していた。

 

 

「っ!」

 

 

 勢いよく飛び出した体は急には止められず、壁にぶつかる結果となる。

 主を傷付けぬようにと庇った影響で背を強く打つこととなり、僅か咳き込みながらも痛みに呻く。

 

 それでも痛みを堪えて立ち上がり、病室に開いた穴から空を見上げた。

 

 

「躱したか」

 

 

 青く染まった空を背に、宙に浮かぶは黒衣の少年。

 両肩に棘の様な突起の付いた黒きバリアジャケットを纏ったのは、管理局の若き執務官。

 

 暗い表情を浮かべた彼。

 クロノ・ハラオウンが其処にいた。

 

 

「そうでなくては困る」

 

 

 一撃で終わってしまっては困る。

 アレが来ると確信できるまで、時間を稼がなくてはならない。

 

 故に加減をした執務官の姿に、ザフィーラは身構える。

 

 敵に結界の存在を気付かせぬ程に、類稀なる魔法の操作技術。

 そしてその容姿から、シャマルを完封した執務官であると理解する。

 

 守護騎士の個々に、それ程の実力差は存在しない。

 ならば相手は格上だと、そう理解しながらもザフィーラは身を退けない。

 

 

「何の心算だ。管理局!」

 

 

 抱き締める、主より感じる熱がある。

 その温かみを失くさぬ為にも、彼女を置いて逃げ出す事は選べない。

 

 連れて逃げ出そうとするには、相手に隙が無さ過ぎた。

 

 

「……」

 

 

 クロノは言葉を返す素振りも見せずに、杖をザフィーラが抱く少女に向ける。

 

 その異色の瞳が無言の内に語っている。

 狙うべき標的は、八神はやてに他ならない、と。

 

 

「問答無用か」

 

 

 その仕草に、ザフィーラは来るかと理解する。

 盾の異名を持つ自分なら、護り切ってみせると覚悟する。

 

 そして、クロノが僅かに動いた直後――

 

 

〈Break impulse〉

 

「ぐぅ、がぁっ!?」

 

 

 ザフィーラの二の腕部分が弾け飛び、グチャグチャに引き裂かれた右腕が宙を舞った。

 

 

 

 歪みによってザフィーラの背後を取ったクロノが放った魔法はブレイクインパルス。

 物体の固有振動数を解析し、それに合わせた魔力を送り込むことで物体を破壊するという魔法だ。

 

 固有振動数は人体にも存在している。

 それはこの魔法が対人にも有効であることを示しており、人型を模した守護騎士にも効果があることを示している。

 

 体内に直接破壊のエネルギーを叩き込まれれば防御の硬さなど何の意味もない。

 ザフィーラは内側から起きた魔力の爆発で、右腕を失ってしまったのだった。

 

 

「空間を、予備動作なしに転移する、だと」

 

 

 痛みを堪えながら、左手で主を抱きしめたまま背後へと跳躍する。

 この得体の知れない執務官の力を前に、少しでも距離を取ろうと行動して――

 

 

「万象、掌握」

 

 

 突然訪れる浮遊感の直後、彼は目の前に迫った青き魔力刃に気付いた。

 

 何が起きたのか、理解する時間すらない。

 一切の抵抗をする余地すらも、彼に残りはしないのだ。

 

 万象掌握。

 その力は格下を相手にした時、まさに鬼札と化す。

 

 力に抵抗する事が出来ないならば、そのまま何も出来ずに敗れ去るのだ。

 

 

「――っ! 申し訳ございません、主っ!」

 

 

 このままでは刃が主に当たる。

 そう気付いた彼は詫びながら主を手放して、残る左手を盾とした。

 

 その手で魔力刃を掴み取ろうとする。

 盾の守護獣の外皮ならば、それにさえ耐えられたであろう。

 

 其処に、クロノと言う男が居ないのであったなら。

 

 

「万象、掌握」

 

 

 己が防御力の高さ故に選択した行動は、当然の如くクロノに読まれている。

 眼前に迫っていた魔力光は消え失せて、変わりに居たのは黒衣の少年。

 

 クロノが突き出した杖の先端を、確かにザフィーラは左手で掴んでいた。

 

 

「しま――っ!?」

 

 

 その魔法の術式に気付いたザフィーラが、慌てて動きを変えようとする。

 だがもう遅いと、クロノは暗い笑みを浮かべたままにその力を行使した。

 

 

「砕けろ」

 

〈Break impulse〉

 

 

 音を立てて、左の掌が弾け飛ぶ。

 吹き飛ばされた指が宙を舞って、痛みが遅れてやってきた。

 

 

「がぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

 ザフィーラは耐えがたい痛みに悲鳴を上げて、故に致命的な隙を晒していた。

 

 

〈Struggle bind〉

 

 

 痛みによって生まれたその隙をクロノが逃がすはずもない。

 両腕を失くした盾の守護獣は、魔法の鎖によって拘束された。

 

 

 

「ぐっ! がぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

 苦悶の声が響く。

 それは盾の守護獣の口から迸る。

 

 ストラグルバインドとは強化魔法を強制解除する効果を持つ捕縛魔法。

 であると同時に全身を魔力で構成する魔法生物に対しては攻撃ともなる魔法である。

 

 副作用が多いためか、通常のバインドと比べて幾らか劣る代物ではある。

 だが魔法生物に対しては、継続的にダメージを与えるこれ程に優れた物はない。

 

 

「……ちっ、未だ来ない、か」

 

 

 拷問に掛ける様に、負荷を増加させながらに舌打ちする。

 格下である彼を敢えて嬲っているのは、全てはこの地に大天魔を呼び出す為。

 

 だと言うのに、両腕を奪って拷問に掛けても、彼らは姿を見せはしない。その事実に、ただただ苛立ちが募っていく。

 

 

「やはり、騎士の方では駄目か」

 

 

 その視線を、床に転がった少女へと向ける。

 傷付き昏倒し続ける少女は、哀れみを誘う姿であった。

 

 恐らくは、魔法とは無関係であろう少女。

 あの湖の騎士との対話から判断して、襲撃の指揮を執っていた訳でもない無実の少女。

 

 それを傷付けることは、守護騎士達を甚振ることとは訳が違う。

 

 彼ら犯罪者だ。如何なる理由であれ、他者を傷付けた者達だ。

 ならば誰かに傷付けられても、それは因果応報と言うべきであろう。

 

 だが、この少女にそれは当て嵌まらない。

 例え彼女が彼らの主であったのだとしても、この子自身に罪がないことは分かっている。

 

 

(それでも、僕は……)

 

 

 躊躇いはあった。躊躇わない理由がなかった。

 もしかしたら騎士の方だけでも追い詰めれば来るのではないかと、そう期待していたのは確かだ。

 

 だが、彼らは来なかった。

 未だ安全と踏んでいるのか、殺せないと高を括っているのか。

 

 だとすれば、それは判断ミスと言えるだろう。

 既にクロノ・ハラオウンは、もう止まれない程に追い詰められている。

 

 

「謝罪はしない。悪く思え。……僕は仇を討つ為に、君を終わらせる」

 

 

 その手にしたS2Uに魔力刃を灯す。

 僅かな逡巡を切り捨てると、その刃を八神はやてへと向けて振り下ろした。

 

 

 

 

 

 優しい少女が居た。

 温かな笑みで笑う少女が居たのだ。

 

 

「……さ、せ、ん」

 

 

 陽だまりの中で笑う彼女は、得体の知れない自分達すら受け入れてくれたのだ。

 優しく笑いながら、これからは家族だと語ってくれたのだ。

 

 そんな守るべき人の姿を思い出して、ザフィーラは立ち上がる。

 どれ程に傷付き苦しんだとしても、それが動かない理由になりはしない。

 

 

「させ、る、か」

 

 

 そんな優しい少女が、こうして苦しんでいることなど許せない。

 あの少女は陽だまりの中に、どうして優しい彼女がこんな目に合わなくてはいけないのだ。

 

 それこそが眠り続ける主を前に、ザフィーラが唯一つ描いた願い。

 それだけは譲れないと、盾の守護獣が確かに抱いた守護の誓い。

 

 彼女が書の主だからではない。己が書の騎士であるからではない。

 例え彼女が闇の書を捨てたとしても、例え己が守護騎士でなくなったとしても、この願いだけは変わらない。

 

 護りたいのだ。護らせて欲しい。護らなくてはいけないのだ。

 その為に必要ならば、その為に足りないと言うならば、それをこの場で手に入れる。

 

 

「させる、もの、か」

 

 

 ギシギシと鎖が軋む。

 魔法生物に対して特効の鎖は、確かに彼を縛っている。

 

 魔法生物である以上、この拘束から逃れることは出来ず、只々己が守るべき人が殺される瞬間を見るしか出来ない。

 

 ならばそう、魔法生物でなくなれば良い。

 今この瞬間に唯のプログラムという限界を超えて、ただのザフィーラとして生まれ落ちろ。

 

 

「させる、ものかぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

 咆哮と共に魂が輝きを放つ。

 その身を縛る鎖が引き裂かれる。

 

 ザフィーラはこの瞬間に嘗て己を超え、新たな力を獲得した。

 

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

 

 それは人の身でありながら、獣の力を発揮する能力。

 獣か人か、どちらかの姿にしかなれなかった彼が得た第三の姿。

 

 ザフィーラはその上半身だけを獣の如き姿に変じさせると、人間を丸呑みにしてしまうのではないかという程巨大な咢を開いてクロノに飛び掛かった。

 

 

 

 

 

 だが、どれ程に強く思おうとも、ザフィーラでは届かない。

 どれ程強靭な体を得ても、どれ程早く動けても、単純に存在の持つ位階が劣る限りクロノ・ハラオウンの歪みは防げないのだ。

 

 

「万象掌握」

 

 

 跳躍して飛び掛かったザフィーラは、その勢いのまま地面に追突させられる。

 そしてその背を踏み躙りながら、冷たい目をした少年は杖を少女に向けている。

 

 

「お、おのれぇぇぇぇっ!!」

 

 

 やらせない。やらせるものか、と。

 

 立ち上がり、抗おうとするザフィーラ。

 だが彼がどれ程に成長しようとも、万象掌握を打ち破る事は出来ない。

 

 幾度挑もうと、その度に地に叩き付けられる。

 如何に動こうと、距離を制するクロノには何一つとして対抗できていない。

 

 

「お前じゃ僕には勝てないよ」

 

 

 必死に立ち上がろうとするザフィーラの頭を踏み躙りながら、冷たい声音でそうクロノは告げる。

 

 

「無駄なんだ。諦めろ。……お前も僕と同じだ。結局誰も守れない」

 

 

 無為である。無意味である。

 想いだけでは届かないのだと、彼は誰よりも知っている。

 

 

「守護者の弱さは許されない。……それは護るべき人を、護れないと言う事を意味している」

 

 

 守護者足らんとするザフィーラには、決定的なまでに力が足りていない。

 主に侍り続ける男には、その身を守ることは許されず、唯時間を無為にすることしか出来ていない。

 

 そう教え込むかのように、何度も何度もクロノはその頭を踏み付ける。

 そんなに弱いのに護るべき人が残っている事実に、八つ当たりにも似た黒い感情を抱いたまま――

 

 

「無様に這い蹲って見ていろ。お前の護るべき主が、命を終える瞬間をな」

 

「貴様ぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

 煩く叫ぶ男を強く踏み付け、その口を無理矢理に閉ざす。

 そうして杖の先の刃を伸ばして、再び八神はやてへと向けた。

 

 

「さあ、出て来い大天魔。……さもないと、ここでこの子は死ぬぞ?」

 

 

 躊躇いは未だあるが、それでももう止まれない。

 

 このままでは、ここで八神はやては死ぬだろう。

 それだけは、覆しようのない確かな事実であったのだ。

 

 踏み付けられたザフィーラは、叫びを上げる事すら出来ない。

 伸ばされた青き刃は振り下ろされて、真っ赤な鮮血が飛び散っていた。

 

 

 

 

 

「なっ!?」

 

 

 その驚愕の声は、誰の物であったのか。

 

 敗れ去ってなお、抗い続けていたザフィーラか。

 予想外にも程がある事態に、思考が追い付いていないクロノであるか。

 

 或いはその両方か。

 

 

「何、してんだよ、お前!」

 

 

 魔力の刃を押し止めた右手からは、少なくない量の血液が流れ落ちている。

 魔力刃による被害を押し留められずに、その掌深くにまで刃が喰い込んでいた。

 

 それは単純に、実力の差。

 クロノの魔力刃に込められた力に、咄嗟に張った防御魔法では耐えられなかったが為に付いた傷。

 

 だがそれは、彼の命に届く程ではなく。

 ましてや、八神はやての命を奪うことにも届いていない。

 

 確かに彼は、少女の命を救っていた。

 

 

「……お前、どうして?」

 

 

 何故お前が庇うのかと、疑問を口にするクロノ。

 そんな彼を前にして、金髪の少年は怒りの情を叫んだ。

 

 

「何しているのかって聞いてんだよ! クロノォッ!!」

 

 

 その少年、ユーノ・スクライアは八神はやての前に立つ。

 

 

 

 彼が護る心算なのは、その倒れた少女だけではない。

 道に迷い続けているこの友人が、踏み外してしまわない様にと此処に居た。

 

 

 

 

 

4.

 ユーノはクロノが飛び出してから僅か遅れて、彼の後を追っていた。

 目的地も分からず、姿も見えず、結界が展開された事で漸く場所を見つけて追い付いたのだ。

 

 仮にザフィーラが後少しでも早く諦めていたら、ユーノが間に合うことはなかっただろう。

 彼の戦いは敗北という形に終わったが、決して無価値ではなかったのだ。

 

 

「ザフィーラ! その子を!!」

 

「っ!? 済まぬ、恩に着る!」

 

 

 驚愕が冷めやらぬ隙にユーノは指示を出し、ザフィーラは礼を口にすると八神はやての体を咥えて弾かれるように飛び出した。

 

 

「ちぃっ! 待て!!」

 

「させない!!」

 

 

 正気を取り戻し彼らを捕えようとするクロノに対し、ユーノは一つの魔法を行使する。

 それは嘗て、二度に渡ってクロノに敗れたユーノが、抵抗すら出来なかった彼がクロノに抗する為に編み出した魔法。

 

 魔法陣から溢れ出した煙が、その場の全員を包み込んだ。

 

 

「これは、煙幕? 否、それだけじゃない」

 

 

 クロノは己の身体を襲う違和感に気付く。

 この魔法には、精密機械に悪影響を及ぼす効果が含まれていたのだ。

 

 

「電波障害機能か? 面倒な!」

 

 

 クロノの体は半分以上が機械仕掛けだ。

 故に機械に対する障害に弱いという一面を持つ。

 

 とは言えスカリエッティ製の戦闘機人。

 そう簡単に特殊な電波如きで乱される訳がない。

 

 故にユーノは魔法の影響を、一ヶ所に絞ることで介入を可能としたのだ。

 

 それは目。クロノの持つ両の義眼である。

 その熱源感知と魔力感知。そして直接視力を封じる為だけの魔法がこれなのだ。

 

 

 

 煙幕が晴れた時、そこにザフィーラとはやての姿はない。

 してやられたという事実を前に、クロノ・ハラオウンは怒りを込めてユーノを見やる。

 

 

「ユーノ、お前ぇぇぇぇぇっ!!」

 

 

 後一歩で天魔が現れたと言うのに、後僅かで仇に辿り着いたというのに、直前でそれを外された少年は怒り狂って――

 

 

「ざっけんなぁっ!!」

 

「がっ!」

 

 

 それ以上に怒りを抱いたユーノの拳が、彼の顔面を撃ち抜いていた。

 

 

「ふざけんなよ、お前! あんな子を殺そうとして! どんな理由があろうと、そんなのやって良いことじゃないだろ!!」

 

 

 殴り飛ばした拳に、痛みを感じながらに怒る。

 それだけはやってはいけないだろうと、ユーノは確かに怒っている。

 

 彼のその力は、鍛え上げた拳は、その為の物ではなかっただろう、と。

 

 

「っ! 奴らに届かせる為だ! 母さんの、エイミィの仇を取る為だ!! その為なら、僕は何だって!!」

 

「それが間違っているって言ってるんだよ! 僕はぁっ!!」

 

 

 ユーノが再び振るった拳を、クロノは今度は片手で受け止める。

 互いに激情を抱きながら、額を突き合わせるような近さで罵倒し合う。

 

 

「お前に、そんな事を言われる筋合いはない!!」

 

「それでっ! あの人達を理由にして、その死すら愚弄すんのかよ、お前!!」

 

「っ!? お前に、お前に何が分かる!!」

 

 

 失った人への想い。護れなかった人への感情。

 それが侮辱なのだと断じられて、それを看過できるはずがない。

 

 愛していたのだ。大切だったのだ。

 失ったそれらを、未だ何よりも大事だと思っている。

 

 だから――

 

 

「何も知らないお前がぁっ!!」

 

「知らないさ! 分からないさ! お前の気持ちなんて!!」

 

 

 激情と共に吐き出された言葉を、ユーノは真っ向から否定する。

 

 

「恋人なんて出来たことないし、母親なんて最初から知らない! 分かる訳ないだろ! 分からないんだよ! 言ってくれないと!!」

 

 

 クロノの想いは彼だけの物で、何も語らないのに共感など出来る筈がない。

 追い詰められて勝手に動き出す前に、どうして言ってくれなかったのかと怒っている。

 

 

「話せよ! 伝えてくれよ! 手伝わせろよ! クロノ・ハラオウン!! それすら出来ない程、僕らは! 僕は頼りないか!!」

 

 

 一人でなら出来ない事でも、二人なら出来るようになる。

 多くの人達が手を繋ぎ合えば、きっと星々すらも掴める筈だ。

 

 そう語ったのは、他ならぬクロノ・ハラオウンだ。

 その言葉に感動して、確かに胸に残したのはユーノ・スクライアだ。

 

 だからこそ、どこまでも胸に響く言葉を残した彼だからこそ、こうして無様を晒している姿がユーノには許せない。

 一緒に動けば、もっと別の手段だって見つけられただろうに、こんなどうしようもない選択をしたクロノ・ハラオウンが唯々許せなかった。

 

 

「歪みすら持たないお前に、一体何が出来るんだよ!!」

 

 

 それに返されるのは偽りのない本音。

 大天魔との戦いでは足手纏いにしかなれないユーノが、そんな言葉を口にする事が気に食わない。

 

 

 

 管理局からの支援は打ち切られた。

 上層部は高町なのはを無理矢理にでも攫った後で、地球を見捨てろと命令を下した。

 

 納得できない。受け入れられない。

 そんな方法も行動も、どうして認められようか。

 

 管理局上層部は頼れない。

 だが、だからと言って、頼れる人が他にいない。

 

 高町なのはには戦士としての意思が足りず、ユーノ・スクライアには力が足りていない。

 一人しかいないのだ。一人でやるしかなかったのだ。誰も頼れないからこそ、彼はこの選択をしたのだ。

 

 

「頼りになんないんだよ、お前じゃ! 役に立てない奴が、偉そうに理想論を口にするな!!」

 

 

 クロノは怒りと共に拳を振るい、ユーノは殴り飛ばされる。

 

 彼だって本意ではない。だが、これしかなかった。

 それを否定する資格は、弱者であるユーノにはないのだ。

 

 

「……良いよ。分かり易いじゃないか、クロノ」

 

 

 口の端から零れ落ちた血を吐き捨てると、ユーノは悪童の如き笑みを浮かべて口にする。

 

 そう。弱いユーノには、否定する資格がない。

 役に立てないから、口を挟むだけの資格がないと断じるならば――

 

 

「教えてやるよ。クロノ・ハラオウン。……僕は確かに弱いかもしれないけど、お前もそう大差ないってことを!」

 

 

 示せば良い。大天魔と戦えないユーノでも、役に立てると教えれば良い。

 この視野狭窄した大馬鹿野郎を殴り飛ばして、頼って良いのだと伝えるのだ。

 

 

「何!?」

 

「はっ、察しが悪いな! お前のその鼻っ柱、歪みごと纏めてぶっ飛ばしてやるって言ってるんだよっ!!」

 

 

 力が足りていないのは、皆同じなのだ。

 足手纏いは皆同じなのだ。それをお前を倒す事でここに示してやる。

 

 そうユーノ・スクライアは宣言する。

 

 

「はっ、……思い上がったな」

 

 

 その言葉は、己が歪みに誇りを持つ彼には見過ごせない。許容できない。認められない。だから。

 

 

「叩き潰してやるよっ! ユーノッ!!」

 

 

 だから教えてやろう。

 歪み者と唯人の間にある絶対的な力の差を。

 

 理想に満ちて現実を見ていない。

 気に入らない男に無知蒙昧な発言など、もう二度とさせない為に。

 

 クロノはユーノから売られた喧嘩を真っ向から買い取った。

 

 

 

 

 

 さあ、下らない喧嘩を始めよう。

 

 

 

 

 

 




現状説明。
・高町なのは
 家族からストップが掛かり引き籠り状態。一回休み。
 それでも心が折れている訳ではないので、ユーノくんとかが声を掛ければ抜け出してくる模様。戦闘は可能。


・アリすず
 アンナちゃんを切っ掛けに色々思い出した。なのはが来ないことに業を煮やしているので、その内突撃家庭訪問するかも。戦闘は不能。


・守護騎士勢
 ザッフィーが両腕欠損。ヴィータが疲労困憊。はやてが意識不明。シャマルは無事だが他二人と違って覚醒イベントがまだなので実力不足。
 螢との合流も出来てないので実際ヤバい。


・ユークロ
 ガチバトル勃発。お前ら何してんの?(白目)


・天魔側
 アンナちゃんが割と焦っていたようです。


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