タグ詐欺になるかもしれないが後悔しないぞ!
それでは本編をお楽しみください。
詩音のギフトゲームが終了し、玉藻前が落ち着いたので白夜叉が、
「うむ、それでは何か選別でもくれてやるかの」
と言ってきた。
「選別?」
「まあコミュニティ復刻の前祝いのようなものだ。遠慮せず受け取ると良いぞ」
そう言って白夜叉は手を叩く。パンパンと軽快な音が鳴り響くと詩音たち四人の目の前にはそれぞれ違った色をしたカードが現れる。
「そ、それは、ギフトカード!?」
「何それお中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「認証カード?」
「違いますよなんで皆さんそんなに息ぴったりなのですか!?これは自分の所持するギフトを収納できる優れものなのですよ!それ故にものすごく高価な代物なのです!」
「つまり超レアアイテムってことか?」
「売ったらどのぐらいするのかな?」
「ああもうそれでいいです!それと詩音さんは貰ってすぐに売値の話とかやめてもらえませんか!?」
「ヤダ」
「ワガママ禁止!!」
スパァンと黒ウサギはハリセンで詩音の頭をぶっ叩く。そして何もなかったかのように各々が自分のギフトカードを見る。
逆廻十六夜
コバルトブルーのカード
・ギフトネーム"
久遠飛鳥
ワインレッドのカード
・ギフトネーム"威光"
春日部耀
パールエメラルドのカード
・ギフトネーム"
水無月詩音
スカイブルーのカード
・ギフトネーム"癒術師"、"魔術師"、"召喚士"、"調整者"、"円卓の騎士"、"全てを食らう魔狼"、"九尾の狐"、"魔ヲ撃チ浄化スル者"、"癒術の心得"、"宝具"
そしてそれを見た詩音はうへぇ、時の抜けた声を上げる。
「なんでこんなにあるの〜………」
ギフトを見た瞬間にグロッキー状態である。
「しておんしはどうだったのだ?私的にも気になるのだ」
「ん?見ていいよ」
詩音はそう言って白夜叉にギフトカードを見せる。すると白夜叉は目を見開いて驚いた。
「な、何故おんしが"癒術師"を持っておるのだ!?あれはあやつしか持っとらんものだろう!?」
「んなこと言われたってしょうがないじゃん。私このギフト気づいたら持ってたんだもん」
「ふむ、まあそれは良いか………。あと一つ聞きたいことがあるのだ。この宝具というのはなんだ?」
「ん?書いてあるんじゃない?」
詩音はカードの下の方へと視線を下ろしていく。するとそこには、
"水珠の弓"
"翡翠の短剣"
"紅蓮の剣"
"風刻の槍"
"土狂の槌"
"戦乙女の盾"
"闇死の籠手"
"天燐の杖"
とあった。
「うはぁ……いっぱいある」
「どれもこれも神格級の宝具だのお。使い方は全く分からんが」
「え、そんなにすごいの?」
白夜叉の言葉に少し驚く詩音だが、白夜叉はそんなことないと返す。
「使い方がわからん故、これがどのような力を持っておるかさえ不明だが、まあ何か困ったことがあればいつでも訪ねて来ると良い」
「おかしい……変態ロリの白夜叉が何故かかっこよく見える………!私の目はとうとう狂ったの………?」
「狂ってなどおらんわ!というか誰が変態ロリだ!?」
「「「「あんただよ」」」」
「うわーん慰めて黒ウサギー!」
「近寄らないでくださいって言ったそばからダイブするんじゃありませんこのお馬鹿様!!」
今日も箱庭は
☆★☆★☆★☆
「何かあるならまた来ると良い。私がいつでも相談に乗ろう。そして揉むならいつでも揉んでやるぞ?」
「「「「お断りします」」」」
「あと一つ忠告です。次詩音様に手を出したら」
「?出したら?」
「その穢れた心共々闇に葬ってあげますからそのつもりで」
ランスは淡々と告げるがオーラが黒い。それに気圧されたのか白夜叉は首を上下に振るだけである。
「それでは行きましょうか」
また黒ウサギを先頭にして今度はコミユティに向けて歩き出した。
☆★☆★☆★☆
「しかし、あやつが癒術師とはな。どうなるかわからんのこれでは」
白夜叉は自室に戻って呟いていた。
「そうは思わんか?」
「アハハ、バレてた?」
「バレるに決まっておろう。私を誰だと思っておるのだ」
「変態ロリの白夜叉様だよ」
「その不名誉な名前はやめていただきたいのお」
白夜叉は部屋の襖に軽くもたれかかり反対側にいる人に話しかける。
「してあやつはおんしの教え子か?はたまたただの知り合いか?」
「ただの知り合いだよ。だけど、僕が彼女を仕立て上げたって言っても過言ではないかな。っとそれじゃあ僕はそろそろ行くよ」
そう言って立ち去ろうとする足音が響く。
「今度はどれくらいで戻ってくるのだ?」
「さあね。僕は放浪しているだけだから飽きたら適当に帰るよ」
「まあなんにせよ無事に帰ってくるのだぞ。"サウザンドアイズ"の傘下"桃源郷"リーダー、神倉ユウよ」
「ふふふ、それじゃあね白夜叉」
☆★☆★☆★☆
詩音たちは黒ウサギに連れられ"ノーネーム"のコミュニティにいた。その本拠は悲惨という言葉だけでは表せないぐらいのものだった。
「おいおい、こりゃ一体なんの冗談だ?」
「土地が死んでる……?」
「動物の気配が全くしない……」
「魔王によってここまでされてしまいました。しかもこれは三年前のことです」
黒ウサギが言うにはこれはたった三年前に起こされたと言うのだ。信じろと言われて信じる者はおそらくいない。
「ふざけるな。この土地の風化の仕方だとざっと数千年ぐらい立たなきゃ無理だぜ?」
「それほど魔王の力は強かったのです。この土地を遊びで滅せるほどに」
その言葉に戦慄する。十六夜は不敵に笑い言う。
「いいねいいないいぞおい!魔王か……クソ楽しそうじゃねえか!!」
心底楽しそうに、そして怒りを込めていった。戦慄するメンバーの中に全く話さない人物がいた。詩音だ。
「これならこうしてああすれば…………よし!」
詩音は黒ウサギの前まで歩く。
「どうしたのですか詩音さん?何かあったのですか?」
「ええとね、ちょっと見てて」
そう言って詩音は両手を胸の前で結ぶ。
「"荒れ果て朽ちた地よ、誰かに必要とされなくなった地よ、今私が元に戻しましょう。今の姿を幻想とし、仮初めの姿を与えましょう。仮初めはいつか真実となり、今が仮初めとなります。そのために私が癒しましょう。
そう詩音が紡ぐと地面から光が溢れる。眩い光は強くなり全員の視界を奪う。そしてその光が消えて目を開くとそこには、
一面が緑で染まっていた。
「「「「えっ……………?」」」」
「よし大成功!」
目の前の光景を疑う四人とガッツポーズをする詩音。そしてようやく状況が飲み込めたのか目を見開き驚きの声を上げた。
「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!??」」」」
四人は口を開け目を見開いている。朽ち果てていた土地がいきなり緑で埋め尽くされたのだ。そうなるのも頷ける。
「ちょ、は?え?」
「な、何が起きたと言うの………?」
「理解不能………」
「ヤハハ、こりゃ驚いたな」
各々が感じたままに感想を述べる。
「ふふん、凄いでしょ?」
「って一体全体何をやったのですか!?あんなに朽ち果ててたのに!?」
「癒したんだよ」
「癒した?」
「そ。それが癒術師だからね。こういうのも"汚れ"に認知されるし」
「"汚れ"?」
「私が癒す対象のこと。まあとりあえず案内してよ黒ウサギ」
悪戯な笑みを浮かべて黒ウサギに笑いかける詩音。こうして詩音達はコミュニティへと着いたのだった。
はい詩音がチート予備軍になりました。
まあなんとかなるかな。
それでは次回もお楽しみに!
次回予告
コミュニティの本拠に着いた詩音達。
すぐさまお風呂へ入った詩音達はガールズトークをすることになる。
そこで詩音は自分のことを聞かれて元の世界での話をすることにする。
「過去の記憶」