この頃書くスピードがめっきり遅くなってきました……どうにかしないと……。
ということで、本編をお楽しみください。
「何をやっているんですかお馬鹿様!!」
詩音のフリーダム発言の後、黒ウサギ達と合流して先ほど起きたことを話す。すると黒ウサギはウサ耳を逆立てて激怒する。
「何故あの短時間のうちに"フォレス・ガロ"のリーダーと出会い、喧嘩を売る状況になるのですか!?」「しかもゲームの日取りは明日!?」「それも敵のテリトリーの中で戦うなんて考えなしにも程があります!!」「準備している時間もありません!」「どういう心算のあってのものです!!
聞いているのですか御四人方!!」
「「私たちは無視しただけであって悪くはない。故に反省などしない」」
「僕は流されていたので悪くはないですが反省はします」
「面白そうだから喧嘩を売った!反省なんて言葉は知らない!」
「黙らっしゃい御気楽カルテット!!」
スパパパパァーンと黒ウサギはハリセンで鎧を纏う青年以外の四人の頭を叩く。
「まあいいんじゃねえか。見境なしに喧嘩を売った……………訳じゃないよな?」
十六夜でさえ疑問に思い詩音に聞く始末。そして詩音は、
「え?いや、単に面白そうと思って」
そう言った。それを聞き頭を押さえる十六夜。
「しかも何ですかこの"
そう、"契約書類"には先ほど詩音が言ったように、こちらが勝った場合はガルドが箱庭を去り、負けた場合は詩音が"フォレス・ガロ"の奴隷になるということになっている。
「うんまあ………これはダメだろ………」
「ええ!?なんで!?」
「いや、なんでと言われても………」
詩音の問題児っぷりに手を焼く十六夜。それを見かねた白の鎧を身に纏う青年が言う。
「詩音様、それ以上お仲間を困らせてはなりませんよ」
「え〜、いいじゃん。お馬鹿なランスは黙っててよ」
「………誰がお馬鹿だって?」
ランスと呼ばれた青年はニコリと笑い詩音に言う。額に青筋が浮かんでいるが。
「ご、ごめん……」
「分かればいいんです」
「ちょ、ちょっと待ってください!貴方は誰なのですか!?」
「それは私も気になったことよ。貴方は一体誰なの?」
「ん?僕ですか?僕には名前はないですよ。しいて言うならランスロットと言うべきでしょうか」
な!?と詩音以外が固まる。
「ら、ランスロットってあの………!?」
「ということはお前はアーサーに仕えた円卓の騎士ということか?確かあれは物語上の人物だったような気がするんだが」
「あー、ちょっとそれとは違いますね。僕はアーサー王には仕えてはいません。まあその代わり詩音様に仕えてますけど」
「ということは詩音はアーサー王?」
「へ?アーサー王?何それ?」
可愛らしく首をかしげる詩音。その瞬間その場の全員が思った。『あ、こいつ馬鹿だ』と。
「それで、どうするの黒ウサギ?これからどうするつもり?」
詩音にそう言われハッとする黒ウサギ。
「そうでした!これからギフト鑑定に行くのですが、ジン坊ちゃんはどうします?」
「僕は先に帰っているよ」
「分かりました。お気をつけて」
そう言って一行はジンと別れ、黒ウサギについて行った。
☆★☆★☆★☆
詩音達が向かっているのは、黒ウサギによると"サウザンドアイズ"と呼ばれる商業コミュニティらしい。そこに鑑定してくれる人がいるとか。
「ん?あれは、桜かしら?真夏だというのによく咲いてるわね」
「いや、まだ初夏だったはずだから気合の入ったのは生き残ってる可能性は高いぞ」
「………?今は秋だったはずだけど……」
「そもそも季節なんてないんですけど……」
何やら話が噛み合わない三人(季節がない詩音は除く)。それを見て微笑む黒ウサギ。
「は?どういうことだ?」
「御四方はそれぞれ違う世界から召喚されてきたのです。元いた時間軸以外に歴史や文化、生態系などと色々違う点があるはずですよ」
「バレットワードってやつ?」
「それを言うならパラレルワールド。なんだよバレットワードって」
「あはは、ちゃんと覚えてなかった」
「パラレルワールドに近いのですが、正しくは立体交差並行世界論というのですが、話すと長くなりますのでそれはまたの機会に」
そう言うと黒ウサギはあるところに目を向けた。おそらくそこが目的地なのだろう。だがそこには店じまいをしようとする割烹着を着た女性店員がいた。それを見て黒ウサギは走っていってそれを止めようとする。
「まっ」
「待ったなしです。うちは時間外営業をやっておりません」
だが止めることはできなかった。黒ウサギは悔しそうに店員を見つめる。
「なんて商売っ気の無い店なのかしら」
「ま、全くです!閉店時間五分前に客を締め出すなんて!」
「文句があるなら他所へどうぞ。今後あなた方は出禁です」
「出禁!?これだけで出禁なんておかしいのですよ!!」
キャーキャーと喚く黒ウサギに、店員は冷たい視線を向けた。
「あのさ、嘘はあんまりよくないよ?」
「は?」
「にはは〜♪」
詩音はそう笑いながら店員に言う。だがその笑顔にはどこか違和感がある。顔には出していないが怒っている感じだった。
「誰も嘘など「イヤッホォォォォォォォ黒ウサギィィィィィ!!!」
「へ?キャアアアアァァァァァァ!」
バシャァンと音を立てて水路に飛び込む黒ウサギと白い何か。
「おい、ここの店ではあんなドッキリやってんのか?それなら俺にも」
「やってません」
「なんなら有料でも」
「やりません」
「なら私がやってあげようか?」
「え、は!?」
「?…………!!」
十六夜が店員に真剣にそう言っていたところに詩音が言う。突然のことに不意をつかれたのか顔を少し赤くする十六夜。そして自分が何を言ったのか理解して顔をトマトのように真っ赤にして俯く詩音。
「ちょ、白夜叉様!?どうしてこんな下層に……!?」
未だ黒ウサギに張り付いている白い何か。それが言っていることといえば完全にセクハラ発言ばかりである。
「離れてくださいっ!!」
黒ウサギは張り付いている白いものを引っぺがし投げる。それは十六夜の方向へと飛んでいく。それを十六夜は、
「てい」
「ゴバァ!!?」
「あ、詩音。すまんそっちにいったー(棒」
「へ?キャア!?」
詩音の方へと蹴り飛ばす。詩音は白いものがぶつかった衝撃で倒れる。
「おんし何を………おぉこれはこれで良いのぉ〜むほほほほほ」
「ちょっと何をふにゃ!?や、やめ、おねが、いやめやんっ!!」
その白いものは詩音に抱きつき、詩音の(ある程度育っている)胸を揉み始める。
「おねが、いやめやんっ!!やめ、やめろって言ってんだろうが!!!」
詩音は渾身の力で引っぺがし、壁へと投げつける。それは見事に壁にクリティカルヒット。白いものは崩れ落ちる。
「お、おんし、少しは手加減してもよ、良いのではないのか……?」
「うぅ……穢された……もうお嫁にいけない……」
白いものが言うことを完全に無視して涙目でそう言う詩音。
「ま、まあ良い。それで、おんしらも一揉みどうだ?」
「遠慮するわ」
「絶対嫌」
「白夜叉様、それでは売り上げが伸びません」
「まあ良いではないか。それでおんしらは何の用できたのだ?」
「そ、そうでした!」
「まあ良い。立ち話で済む話でもないだろう。私の部屋を使えば問題あるまい」
「そ、そんな!うちは"ノーネーム"お断りでは……!」
「うちの店員が無礼を働いたその詫びだ。それぐらい構わんだろう?」
「そ、それは………」
白い着物を着た少女がそう言うと言葉に詰まる女性店員。
「おっと、自己紹介を忘れておったな。私はコミュニティ"サウザンドアイズ"の幹部、白夜叉である」
この時詩音は思った。"サウザンドアイズ"は大丈夫なのだろうか、と。
そう思いつつ、詩音は白夜叉について行った。
次回かその次あたりに詩音のギフトが発覚します。
まずはギフトゲームですね……。
それでは、ここまで読んでくださりありがとうございました。次回もお楽しみに!
次回予告
目的地だった"サウザンドアイズ"にたどり着き白夜叉にあった一行。
だがそこで問題児たちは白夜叉に喧嘩を売りギフトゲームをすることに。
だがそれは詩音だけ違う内容で!?
「ギフトゲームは鑑定の前に」