癒術師も異世界から来るそうですよ?   作:夜明けの月

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少し遅くなりました。

少し短いですが………。

それでは本編をどうぞ!


Yes!箱庭に来ちゃいました♪
異世界に呼ばれちゃいました♪


今、私は湖の中にいます。なぜかって?自分のこと忘れて他人だけ助けたからだよ。

 

『詩音様、ご自分のせいですのでそう機嫌を悪くしないでください』

 

ランスに慰められているのか貶しているのか分からないようなことを言われた。

 

「分かってるよー………どうせ自分のせいですよー…………」

 

そう言って一人湖から陸へと上がる私。助けたのになんかカッコ悪い………。

 

上がろうとすると目の前に手が差し伸べられる。見上げると金髪の学生服を着た男の子がいた。

 

「上がれるか?」

 

「あ、うんありがと」

 

その男の子に引き上げてもらう。いい人だな……この人。

 

「さてと、全員揃ったところで、ここはどこだ?」

 

「さあ?どこかしらね?」

 

「………………見たことない場所」

 

「どこもかしこも澄み渡って綺麗だね〜」

 

各々の感想を述べる。どうやら他の三人も知らないらしい。

 

「それで、お前らにもあの変な手紙が?」

 

「その前に、そのオマエというのを訂正してくれるかしら。私は久遠飛鳥よ。以後気をつけて。それで、そこで猫を抱えているあなたは?」

 

うわぉなんと高圧的な自己紹介。ってそんなこと気にしてるの私だけ?

 

「…………春日部耀。以下同文」

 

こっちはこっちで無表情決め込んでるし。少しは笑えばかわいいのに……。

 

「そう、よろしくね春日部さん。それで、私達を助けてくれて自分の事を忘れていたどこか抜けてそうなマヌケな貴女は?」

 

「ま、マヌケじゃないし抜けてないよ!それと私は水無月詩音!よろしく!」

 

思いっきりその場のノリと勢いで自己紹介をする。

 

「よろしく水無月さん。最後に、野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」

 

一番問題児そうな男の子に言う。といってもその人私が湖から上がる時に手を貸してくれたから優しいと思うよ?凶暴そうには見えないけどな〜。

 

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃った駄目人間なので、用法と容量を守った上で適切な態度で察してくれお嬢様」

 

こっちもこっちで盛大な挑発してるし。

 

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

 

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

売り言葉に買い言葉で返す二人。こんな人たちと一緒なんて……、これから私どうなるのでしょう………?

 

「グルルル……………」

 

「どしたのフェルン?」

 

突然フェルンが唸り声を上げる。少し離れたところにある茂みのほうを向いて。

 

私はそこを睨む。するとガサッと茂みが揺れる。

 

ははーん、あそこに隠れてるな。この状況を作り出した張本人が。

 

「フェルン、レッツゴー!」

 

「ワォン!!」

 

フェルンは私が言うと獲物に襲いかかるように走っていった。そして茂みに飛びかかる。

 

「ちょ、ちょっとお待ちを!!く、黒ウサギは何もしてないのですよ!!」

 

フェルンが襲ったことによって茂みから出てきたのは、ウサ耳を生やした少女が出てくる…………ってウサ耳!?

 

「い、一体全体なんなのですか〜!?」

 

「グルルル、ワン!」

 

「ちょ、お願いだから来ないでください〜!!」

 

ウサ耳の少女は涙目になりながら爆走する。

 

「フェルン、もういいよ」

 

私がそういうとフェルンは私の元にやってきて尻尾を振る。いつも通り頭を撫でてやる。

 

「た、助かりました………」

 

「それで、お前は誰なんだ?てかなんであんなところに隠れてた?」

 

少女の体がビクゥ!と震え、そっぽを向く。

 

「答えないならまたはフェルンに襲わせるよ?」

 

「ちょっとお待ちを!答えます、答えますから!」

 

必死にそう言う少女は気づいていないだろう。忍び寄る春日部さんに。

 

「えい」

 

「フギャ!?」

 

思いっきり耳を引っ張った。それにしてもなんとも女の子とは言えないような悲鳴ですな。

 

「ちょっとお待ちを!触るならまだしも遠慮無用に引っこ抜きにかかるとはどういう了見ですか!?」

 

「好奇心のなせる業」

 

「自由にもほどがあります!!」

 

そして耳に興味を持つ二人が少女の背後に立つ。

 

「へえ、この耳本物なのか」

 

「そうなのね」

 

「え……?お、お二人とも、ちょっとお待ちを!!」

 

十六夜と飛鳥は少女の耳を掴む。少女は涙目でこちらを見てくる。

 

ウサ耳少女が助けて欲しそうにこちらを見ている。

 

助ける

暖かい目で見守る

無視する

後でモフる

 

その中での私の答えは、

 

助ける

暖かい目で見守る

無視する

後でモフる◀︎

 

ということで、

 

「後でモフらせて〜」

 

「は!?」

 

「「「了解」」」

 

「なぜあなた方が返事をするのですか!?するのは黒ウサギでないのですか!?お願いだからやめてくださいーーーーーーー!!!」

 

その後、一人の少女の悲鳴が響き渡ったことは言うまでもない。

 

 




どうでしたか?今回は短いですが……。

さて、最初の方は暴走しますよ!(おい

ここまで読んでくださりありがとうございました。次回もお楽しみに。


感想、評価、誤字脱字の指摘、駄目出し等もよろしくお願いします。

次回予告

ウサ耳少女、黒ウサギによる説明により召喚されたのが箱庭だと分かる。

そこで十六夜はフリーダム、飛鳥と耀もフリーダム。こんなので大丈夫なの?と疑問に思う詩音。

そして箱庭の街である外道がエンカウントする。

「唐突に外道はエンカウントする、ということもあるよね?」

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