ハイスクールDevil×Dragon×Dhuman   作:4E/あかいひと

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今日は結構短めです。申し訳ありません。

-追記-
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本当にありがとうございます!


その3-謝罪×胃痛×憤怒

夜が深まり、日付が変わった頃。

 

オカルト研究部の部室に、圭太と塔矢の2人が入ってきた。

見た所、外傷は見えなくなっている。悪魔になったことで、全て再生しきったのだろうか? なんにせよ、支障がなさそうで良かった。…………が、それはそれ。望んでいなかったのに人外にしてしまったことへの罪は、重いと思うのだ。少なくとも、土下座程度でどうにかなるようなものでは、ない。

 

「圭太、塔矢。本当に、済まなかった」

「あー、別に死んじまったことは割とどうでも…………良くはないが、まあ諦めはついたから気にすんな。アレはどうしようもねぇ」

「いや、俺が気をつけていれば…………」

「油断していたのは俺もな上に、実戦から離れた兵士の勘は鈍るものだ。それでも気にすると言うのなら、」

 

そうして2人は手を構えて俺のデコにかざし、

 

『バチンッ!!!』

 

デコピンした。

 

「うぉお…………!!!? いてぇ…………頭が割れる様にいてぇ…………!!!?」

「アレ、加減したのにな?」

「成る程、悪魔になると本当に身体能力も上がるのか。これは嬉しい誤算だ」

 

まあそれもあるだろうけど、1番はデューマンが防御面では弱っちい生き物だというところが大きいかな!!?

 

と、言うか聞き逃せない発言があったような…………。

 

「『嬉しい誤算』って、どういうことさ?」

「ああ、別に大したことではない。人間を止めたという代償こそ払えど、これで目標に大きく前進したということだ」

 

そこで塔矢が、らしくない…………それでいて実に様になってる獰猛な笑顔を浮かべた。

 

「これでも、お前を1度ぶっ倒すことを目標にしているんだ。身体能力が高いに越したことはない」

「…………マジで?」

「おうとも」

 

続きを引き継ぐ形で、圭太が口を開く。

 

「『戦いたい』『斬りたい』『最強になりたい』な兵藤一誠(きけんじんぶつ)に影響されたせいだ。ま、最強云々はともかく、良くも悪くも俺を変えてくれたお前を追いかけようと思うのは、自然な流れだろ?」

 

そいつはなんとも…………照れる話だな。素直に、嬉しいよ。

 

「つーわけで、俺らはあまり気にしちゃいねーよ。むしろグジグジされてる方がイラっとくるから、そこんとこヨロシク」

「おう…………そうする」

 

…………なんにせよ。

 

「また会えて…………本当に良かった」

 

そうじゃなきゃ、俺は…………いや、止めておこう。これはこの場で考えることじゃない。

 

今は、親友との再会の喜びに。

 

 

◇◇◇

 

 

「さて、話も済んだようだし…………入ってきていいわよ」

 

助かることに空気を読んでいたグレモリー先輩が、話が終わった後を見計らっていたのか、外に視線を向けた。

 

するとガラリと扉が開き、外からウチの制服を着た2人の女子生徒と1人の男子生徒が入ってきた。

 

…………改めて見ると、結構な面子だなぁオイ。

 

部長であるリアス・グレモリー先輩は、学園二大お姉様の片割れで、名門悪魔の家に産まれたマジモンのお嬢様。鮮やかな紅髪が目を引く、人間離れしたスタイル(特に胸)な美人さん。契約主だから『お嬢』とでも呼ぶことにしよう。

 

そして、副部長である姫島朱乃先輩は、二大お姉様のもう1人。和風美人って、こういう人を指すんだろうな(胸は日本人離れしてるけど)ってな感じのポニテさん。なんだかとあるラノベのサムライガールに似てるっ! …………気配的に悪魔とは別に堕天使のソレを感じられるのだが…………突っ込まない方が良さげだな、うん。

 

お次は、学園のマスコット的存在として有名な塔城小猫ちゃん。白髪ロリで、こじんまりとしていて(胸もちっさいね)とても可愛い。おそらく塔矢のストライクゾーンど真ん中だろう、あいつロリコンだし。あと、見た目の特徴がクロちゃんから聞いた妹さんの特徴に似ている気がするのは気のせいだろう。何やら彼女から妖怪の気配がすることもどうでもいいだろう。

 

最後に、オカルト研究部唯一の男性部員にして学校一のイケメンの、木場祐斗。学園の婦女子の方々に薄い本の題材にされていることで有名だ(嘘)。見た目に違わぬ優男っぷりで、嫉妬はされても性別問わず嫌われることがないというのは素直に凄いと思う。ん? 俺らは嫉妬組に決まってんだろ。

 

…………なんというか、随分と(無駄に)見目麗しいメンバーですこと。嫉妬しちゃうぜ。ぺっ!

 

「初めまして、姫島朱乃ですわ」

「…………塔城小猫です」

「面識はあるけれど、改めて。木場祐斗です」

「そして私が、部長にして皆の主人であるリアス・グレモリーよ。私たちは、あなた達を歓迎するわ…………悪魔としてね」

 

瞬間、俺以外のみんなの背中から、コウモリに近い形の翼が広がる。圭太と塔矢は、自分の背中に生えていることに驚いているようだ。

 

「…………なーんか、仲間外れ感がハンパねー」

「フフッ、人間だから仕方がないわ。とは言え、眷属でなくともあなたは私達の仲間よ。オカルト研究部的にね」

 

…………さっき入部届け書かされたしね。部活仲間と言えばそうなのかもだろうけど。

 

でも、負けた気分になるのはいただけない。戦う前から負けを認めるのは、戦闘狂にとってはあってはならぬことだ!!

 

だから、俺も背中から翼を出した(・・・・・)

 

「「「「…………え?」」」」

 

バサリと広がる、赤い鱗と異様に白い翼膜が目に付く翼。いわゆる龍の翼だ。

 

「あ、あの兵藤くん? あなたは人間じゃなかったのかしら?」

「あ、別に君付けじゃなくていいっすよ。なにせ貴女は俺の契約主なわけですし。気軽に『イッセー』とでも呼んでください、お嬢」

「…………じゃあお言葉に甘えて、イッセーと呼ぶわね。あと、お嬢はやめて頂戴。そうね、部長でいいわ」

「承知しました、お嬢(ぶちょう)

「なんか違う気がするわよそれ!?」

 

えー、ちゃんと部長って言ったのにー。

 

「で、さっきの質問に答えるなら、禁手の形態変化の実験してたら細胞に異変が起きちゃって。どうも過酷な環境に置かれた故の進化ってのが最終的な結論なんですが。で、最近だと細胞を活性化させることで龍化できるようになったんですよ」

「…………えっと、ごめんなさい。私でも分かる言語でお願いするわ」

 

…………え? 日本語で話したと思うんだけど。

 

「リアス、悪魔に通じない言語はないはずでしょう?」

「ええ…………分かってるわそんなこと。でも、宇宙人か異世界人か未来人とでも話してる気分よ…………どういうことなの…………」

 

…………捉えようによっては、

 

違う星出身→宇宙人

異世界の魂→異世界人

科学が発達してる世界出身→未来人

 

今お嬢が挙げたのって、全て俺に当てはまるような…………。てかあの有名ラノベ『暑宮アキノシリーズ』のヒロインの暑宮の前に俺が現れたら発狂しそうだな! わぁ、俺ってばなんでここまで属性過多なんでしょう!!

 

まあでも、理解しがたいということは分かる。でも俺だって身体が『ビースト』に近くなって、ナノブラストができるようになるとは思わなかったぜ。ナノブラストしないと相変わらず身体は虚弱だけどな!!

 

「んー、ザッと纏めると、禁手のやり過ぎでドラゴンになっちゃいました!」

「とても分かりやすい説明をありがとう。その頭のおかしい内容に卒倒しそうだわ」

 

? へんなの。これぐらいのことでビックリするなんて。

 

「なーんだ、お前も人外だったのか」

「名実共に『駒王の龍』になったんだな」

 

ほら、圭太と塔矢は驚いてないし。あとそのあだ名はやめてよ黒歴史だから。

 

「まあ、俺のことはどうでもいいじゃないですか。それよりも、本題に入りませんか?」

「そ、そうね! 私は何も見なかった! うん、それでいいの! さあ、説明を始めるから席に着きましょう!」

 

お嬢、それは現実逃避と言うものでは? というセリフは、言わない方が良い気がした。なんというか…………心を折りかねない気がしてだね。

 

まあその後はなんの問題もなく色々な説明を受けたけど、話が終わった後にお嬢が胃を押さえていた。

 

…………正直、すまんかった。

 

 

◇◇◇

 

 

さて、家に帰る頃には既に4時を回っていた。お嬢が家に連絡を入れてくれていたので、朝帰りでも問題は無いはず。

 

だけど何だろう、この我が家から漂うこの異様なオーラは。

 

自分の家から逃げ出すとかありえないので、意を決してドアを開くと─────

 

 

 

 

「おう、おかえりイッセー」

「大変だったわね。というわけで、」

「兄、鴉狩り、行こ?」

 

 

 

 

バタン!! と、玄関の扉を閉めた俺は、悪くない。

 




一体何処へ戦争しに行くと言うのでしょうね、あの家族。

それはともかく、

感想、批評、駄目出し、よろしくお願いします。

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