できるだけ早くしたいと思います。
今回カオス………ではないことを願いたいです。
それでは本編をお楽しみください。
朝起きたら幼女になっているのは異常だと思う
"ペルセウス"とのギフトゲームより二日が経過した朝、詩音はいつものように起きた。いつもより寝起きが悪く、体が妙に軽い。だが詩音は気にせずベッドから降りる。
「痛っ!」
だがうまく降りられず顔から落ちる。何か変だと思い、詩音は自分の体を見る。
幼い子のような小さい手、ダボダボの淡い水色のパジャマ、そして平らな胸。
自室にある鏡を見る。するとそこには
六歳の頃の詩音の姿があった。
「ーーーーーー!?」
その後、詩音の悲鳴が響いたことは言うまでもない。
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詩音は即座に部屋を出た。もちろんダボダボなパジャマはそのままである。
向かった先は居間である。ドアをバンッと開くとそこはカオスと化していた。
「一体どうなっているの!?」
「訳分かんないぜ」
「………理解不能」
「ど、どうして黒ウサギはちっちゃくなってるんですか!?」
「それを言うなら俺はでかくなってるんだが」
目の前の光景に立ち尽くす詩音。そして次の瞬間、詩音の体は宙に浮く。
「わわっ!?」
「詩音、あまり暴れないでね」
その原因は詩音の脇の下をつかんで持ち上げていた真尋だった。その姿は二十代後半ぐらいだった。
「えっと、真尋?」
「うん、そうだよ。姿は違うけどね」
「なんでこんなことに……?」
「……………はぁ」
何故か真尋がやれやれといった感じでため息を吐く。一方、詩音はぽかんとした顔だ。
「元はと言えば君の原因なんだよ?」
「ほぇ?どゆこと?」
「みんなが落ち着いたら説明するから」
それから全員が落ち着くのに数時間を要した。その間、真尋は小さくなった詩音で遊んでいたのは別の話。
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全員が落ち着いたところで詩音は情況を把握しようと頭を働かせる。
「(十六夜は三十路あたり、飛鳥は大学生ぐらいかな。耀は8歳ぐらいで、千斗は二十代前半。黒ウサギは……言うまでもなく幼女だね)」
とその場を一言で表すならカオスだった。
「こうなった原因はこのロr……詩音にある」
「ちょっと待って。今ロリって言った?言ったよね?」
「ロリ詩音は放っておいて」
「コラー!幼女扱いすんな!」
「いや今の姿鏡で見てきたら?じゃなくてこの原因は詩音にあるんだ」
真尋がそういうのを聞いてその場の全員が頭の上に?を浮かべる。
「詩音には癒力というものがあってね。使いすぎるとあらゆる手段を使って回復しようとするんだ。そしてこういう場合は決まって詩音は小さくなる」
「ああ、確かそうだったね。今回は二日遅れか」
「それにしても何故私たちも姿が変わっているのかしら?」
「それは……そういう力が不安定な状態で周囲にも働いたとしか言えないんだよね。まあ文句は未熟な詩音に言って」
「うぅ……反論できない……」
真尋の言葉で項垂れる詩音。そこで十六夜が新たな疑問を投げかける。
「詩音が未熟なのはどうでもいいとして、いつ元に戻るんだ?」
「明日になったら戻るよ。一日で癒力は正常値に戻るからね」
「へぇ、なら今日はこのままということかしら?」
「うん、そだよ。それがどうかしたの?」
「うふふ、ふふふふふふ」
「な、何?」
飛鳥はニヤリと笑って驚いている詩音に告げる。
「なら今日は思う存分詩音さんと耀さんと黒ウサギを弄べゲフンゲフン愛でられるわ」
そう言って真尋から詩音を受け取り、耀と黒ウサギを持ち上げる飛鳥。
「さて、それじゃあ着せ替えでもしましょうか」
「は、離すのですよ!」
「に、逃げ………!!」
「はーなーせー!」
「嫌よ。それにそのぐらいの力で今の私に歯向かおうとするとするのは間違っている気がするわよ?」
そう、現在詩音達は幼女化している。そのため、腕力などの力はその時に戻っており、だいたい大人のような体つきをしている飛鳥に力では歯向かえないのだ。
「それじゃあ行きましょうね〜」
「「「嫌ーーー!!」」」
ホクホク顏で出て行く飛鳥に幼女達の断末魔が響く。
「あれ止めなくていいのか?」
「いいんじゃね?動くの怠い」
「止めるのも面倒だからいいんじゃないかな」
男性陣も結構酷かった。
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「はぁ……酷い目にあった……」
詩音は飛鳥に散々着せ替え人形にさせられていたが解放され、現在街を散策中である。ちなみに今着ている服はピンクのうさ耳パーカーに白の短パンだ。
「とりあえず出てきたけど、どうしよう?」
「ねえねえお嬢ちゃん、俺たちと遊ばない?」
「ん〜、ギフトゲームは流石に無理だろうし、買い物なんていうまでもないし」
「おーい、そこのピンクのお嬢ちゃん」
「ん?誰?」
詩音は後ろから声をかけられていたことに気づく。そこにいたのはいい年をしたおじさん達だった。
「俺たちと遊ばない?いいお店とか知ってるよ」
「……………」
詩音はここで考えた。そして導き出された答えとは、
「……………!!」
全力疾走することだった。
「(あの人たち絶対に関わっちゃいけない人だ!!)」
そう思うのも仕方ないだろう。前の姿であればまだなんとかできたかもしれない。だが今は幼女である。なのに話しかけてナンパしてくるということはそうなのだろうと詩音は理解する。
あれは完全にロリコンだと。
全力疾走すること数十分。詩音は息を切らしつつ立ち止まった。
「はぁ…はぁ……ここまで来れば「おーい待てよ嬢ちゃん」ギャァァァァァァァァ!!!」
そして詩音の
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日が傾き始めた頃、詩音は息を切らしながら本拠の入り口の扉を開けた。
「ただいまー………」
「おかえりってどうした?」
「何でもない」
そこにいたのはカップに入ったコーヒーを飲む十六夜だった。妙に様になっている。
「あれ?他のみんなは?」
「真尋と千斗は疲れたらしいからもう寝た。他の奴らもはしゃいで疲れ果てたのか、そこで寝てるぞ」
十六夜は指を指す。するとそこには仲よさそうに寝ている飛鳥、耀、黒ウサギがいた。詩音はそれを見た瞬間に笑みがこぼれる。
「こう見ると姉妹に見えなくもないね」
「だな。さてと、詩音に聞きたいことがある」
「何?」
「レティシアの居場所を知らないか?朝から見ていないのだが」
「ああ。昨日言ってたじゃん。"サウザンドアイズ"に用があるから用事が済むまでは帰らないって」
「そうか。さて、それじゃあガキどもの飯でも作るか」
「子供達の?」
「ああ。そいつらと真尋達はおそらく朝まで起きないと思うからな」
「それじゃあ私も手伝う。こう見えても少しぐらいは料理できるんだよ」
「そうか。それなら頼む」
そう言って二人はキッチンへと向かう。その姿は父と娘の様だったらしい。
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それからすることもなく十六夜に弄ばれて速攻で寝た詩音。朝起きると前日の様な違和感はなかった。
鏡の前に立つと以前と変わらない幼女ではない自分の姿が映った。
「はぁ、やっぱりこの姿が一番だね」
詩音はそう呟き部屋を出て今へと向かう。そして居間への扉を開くと、いつもと変わらない光景が目に入った。
「おはよう詩音」
「おはようございますなのです詩音さん」
「おはよう黒ウサギ。ってあれ?タマモなんでそこに?」
「私についてきてもらっていたのだ」
そう言ったのはメイド服を着たレティシアだった。
「そうなんだ」
「まあこっちはこっちで面倒だった様だが、詩音達が元に戻ってなによりだ」
「ですね。普通が一番なのですよ」
「それ異常な黒ウサギが言う?」
「ただの異常じゃないぞ。異常人代表だぞ」
「今聞き捨てならない言葉が聞こえたのですよ!」
ワイワイガヤガヤといつもの様なやり取りを繰り広げる"ノーネーム"のメンバー。その姿に笑みをこぼしつつ見届ける詩音だった。
「異常人代表と弄られ代表、それと天然代表は詩音さんなのですよー!」
「聞き捨てならない!訂正して黒ウサギ!!」
今日も"ノーネーム"には笑い声が響いている。
すみません、進行に少し訂正があります。
次回はコラボが入りますのですぐには二章にはいきません。
そのため、今回は次回予告はなしとさせていただきます。
アンケートにもご協力よろしくお願いします。
それでは次回もお楽しみに!