今回は説明会。
うまく書けていればいいのですが……。
それではどうぞ!
おっす、私は元『青崎青樹』で現『霧雨魔理沙』!
幻想郷の魔法の森在住の魔法使い見習いの女の子だぜ!
……うん、まあ、いろいろ言いたいことがあるだろうけど、私もいろいろ言いたい。
魔理沙に転生、だと……?
「ほんと、どうしてこうなったんだ……」
私が霧雨魔理沙として生まれて、早十数年。いろいろあって魔法に目覚め、魔法の森に移り住んでかれこれ半年はたったころ。
魔法の修行と研究がひと段落ついたので、半ば日課となっている自身の考察を始める。
まずもともとの私、『青崎青樹』は高校生で生徒会長やってて男だった。
それが原因不明だが何らかの理由で死んでしまい、謎の神にこの世界、『幻想郷』で『霧雨魔理沙』という女の子に転生した。
最初はいきなり死んだといわれた上に何の説明もなく女の子として生まれたのでそれはそれは驚いたものだ。
今は納得はしていないが、一応自分の気持ちにケリをつけ、女としての生活にも慣れている。
問題は生まれた場所と人物だ。
この霧雨魔理沙という少女と幻想郷という世界は、じつは「東方プロジェクト」という創作物に登場する人物と世界なのだ。
おまけに自分の持つ力も別の創作物の力。
「魔法使いの夜」という作品に登場する、主人公兼ヒロインの少女、『蒼崎青子』の力なのだ。
うわぁ、改めて考えるとヤバいなあ、私の力。
だってあれだぜ?魔砲使いな魔理沙に人間ミサイルランチャーの青子だぞ?
最強で最悪のコンビネーションだぞ!?
はっきり言って今の私の力は原作の魔理沙の力を超えてしまっている。
しかもまだ成長してるんだぜ……?信じられるか?
もともと魔理沙は原作でも努力家という設定だし、青子も「魔法使いの夜」ではまだ未熟だったけれど、成長すれば型月世界最強の一角になるほどの成長をみせるんだ。
魔理沙の努力に青子の才能。これが合わさったらすごいことになるのは明白だ。
努力すれば努力するだけ力を増してくんだ。もう楽しくてしょうがない。
青子の力を与えられているので体術の才能もある。低級妖怪程度なら倒せるようになった。
もうこの時点でもともとの魔理沙と強さがかけ離れてきている。
魔法のほうも魔理沙の魔法と青子の魔術のハイブリット。
マスタースパークも信じられない威力になっている。
かの風見幽香とも打ち合いだけに限定するなら勝てるんじゃないかと思う。
だが、過信は禁物だ。
ここは幻想渦巻く幻想郷。
妖怪だの神だのが跋扈する世界だ。
私は魔法が使えるし、スペックも常人を軽く超えている。
とはいえ、あくまで私は人間だ。
妖怪の攻撃を一撃でも受ければ一発で死にかねないのだ。
そして、実は私の持つ力には重大な問題があるのだ。
それは、私の持つ蒼崎青子の力。
その正体がわからないのだ。
「魔法使いの夜」で出てきた青子の力、『第五魔法「魔法・青」』。
頻繁に正体は「時間旅行」と呼ばれているが、作中では全貌が明らかになっていないのだ。
だから私も力を使えないのだ。
誰が強力な力といえども、その正体が何か分かっていないのに使おうとするというのだ。
しかも私の場合、ヘタに使えば人間ではなくなるのだ。
そんな爆弾を私は常に抱えているのである。
せいぜい第五魔法を使うなんてことにならないように祈るだけだ。
「でも、そうも言ってられないよなぁ……」
なんせ私、霧雨魔理沙はこの世界の主人公格なのだ。
あくまで私は私。原作にかかわらなければいい、そう考えていた時もある。
でも、それでいいのか、とも思うのだ。
これから起こる様々な異変。
現れる多種多様な妖怪や神といった存在。
それをもう一人の主人公とともに解決していった霧雨魔理沙という少女に申し訳ないと思ったのだ。
もともとの魔理沙はどんな困難にも負けずに異変に立ち向かっていった。
そんな彼女のようになりたい。そう考えたのだ。
私の持つ力を所持していた蒼崎青子という少女もそうだ。
彼女の前向きで、諦めることをしない強い人間性。後悔は、するものではなく無くしていくもの。前に進むためなら全てを捨てられる覚悟。そんな覚悟を持ちながら、結局は何も失っていない、そんな生き方。
そんな彼女のことを、私はいつしか直視の少年と同じように「先生」と呼ぶようになった。
彼女のように、彼女たちのようになりたいと思ったのだ。
「……よし、修行再開としようか!」
私は実力も信念も覚悟も未熟な半人前だ。
でも幸いなことに、私の努力は必ず実ることが分かっている。
強く、賢く、どんな困難も障害も運命も打ち砕けるように、今日も私は自身の研鑚を続ける。
私の家から出る。
いい天気だ。今日は一日晴れだろう。
絶好の修行日和だ。
「さって、始めるか!」
今日も私は努力する。
いずれ来る異変に立ち向かうために。
感想お待ちしています。