蒼海のRequiem   作:ファルクラム

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第93話「巨龍襲来」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「戦艦『長門』、空母『蒼龍』『天城』『龍鳳』、重巡洋館『足柄』『筑摩』、軽巡洋艦『仁淀』、駆逐艦3隻喪失。戦艦『武蔵』、巡洋戦艦『姫神』、重巡洋艦『熊野』損傷、か」

 

 報告書を読んだ小沢は、沈痛な面持ちで書類を机の上に投げ出した。

 

 今日1日の戦闘で、連合艦隊が被った損害である。

 

 長年、国民の象徴として君臨してきた「長門」に加え、歴戦の「蒼龍」を含む空母が3隻。

 

 戦力が大幅に減少している帝国海軍にとって、痛すぎる戦力喪失である。

 

 更に、最重要戦力である「武蔵」の落伍は痛かった。

 

 今日1日の戦闘だけで、「武蔵」は実に、魚雷8本、爆弾12発の命中を受けたのだ。

 

 これにより「武蔵」は、ボイラーの浸水によってエンジンが一部停止し、3軸運転を余儀なくされ、最高速力は16ノットにまで低下していた。

 

 しかし第2艦隊司令官の宇垣は「武蔵」を反転させる意志は無いらしく、駆逐艦「朝霜」に「武蔵」の護衛を命じ、そのまま後続して進撃するように命じた。

 

 本来なら最強戦艦とは言え、ここまでの損傷を負った艦に進撃を命じることは無い。捲土重来を期して帰還を命じるのがこれまでのあり方だった。

 

 しかし、この戦いは決戦である。

 

 帝国には最早後が無く、この戦いに敗れる事は即ち亡国への一里塚となる。

 

 ならば、命を惜しんで帰還を命じる事はできない。全てを投げ打ってでも、敵を粉砕する以外に道は残されていないのだ。

 

 何より武蔵以下、乗組員全員が帰還を望んでいないと言う。

 

 ならば躊躇う理由は、どこにもありはしなかった。

 

「しかし長官。第2、第7両艦隊からは、明日の朝、払暁と同時に決戦に突入すると報告が来ておりますが、そうなると敵は再び大規模な空襲を仕掛けて来る事になります。ここはやはり、今夜の内に決戦に入るように指示を出すべきではないでしょうか?」

「うむ・・・・・・・・・・・・」

 

 参謀の言葉に、小沢は頷きを返す。

 

 確かに、彰人の策では夜戦では無く、昼戦で決着をつける事になっている。

 

 これは即ち、帝国海軍の得意戦術である夜戦の選択肢をはじめから捨てる事になる訳だが。

 

「夜戦は所詮、状況次第の博打だ。それに、敵に優秀な電探がある以上、必ずしも成功するとは限らない」

 

 ソロモン以来、敵のレーダーがしばしば帝国軍に痛撃を与えているのは事実である。

 

 そうなると、賭けに等しい夜戦は危険を伴う事は間違いない。

 

 その点、昼戦ならこちらも見張り員を用いた光学照準が可能となる。条件は五分に持ち込む事ができる筈だった。

 

「しかし、昼戦では敵の物量に圧倒される事になりかねません」

 

 参謀の言う事も事実である。

 

 敵の戦力が強大なのは、今さら言うまでも無い事である。加えて、こちらは恃みの「武蔵」を欠いている。不利は否めないだろう。

 

 ならば、少数でも大戦果を期待できる夜戦に賭けたくなるのも判る。

 

「信じよう」

 

 小沢は静かに言った。

 

「我が軍の精鋭達を、戦場に赴く少女達と、そして共にある提督たちを」

 

 

 

 

 

 その頃、

 

 連合艦隊旗艦「瑞鶴」の医務室において、ベッドに寝かされた1人の少女が苦しげな呼吸を繰り返していた。

 

 蒼龍である。

 

 合衆国軍の集中攻撃を受けた「蒼龍」。

 

 魚雷と爆弾を複数受け、「蒼龍」の艦体は激しく炎上した後、黄昏を迎える前に海面下へと沈んで行った。

 

 蒼龍は、沈む艦体から救出され、こうして「瑞鶴」に収容されたのだった。

 

 そんな蒼龍の傍らには、彼女の手を握りしめたままうなだれている直哉の姿があった。

 

「ごめん・・・・・・ごめん、蒼龍」

 

 嗚咽と共に零れる、謝罪の言葉。

 

 それに対し、

 

「もう、良いんです。直哉さん」

 

 か細い声が、ベッドの上の少女から発せられた。

 

「だから、顔を上げてください。もっとよく、貴方の顔を見せて・・・・・・・・・・・・」

 

 促されるままに、顔を上げる直哉。

 

 そこには、ベッドの上で笑顔を浮かべる蒼龍の姿があった。

 

「あの状況じゃ、仕方ないです。それよりも、直哉さんが無事で本当に良かった」

「けど蒼龍、僕は君をッ」

 

 守れなかった。

 

 あんなに約束したのに。

 

 絶対守るって誓ったのに。

 

 涙にくれる直哉。

 

 対して、蒼龍は笑って首を振る。

 

「直哉さんのせいじゃ、ないですよ」

 

 あの時、直哉の烈風改は度重なる戦闘で弾切れを起こしていた。

 

 その状態ではいかなエースと言えど、如何ともしがたかった。

 

「でもッ ・・・・・・でもッ!!」

 

 言い募ろうとする直哉。

 

 だが、

 

 その前に、蒼龍が腕を伸ばし、直哉の頭を自分の胸に抱き寄せた。

 

「大丈夫・・・・・・大丈夫ですから」

 

 優しく告げられる、蒼龍の言葉。

 

 その言葉に、

 

 直哉はただ、涙を流す事しかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 開けて翌日。

 

 多くの犠牲を出しながらも、連合艦隊はマリアナ諸島の北方海域まで進出する事に成功していた。

 

 対抗するように、マリアナ近海に布陣していたレスター・ニミッツ率いる合衆国艦隊も北上を開始。帝国艦隊のマリアナ攻撃を阻止すべく動き出していた。

 

 ニミッツは昨日の戦闘で活躍した「ユナイテッド・ステーツ」以下、空母機動部隊を後方に下げ、自らは戦艦を中心にした水上艦艇を率いて迎え撃つつもりだった。

 

 戦艦で帝国軍の進撃を食い止め、空母が上空掩護と敵艦隊への攻撃を行う手はずになっていた。

 

「昨日の戦闘で、敵は多くの戦力を失っている」

 

 旗艦艦橋において、ニミッツはマイクを取って演説している。

 

「しかしだからこそ、敵が窮鼠と化して我々に牙を剥く可能性は大いにあり得る。勝利は既に、我々の手の届く所まで来ている。しかしだからこそ、より慎重に、そして確実な勝利を目指して戦ってほしい」

 

 ニミッツは自らが戦艦5隻を中心とした第1部隊を率い、戦艦「ワシントン」を中心とした艦隊は、アンリ・ステイネス少将が率いている。

 

 ニミッツが戦闘の主力を務める一方、アンリは小規模艦隊ゆえの小回りを活かし、遊撃戦を仕掛ける手筈だった。

 

「昨日の戦いで、敵の戦艦3隻に大きな損害を与えたのは間違いないのだな?」

「はい。その内、ナガトタイプは撃沈確実、ヤマトタイプは脱落には追い込みましたが、撃沈まで行けたかどうか、残るヒメカミタイプは、変わらず進撃を続けている事が確認されています」

 

 幕僚の報告を受け、ニミッツは素早く計算する。

 

 となると、敵が使える戦艦は7~8隻程度と言う事になる。数字の上では合衆国軍の戦艦部隊を上回っているが、しかしコンゴウタイプ、イセタイプの2クラスは36センチ砲装備であり、さほどの脅威とはなりえないだろう。

 

 対してこちらは・・・・・・・・・・・・

 

「いけるな」

 

 ニミッツは低い声で呟く。

 

 今度こそ、帝国海軍に完膚なきまでにトドメを差す事ができる筈だった。

 

 その時だった。

 

「レーダーに感有りッ 北方より急速に接近する艦隊があります!!」

 

 レーダーマンの報告に、ニミッツは眦を上げる。

 

 彼等はついに、来たのだ。

 

「さあ、行こう」

 

 ニミッツは静かに言い放った。

 

「終わらせる為に」

 

 

 

 

 

 殆どの艦が傷を負い、昨日の戦いの凄まじさを物語っていた。

 

 正に這うようにして、この決戦の海へとたどり着いたのだ。

 

 だが、

 

 誰もが闘志を漲らせ、激突の瞬間を今や遅しと待ちわびていた。

 

 宇垣護率いる第2艦隊。

 

 そして水上彰人率いる第7艦隊。

 

 帝国海軍が誇る2つの水上砲戦部隊が、今まさに決戦の海面に躍り出ようとしていた。

 

 戦闘正面には宇垣の第2艦隊が控えている。

 

 昨日の空襲で「長門」を失い、「武蔵」も脱落した第2艦隊は「大和」「信濃」「金剛」「比叡」を主力とした単縦陣を敷き、更に重巡部隊、第2水雷戦隊がそれぞれ、同様に単縦陣で航行している。

 

 「北上」「大井」の重雷装艦2隻は、戦艦部隊の後方に配置し、機を見て突入する構えだった。

 

 第2艦隊よりやや西寄りの海面には第7艦隊が航行し、突入タイミングを計っている。こちらは戦闘開始されると同時に突撃し、敵の側背を突いて第2艦隊を掩護する予定だった。

 

 その第2艦隊の指揮を執る宇垣の視界では、既に接近を図る合衆国艦隊の姿が映し出されていた。

 

「・・・・・・戦艦は5隻、どれも新型か」

 

 唸るように呟く宇垣。

 

 レイテではあれだけの量の戦艦を撃沈したにもかかわらず、敵は既に新たな戦艦部隊を形成できるだけの戦力を整えていたのだ。

 

 対して、こちらの戦艦は4隻。7艦隊の姫神型を合わせても6隻のみだ。

 

 せめて「武蔵」がこの場にいてくれたら、と思うが、この状況では仕方がない。

 

 視線を合わせる、宇垣と大和。

 

 苦しい戦いが予想される中、2人の顔にも緊張の色が伺える。

 

 だが、こちらには46センチ砲を装備した「大和」と「信濃」がいる。

 

 それに時間を掛ければ「武蔵」が合流してくることも期待できる。

 

 不利な要素ばかりではないはずだった。

 

「合戦準備。昼戦に備え!!」

 

 宇垣の命令に従い、戦闘準備を整える帝国海軍。

 

 戦艦群は主砲を旋回させ、水雷戦隊は魚雷を発射管に装填し、速力を上げる。

 

「敵艦隊、面舵に変進!!」

 

 見張り員の報告通り、敵艦隊が右、宇垣たちの視界から見れば左の方向へ転舵しようとしている。

 

 このままで行けば、T字を描いてこちらが頭を押さえられる事になりかねない。

 

 故に、宇垣はその不利な状況を覆すべく動く。

 

「取り舵一杯ッ 同航戦に入る!!」

 

 敵にT字を描かせないためには、こちらも取り舵に斬って同航戦を挑むしかない。

 

 勿論、逆に面舵に切って敵艦隊の背後をすり抜ける、と言う手段もあるのだが、双方の速力さがそれほどないうえに、万が一背後から追いつかれた場合、手も足も出ないまま全滅する恐れもある。

 

 確実に戦って確実に勝つ。

 

 それが宇垣の作戦案だった。

 

 徐々に近づく両軍。

 

 ジリジリと、主砲の決戦距離に入って行く。

 

 「大和」が、「信濃」が、「金剛」が、「比叡」が、それぞれに主砲を振り翳す中、

 

 宇垣の眼が鋭く光った。

 

「撃ち方始め!!」

 

 言い放つと同時に、

 

 「大和」の3基の主砲が、一斉に火を噴いた。

 

 放たれる砲弾。

 

 交互撃ち方から開始した為、3発ずつの砲撃となる。

 

 後続する3隻もまた、主砲を一斉に放つ。

 

 唸りを上げて飛翔する砲弾。

 

 それと同時に、合衆国軍の砲門が開かれる。

 

 飛来する砲弾。

 

 次の瞬間、

 

 着弾の衝撃が巨大な水柱となって襲い来る。

 

 その凄まじい瀑布が、奔流となって掴み掛ってきた。

 

「グッ!?」

 

 思わず、立っていられなくなるほどの衝撃に、宇垣は思わず言葉を詰まらせる。

 

 傍らでは、大和が思わずその場に転倒してしまっていた。

 

「な、何だこれは!?」

 

 大和を助け起こしてやりながら、宇垣は驚愕の叫びを発する。

 

 敵の新鋭戦艦は初期のノースカロライナ級以降、40センチ砲を装備した戦艦を建造してきた。

 

 最新鋭のアイオワ級は長砲身砲を採用したものの、やはり口径は40センチだった。

 

 だから、誰もが思っていたのだ。

 

 今相手にしている敵戦艦も、40センチ砲装備に違いない、と。

 

 だが、

 

「違うッ」

 

 宇垣は思わず叫んだ。

 

「気を付けろッ 敵の主砲は40センチじゃないぞ!!」

 

 

 

 

 

「驚いているだろうな、敵は」

 

 自らが率いる艦隊の上げた戦果を見て、ニミッツは満足げな笑みを浮かべた。

 

 まだ、双方ともに直撃弾は出ていない。

 

 しかし、巨大戦艦同士の激突は、古の大海獣同士が互いに牙をむいて襲い掛かろうとしているにも等しい迫力がある。

 

 たとえその本質が可憐な少女であったとしても、圧倒的な光景である事は間違いなかった。

 

 今回の戦い、ニミッツは絶対の自信を持って臨んでいた。

 

 その自信の根拠は、彼自らが指揮する戦艦部隊にあった。

 

 モンタナ級戦艦と呼ばれる合衆国軍の最新鋭戦艦。

 

 「モンタナ」「メイン」「オハイオ」「ニューハンプシャー」「ルイジアナ」の5隻は、前級であるアイオワ級とは異なる性質を持つ艦である。

 

 基準排水量6万5000トン。全長281メートル、全幅36メートル。

 

 その艦体は大和型戦艦よりも巨大である。

 

 そして主砲は、50口径46センチ砲連装4基8門。

 

 つまり合衆国海軍は、これまで幾度となく自分達に辛酸をなめさせてきた大和型戦艦と同じ力を、ついに持つに至ったのだ。

 

 しかも、砲門数こそ大和型に比べて1門少ないものの、砲身は大和型の45口径に対し50口径と長く、射程もそれに合わせて長くなっている。

 

 装填速度は1斉射あたり30秒。「信濃」には劣るものの、「大和」「武蔵」よりは速い。

 

 まさに最強戦艦と呼ぶにふさわしい存在である。

 

 当初モンタナ級戦艦は50口径40センチ砲3連装4基12門を装備した戦艦として計画されていたのだが、帝国海軍の大和型戦艦が46センチ砲装備である事が判明し急遽、設計を変更したと言ういきさつがあった。

 

「大口径砲は君達だけの専売特許じゃないんのだよ、帝国軍」

 

 ニミッツはそう言って薄く笑う。

 

 その視界の先では、同じように微笑む髪の長い少女。彼女は旗艦「モンタナ」の艦娘である。

 

 今回の戦いでは、竣工している全てのモンタナ級戦艦が戦線に投入さている。

 

 このうち旗艦「モンタナ」と「メイン」は「大和」に、「オハイオ」と「ニューハンプシャー」は「信濃」に、そして最新鋭艦の「ルイジアナ」は「金剛」と「比叡」を同時に相手どっていた。

 

 長砲身46センチ砲が発射されるたび、凄まじい衝撃が艦内を駆け巡る。

 

 その圧倒的な光景は、合衆国軍の勝利を祝福する号砲にも似ていた。

 

 

 

 

 

 第2艦隊がニミッツ艦隊との戦闘に突入したタイミングを見計らい、彰人も第7艦隊を、決戦海面への突入を命じていた。

 

 昨日の防空戦で「仁淀」「電」を失い、更に旗艦「姫神」を始め、多くの艦が傷ついている。

 

 しかし、戦闘力は未だに充分な物があった。

 

 彰人は「姫神」「黒姫」を自ら指揮し、その他「鈴谷」「熊野「大淀」がワンセットになって後続、更に「矢矧」以下第13戦隊が続行する形となっている。

 

 高速部隊である第7艦隊の実力を、如何無く発揮する編成だった。

 

「まずいね」

 

 双眼鏡をのぞいていた彰人が、苦い表情で呟く。

 

「どうしました彰人?」

「第2艦隊が苦戦している」

 

 問いかける姫神に、嘆息交じりに答える。

 

 この時、敵のモンタナ級戦艦が大和型戦艦をも上回る50口径46センチ砲を一斉に放ち、第2艦隊は早くも苦境に立たされつつあったのだ。

 

 いかに宇垣を始め、将兵・艦娘共に歴戦の勇士が揃っている第2艦隊とは言え、40門もの46センチ砲を一斉射撃されては、苦戦も免れないだろう。

 

「急いで救援に行くよ」

「はい」

 

 彰人の言葉に、姫神が頷きを返した時だった。

 

「新たな敵艦隊発見。方位1―7―0。急速接近中!!」

 

 第7艦隊側から見ると、右舷側から迫ってくる敵。

 

 対して、彰人はそちらに双眼鏡を向ける。

 

 見れば、戦艦1隻を中心にした艦隊が真っ直ぐにこちらに向かって突撃してきていた。

 

「戦艦1隻で挑むつもりか?」

 

 彰人は訝るように首をかしげる。

 

 記憶が正しければ、接近してくる戦艦はノースカロライナ級だ。恐らく、唯一の生き残りである「ワシントン」だろう。

 

 しかし、アイオワ級以前の戦艦では姫神型相手に苦戦を免れない事は、これまでの戦訓から敵も判っている筈。まして、こちらは2隻、向こうは1隻。明らかに第7艦隊の方が有利なはずだった。

 

「巡洋艦が多いのが気になります」

「そうだね・・・・・・・・・・・・」

 

 姫神の呟きに、首をかしげながらも頷きを返す。

 

 確かに、敵の巡洋艦は5隻いる。対して第7艦隊の巡洋艦は「矢矧」を入れても4隻。数の上では劣っている。

 

 不利と言えば、それくらいの物だった。

 

「ともかく、敵の動きに注意して。なるべく接近させないように。『ワシントン』は『姫神』と『黒姫』で対応するから、敵の巡洋艦と駆逐艦は7戦隊と13戦隊で抑え込む」

 

 敵の戦艦を手早く片付け、後は巡戦2隻で巡洋艦部隊の援護に回る。

 

 それが彰人の作戦案だった。

 

 その命令に従い、行動を開始する第7艦隊。

 

 「鈴谷」「熊野」「大淀」、そして「矢矧」達が巡洋艦に接近していく中、「姫神」と「黒姫」は「ワシントン」との距離を詰めていく。

 

 

 

 

 

 だが、この時、

 

 

 

 

 

 自分が痛恨の判断ミスをしている事に、

 

 

 

 

 

 彰人はまだ、気付いていなかった。

 

 

 

 

 

第93話「巨龍襲来」      終わり

 


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