ペルソナカグラ FESTIVAL VERSUS -少年少女達の真実-   作:ゆめうつつ

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やっぱり遅くなった投稿。この二ヶ月の間にペルソナ5をPS4ごと買ったり、閃乱カグラPBSが発表されたり、地震に逢ったりなど色々ありましたが私は元気です。


26話 覚悟と向き合う

 ……そう、今だから解る。私が彼に初めて抱いた明確な感情とは、『嫉妬』だったのだろう――――

 

 あの運命の日、シャドウに襲われて命の危機に陥った私は、あの人――結城くんと出会い、助けられた。

 そして、シャドウを圧倒的な力で以て迎撃し、蹂躙し、殺戮し、この私の命を救ってくれたのだ。それはまるで出来すぎた御伽噺であり、英雄譚であり、しかし間違いなく現実だった。

 だから私は、あのペルソナという能力に憧れた。その力を使う彼の存在を理想にした。……結城理という少年に、■をした。――――それらの淡い想いが反転するまでに、時間は掛からなかったのだが。

 

 それは私が、飛鳥という忍が、落ちこぼれであったからだ。

 『半蔵』という伝説の忍を祖父に持ちながらも、忍学科での私の成績はあまりパッとしない。訓練では何時も合格ラインギリギリであり、秘伝動物の召喚は上手く行かず、座学の時には居眠りする始末だ。……うん、最後のは自分の不摂生が原因だよね。

 

 対して、結城理という少年はどうであろう。ペルソナという忍法にも引けを取らない異能を持ち、それを十全に扱い、更には学業でもトップクラスである。面と向かっては言えないだろうが、容姿も端麗だ。……私好みに。

 それは正に、完璧超人というに相応しいではないか。

 だからこそ、落ちこぼれである自分とは何から何まで正反対なあの少年に、私は『嫉妬』をしたのだ。……それがみっともない勘違いであることを、すぐさま私は思い知ったんだけどね。

 

 そうして結城くんと再開し、紆余曲折を経て、共同生活をすることになって、彼の事をもっと知る事が出来たのは僥倖だった。

 そこで解ったのは、結城くんは決して完璧な存在などでない、かと言って普通でもない、ちょっと変わった男の子だったという事だ。

 半蔵学院に来るまでは悲惨な人生を送っており、勉強が出来るのは劣悪な環境の所為であり、ペルソナという能力が目覚めたのにも何かしらの理由が有りそうだった。

 一方で、物欲や金銭欲に乏しいため仲間全員で趣味を作るようにと取り計らったり、作ってくれるご飯が美味しくてついついお代わりしちゃったり、ちょっとえっちなハプニングが有っても興味が無さそうでヘコむ羽目になったり。

 

 ……まぁ、そんな風に何だかんだあって、私達はお互いに歩み寄る事が出来たのだと思う。そうして私達は、私は、彼に惹かれていったのだ――――

 

 

     ◆

 

 

『―――― 《中級地変魔法(マグナス)》!』

「ぐっ!」

 

 結城理と『シャドウ飛鳥』との戦況は、殆ど一方的であった。それは無論、『シャドウ飛鳥』が優勢という事でだ。

 『シャドウ飛鳥』というシャドウは、飛鳥本人を取り込んで構成された存在だ。下手に攻撃しようものなら、そのダメージが飛鳥に及ぶことは想像に難くない。最悪、そのまま死ぬ事に――――

 

(そんな事、俺には出来な――――っ?!)

『《広域地変魔法(マハマグナ)》!』

 

 『シャドウ飛鳥』による《マグナス》、《マハマグナ》と、二種の『地変魔法』が理を襲う。大地を支配する魔法により隆起した地面が岩となり、鈍器となって彼へと迫る。

 理はそれを持ち前の瞬発力によって、左右へと、或いは後方へと何とか回避するが、間髪入れず『シャドウ飛鳥』は追撃を掛ける。

 

『大地よ穿て! 《尖鋭奇岩(せんえいきがん)》ッ!』

「ッ、地面が――――」

 

 続けざまに発動したのは、さらに上位の『地変魔法』。先の二つのスキルよりも広範囲・高威力に及ぶ魔法スキルであり、鋭く尖った岩が彼を刺し貫くようにして、地面から盛り上がった。それを回避する為に、今度は空中へと飛び上がるが――――

 

「結城さんッ! 前です!」

 

 戦況を離れて見ている斑鳩から怒号が響く。彼女の言う通り、空中へと逃げた理を狙い定める様に、『シャドウ飛鳥』が此方に飛び掛かってきたのだ。その手に、妖しき刃を携えて。

 このミスは、主に地面から襲い掛かる『地変魔法』に注目し続け、『シャドウ飛鳥』自身への警戒を怠ったツケだった。

 

『喰らえッ! 《ムラマサコピー》ッ!』

 

 理の下へと《ムラマサコピー》の刃は迫る。今の彼にそれを回避する術が――――

 

「――――はあッ!」

『何ッ!?』

 

 ――――実は、存在するのだ。理は何も無い筈の空中を踏みしめ、更に後方へと跳躍する。それによって《ムラマサコピー》は回避できたが、着地しようとしている地面もまた《尖鋭奇岩》によって針山状態となっていた。

 だが、何と彼はその針の先端部に着地する。さながら水面に立つ聖者であるかのように。よくよく見れば、今の彼の足元に纏うMAG(マグネタイト)を認識できるであろう。そのスキルの正体をこの場に居る誰もが知っていた。

 

『……《チャクラの具足》、そういえば習得していたね』

「…………」

 

 ここ一週間の間に理が新たに習得した忍法、それが歩法スキル《チャクラの具足》であった。足の裏にMAGを収束することで、あらゆる場所を走破する事を可能とするスキルであり、忍達はこれを使用して空中歩行や壁走り、水上歩行を行う。

 理は先程これを使用して、空中での跳躍と針の上に立つという御業を起こしていたのだ。なお、本来はこのスキルをさらに極めることによって、空中戦闘スキル《飛翔乱舞》へと昇華させるのだが、今の彼ではまだその域には達していなかった。

 しかし今の場合は、そのある程度の技でも有用であった。『地変魔法』はその攻撃力もそうだが、地面の操作による地形破壊という副産物も厄介だからだ。もしも《チャクラの具足》というスキルが無ければ、この足場の悪さによってすぐさま敗北していただろう。

 

『だけど、それが何だっていうの? 結局キミは、私に攻撃できないのに』

「……っ」

 

 『シャドウ飛鳥』のその挑発に、理は苦しそうな表情を浮かべながら漸く武器を構える。……尤も、やはり身が入っていない様であったが。

 理は結局どう足掻こうとも、『シャドウ飛鳥』と戦わなくてはならないのだ。戦わなくては、飛鳥を救えない。自分が死ねば、飛鳥は助からない。

 そんな血を吐くほどの激情を押さえ付けて、理は武器を握る。その顔は、全くの無表情だった。

 

『ふぅん、やっと戦う気になったの? でも、そんな覚悟で私を倒せるのかな?』

「……」

 

 そんな『シャドウ飛鳥』の言葉に応える事も無く、ガンホルダーから召喚器を引き抜き、銃口をこめかみに押し当てる。

 ……そう、所詮この能力(ペルソナ)はこうして戦う事にしか使えない力なのだ。力により、暴威により、害意により、相手を傷付け、捻じ伏せ、そして■すしかできない愚かな能力。()()()()()()()()()――――

 そんな思考と共に、理の頭の中はドンドンと冷えていく。目の前に居るアイツを、ただ■すのみへと思考が拠っていく。勿論彼には、これが良くない兆候だと理解出来る。

 傷つけたくないのに傷付けなくてはならない。倒したくないのに倒さねばならない。■したくないのに■さなければ――――理はそこで、強制的に思考を打ち切る。荒れ狂いそうな心を無理矢理沈めながら、銃爪(ひきがね)に指を掛ける。

 

「……ペルソナ――――」

 

 頭蓋を打ち抜く衝撃と共に、意識が完全に切り替わる。今の彼は、目の前の敵を斃すだけの戦士となる。

 

 ――――嗚呼、結城理よ。過去の『(つみ)』という(コトワリ)に囚われた、愚かなる幽鬼(ユウキ)よ。願わくばその(たましい)に、どうか安らぎを――――

 

 

     ◆

 

 

「……ぐっ、駄目ですか。このままわたくし達、見ているだけしか出来ないなんてッ!」

 

 理が意識を切り替え、『シャドウ飛鳥』との戦闘に入る頃、斑鳩達は相変わらず見ているだけしか出来ないでいた。

 どんなに力を込めても、その身体は年相応の少女程度の筋力しか発揮できず、扱う事に漸く慣れ始めてきたペルソナも使うことは出来ない。

 その姿の何て無様であることか。ペルソナや忍法を使えなければ自分達が只の少女であることを、こんな形で知りたくなど無かった。

 

「おいヤベェぞ!? 結城の雰囲気が変わった、アイツマジでヤル気だ!」

「チッ、現状ではそれしか手が無いとはいえ、どうなるか分かったものじゃないぞ。飛鳥も、結城もだ……っ!」

 

 同じく忍法が使えないことに歯噛みしている葛城と柳生だが、理が意識を切り替えて戦闘態勢に入った事には流石に狼狽する。それは主に、二人が戦う事によって双方が傷付く事にだ。それも、精神的にである。

 特に、理がこの手に関しては非常に繊細であることを誰もが理解している。普段から図太い精神性を有している彼であるが、それは知人や仲間と言った近しい『絆』に依存しているモノだ。幼い頃に家族を喪い、それ以外の親類も悪意に満ちた者しかいなかった理にとって、この半蔵学院忍学科で得た『絆』は何物よりも代え難いモノなのだから。

 無論、肉体的な損傷、最悪死ぬ事も問題なのだが、生き残っても彼らの心が傷付き、折れてしまえばどっちにしたって同じだ。だからこそ彼女達は、この重い身体を恨めしく思うのだが――――

 

「……皆、落ち着いて」

「雲雀?」

 

 それに待ったをかけるのは、蹲って目を伏せている雲雀であった。もしや自分達以上に体調が悪化しているのかと思い、柳生が駆け寄るが、其処で雲雀は伏せていた顔を上げる。其処にあったのは彼女の異能、爛々と輝く《華眼(かがん)》であった。

 

「今、ひばり達の忍法とペルソナ能力は【封印】されている。……けど、完全じゃないから、もう少しすれば解除されるよっ!」

 

 雲雀の《華眼》は心を映す。即ち、ペルソナのステータスなども観る事が出来るのだ。『眼』という肉体そのものに宿るこの力だけは、《ムラマサコピー》による【封印】の状態異常に掛からなかったらしい。

 しかし、今はそのあと少しという時間さえもどかしいのだ。彼女の観立てでは、まだ数分程の時間が掛かるという。

 とはいえ、この忌々しい【封印】が解けると分かり、残り時間が判明しただけでも僥倖だ。彼女達はすぐさま簡潔な作戦会議を行い、理の支援に回るのだった。

 

「……ギリギリか? 結城がアタイらの支援無しで、あの飛鳥のシャドウの攻撃を捌ききれるか?」

「其処はもう結城さんを信じるしかありません。わたくし達は、わたくし達に出来る事をしましょう」

「ああ、手筈通りにいくぞ。……この状況で雲雀と離れるのは癪だが、致し方ない」

「合図はひばりが出すよっ。今度はひばり達が、結城さんを助ける番なんだからっ!」

 

 雲雀の言う通り、彼女たちは今まで理に助けられてばかりでいた。シャドウ討伐でも、自身の影の出現であっても、彼の尽力がなければ誰一人として此処に居る事は無かっただろう。

 だからこそ今、彼女達は結城理の力に頼らず、この逆境に抗わなければならない。ペルソナが使えないなどと関係無い。忍法が使えないなどと些細な事だ。今の自分達が只の少女でしかないなどと、それこそどうでもいい。

 何時までも彼に頼り切り、おんぶに抱っこの状態では、それは対等な仲間などでなく、戦力的に彼に依存しているに過ぎないのだから。

 

 ……そう、今こそ、その消えない鎖をこの手で壊すのだ――――!

 

「行きます!」

「「「おう!(ああ!)(うん!)」」」

 

 

     ◆

 

 

「タケミカヅチ! 《中級電撃魔法(ジオンガ)》ッ!」

 

 理が召喚したのは、【皇帝(こうてい)】アルカナに属するペルソナ『タケミカヅチ』。髪を(みずら)型に結った、古代の装束に身を包んだ男性であり、その右手には剣を携え高々と掲げている。

 このペルソナは日本神話『古事記』に登場する雷神にして武神『建御雷神(たけみかづちのかみ)』であり、また古代日本において地震を引き起こすとされた大鯰(おおなまず)を鎮める存在としても崇められる為、『地変魔法』に対抗できるかと思い召喚したのだが、そう上手くはいかないようだ。

 

『残念ッ! 効かないよォ!』

「チッ、耐性持ちか……」

 

 《ジオンガ》が直撃しても【感電(かんでん)】状態にならず、大したダメージも無いようである為、この『シャドウ飛鳥』は『電撃耐性』を持つのだろう。また、これまでに様々な魔法をぶつけているが、その悉くに耐性を備えていた為、魔法そのものに対して強力な耐性を持つようだ。

 もとより、この『シャドウ飛鳥』の原典である邪神ツァトゥグアは、自らを信仰する魔導士エイボンに知恵を授けたこともあるという伝承からか、魔術神としての側面も持つ。この強固な耐性は、それ故の特性であるらしい。

 理が持つ魔法スキルでは大したダメージは見込めない。ならば物理スキルで攻めようと思い、『タケミカヅチ』が持つスキルで攻撃しようとするが――――

 

『すうぅ……、ブッ!!!』

「っ、来たか! 《広域電撃魔法(マハジオ)》!」

 

 『シャドウ飛鳥』がその大きく避けた蛙の口で、突如として周りの空気を吸い込み始めたのを見て、理は身構える。そして、その口から射出された()()を迎撃する為に、《マハジオ》を放つのだった。

 放たれたのは、酸の涎にして溶解液、その悍ましき口内で生成された《たたり生唾》。凡そ三つほどの塊になって飛来するそれらを《マハジオ》で相殺しようとする。しかし、《電撃ブースタ》によって強化された《マハジオ》であっても、その全てを叩き落すことは出来なかったようだ。

 《たたり生唾》の塊の一つが、此方へ向かってくる――――!

 

「くっ……、せいっ!」

 

 仕方が無く理はその手に持つ両手剣で《たたり生唾》を切り払うが、粘液状であるそれは斬撃の衝撃で飛び散り、飛沫となって彼の顔面へと襲い掛かる。

 咄嗟に腕で顔を庇うが、《たたり生唾》が付着した服の袖からはブスブスと焼け焦げる様な音が聞こえてきた。ほんの僅かな飛沫だけでこの威力だ、もしも眼球などに付着していれば失明は避けられなかっただろう。何よりこのスキルは、防ぐことの出来ない『万能属性』であるのだから。

 そして、顔を腕で覆った事により視界を閉ざした理は、『シャドウ飛鳥』の姿を一瞬見失う!

 

『捉えたッ! 《真・地雷撃》ッ!』

「しまっ――――がァッ!?」

 

 その蛙の巨体によって理のすぐ傍まで跳躍してきた『シャドウ飛鳥』は、腕の刀に岩石と雷撃を纏わせ、彼へと切り掛かる。咄嗟にそれを両手剣を盾にして受け止めようとするが、既に《たたり生唾》によって殆ど融解していた刀身は盾として機能せず、それを半ばからへし折り理に《真・地雷撃》の一撃を喰らわせるのだった。

 理は脇腹に重い一撃を叩きこまれ、血反吐を吐きながら大きく吹き飛ばされる。《真・地雷撃》は、『斬撃』『地変』『電撃』による複合属性の攻撃だ。この内『電撃』だけは降魔する『タケミカヅチ』によって防ぐことは出来たが、それでも彼に多大なダメージを与えたことは変わりない。闇に落ちそうな意識を何とか堪えながら、空中で体勢を立て直そうとするのだが――――

 

(……クソッ、何とか着地を……ッ?!)

 

 空中で身動きの取れない理へと向けて、小さな石礫――《マグナ》が飛来する。言うまでも無く『シャドウ飛鳥』から放たれたそれは、受け身を取るために地面へと伸ばされていた彼の右腕を、グシャ、と呆気なく圧し折った。

 

(腕が……動かな……)

 

 そうして絶望の淵へと沈まんとする理を、『シャドウ飛鳥』は愉快そうな雰囲気を浮かべて、此方を見据えているのだった。 

 

 ――――痛みは無かった。

 一瞬に無限の隔たりを感じる。目の前の全てが過去になってしまったように思う。

 俺はここで死ぬのか――――?

 

『ふふ……、大したことなかったね♪』

(ダメか……!?)

 

 理の身体が、地面に叩き付けられる――――

 

「「結城さん!(結城!)」」

 

 ――――その前に、彼の身体は二人の少女、斑鳩と葛城によって受け止められるのだった。

 

『チッ、《ムラマサコピー》の【封印】が解けていたみたいだね……!』

 

 『シャドウ飛鳥』は舌打ちを響かせ、3人を攻撃しようとするが、それを許す彼女達ではない。

 

「皆さん、結城さんの治療の為、一旦引き離しますよ! ヴィゾヴニル、《アギラオ》!」

 

 斑鳩は前線に立ち、理を逃がす為に『シャドウ飛鳥』を攻撃する。

 

「結城、アタイに捕まれ! 全速力で行くぞ! ティアマト、《スクカジャ》だッ!」

 

 葛城は理を背負い、少し離れただけの位置に居る雲雀へと向かう為、《スクカジャ》を自身に付与した。

 

「オトヒメ、《ブフ・ラティ》だ! 凍れェッ!」

 

 柳生は僅かでも『シャドウ飛鳥』の動きを止める為か、斑鳩とは反対方向に陣取り『氷結魔法』を連続して射出している。

 

「結城さん、今治すからね! イナバ、《ディア》! ……っ、駄目、もう一度《ディア》!」

 

 雲雀は葛城によって運び込まれた理を治療する為、『回復魔法』を何度も掛け続けた。しかし、傷が深い為か何度《ディア》を施しても、理の右腕は元通りになろうとしない。

 それでも一応、右腕以外の怪我は治癒され、ある程度は回復する。

 

「――――がはッ、げほっ! ハァー、ハァー……っ!」

「落ち着いてっ、結城さん。ゆっくり呼吸を整えてっ」

 

 絶望からか、呼吸すらも忘れかけていた理は体力の回復によって漸くそれを想い出し、雲雀に背中を擦られながら息を整える。

 なお、この呼吸法は単なる深呼吸ではなく、彼女達から教わり新たに習得した忍法系のスキル《勝利の息吹》だ。このスキルには、大気中のMAGを効率的に取り込む事によって生命力(HP)の回復を促進させる効果が有る。

 《勝利の息吹》によって更に体力を回復させた理は、痛む右腕を押さえながらも立ち上がり、『シャドウ飛鳥』とそれに抗う少女達を見据えるのだった。

 

 その戦いに身を投じる少女達を一言で表すのなら、『華麗』と言うのだろう。迷いながら戦っていた自身とは比べるまでも無く、その戦いぶりは信念に溢れている。

 それはまるで出来すぎた御伽噺であり、英雄譚であり、しかし間違いなく現実だった。だからこそ結城理は、彼女達に憧れる――――

 

 少女達は決して『シャドウ飛鳥』に近寄ろうとしない。忍法・ペルソナを封じる《ムラマサコピー》こそが最も脅威である以上、遠距離戦闘を取るのは必然だ。

 各々のペルソナを召喚して、遠方からの物理・魔法スキルによる攻撃。チマチマとした鬱陶しい戦術ではあるが、確かに効果的ではあるだろう。

 だがその全ては、決して『シャドウ飛鳥』に届く事は無い―――――

 

『ふぅん……鬱陶しいけど、少しはダメージを受けたかな? なら、コレを使うよ』

 

 『シャドウ飛鳥』は斑鳩達の猛攻により、僅かに傷付いた身体を一瞥すると、再び息を吸い込む。

 何かしらの行動を取るのだと気付いた彼女達は一旦引いて、何が有ってもいい様に身構えるのだった。

 

「くっ、何をしようとも、これだけ距離を取れば対応は――――」

 

 しかし、彼女達の思惑は敢無く潰える。

 

『……ウガア=クトゥン=ユフ クトゥアトゥル グプ ルフブ=グフグ ルフ トク――――』

「なッ!? ぁ、ガあっ?!」

 

 『シャドウ飛鳥』の口から唱えられたのは、悍ましき異形の呪文。耳にするだけで精神を汚染する異界の言語。その言葉を直に聞いてしまった斑鳩達は、激痛の走る頭を抱え、耳を塞いで蹲ってしまった。

 無論、この忌まわしき呪いの言葉は理にも届いており、堪らず膝を付いている。だが、その苦痛は彼女達と比べれば幾分かはマシな様であり、どうやら抵抗(レジスト)に、もしくは正気度ロール判定に成功しているらしい。

 

『グル=ヤ ツァトゥグァ イクン ツァトゥグァ――――』

 

 それは正に《邪神の蛮声》。本来は回復系のスキルであるのか、その呪文を唱えるだけで『シャドウ飛鳥』が負っている傷が回復していく。

 しかし同時に、精神を蝕む悪意の言霊によって攻撃系のスキルとしての特性も併せ持っているのだ。

 

『イア イア グノス=ユタッガ=ハ イア イア ツァトゥグァ!』

 

 やがて呪文を唱え終わると、その身に付いていた全ての傷は消え去り、完全に回復しているようであった。

 こうして振出しに戻ってしまった訳ではあるが、まだ戦闘そのものが終わった訳ではない。

 

『……へぇ、まだ耐えるんだ』

「ぐっ……まだ、だ!」

 

 そう言って真っ先に立ち上がったのは柳生だった。《邪神の蛮声》による精神破壊攻撃を耐えきり、ふらつきながらも番傘の先を『シャドウ飛鳥』に突き付ける。正気度は削れたが、その心がまだ折れてはいないことを示したのだ。……ペルソナや秘伝動物が海産物だからSAN値チェックに成功したのだろうか?

 それは兎も角として、柳生のみならず斑鳩、葛城、雲雀も、その眼に闘志を宿してまた立ち上がる。既に圧倒的な実力差を示されながらも、彼女達は戦う事を諦めようとしない。そんな彼女達の様子に、流石に『シャドウ飛鳥』は訝しむのだった。

 

『理解出来ないね、どうしてそこまで頑張れるの?』

 

 『シャドウ飛鳥』が抱いた疑問は、理にとっても同じであった。今の彼は一度大きなダメージを受けたことで頭が冷え、激情に流されるままに戦っていた戦闘時とは全く違うベクトルでの冷静さを取り戻している。

 彼が危惧したように、シャドウに取り込まれ融合状態にある今の飛鳥を攻撃したところで元に戻る保証は無い。彼女の身体にかかる負担も膨大だろう。なのに何故、彼女達はそうして戦うことが出来るのか。

 そしてその答えは呆気なく、少女達の口から零されるのだった。

 

「そんなの、信じているからですよ」

『……は?』

 

 そう呟いた斑鳩の言葉を、葛城が、柳生が、雲雀が引き継いでいく。

 

「ああ、斑鳩の言う通りだぜ。飛鳥がオマエみたいな心の闇に飲み込まれる筈が無いんだよ」

「つまりは、貴様を叩きのめせば飛鳥は必ずその呪縛を解き放って、己のシャドウを抑え込む筈だ」

「ひばりには分かるよっ、飛鳥ちゃんは今でもアナタの中に居て、必死で抗ってるのをっ!」

 

「「「「だから戦う! オマエを斃して、飛鳥を取り戻す為にっ!!!」」」」

 

 それは、余りにも単純な答え。彼女達が戦えるのは、今まで築いた『絆』の賜物に過ぎなかったのだ。理が抱いていた懸念など微塵も感じず、飛鳥という仲間を心の底から信じているのだ。

 そして、そんな少女達の『絆』が奇跡を起こす――――!

 

『……ぐっ?! あアァッ!/……皆、ありがとう! 私も頑張るから、早くこの子をやっつけちゃって!/……くぉおッ! おのれェっ!!!』

 

 何と『シャドウ飛鳥』が悶え苦しむと、本体である飛鳥の意識が表層に現れたのか、彼女自身の意志でシャドウを討伐するよう宣言される。 

 尤も、その意識はすぐさま抑え込まれてしまったようだが、それでもこれは、忍学科の少女達が飛鳥を信じた結果に他ならない。

 

(……俺は、飛鳥を、彼女達を信じていなかったのか? だったら、信じられなかったその理由は――――)

 

 ……そう、今だから解る。俺が彼女達に初めて抱いた明確な感情とは、『嫉妬』だったのだろう――――

 

 孤独であった自身では持ち得なかった、『絆』というオタカラを持っていた少女達は彼にとって、憧れであり、妬みの対象であったことを今更ながらに自覚する。奇しくもそれは、飛鳥が理に抱いた感情と同一であることを彼は知る由も無い。

 知る由も無いのだが――――、結城理は今初めて、飛鳥という少女を、そして忍学科で得た仲間達を理解し、心の底から信頼することが出来たのは間違いないのだった。成ればこそ、彼が取るべき行動は――――

 

「……俺も、戦う」

 

 並び立つ少女達の間を縫うようにして歩み、理もまた前線に立つ。彼もまた奮い立つ事を信じていた少女達はしかし、未だ折れた腕を押さえているのを見て引き留めようとする。

 

「結城さん……しかし貴方は、まだ負傷が――――」

「問題無いです。……リャナンシー、《ディアラマ》」

 

 とはいえ、其処は突出したペルソナ能力を持つ理だ。召喚したのは【女帝(じょてい)】アルカナ、リャナンシー。長い金髪を垂らした妖艶な美女という容姿をしているペルソナだ。このペルソナの原典はアイルランドに伝わる妖精であり、その名前には『妖精の恋人』という意味がある。

 そうして唱えたスキルは、斑鳩や雲雀では及びもしない高ランクの回復スキル《ディアラマ》。只の《ディア》では回復できなかった筈の腕の骨折が瞬く間に治癒し、もはや呆れるほどの能力だと彼女達は畏怖するのだった。

 そしてすぐさま戦闘に入る心算だったのだが、ふと湧いた疑問を柳生は聴いてみる。

 

「……それで、どうする? 打つ手はあるのか?」

 

 これは単なる確認であり、先程まで押されるだけであった理に弱点を見つけていられるとは彼女も流石に思っていない。……思っていなかったのだが――――

 

「ああ、既に弱点は見つけている」

「「「「…………」」」」

『なん……、だと……?』

 

 まさかの宣言に、忍学科のメンバーはおろか『シャドウ飛鳥』ですら言葉を失っていた。

 

「……俺が其処を付くから、キミ達は補助を頼む。合図をしたら――――」

 

 そして、理から彼女達に向けてその『作戦』が指示される。彼の見つけた弱点というモノには納得が出来たが、それを付く為には彼が極限まで『シャドウ飛鳥』に接近しなければならない。

 下手に近付けば《ムラマサコピー》や《マグナ》等のスキルで攻撃されるのは言うまでも無く、それを補助する為に理は斑鳩達にも指示を与えた。

 

「一度だけでいい。たった一度だけでも攻撃を防げれば、アイツに接近できる」

 

 しかし、その作戦内容に斑鳩達は若干の不安を覚える。

 

「ですが、その作戦が上手く行くとはまだ決まった訳では……!」

「理屈は分かるけどよ……。結城抜きって言うのは不安だぜ」

「……チャンスは一度、しくじれば次は無いだろう。他に良い手は無いのか?」

「そのっ……、何だか結城さんらしくない様な? 普段はもっと慎重なのに……」

 

 皆が皆、口々に後ろ向きな発言をする。事が飛鳥の命に係わる以上失敗は許されず、勿論理や彼女達が死ぬ事も許されない。

 彼女達の言う通り、成功は保証されず、自身の補助も行うことが出来ず、ならばもっと別の手立てを模索するという、いつも通りの慎重さを持つべきなのかもしれない。

 しかし、それでも結城理は――――

 

「……俺も飛鳥の様に、キミ達の様に、『仲間』を信じる事にする。……だから俺の命を、キミ達に預けるよ」

「「「「……っ!」」」」

 

 彼女達と同じように、消えない鎖を壊し、彼女達と真の『絆』を紡ぐ為に――――!

 

『ぐ、おおおッ!/っ、駄目、これ以上押さえきれない!』

 

 そして、これまで『シャドウ飛鳥』が悠長に彼らの作戦タイムを妨害できずにいたのは、飛鳥の尽力によるものだった。精神力と気合と根性によってシャドウを押さえ付けていたようだがそれも限界らしく、『シャドウ飛鳥』は飛鳥の意識を跳ね除け、遂に攻撃を開始する。

 無論理達もそれを迎え撃つ為に、飛鳥を救う為に、その作戦を開始するのだった。

 

「行くぞッ!!!」

「ええ、任せて下さい! わたくし達が、あなたを守りますから!」

「ハハッ、アタイも腹括ったぜ! ブチかましてやれ、結城ィ!」

「迷わず突っ込め! オマエを必ず、飛鳥の下へと届かせてやるッ!」

「必ず成功させてみせるよっ! 飛鳥ちゃんの為にも、結城さんの為にもっ!」

 

 理からの決意を受け取った少女達は、『シャドウ飛鳥』に向けて突撃する彼へと声援を送る。

 その言葉を受けた理もまた一層速度を上げ、彼と対峙する『シャドウ飛鳥』も彼へと攻撃を開始する。

 

『圧し潰れろッ! 《上級地変魔法(マグダイン)》ッ!』

 

 放たれるのは間違いなく『シャドウ飛鳥』にとって最大級の攻撃スキルであろう《マグダイン》だった。隆起した膨大な土塊が空中で塊となり、巨大な岩石となって理に向かって飛来してくる。

 しかしそれと同時に少女達は、理と『シャドウ飛鳥』を取り囲むように四方に散開する。彼女達のスキルによって、彼を飛鳥の下へと送り届ける為に。

 彼女達の背後には、各々の力の証であるペルソナが浮かび上がり、そのスキルを唱えるのだった。

 

「ティアマト、《風の壁》!」

「ヴィゾヴニル、《火の壁》!」

「オトヒメ、《氷の壁》!」

「イナバシロウサギ、《雷の壁》!」

 

 それは、まさしく『結界』。中国の天文学・占星術を源典とするこのスキルは、その伝承通り四聖獣の加護を必要とするのだが、彼女達はそれを各々のペルソナで補い、強引に発動させたのだ。本来ならば、今まで合体スキルを発動する為に必要としていた理の補助を以てしても発動できず、勿論彼女達の力だけでも発動しなかっただろう。

 それが今、少女達の固い絆、仲間である理と飛鳥を想う気持ちによってカタチを成した。不完全であれど、ただ一度だけであれど、その合体スキル《二十八宿(にじゅうはっしょく)守護(しゅご)》は、確かに理を守り抜いた。

 結城理の周囲には四重にも及ぶ防御壁が浮かび上がり、彼の身体を余す事無く覆っている。『シャドウ飛鳥』の《マグダイン》は其れに阻まれ、決して届く事は無い――――!

 

『そんなッ!?』

「捉えたッ!」

 

 『シャドウ飛鳥』に肉薄するまでに接近した理は『シャドウ飛鳥』の下半身、蛙形態へと変貌したその頭に飛び乗り、その手に召喚器を構え既に何時でもペルソナを呼び出せる体勢を取っている。このままペルソナ能力による攻撃を行うのだと判断した『シャドウ飛鳥』は、殆ど反射的に()()を繰り出す。

 

『くッ! 《ムラマサコピー》ッ!!!』

 

 ――――それこそが、結城理が見つけ出した自身の弱点であると気付きもせずに!

 

『…………な……?』

 

 『シャドウ飛鳥』は一瞬、何が起きたのか分からなかった。

 何故、《ムラマサコピー》は奴の身体を貫いていない?

 なぜ、全身の力が抜け、己の身体が崩れ落ちていく?

 ナゼ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!?

 

「……『力の〝意味〟を履き違えるな』、『〝力〟って言うのは〝剣と盾〟だ』」

『/……それはっ!/』

 

 ぽつりと紡がれた理の声に反応したのは、間違いなく飛鳥だ。彼はそのまま彼女に語り掛ける様に、ゆっくりと言葉を紡いでいく。

 

「……俺にそう教えてくれたのはキミだ、飛鳥。だからこそ、〝力〟だけしかないコイツの能力を利用することが出来た」

 

 理が行った事は至極単純、迫り来る《ムラマサコピー》の刃を躱し、その勢いのままに《ムラマサコピー》を蛙頭に突き刺しただけに過ぎない。

 

「いや、その言葉だけじゃない。忍法や、戦い方や、『仲間』というモノをキミに教えて貰ったからこそ、俺は此処に居る。……今こそ、その借りを返す時だッ!」

 

 そして理は、最後の作戦を実行に移す。《ムラマサコピー》が突き立ち、ダウン状態となった『シャドウ飛鳥』から飛び降りると、己が最大の力を発動させる!

 

「――――ペルソナァッ!」

 

 理は銃爪(ひきがね)を引く。召喚されるペルソナは『オルフェウス』。彼が最初に覚醒したペルソナであり、彼が最も信頼を寄せるペルソナだ。そうして『オルフェウス』は彼の意を示す。

 

「響け、謳え、奏でろ、オルフェウスッ! 俺達の想いを、飛鳥に届けるためにッ!!!」

 

 古代ギリシアに名立たる吟遊詩人オルフェウス。神から受け賜わりし竪琴で奏でるその旋律は、人や動物は勿論、森の木々や石すらも魅了し、冥府の亡者達も苦しみから解放されたという。

 理の意思を受けたオルフェウスは、彼ら全員の心の叫びを聞き、それを増幅して放つ。腹部のスピーカーだけでなく、周囲の空中に更にスピーカーを召喚してアンプとして扱い、その叫びを轟かせる。

 それこそが、理が立てた最後の作戦だ。ペルソナ自身が持つスキルではない、オルフェウスの伝承からなるこの旋律は、理や少女達の想いを乗せて、飛鳥へと向けて響き渡る。

 先程まで飛鳥はシャドウに囚われていても、彼らの呼びかけによって断片的にではあるが意識を浮上させていた。ならばこそ理だけではなく、忍少女達の想い、『心』を乗せたその旋律は飛鳥の意識を完全に覚醒させることが出来る筈だ!

 

「目を覚ませ、飛鳥ぁーーーーーーーーーっ!!!」

 

 




 そろそろ理もデレ始めて来ました。そんな26話。

~登場スキル解説~

・忍法系スキル
《チャクラの具足》
 効果:リフトマ+スクカジャ
 出典:真・女神転生Ⅲ
 備考:本来は移動時にMPを回復するスキルだが、今作では空中、水上、壁面などの場所の走破を可能とする歩法スキルとなっている。飛鳥たち忍も、このスキルを用いて二段ジャンプや空中ダッシュなどの技を行使し、このスキルを極めることによって、空中戦闘スキル《飛翔乱舞》へと昇華させる。

《勝利の息吹》
 効果:常時HP小回復
 出典:アトラスシリーズ全般
 備考:本来は戦闘終了時に発動するスキルだが、今作では常時発動型のスキル。特殊な呼吸法によって大気中のマグネタイトを取り込み、回復する。


・『シャドウ飛鳥』のスキル
《マグナ系魔法》
 効果:敵に地変属性ダメージ。理達は『地変』の耐性を持たない為、防御不能。

《たたり生唾》
 効果:万能中ダメージ+状態異常または武器破壊

《邪神の蛮声》
 効果:敵全体に万能大ダメージ+体力回復。呪文はツァトゥグアの儀式聖歌より。

・合体スキル
《二十八宿の守護》
 効果:魔法スキルを一度だけ無効化。
 出典:ペルソナ2罰
 備考:今作で発動したこのスキルは、原典のペルソナ2版と比べ劣化してしまっている。本来のスキルを発動させるために必要なペルソナではなかった事と、ワイルド能力者である理を起点とせずに発動した為。それでも《二十八宿の守護》は、理を守り抜いた。

 そして、最後に発動しているオルフェウスの旋律による攻撃は、P3フェス後日談での、アイギスVSメティスでの戦闘アニメで、オルフェウスが行った音波攻撃をイメージして下さい。
 ……こんな風にペルソナ自身の特性を使って攻撃するシーンってあまりないですよね。世紀末覇者先輩のヨハンナによる轢き逃げアタック位だろうか?

 次話はもう少し早く投稿出来る筈。元々長すぎてぶった切ったのがこの26話なので。……次の次はって? 聞くな……



 最近はペルソナ5ばっかりプレイしています。今は丁度、刈り取る者がインフルエンザで死んでいる辺り。
 しかし、この作品にもP5要素出せないかなー、とも思ったりします。幾つか出せそうな設定は出すつもりですし、次回でも思いっきりP5ネタ使用するので……。
 でもおそらく、本編にガッツリ絡む事は無い筈。世界観は同じでしょうけど、この時代からだいぶ先の話ですし、未来的な話で番外編をするとしても、黒幕? のあの脳天フル・フロンタルが所属する組織が組織なので、忍学科とは絡ませ辛い……。

 成長して忍組織に所属した理が、怪盗団の調査の為にP5キャラに近付くって言う展開は考えるだけでも楽しいですけどね。コードネームは何になるのだろう? 『フール(愚者)』とか『クリーパー(忍び寄る者)』とか『デッドマン(史実的な意味で)』とかだろうか?

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