また暫く更新でき無さそうなのでとりあえず、これだけでも。
こんなことがあり得るのだろうか。
世界とはどうやら随分と簡単に出来ているらしい。
こみ上げる笑みを噛み殺しながら俺はキーボードを打つ。
その手は軽かった。
13 鳳凰院凶真 [sage] 2010/8/22 23:00:44 ID:h7PtwVat0
>>12 サンクス。そうだなとりあえず、見つけた方法というのは、m
しまった。
途中で送信してしまった。
これは恥ずかしい。まぁいいかと、考えながら俺は更新ボタンを押す。
そして、驚愕の光景を目にした。
14 栗御飯とカメハメ波 [sage] 20108/22 23:00:45 ID:+T8+Ac:t0
>>1 最初に言っておくが、中性子理論、ブラックホール理論、光速理論、
タキオン理論、ワームホール理論、エキゾチック理論、宇宙ひも理論、量子重力理論、セシウムレーザー理論、素粒子リングレーザー理論、ディラック反粒子理論は論破出来るがww
「論破厨かよ…」
俺はその光景を見て辟易する。
確かにこれと似たようなやり取りを初めて会った時にした記憶がある。
あの時の勝ち誇った笑みを俺は思い出していた。
しかし、同時にこの物言いこそが牧瀬紅莉栖だと言うことを如実に語っている。
俺はあの笑みを思い出しながら思わず綻びかけた口元を右手で押える。
15 鳳凰院凶真 [sage] 2010/8/22 23:02:24 ID:h7PtwVat0
>>14 論破厨乙だな。しかし、俺が発見した理論はそんなものではない。
言うなれば第十二番目の理論、タイムリープ理論だ。
17 栗御飯とカメハメ波 [sage] 20108/22 23:05:45 ID:+T8+Ac:t0
>>15 妄想乙。はい。釣り確定。解散解散。
「こいつ性質が悪いな…」
これがファーストコンタクトだったのならば俺の紅莉栖に対する印象は地に落ちていただろう。
ま。今更何をやられた所でどうという訳ではないのだが。
「さてと…ここからどうするか」
正直紅莉栖を釣る為に@ちゃんにスレを立てたのはいいが、ここでタイムリープについて話すのも気が引ける。
SERNがエシュロンで捕獲する可能性もゼロではないのだ。
また、まとめサイトでまとめられて多くの人間の目に触れるのだけは避けたい。
俺はしばしの逡巡の後、一つのURLを張り付けてエンターキーを押した。
22 鳳凰院凶真 [sage] 2010/8/22 23:10:24 ID:h7PtwVat0
栗御飯とカメハメ波とやら、俺の理論を聞きたければ、このURLを押してくれ。
パスワードはそうだな…貴様の本名とでもしようか。
まぁ、怖気づくのであれば止めはしないがww
https://www―――
正直賭けだった。
こんなみるからに危ないURLを押す輩がいるだろうか。
縦しんばいたとしてもそれが紅莉栖だと言う確証はない。
しかし、本名をパスワードにしている為、紅莉栖以外開けることが出来ないので俺に
デメリットはないのだが。
ちなみにURLの中身は俺のskypeIDとアドレスを書いたテキストファイルに鍵を付けたものだ。
恐らくその鍵を解いた紅莉栖ならば確実にコンタクトを取ってくるに違いない。
「いや、こんなもの賭けじゃないな」
あいつは研究者なのだ。
前の世界線でも俺の言った言葉一つでラボに来たほどの筋金入りの。
ポーンと場違いに明るい音が部屋に響く。
音源はパソコンだった。
skypeが新規メッセージが到着したことを知らせるランプが点灯している。
フェイリスを確認するがオフラインだ。
少し心臓の鼓動が早くなるのを感じながら俺はそのアイコンを押す。
K.Makise:あなた誰?
来た。
やはり科学者だった。どの世界線を経ても変わらない事実だった。
k.hououin:俺は狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真だ。
久しぶり―と言っても貴様の記憶にはないだろうがな。
ここまで来たことを褒めてやろう。
俺が提唱した第十二理論タイムリープ理論とは、体ではなく記憶を飛ばすというものなのだ。
K.Makise:試みとしては面白い発想ね。
でも理論というからにはちゃんと方法論が確立されているのよね?
k.hououin:面白いことを言うな。お前もこの俺と共に作成に携わったと言うのに。
貴様は脳科学専門だろう。
貴様の言葉を借りるならば、脳の海馬に蓄積されている人間の記憶は一種の電気的なデータ。
・その容量は3.24Tbyte
・そのデータを読み取って、32byteまで圧縮すれば、添付して時間を移動することができる
・過去でそのメールを受信した携帯を頭のそばで開くと、勝手にデータが展開しその電気信号が脳の記憶を上書きする
・記憶の過去への転送が完了
と言う訳だ。ぬるぽ
K.Makise:ガッ。私にはあなたのような知り合いはいないのだけれど、
確かにここに書いてあることは私の研究分野だわ。
だけど、3.24テラを32バイトまで圧縮するなんて非科学的。
空想科学読本にでも投稿すれば?
k.hououin:そこはSERNを使えば問題なかろう。
K.Makise:…あなたがただのほら吹きじゃないことは分かったわ。それで何者なの?
どうして私が牧瀬紅莉栖ということを知っているの?
その言葉に俺のキーボードを打つ手が止まった。
なんで?
理由を考えてみても、もっともらしい答えが出てこない。
まぁ、嘘を吐く気にもなれないのだが。
k.hououin:お前は未来から来た人間を信じるか?
K.Makise:妄想乙。仮にいたとしてもそれが偶然私に話しかけてくる可能性なんて皆無。
k.hououin:それでは、平行世界から来たというのは?
K.Makise:あら、随分と夢のあることを言うのね。
科学者としては可能性を否定出来ないけど、肯定する気もないわね。
k.hououin:そうか…。それが普通だ。
だがしかし、俺は平行世界から来た鳳凰院…いや、岡部倫太郎と言う者だ。
ここでは世界線と呼ばせて貰うが、別の世界線で俺達は知り合いだったのだ。
別に何かしようという気はない。ただ写真を見て無事を確認したらいても経ってもいられなくなったのだ。
インターネットは便利だ。
俺は久々にそれを切に思った。面と向かっては言えない言葉も無機質な言葉が代弁してくれるのだから。
恐らく向こうの印象としては、意味の分からない、頭のおかしい人が絡んできた程度なのだろう。
それでもよかった。
しかし、その反応は俺の予想を裏切るものだった。
K.Makise:岡部さん…だっけ?今度日本に行く時話を聞いてみたいものね。
k.hououin:日本に来る機会があるのか。青森の父親の元に行くのか?それとも秋葉原で講演を行うためにか?
K.Makise:今の言葉で確信したわ。あなたは私を知っている。私の知らない私を知っているということを。
wikiにもネットにも落ちてない情報だものそれ…。
あながちタイムリープ理論も眉唾じゃない気がしてきたわ。
ま。近い内に日本に行くことになりそうだから連絡することにするわ。さよなら。
そう言い残して紅莉栖との短いチャットは終了した。
日本に来るらしい。
以前の世界線では太刀打ち出来なかったが今回は少しは話についていけそうだ。
会った際にドクペでも差し入れしてやろうか。
そんなことを考えていた。