魔弾の王と戦姫 ~凍漣の雪姫と死神~ 作:ジェイ・デスサイズ
ひ、疲労が…
ま、それじゃどうぞ!
「戦う、と言っても模擬戦よ?」
「だ、だよなぁ」
「ジェイは多分女性と戦った事ないでしょ?だから私と戦って慣れてもらおうって訳」
ミラと模擬戦か…確かに女性とは戦った経験は母上とプローネ以外は無いな。だが…
「その為だけにわざわざハーネスに来たのか?」
「ほ、他にもやる事があるのよ!」
「っ!」
急にミラの声が大きくなった。
「あ。ごめんなさい…」
ミラがしゅんとなり、謝った。
「大丈夫だ、気にするな」
そう言いながら続けて紅茶を飲む。そして飲み終え、俺は
「さて。じゃあミラ、始めようか」
と言った。
裏庭
「手加減しないわよ、ジェイ」
ミラは『破邪の穿角』の異名を持つ『凍漣』ラヴィアスを構えながら言う。
「俺は手加減してしまうかもな」
俺は『破滅の死鎌』の異名を持つ『漆影』ヘルヘイムを肩に担ぎながら言った。
「なっ///そ、そんな事したら氷漬けにするわよっ!?」
「分かってるって」
「それでは両者、準備はよろしいですか?」
「「あぁ(えぇ)」」
「それでは…始め!」
開始の合図と共にミラは距離を一気に縮めてきた。先手必勝ってことか。俺もミラ同様に距離を縮めた。そしてお互いの武器がぶつかり合う。ミラは武器を構え直し2撃、3撃と繰り出した、俺はその連撃を受け流し鎌を振り落した。
俺の攻撃を予測していたのか、俺から見て左にヒラリとかわされた。かわしたミラは俺の後頭部を狙い回し蹴りを繰り出した。ミラの回し蹴りを左腕で防御し反撃しようとしたが、ミラはすぐにバックジャンプし距離を取った。
「痛…、回し蹴りときたか。ヨミが居なくて助かった」
「ヨミが居ないからやったのよ」
ちなみにヨミは今、近くの木の下で寝ている。
「ジェイ、本気を出しなさい。じゃないと本当に氷漬けにするわよ」
「…ばれたか。分かった、じゃあ…いくぜぇ!」
俺はミラとの距離をすぐに縮め、ヘルヘイムを垂直に振った。かわされたが俺は直ぐに縦、斜め、垂直、下から攻撃を繰り返した。
ミラは防御に徹している。それから数分したときミラが一瞬隙をみせた。
「そこだぁ!」
「っ!」
俺はミラを押し倒し、ヘルヘイムの刃をミラの首すれすれで止めた。
「一本、勝者。クロフォード様!」
わぁ、と試合を観ていた兵士達が歓声をあげた。
「ふぅ」
「やっぱり強いわね、ジェイは」
ミラは少し微笑みながら言った。
「ありがとう、ミラ」
「それはそうと…いつまで触ってるつもりかしら?」
「え?」
視線をミラから下にずらしていくと、ミラを押し倒す為に使った左手がミラの肩ではなく…ミラのむ、胸にあった…
どうりで肩にしては柔らかいと思った!?
「うわぁ///!?」
俺はすぐにミラから離れた。
「ご、ごめんミラ!」
俺はすぐに頭を下げた。ミラは立ち上がり、俺に背を向け
「…先に部屋に戻ってるわ」
と言って公宮の中へ行ってしまった。俺は兵達を仕事に戻し、ヨミの寝ている木の下に腰を下ろした。
「ヤバい…完っ全に怒らせてしまった」
俺は寝ているヨミの頭を撫でながらどうやってミラに許してもらおうか考えていた。
今回はジェイとミラの戦闘でした。
まぁすぐに戦闘は終わってしまいましたが…
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