魔弾の王と戦姫 ~凍漣の雪姫と死神~ 作:ジェイ・デスサイズ
ということでまた眠い想いをしながら書きました。
次は3,000字いくかな?
ごゆっくりどうぞ
それからひと月と半月が過ぎた。俺はミラに呼ばれ百の兵と共にオルミュッツに訪れた。
「お待ちしておりました、クロフォード様。公主様が自室にてお待ちしております」
「分かった、すぐに行く…俺が戻るまで自由にしていいぞ」
おぉ、と兵達は喜びの声を上げると、皆街へ向かって行った。俺は兵達を見送った後、ミラの部屋へ向かった部屋の前に来ると紅茶のいい香りがした。
「(コンコンコン)ミラ、来たぜ」
どうぞ、と許可を得てミラの部屋に入った。ミラは報告書を読みながら優雅に紅茶を飲んでいた。ミラは俺が入って来たのを確認し報告書とコップを机に置き、スタスタと俺の前まで歩いてきて俺に抱き付いてきた。
「っと。ミラ…どうした?」
抱き付いてきたミラの頭を優しく撫でる。
「ん…。ちょっと疲れたの、良いでしょ?」
と、言いながら上目遣いをしてくる…。可愛いなチクショウ///流石の死神もこれには勝てない。
「あぁ、良いぜ…俺も嬉しいしな」
「ありがとう、ジェイ」
せめて2人っきりの時くらいは普通の女の子でいてほしいな、そう思いながらミラの頭を撫で続けた。ヨミは左腕に巻き付こうとしたが俺が抱き締めている為無理と理解し、かわりに床に降りミラの右足に巻き付いた。それから数分抱き付いていたミラは満足したのか腕を解き離れ…ず、解いた腕を俺の首にまわしキスをしてきた。
「ミ、ミラ…んっ」
「喋らないの…ん」
ミラは俺を喋らすまいとしているのか、塞がれてしまう。
「ん…あむ……んん、ちゅ、れろ……んむ…ちゅ…」
ミラから甘い吐息が聞こえてくる。長く蕩けてしまいそうな口付けが終わりミラの唇が離れた。
「ぷはぁ…フフ」
「ミ、ミラ?///」
ミラは満足した顔をし、俺から3歩離れこちらを向き
「いつもやられてばかりだからちょっとした仕返しよ///」
頬を赤らめ片眼を閉じ、軽く舌を出し言った。
「ったく///こりゃ完全にやられたな…」
「フフ、可愛かったわよ?照れてる死神♪」
「あぁもう。それで、俺をわざわざ呼んだ理由は?」
「私個人としては貴方とお茶をしながら国の事や他の事を話したいのだけれど―――ってそんなあからさまに残念そうな顔しないでよ…私だって残念なんだから。呼んだ理由は私とシレジア行ってほしいの」
「シレジアに?」
シレジアとはジスタートの王都の名で、王国のほぼ中央にある。
「何故行くんだ?パーティーの招待状でも届いたのか」
「そんな訳ないでしょ。エレオノーラが王の許しもなくブリューヌの領地に軍を動かしたのよ」
「…おいおい、そりゃまずくないか?」
「えぇ、そうよ。エレオノーラが何故動かしたのか…それを確認するわ」
「なるほどな、分かった」
「ありがとう、ジェイ。では明日行きましょう」
「分かったぜ、ミラ」
王都シレジア
一国の王都らしく華やかさに満ち、日が沈んでも喧騒は絶えず、中央の通り明かりが消えることはない。
「相変わらず賑やかだな、ここは」
「あら、ハーネスも似たようなものでしょ?」
フフ、と笑いながらミラが言う。
「ここまでじゃないさ」
俺は周りの光景を横目に馬を進める。今の俺達の格好は旅人のような感じだ。ラヴィアスは布を巻いて腰に差している。それが不満なのか時々凍気を放ち布を膨らませていた。ヘルヘイムは俺の影の中にある。こういう所が便利だなと思う。王宮に着くと、名のるまでもなく兵士達は構えを解いて、うやうやしく一礼した。
「リュドミラ=ルリエ様、ジェイノワール=クロフォード様。念のために竜具を改めさせていただいてもよろしいでしょうか」
「リュドミラ様はともかく、よく俺が分かったな」
「だから王宮の門番を続けていられます」
俺は感心しながら影からヘルヘイムを出した。ミラもラヴィアスに巻いていた布を外した。
「他に戦姫はいるのかしら?」
「ソフィーヤ=オベルタス様がいらしております。
ソフィーヤ=オベルタス…『光華の耀姫(ブレスヴェート)』の異名を持つポリーシャ公国公主。竜具は確か…「操光の錫杖(ザート)」だったか。
「そう。分かったわ」
ミラはそう言いながら中に入って行った。俺も後に続く。
「よくミラの話に出てくる人がいるんだな」
「あら、ジェイはまだ会ったことなかったかしら?」
「俺の記憶が正しければ会ったことないな」
「まぁ大丈夫よ。すぐ打ち解けるわ」
「なら良いけどな」
王都に入って数刻。エレオノーラ=ヴィルターリアが来た。
「あれが『銀閃の風姫(シルヴフラウ)』…エレオノーラ=ヴィルターリア、か」
ミラ以外の戦姫を初めて見た(ミラのお母様を除き)。話では皆美しい女性と聞いていたが…まぁ、本当らしいな。
「…ジェイ、何を考えてるのかしら?」
「っ!?」
俺は視線をすぐに外しミラを見る。するとあからさまに不機嫌そうな顔をしたミラがいた。
「ミ、ミラ?」
「まさかと思うけど、エレオノーラの事を考えていたのかしら?」
「ち、違う!ミラ以外の戦姫を初めて見たから…どんな人なのかな、と」
「ふぅ~ん」
ジト目で俺を睨むミラ。
「俺にはミラしかいないのは知ってるだろ?」
俺は優しく抱き締める。
「ん///そうよ。貴方は私のなんだから」
「分かってるって…さて、風姫の話を聞きに行こうぜ」
「えぇ」
「ふぅん。戦姫が敵国の貴族に雇われた…ねぇ」
「…(スタスタ)」
「あ、おい!ミラ」
ミラは謁見の間を出て少し離れた所にいる女性へ向かって歩き始めた。あれは…
「エレオノーラ=ヴィルターリア」
いやぁ、夜だとテンション可笑しくなりますねW
もう限界ですW
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