ハイスクールDevil×Dragon×Dhuman   作:4E/あかいひと

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番外編です。


第3章その後の番外編-赤龍×白龍×雑談

[新しい能力が解放されました]

 

○兵藤一誠とドライグの場合

 

『なぁ相棒。朗報だ』

 

「どないしたよドライグ」

 

『アルビオンと和解したことで、面白いことになったぞ』

 

「面白いこと? デューマンの虚弱さをどうにかする手立てでも見つかった?」

 

『違う。と言うかそれはもう諦めた方が身の為だぞ』

 

「だよね知ってる。で?」

 

『封じられた能力が一つ、解放された』

 

「…………え”?」

 

『なんだその声は』

 

「いやだって…………現時点でも大分アウトだよ『赤龍帝の軍手(ブーステッド・ギア・グローブ)』。シンプルに強くて使い易い能力じゃん。器用貧乏の俺でもここまで使いこなせる時点でもうあかんよ」

 

『お前が器用貧乏なら、大半の人間がそれすら届いてない鈍臭い連中ということになるぞ…………。まず、器用貧乏に『無限の龍神化(ウロボロス・セカンド)』は無理だからな? まあいい。とにかく、だ。手札の多さも強味の一つである相棒のことだ、教えておかねばと思ったわけだ』

 

「まーそれは有難いがね。で、隠された能力っていうのは?」

 

『『透過』、防御などをすり抜けて相手に攻撃を届かせる能力だ。神器で使おうとなると、『Penetrate』の掛け声で使うことになるだろう』

 

「…………それって、やっぱお前の生前の能力だよな?」

 

『ん? そうだが』

 

「いや、純粋に強いなって。やっぱ天辺のドラゴン2匹以外では最強ってのは伊達じゃねぇな」

 

『ふっふっふ。コレで驚かれては困るな相棒。実はまだもう一つ、隠された能力が存在している』

 

「…………うわぁ」

 

『だが、まだこちらの方は相棒の『赤龍帝の軍手』があまり経験を積めてない為に使うのは今は不可能だ。だからそんなドン引きした様な声を出すな』

 

「う、うん…………にしても、この時点でもうありえないのにねぇ。要はアレだろ? 倍加して威力あげた一撃を、相手の護り気にせずにブチ抜けるってことだろう? つか、ここまで強いドライグと双璧を成す白龍皇もヤバいなオイ」

 

『まあ、互いに突き抜けてはいたな…………お陰で喧嘩するだけで周りが無駄に慌てる始末だ…………今では思い出せんが、本当なんで俺たちは喧嘩を始めたんだろうなぁ…………』

 

「それで巻き込まれた側は堪ったもんじゃねぇがな、反省しやがれ。…………しかし、『透過』、『Penetrate』。ペネトレイト自体は『突破』を意味する単語だよな」

 

『…………何を考えている』

 

「待てやドライグ。まるで俺がロクでもないことをするかの様に」

 

『最早俺とアルビオンにとって、グラール出身の人間は『非常識の塊』ということで見解が一致している。そんなグラール出身のお前が意味深に呟くんだ、何か恐ろしいことになると考えてもバチは当たるまい』

 

「あのなぁ…………俺らは未だ真っ当だぞ? 本当に非常識なのは…………いや、いいやめておく。嫌な予感しかしないから。…………まあともかくだ。別に『透過』じゃなくて『刺突』でよくね?」

 

『ほら見ろ』

 

「何がほら見ろだ。寧ろ俺が使いやすい様に改悪だぞ? 要は相手の護りをすり抜けるんじゃなくて、点でブチ抜くんだよ。赤龍帝の攻撃って能力もあって大味だろ? 破壊力はあるんだけど、力が広範囲に分散しちまってるんだよな。だから、その分散した力を一点に収束したら、新しい戦い方が開拓できると思ったんだ」

 

『ふむ、それによる結果はともかく発想自体は普通だな。確かに一点に収束するには些かオーバーパワーな俺たちだ。それを『透過』の解釈を変えて『刺突』とし、そのオーバーパワーですら点での攻撃に変換する。…………楽しそうだな』

 

「でしょ? 勿論、場合によっては『透過』で使った方がいいとは思うんだけど、弱点を的確に狙うとかなら『刺突』の方がいいと思うんだ」

 

『よし分かった。少し神器の調整に入ろう。おそらくだが、希望に添えるだろうしな』

 

「やった! ありがと相棒!」

 

『気にするな、相棒』

 

 

◇◇◇

 

 

○ヴァーリ・ルシファーとアルビオンの場合

 

『なぁヴァーリ。少しいいか?』

 

「どうしたアルビオン?」

 

『ドライグと和解したことで、能力が一つ、解放された』

 

「そ、そうか。だがアルビオン、私の勝手なイメージだが、それも使い辛い能力なのではないか? 正直、私に使いこなせる気がしない」

 

『と、思うだろう? その通り。強力ではあるが、おそらく無用の長物となりそうなものだ』

 

「お、おう。開き直っていないかアルビオン?」

 

『開き直りも、心の安寧を保つ一つの方法だと教わったからだ。…………全く、俺の精神をある意味追い詰めた存在は、後にも先にもお前だけだろうよ。まあいい、解放された能力は『反射』だ』

 

「…………ふむ。積極的には使えない能力だな」

 

『やはり、な。どうせお前のことだ。『当たらなければどうということはない。仮に当たりそうになっても剣で打ち返す』とか、そういうことだろう?』

 

「なぁアルビオン、開き直りが一周して怒ってないか?」

 

『怒ってはない。怒ってはないが…………遣る瀬無い気持ちにはなっている』

 

「そ、そうか」

 

『……………………』

 

「……………………」

 

『……………………』

 

「…………あ、あのなアルビオン。私は、最近思うんだ」

 

『…………?』

 

「能力の相性が悪いのなら…………能力の解釈を変えてみるのはどうだろう?」

 

『……どういう風の吹き回しだヴァーリ』

 

「おそらくだが…………今のイッセーの全力と戦ったら、私はどう足掻いても負ける。これは白龍皇としても、『ナギサ』としても、ヴァーリ・ルシファーとしても、我慢ならない」

 

『ああ、認めたくはないがそうだろうな。ドライグの相棒のあの男、お前と同じ世界の出身なだけあって相当な戦士だ』

 

「……その、グラールが人外魔境という風潮はやめにしてもらいたいのだが。だが、強いことに変わりはないな。なにせ、自他共に認める最強の傭兵だった男。そんな彼が『赤龍帝の籠手』なんて持ってしまったら」

 

『…………相性は異様にいいだろうな』

 

「神器無しでなら、互角に渡り合える自信はある。しかしそれではダメなのだ。少なくとも、あの龍神に認められるレベルになるには」

 

『故に、使おうと思わなかった光翼を使おうと?』

 

「ああ」

 

『……苦節、十数年。ようやっと、か。『白龍皇の光翼』は、今はお前の物。使いやすい様に自由に弄るべきだ』

 

「ありがとう、アルビオン。あと…………その、済まなかったな」

 

『気にするな。お前に救われてる部分もある。辛い日々が続いたが、それでもお前は最高の白龍皇だ』

 

 

◇◇◇

 

 

[伝説の武器が手に入りました]

 

○兵藤一誠とドライグの場合

 

『おい相棒。エーナが面白いものを持ってきたぞ』

 

「え、あの妹様、今度はどんな奴をモン○ンしてきたのさ」

 

『今回はモ○ハンはしていない。が、例によって何かの爪…………と言うか俺の爪だ』

 

「え、生前のお前の爪? なんかヤバイものに加工されてそうだけど」

 

『その勘は正しいぞ。聞いて驚け、『聖槍ロンゴミニアド』だ』

 

「なんですと!!?」

 

『以前俺がブリテンの守護龍だった頃に、アーサーのエクスカリバーに合う盾を作るのにくれてやった爪を、マーリンと湖の乙女ヴィヴィアンがなにを思ったか、盾としても使える人間にしては大きな異形の槍にしてしまったのだ』

 

「ま、マジか…………でも、ロンゴミニアドに関してそんな逸話あったっけ?」

 

『あるはずがなかろう。と言うか出処が俺だから、意図して三大勢力が情報を消して回ったのだ。その流れで、ロンゴミニアドに関しての情報も、ほとんど消えてしまったのだ』

 

「あー…………それはありそう。と言うか、マジでドライグって『ウェールズの赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』だったんだな」

 

『まあ、な』

 

「(あ、なんか今はこれ以上聞いちゃいけない感じだ)」

 

『というわけで、目の前にあるコレが、『聖槍ロンゴミニアド』だ』

 

「うわぁ…………これ、槍? ちなみにこれは俺が使ってもいいの?」

 

『俺は構わん。エーナも、お前にやるつもりで回収しただろうし問題はなかろう。しかし、あいつは一体何処でこれを掘り出してきたんだ…………?』

 

「…………なあ、思ったこと言っていい?」

 

『どうした?』

 

「聖槍ロンゴミニアドって、聖剣エクスカリバーに匹敵する宝物で、叛逆の騎士モードレッドを貫き殺した槍なんだよね? …………この間聖剣エクスカリバーの七分割した一部を見たけれど、アレを7倍にしてもこの聖槍には届かない気がするんだけど」

 

『ああ、それは簡単だ。聖剣エクスカリバーは二つに分けられたからな』

 

「…………え?」

 

『と言うかそもそも、エクスカリバーは元々エクスカリバーではなく、カリバーンにあの七つの能力を足した物だしな。確かカリバーンの方は『聖王剣コールブランド』と名前を変えて、ペンドラゴン家の家宝として現存しているはずだ』

 

「え、ちょ、ええ?」

 

『EXは余分なものとも解釈できるはずだ。エクスカリバーは、『エクス+カリバーン』。つまりあの七つのエクスカリバーは、聖王剣コールブランドから分離された『聖剣エクス』とも言うべき何かを、七分割したものだと言うことだ』

 

「な、なんでそんな歴史のミステリー的な真実をドライグが知ってるわけ!!?」

 

『そりゃあ、俺はウェールズの赤い龍だからな』

 

 

◇◇◇

 

 

○ヴァーリ・ルシファーとアルビオンの場合

 

「なあアルビオン。ルフェイから枯れた木の植えられた植木鉢を渡されたのだが…………これは嫌がらせか?」

 

『あの娘に限ってそれはないと思うが…………基本的にお前のチームは仲が良かろう? 美猴だけ常に胃を抑えているが』

 

「そうなんだが…………ちなみにこの枯れ木、どうも宿り木の所為で枯れたらしい。悪意がないなら、これはどういう意図で渡されたのだろうな」

 

『…………驚いた。これはミストルティンだ』

 

「ミストルティン?」

 

『ああ、宿り木を指す古い言葉だが、その中でも特に、『神殺しの宿り木』を指すものだ』

 

「それはなんというか、物騒な宿り木だな」

 

『詳しい説明は省くが、バルドルという北欧神話の神を射殺された時に用いられたのが宿り木であり、神を殺してしまったがためにその宿り木の系譜は、神殺しの宿り木として、呪いに近い力を得てしまったというわけなのだが……』

 

「ああ、つまりルフェイは私に武器としてこれを、というわけなのか。…………しかし、私は弓術を身につけてはいないのだが」

 

『別に矢として使う必要はなかろう。この宿り木を更に育てれば、木剣を造るに足る大きさまで育つはずだ。お前の用いるスティールハーツとかいう大剣とは別に、不意を突くためのサブウェポンとして使うのもアリだろう。不本意ながら、神をも殺す呪いと言うのは俺とも相性が良い』

 

「ふむ、そうか…………ならば、イッセーに渡すか」

 

『……また、使う必要がないと言うのか?』

 

「使わないとは言ってないぞ。武具製作ならば彼に任せた方が良いというだけのことだ。前世では、仲間の武器の制作、点検などは彼の管轄だったからな」

 

『あ、ああそういうことか。安心した。それにしても…………』

 

「それにしても?」

 

『あの男、些か多芸過ぎやしないか?』

 

「…………以前、同じ疑問を彼にぶつけたことがある。そしたらなんと言ったと思う?」

 

『……『多芸の内に入るのか?』とか?』

 

「『戦うことに関連するのなら、なんだってやる気が湧く』だ。武具製作に関しては言わずもがな、医療の知識を齧ったのもなるべく長く戦う為。栄養学に手を出したのも資本となる身体の調子を整える為。今のはほんの一例だが…………『ショウ・ウォーカー』という人間は、良くも悪くも戦いに魅せられた男なのだ。幾ら剣を振るしか能の無かったあの頃の私でも、それだけの理由でストイックに学ぶことは不可能だろう」

 

『…………お前もドラゴンらしいヤツだと思っていたが、あの男も相当なのだな』

 

「本当にな…………とりあえず、会う口実もできたところだ。早速向かおうか」

 

『…………一応釘を刺しておくが、ベッドに潜り込むなどは止めておけよ? 流石にあの男が可哀想だ』

 




なお、本人達は虚空に向かって話してる様子。

肌白くて眼帯してるオッドアイで、話してる内容がファンタジー。

どう見ても厨二病です本当に有難うございました。

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