魔法使いの魔理沙   作:夢路

3 / 3
遅くなって本当に申し訳ありません!
すべて大量の課題をオラオラしながら出してくる学校が悪いんだ!僕のせいじゃないんだ!

今回は魔理沙の初戦闘回。
お待たせした分いい出来になっているといいのですが……。

それではどうぞ!


魔法使い見習いの戦闘風景

 

「多い、なぁ」

 

 

現在私がいるのは私の家から近い、魔法の訓練に使っている開けた場所だ。

周りの木々は私の使った魔法によってなぎ倒されて、雑草は一本たりとも生えていない。

そのせいかはわからないがこの辺りは妖怪さえ近づかず、私も気兼ねなく魔法をぶっ放せるばしょになっていたのだが、

 

 

「なんで今日に限って妖怪がいるのかなあ……」

 

―――ギィギィギィ!

 

―――キシャーキシャーー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔法の森に生息する妖怪は植物や昆虫の姿をしたものが多い。

あの怠惰な巫女がいうには、妖怪は下位の物になればなるほど自分の生まれた場所から離れようとしないらしい。

これは縄張り意識もあるが、生まれた時に生まれた場所の情報が頭に入っているらしく、その情報を使って獲物を捕るのだそうだ。

地の利を生かす、ということだ。

そして成長し、自我が成長してくると新たな地に移動するようになるのだとか。

もっとも、移動するにしても自分の生まれた場所と同じ、または近い場所に移動するのだ。

水のある場所で生まれたのなら川や湖といった具合だ。

ここ魔法の森は文字どうり「森」。

ゆえにここに住む妖怪は森に関係性を持つ植物、昆虫タイプの妖怪が多くなる、ということなのだ。

 

 

「でも妖怪たちの姿、見覚えのある姿のやつらばっかなんだよな……」

 

 

なんていうか、前世で超有名なRPG、ド○クエのオバケキノコとか人面樹みたいなすがたなんだよな。つーかまんま。

こいつら自体は別にそう強くはない。強くはないんだが、いかんせん数が多い。

ド○クエの敵は群れで出てくるけどここでもそうなのだろうか。

ざっと見て30匹近くいる。

だが。

 

 

「ま、問題ないか」

 

 

実際のところ、絶体絶命とか危機的状況というわけじゃない。

パッと見た感じ全員低級妖怪のようだし、なにより私の戦闘スタイルは高速移動砲台プラス近距離格闘のオールマイティ。

この程度の数と強さなら一撃で吹き飛ばせるが、それではあまり経験値とか入らなさそうなので却下。

ド○クエ的に。

 

 

「さて……」

 

 

大丈夫。いつもどうりやれば問題なくやれる。

だから。

 

 

「飛ばしていきますかっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初撃はオバケキノコの攻撃。

身をかがめたかと思うとすさまじいスピードで傘の部分を先にして突撃してくる。その様はまるでミサイルのよう。

その直線の攻撃を問題なく避ける。

その攻撃を合図にしたかのように次々にキノコミサイルが飛んでくる。

それを私は

 

 

「バスターホームランッ!」

 

 

持っていたホウキで打ち返す。

打ち返されたキノコは別のキノコにぶち当たって軌道を変えていく。

ホウキは私の魔力で強化してあるので鋼鉄並みの硬度になっている。

現にホウキで打ち返されたキノコはその体を無残にひしゃげさせている。

 

キノコの次は人面樹。

1匹がデカイ図体に似合わない俊敏な動きでこちらに来たと思うと、その巨体を私に叩きつけてくる。

上段から下段へ。

単純ゆえに強力な一撃が地面を揺らす。

その一撃で地面にクレーターが出来上がる。が、当然そんな単調な攻撃が当たるわけがない。

 

指をピストルの形にする。

人面樹のほうに右手の人差し指を突き出す。

その指を起点に青色の魔法陣が出現する。

複雑に描かれたその円形の中には六つの模様が浮かび上がっていた。

それはまるで、拳銃の弾丸のよう。

否、魔弾というべきか。

 

 

「シューーートッ!!」

 

 

魔弾が射出される。

重低音が響き、私の指が少し浮き上がる。

内臓に染み込むような重い衝撃波を伴って放たれた魔弾はまっすぐに人面樹めがけて飛翔する。

あわてて回避しようと人面樹が動くが、遅い。

魔弾はやすやすと人面樹の胴体を撃ち抜き、それでも勢いを失わずに後ろにいた別の人面樹おも撃ち抜く。

 

そこで背中に殺気。

いつの間に回り込んだのか、3匹目の人面樹が鞭のようにしなる枝を私に叩きつけてくる。

とっさにホウキで防ぐが、ホウキは絡めとられて奪われてしまった。

遠くにほうり捨てられたホウキ。

はたから見ると危機的状況なのだろうが、やはりこの程度では

 

 

「問題なし!」

 

 

駆ける。

身体強化をほどこした体はそれこそ疾風のごとき速さを持って人面樹に向かう。

人面樹の真下に入り込めばあとはこっちのもの。

右足に今度は桜色の魔力が収束する。

加速度的に魔力は右足に集まっていき、熱を発し始める。

そして左足を軸にその熱を持った右足を

 

 

「お、らあっっ!!」

 

 

振り回す。

上段回し蹴り。

推定1000度にまで達した桜色の魔力を伴った足は人面樹の胴体を焼きへし折り、そのまま炭化させる。

だがまだ終わらない。

 

桜色の魔力を足の先を支点にして放出する。

足から放出された魔力はレーザーになり、留まる場所を失った魔力はその熱量をそのままに妖怪たちに向かってゆき、振り回された足と同じ速度を持ってなぎ払う。

それだけで周囲が魔力の絨毯爆撃に遭い、妖怪たちを吹き飛ばす。

 

 

「んーーー……」

 

 

そこで一度攻撃を止め、周囲を見渡す。

砂埃で若干視界を制限するが、問題があるほどひどいわけではない。

数は四分の一程度。

別にこのまま闘っても一向に構わないが、

 

 

「……試してみるか」

 

 

ポケットから、一枚のカードを取り出す。

それは絵柄のついたカード。

東方名物スペルカードだ。

もともとこの広場で試してみる予定だったものだ。

昨日試作として作ってみたものだが、この場で使っても問題はないだろう。

 

 

「そんじゃあ、おまえら」

 

 

残った妖怪たちはいっそ面白いぐらいにその体をビクつかせる。

その震えは、恐怖のせいだろうか?

一斉に逃げ出そうとするが、無駄無駄。

 

 

「ちょっと実験台になってくれる?」

 

 

それは魔理沙でも青子でもない、私だけの魔法/魔術。

一から作り上げたオリジナル。

その成果を、ここで試す。

 

 

昴符―――

 

 

「プレアデススタークラスター」

 

 

辺りに光が満ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと、やりすぎたかな……?」

 

 

広場上空。

回収したホウキに乗って眼下を見下ろす。

そこにあったのは

 

 

―――七つの巨大なクレーターと、

 

 

―――一面を無残に灰にした森の跡があった。

 

 

「……出力の調整をミスったかな。ここまでやるつもりはなかったんだけど」

 

 

改善点はできたが、当初の目的は達したし、被害は私の家にまで及んでいない。

火事になったりもしなかったし、問題はないだろう。

……まあ、この辺りは二度と植物が生えることはないだろうけど。

 

 

「さて、今日は思いっきり暴れたし、家に帰って休むかね」

 

 

やることはとりあえず明日にして、あとは家で魔導書でも読むか。

そうひとりごちて、私は帰路につくのだった。

 

 

 

 

 

 

 




こいつはクセェェッッーーーー!ネタ臭がプンプンするぜぇぇぇーーーー!
な戦闘回でした。

ちなみにオリジナルスぺカのことですが、これからのお話にいろいろ出す予定です。

具体的に言うと青子の魔法的なのとか、白い悪魔的なのとか。

もともとオリスぺカはいくつか出す予定でした。
感想とかが怖いなあ。
タグ追加しておこうかしら。

次の更新も遅れそうですが、どうか見捨てないでくだしぁ。

感想、誤字脱字報告、お待ちしております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。