艦これ大戦 ~檄!提督華撃団!~   作:藤津明

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第十二話 14 夜戦じゃないけど夜戦だよ!

鳳翔との合体技により敵艦載機は全滅させた、これで敵の空母は何もすることは出来ない。

これから始まる砲撃戦を眺めるのみ、これで敵の戦力は半減したといっても良い。

ここからは――

 

「私の出番ね!」

 

長距離砲を持つビスマルクが意気揚々と自らの砲撃に備える。

目視で確認できるようになった敵との距離を見定め、4つの砲塔が敵へと狙いを定めていく。

 

「ビスマルクくん、川内くん、鳳翔くんは砲撃戦準備を!」

「了解!」

「了解しました」

 

しかし、大神は日本から帯同してきた二人の艦娘にも砲撃戦の準備を指示する。

川内は軽巡洋艦、鳳翔は軽空母、砲撃戦において戦艦と同等の射程は有していない筈。

 

「えっ?」

「どうしたんだい、ビスマルクくん?」

 

ビスマルクは一瞬、疑問に思う。

けれどもビスマルクは、大神たちが先程弓より雷の龍を放ち敵艦載機を全滅させるところを見た。

霊力の完全なる運用の結果がこれだというのなら、今までの常識は捨てるべきだ。

 

「なんでもないわ、イチロー! 全砲門、砲撃準備完了よ!!」

「よし! 川内くんとビスマルクくんは俺の合図と共にポイント○○に二回斉射!」

 

そこは未だ誰も居ない筈の海域。

だが、大神の声に従わないものも居なかった。

だが、川内たちが砲撃を放つと同時に、重巡リ級flagship改の一群が分進しようと移動した。

本軍から離れ方向を変えたばかりのリ級flagship改たちは、まさか分進しようとした自分たちを狙って砲撃がされるとは考えもしなかったらしい。

川内たちの砲撃は深海棲艦の出鼻を完全にくじき、彼女たちの半数が直撃を受け撃沈されていく。

それに川内の砲撃は戦艦並みの威力を発揮していた。

 

「予測偏差射撃? 違う、こんなの未来予知の領域よ……」

「ビスマルクさん、この程度で驚いてる暇はないよ! 大神さんの指揮はこんなものじゃないんだから! さあ、これからが本番だよ!!」

 

そう言って、川内は懐から短刀を取り出す。

そう、腕に取り付けられた砲塔での中~超長距離の砲撃と近距離における短刀での斬撃、その組み合わせこそが今の川内の戦闘スタイルなのだ。

 

「鳳翔くんは艦爆隊で以って敵軽巡に先制打撃を! グラーフくんは準備が出来次第、鳳翔くんの爆撃の補佐を頼む!」

「了解だ、アドミラル!」

 

鳳翔が帰還した艦載機の再攻撃の準備を既に終えているのに対し、グラーフは未だ若干の時間を要するようだ。

だが、敵防空網の存在しないこの状況を黙って見過ごす手はない。

 

「隊長はどうされるのですか?」

「俺は、これから霊子タービンによる瞬時加速で一気に敵艦隊に肉薄! 至近戦で敵陣形を撹乱させる! 川内くんとビスマルクくん、プリンツくんは俺の突入時の援護射撃を頼む!」

「「「了解!!」」」

 

既に中距離の砲撃となるまで互いの距離が近づくが、敵戦艦の砲撃はない。

 

「レーベくんとマックスくんは、俺が乱した敵陣形からはぐれた艦を2隻がかりで確実にしとめてくれ! 戦艦は低速の後背に控えている。戦艦と相対する心配はない!」

「分かったよ、やれるさ!」

「了解」

 

「よし、いくぞ!」

 

レーベとマックスの回答を以って、大神は敵艦隊中心へと可翔機関、霊子タービンを起動させて突入する。

敵機銃が大神へと向けられるが、艦載機と異なり、光武・海Fの霊子障壁に守られた大神が、機銃程度で被害を受けるはずもない。

何体化の深海棲艦が大神を主砲で迎撃しようとしたが、大神の指示で撃たれたビスマルクたちの援護射撃が先んじて命中しその狙いは定まることはない。

 

「狼虎滅却! 紫電一閃!!」

 

そして、亜音速に達した大神の、超高速の横薙ぎの斬撃は一太刀で進路上に居た深海棲艦をまとめて倒し、敵艦隊を左右に文字通り分断する。

そこに鳳翔たちの艦載機による爆撃が加わり、軽巡主体の敵左翼艦隊は壊滅しようとしていた。

 

「ビスマルクくん、プリンツくんは壊滅しかかっている敵左翼艦隊に更なる砲撃を! 川内くんは俺と共に至近戦で敵右翼を壊滅させるぞ! 鳳翔くんたちは敵本隊との交戦に備え艦載機の準備を!」

 

そうして、敵前衛艦隊はなす術なく壊滅した。

 

低速艦である敵戦艦主体の敵後衛部隊も、あまりにも迅速な前衛艦隊の壊滅に撤退行動を取ろうとしている。

だが、ここは追撃戦を行うべきだ、大神は決断する。

 

「総員、被害状況は?」

「ビスマルク、被害殆どなしよ。ただ弾薬が心もとないわ」

「プリンツも弾薬が……」

「君たちは初期の遭遇戦からの戦闘になるからね。分かった、川内くんは未だいけるね?」

 

一人だけの名指しの指名、先程の鳳翔のことを考えても何をするかは明白だ。

戦意も漲っている、大神への想いに満ち溢れている。

何より、大神が自分を求めているのだ、拒絶する理由なんてかけらもない。

 

「もっちろん! 夜戦だよね! 夜戦してくれるんだよね、大神さん!!」

「え、何を言ってるの川内さん、今は未だ昼よ? 夜戦なんて出来る訳ないじゃない」

「いーのいーの! 大神さん、エスコートをお願いね!」

 

マックスの疑問の声もなんのその。

そう言って、川内は大神の前に進み出る。

 

「ああ!」

 

大神が川内の手を取った。

 

 

 

 

 

川内(装備なし) 好感度100

 

    素   補正後

耐久 44 → 144

火力 57 → 157

装甲 66 → 166

雷装 78 → 178

回避 75 → 175

対空 69 → 169

搭載  3 → 103(35、34、34)

対潜 76 → 176

速力 高速 →  最速

索敵 74 → 174

射程  中 →  超長

運  12 → 112

 

命中  +100%

防空率 +100%

 

夜戦火力 335

 

好感度100に付き、全パラメータに補正が入ります。

素で夜戦火力が300越え、まさに恐怖の夜戦娘。

 

 

 

鳳翔(装備なし) 好感度100

 

    素   補正後

耐久 40 → 140

火力 28 → 128

装甲 47 → 147

雷装  0 → 100

回避 56 → 156

対空 34 → 134

搭載 42 → 142(39、41、37、25)

対潜  0 → 100

速力 低速 →  最速

索敵 74 → 174

射程  短 →  超長

運  30 → 130

 

命中  +100%

防空率 +100%

 

夜戦火力 228

 

好感度100に付き、全パラメータに補正が入ります。

また、ゲームにて速力の最大値が最速となりましたので、鳳翔さんも最速に。

旧型艦とは言わせないばかりの強さを見よ。

 

 

参考例:

グラーフ(装備なし) 好感度30

 

    素   補正後

耐久 78 → 108

火力 49 →  79

装甲 76 → 106

雷装  0 

回避 64 →  94

対空 75 → 105

搭載 56 →  86(38、21、17、10)

対潜  0

速力 高速

索敵 71 → 101

射程  中

運   7

 

命中  +30%

防空率 +30%

 

夜戦火力 79

 

十分強い筈なんだけどね、うん。




感想に応えようと、他の小説を読んだりと四苦八苦しましたが、自分の書ける範囲はそう簡単には増えてくれないようです。出来るだけ精進しますが、自分に出来る範囲以上のことはやはりできないのでその点はご承知おき願います。

次回合体技よりスタート。

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