艦これ大戦 ~檄!提督華撃団!~   作:藤津明

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第十話 6 外道に情け無用

大神に振り下ろされようとした凶刃。

 

「隊長さん、今度こそ私が!!」

「駄目だ、瑞鶴くん!」

 

瑞鶴は大神を庇おうと凶刃の前に出る。

しかし、その刃は瑞鶴には届くことなく、途中で第三者の刃によって受け止められる。

 

「すまん、大神! こいつを泳がせすぎた!」

「加山!? 泳がせていたってどういうことだ?」

 

月組の隊長、加山が渥頼から大神を守りその間に入る。

 

「言葉の通りだ。お前の狙撃について憲兵隊と協力して調べてたら、こいつが出獄していた事がわかったのさ。指示した奴共々すぐに捕まえることも出来たが、より決定的な証拠を得るために泳がせていたんだ。ここまでバカなことをするのは予想外だったが、これで躊躇う必要はない!」

「そんな!? 俺が泳がされていただって?」

 

加山の言葉に渥頼が驚愕するが、加山は振り返ることさえしない。

 

「大神、こいつは俺達に任せろ! お前を殺そうとした奴は調べ上げ、報いは必ず受けさせる! お前が戦場にて刃を振るえるようにするのが俺達の役目だ! お前は自分の役目を!」

「分かった! 加山、この場はお前に任せる。瑞鶴くん、大丈夫かい?」

「あ、はい……隊長さんこそ大丈夫?」

 

互いを気遣いながら大神たちはブリーフィングルームへと向かう。

その場には加山たちが残される。

 

「ちくしょう! なんでだ! もう少しで響も! 暁も! 金剛や翔鶴たちも全てが俺の物になるはずだったのに!」

 

その言葉にAL、MIに居た響たちが言いようのない嫌悪感を感じたのは言うまでもない。

 

「なる訳がないだろう。なんでそんなバカな事になるんだ」

 

自分勝手なことをほざく渥頼に心底呆れ返る加山。

 

「そんなの決まっている! 関中将がそう言ってくれたんだ、大神を、あの邪魔者を消せばと!」

「やはり、か。お前のような外道! 大神の振るう二刀の錆になる価値すらない!! 月組! 渥頼を捕らえろ! こいつから全てを吐き出させるぞ!!」

「ぐはっ」

 

大事なことは聞き出したと、渥頼に当身を食らわせる加山。

刀を取り落とした渥頼を月組たちが捕らえる。

 

「ここで吐かせてもいいが、それだと有明鎮守府が穢れる。憲兵隊の取調室を借りるのが早いか」

「少し離れたところに憲兵隊の事務所があります。そこを借りましょう」

「ああ」

 

そして、月組たちが憲兵隊の事務所へと連絡をした上で渥頼を捕らえたまま向かった。

ここから先が加山たちの本当の仕事だ。

 

 

 

「遅くなった、みんな」

「遅いですよ、隊長。一体何があったんですか?」

 

遅れてブリーフィングルームに入った大神に向けられたのは、やはり大淀の視線だった。

 

「いや、ちょっと渥頼の襲撃を受けていてね」

「え――それって、大事じゃないですか!?」

「大神隊長はご無事なのですか?」

 

隠す理由もないので素直に答える大神だが、そんなことを聞いて黙っていられる艦娘ではない。

前に詰め掛けて、大神の様子を確認しようとする。

 

「大丈夫、瑞鶴くんが守ってくれたし、加山たちが取り押さえてくれた。俺は無傷だから」

「そう……ですか。なら良いのですが」

 

確かに大神が傷ついた様子はない。

それで一旦安心し、艦娘たちは元の位置に戻る。

 

「よし、なら作戦の説明に移るよ。今度はいつもの戦いとなる海域開放戦でもはぐれ深海棲艦の掃討戦でもない、本土防衛戦だ。それは分かっているよね?」

 

大神の言葉に全員が頷く。

 

「故に、今回攻めてくる敵は基本的に全て殲滅しなければいけない。撃ち漏らしは許されない。二度とこのようなことをさせない為にも今回は一人残らず、一匹残らず殲滅する」

「――っ!」

 

苛烈極まりない大神の言葉に息を飲む艦娘たち。

自らの狙撃に始まり、深海棲艦の侵入、軍の爆破、神谷の重傷、渥頼の襲撃など数々の事態に、流石の大神も怒りを覚えているのだと感じる艦娘達。

 

「だから今回の作戦は連合艦隊ではなく、2艦隊で別々に出撃する。俺が率いる主力撃滅艦隊と、

残存艦隊の殲滅艦隊の二つにね。その他の艦娘のみんなには、そこでの撃ち漏らしが万が一発生したときに各個撃破してもらう」

「大神隊長、という事は直接敵艦隊と相対するのは2艦隊ですが、この戦いは事実上総力戦ということですね?」

「そうだ、この戦いでは有明鎮守府の残る総力を上げて、敵を殲滅する」

 

赤城の質問に迷いなく答える大神。

 

「では主力撃滅艦隊の構成を発表するよ、計7艦と俺の構成になる。武蔵くん!」

「このような決戦の舞台で選ばれるとは、痛快だ! 戦艦武蔵、いざ……出撃するぞ!」

 

武蔵が前に出る。

 

「大和くん!」

「艦隊決戦の切り札として! 戦艦大和! 推して参ります!」

 

続いて大和も歩み出る。

 

「赤城くん!」

「大神機動部隊!、一航戦、赤城出撃します!」

「瑞鶴くん!」

「同じく! 五航戦、瑞鶴出撃よ! 隊長の行く海の空は絶対に守ってみせる! 今度こそ!!」

 

瑞鶴の言葉に瑞鶴が立ち直った事を感じる艦娘たち。

 

「愛宕くん!」

「ヨーソロー。うふっ♪ でも、今日は真面目にいくわよ!」

「睦月くん!」

「睦月の艦隊、いざ参りますよー!」

 

「そして、最後は明石くん!」

「「「ええっ!?」」」

「えっ、私ですか!?」

 

7艦目として明石を選んだことに驚愕する艦娘たち。

それもその筈、明石は工作艦、戦闘能力は殆どないはずなのだ。

 

「疑問の声もあるみたいだし、何故選んだのか説明しておくよ。明石くんはみんなの霊力を借り受けてとは言え、俺を蘇生し、回復してくれた。つまり明石くんは霊力の運用に既に目覚めているんだ。その回復能力は強敵との連戦が続くこの戦いにおいて、確実に有意なものとなる」

「大神隊長の回復能力ではいけないのですか?」

「その場合、俺が敵と相対できなくなるからね。7艦目として選ぶのであればこれでいいんだ」

「分かりました、その隊長の判断に従います」

 

そう言って納得する大淀。

 

「では続いて残存殲滅艦隊の発表に移るよ」

 

結果、発表された艦隊編成は以下の通りになる。

 

 

 

主力撃滅

愛宕 睦月 大和 武蔵 赤城 瑞鶴 大神 明石

 

残存殲滅

長門 利根 如月 夕雲 長波 曙

 

 

 

 

 

武蔵(装備なし) 好感度51

 

    素 補正後

耐久 97→148

火力134→185

装甲115→166

雷装  0

回避 57→108

対空 91→142

搭載 28→ 79(20、20、20、19)

対潜  0

速力 低速

索敵 32→ 83

射程 超長

運   9

 

命中   +51%

防空率  +51%

 

夜戦火力  185

 

十分常識外の強さなのですが、下二艦が更にぶっ飛んでるので常識の範囲内に見える不思議。

 

 

 

明石(装備なし) 好感度100

 

    素 補正後

耐久 45→145

火力 24→124

装甲 27→127

雷装  0→100

回避 34→134

対空 31→131

搭載  0→100(25、25、25、25)

対潜  0→100

速力 低速→ 高速

索敵  3→103

射程 短→ 超長

運  12→112

 

命中  +100%

防空率 +100%

 

夜戦火力  224

 

好感度100の特殊補正として、全てのパラメータに補正が入ります。

更に明石が霊力による回復能力に覚醒したことで、装備した艦艇修理施設の数だけ雷撃戦終了時、夜戦前に艦娘の耐久を100回復可能となります(大破からでも回復可能)

 

艦これにおけるヒーラー爆誕。

 

大神蘇生の為に使った回復技は明石の意向により大神専用となったので、こちらでは不記載。

 

 

 

瑞鶴(装備なし) 好感度100

 

    素 補正後

耐久 75→175

火力 39→139

装甲 71→171

雷装  0→100

回避 77→177

対空 76→176

搭載 84→184(49、49、49、37)

対潜  0→100

速力 高速

索敵 82→182

射程 短→ 超長

運  42→142

 

命中  +100%

防空率 +100%

 

夜戦火力  239

 

必殺技

一の舞 烈風怒涛:制空値+1000

二の舞 追魂奪命:航空戦ダメージ5倍

三の舞 炉火純青:対地ダメージ10倍

 

同じく好感度100の特殊補正として、全てのパラメータに補正が入ります。

万能機動戦艦の誕生。と言うか多分現時点での最強艦

ただし装甲空母ではないので、中破で棒立ちは変わらず。


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