魔弾の王と戦姫 ~凍漣の雪姫と死神~ 作:ジェイ・デスサイズ
4年後、ハーネス
ジェイノワール=クロフォード。15歳、ハーネス領主
「ふぅ…予想はしてたが大変だな。国を任されるってのは」
俺は窓から自分の国を眺めながら呟いた。
ハーネス
ジスタートのオルミュッツ公国の近くに位置する国である。食品系が豊かで生産量はジスタートの40%を占めている、故にハーネス産の物はジスタートで人気が高い。
国旗は漆黒の鎌に黒いヘビが描かれている。そのせいなのか、ハーネスではヘビを老若男女問わず好かれ飼っている。ちなみに俺も黒ヘビを飼っている。
そして、他国は知らないがオルミュッツとハーネスは永久同盟を結んでいる。
「(まぁ、『戦騎』は知られてはいけない存在。仕方ないと思うけどね)」
そう、『戦騎』は秘密裏に『戦姫』を守るため他国…ましてやブリューヌに情報が入ったら更に『戦姫』や国に危険が及ぶ。そのため『戦騎』は竜具第1所有者を守り死んだ…と歴史書には書かれている…。まぁ『戦騎』の事も載っている歴史書はごくわずかしかない。その載っている歴史書はハーネスとオルミュッツで厳重に保管されている。
「(さてさて、これからどうなることやら…)」
「クロフォード様!」
名を呼ばれ振り返るとハーネスの小隊長がいた。
「どうした、何かあったのか?」
「いえ、リュドミラ=ルリエ様がお見えになりました」
「そうか♪ここへ案内してくれ」
「了解です!」
はっきりと返事をし、小隊長は部屋を出た。少しするとリュドミラ…ミラがやってきた。
「相変わらず賑やかね、ハーネスは」
「褒め言葉として受け取っていいのかな?」
「もちろんよ、当たり前でしょ?」
「そうか。ありがとう、ミラ」
俺はそう言いながらミラをソファへすすめた。
「今、お茶を淹れるかr-」
「その必要は無いわ」
俺の言葉を遮りミラが言った。そして腰に付けていた2本の水晶のビンを持ち
「私が淹れるわ」
と言った。
「いやいや。客に茶を淹れさせるなんt-」
「私が良いと言ってるの。それとも私の茶ではご不満かしら?」
「ぜひ、飲ませて頂きます」
「よろしい」
そう言うとミラは紅茶(チャイ)を淹れ始めた。ミラが紅茶を淹れる所を何度も見てきたが、その仕草はとても絵になる。紅茶を淹れているミラ見ていると、視線を感じたのかミラは動きを止めた。
「何よジェイ、ジッと見て。私に何か付いてるの?」
「いや、何もないし何でもないよ」
そう、と言うとミラはコップに乾燥した黒い種のようなものを入れた。そして沸いた湯を注ぎ、ビンからジャムをすくうと、赤い湯の中に入れて溶かした。
「どうぞ、ジェイ。ジャムの量は貴方好みにしておいたわ」
「ありがと、ミラ」
俺はミラからオシャレなコップをもらい紅茶を飲もうとしたら1匹の黒いヘビが足元に来た。
「ん、ヨミか」
俺の飼っている黒いヘビ。漆黒の鱗に額のところに三日月の模様を持つ珍しいヘビだ。紅茶の匂いにつられたかな?
「あら、ヨミじゃない。相変わらず綺麗な鱗ね」
しゃがみ、ヨミの鱗を見ながらミラは言う。するとヨミは俺の足元からミラの方へ向かった。ミラはヨミの前に手を伸ばすと、ヨミはミラの腕に巻き付きながら首の所まで行った。
「こら、ヨミ…もう」
そう言いながらもミラは嬉しそうな顔をしていた。
今のミラの状態は右肩辺りにヨミの頭があり、左肩辺りに尻尾がある。ヨミがミラに良く懐いているということが一目で分かる。ヨミがこういう行動をとるのは俺とミラとプローネだけだ。
「ヨミにこうされると思うのだけど…何故戦場にまでヨミを連れて行くの?」
「いや、ヨミがいつも腕にくっ付いてくるから」
そう。ヨミはいつも俺の左腕にくっ付いている(正確には巻き付いている、か)。2年前、ヨミのおかげで助かった事もあった。
「本当にジェイが好きなのね、ヨミは」
そう言いながら肩にいるヨミの頭を撫でる。俺はそんなミラを見ながら紅茶を飲んだ。
「ミラ。それで今日、ハーネスに来た理由は?」
「...少しやりたい事があってね」
ミラは俺の反対側のソファに座りながら言う。
「やりたい事?」
「えぇ…。ジェイ、私と戦ってほしいの」
「…は?」
俺が…ミラと?
できるだけ更新できるように頑張っていこうと思います~
ミラ:原稿は結構進んでるでしょう?
色々忙しいのです…
ジェイ:ま、頑張ってな
では皆様、感想等お待ちしております。