魔弾の王と戦姫 ~凍漣の雪姫と死神~ 作:ジェイ・デスサイズ
作者、ガンダムW好きすぎだろwと思われるでしょうw
では、ごゆっくり~
ミラをオルミュッツほへ送り、俺たちはハーネス到着した。執務室に入ると2人の男性と女性がいた。
男性の方は茶髪で長い後ろ髪を三つ編みにして1つにまとまている。眼の色は薄い紫。女性の方はプローネの「炎月華」を抜いた時の髪の色とは真逆で、深い海の様に深い蒼で、髪は短めで肩のあたりまで。眼の色は赤茶色。
そう、この2人は俺たちの両親。デュオサイズ=クロフォード、シャルパルト=クロフォードだ。
「よぉ、戻ったか。ジェイ、プローネ」
「はい、ただいま戻りました」
俺がそう報告をすると父さんは左手をひらひらさせた。
「堅苦しいのはなしだ、ジェイ。まったく、誰に似たんだか」
「デュオに似た、と言う可能性は皆無だから安心しな。ジェイとプローネは、戦闘に関しては君に似ているがそれ以外はボクに似たのさ」
「自分を真面目というか?」
「・・・君のしていない書類やその他諸々を、いつも全て誰がしていると思ってるんだい?」
「スミマセン」
父さんが負け、母さんに頭を下げた。本当に仲が良い夫婦だと思う。
「ジェイ、今回の書類等はボクとデュオがやっておくから休むんだ。プローネも、ね?」
そう言いながらウインクをする。
「で、でも―」
母さんの言葉にプローネが食い付くが、すぐに言葉の続きを言えなかった。プローネの左腕に巻き付いているスカーレットが軽く腕を絞めつけたからだ。ヨミも同じことをしていた。そして俺たちをジッと見つめている。
「ほら、そいつらも心配してんだ。今はゆっくり休め、良いな?」
「「は、はいっ!」」
俺とプローネは返事をし、自分の部屋へ戻った。
デュオside
「あの2人、結構派手にやられたのか?」
俺は妻であり最高のパートナー。シャルパルト=クロフォード・・・シャルに聞く。
「報告書だとプローネはエレオノーラ=ヴィルターリア、アリファールの主だね。彼女に敗れた。ジェイはエレオノーラとティグルヴルムド=ヴォルン伯爵というブリューヌ人との合わせ技のようなものを食らって下がらせたみたいだね」
「あいつを下げる・・・プローネは昔のお前に似て、自分の力に妙に自信があるからな」
「・・・くやしいけど、返す言葉がないよ」
「にしし♪・・・ま、これからのあいつらに期待って所だな」
「そうだね。だからって鍛錬をサボらないでくれよ?」
シャルは軽く目を細め、俺を睨む。
「わ、分かってるって!?に、睨むな」
「分かれば良いよ。それじゃ、これらをさっさと終わらせようか」
「だな」
side out
シャルside 翌日
目を覚ましたボクは、隣で寝ているデュオを起こさないようにベッドから出ようとしたけどデュオに服を掴まれて出れなかった。デュオの手を丁寧に外し、代わりに頬にキスをしてあげた、知ったら調子に乗るから本人には内緒。
乱れた服を脱ぎ、私服に着替えて顔を洗う・髪を整えるために洗面所へ向かった。洗面所へ着くとプローネが先にいた。溜めた水に映っている自分をジッと見つめていた。
「おはよう、プローネ。どうした?思いつめた顔をして」
「か、母様!?お、おはようございます・・・実は―――」
プローネはボクに理由を話してくれた。自分の力を過大評価し過ぎていたこと、そのせいでエレオノーラに敗れジェイとミラの足を引っ張ってしまった、と。
「なるほどね」
「か、母s「ごめんね、プローネ」え?」
「本当に、お前はボクに似ているね」
「私が・・・母様に?」
「あぁ。ボクも昔、そんな時期があったんだ。デュオに眼を覚まさせられたよ」
ボクはプローネの髪を優しく撫でる。
「母様にも・・・そんな時期が」
「そうだよ。でもプローネは運が良かったね」
ボクがそう言うとプローネはボクを見上げ、首を傾げる。
「ボクはデュオに出会うまで気付くことはなかっただろうからね・・・でもプローネはボクとは違う、もう気付いたんだ。これでもう、繰り返すことはないね」
ボクはプローネを離し、鏡の前に立ち顔を洗った。
「母様・・・!」
「ふふ、『炎月華』を本当の意味で扱える様にね」
「はい!」
元気よく答えるとプローネも顔を洗い始めた。
「それでこそボクの娘だ」
タオルで顔を拭き、別のタオルをプローネに渡す。ありがとうございます、と言いタオルを受け取り、顔を拭く。
「そうそう、訓練相手兼これからの戦いを考えてジェネリックのヒイロ・コルナのカトルに協力をデュオがしておいたよ」
「父様が?」
「あぁ。ヒイロは「好きに使ってくれ」、カトルは「リクを宜しくお願いしますね」だってさ。準備ができ次第ここに来るらしいよ」
「そうですか!ふふ、腕が鳴る」
ボクの言葉にプローネは食い付く。
「その心意気は良いけど、繰り返すなよ?」
「わ、分かってます!」
「ふふ、なら良いさ」
ボクはプローネの頭を優しく撫で、自室へ戻った。
「ボクも出来る限り、あの子達のサポートをするとしよう」
数日後、ハーネスにジェネリック軍とコルナ軍が到着した。
「わざわざ悪ぃな。ヒイロ、カトル」
「全くだ、約束は守ってもらうぞ」
ヒイロゼロ=ムーンレイト。短めの黒髪、デュオとは真逆でクール系。デュオと相性が悪そうだけど、実はかなり相性は良い。
「わーってるよ!・・・全く、相変わらずだな」
「お前もな(即答)
「何ぃ」
「まぁまぁ、今はその辺にしましょうよ。子供達の前ですよ?」
カトルロック=テラムデンス。髪の長さはボクと同じくらいで、白に近い黄色をしている。2人の喧嘩の仲裁役であり、3人の中で怒らせたら1番怖いのがカトルだ。ボクも思わず泣きそうになってしまった。
「そ、それもそうだな・・・」
「・・・分かった」
2人は大人しく引き下がる。ボクはカトルに近づき耳打ちをする。
「続けさせても良かったのに♪面白くなるかもしれなかったし?」
「シャルさん・・・。僕らだけならまだしも、子供達の前ですよ?」
「続けさせても大丈夫だから言ったのさ、ほら」
ボクは子供達の方を指さす。カトルもそちらを見ると子供達は子供達で話をしていてこちらを見ていなかった。
「5人揃うのは久しぶりだからね、話に夢中さ」
「アハハ・・・まぁ、遊んでいる時間もあんまりないですから」
「あれ、すぐに戻るのかい?カトル」
「はい、遅くても明日の朝には。コルナを妻だけに任せることは出来ませんから」
「俺も同じだ。明日の朝に出る」
妻・・・リリーナ=ムーンレイト、ラウラ=テラムデンスか。久しく会ってないけど、多分元気だろう。
「そっか。じゃあ今日はゆっくりしていけよ。ウチの酒でも飲みながら久々にチェスでもしようぜ♪」
「良いだろう」
「それは良いですね」
デュオの提案に2人が同意する、つまみでも作ってあげよう。
「皆、立ち話もなんだし中に入りなよ。ボクが食事を用意してあげよう」
ボクがそう言うと皆は中へ入り、兵達には泊まる場所を教え自由にしていいよと伝えた。
そして食事を取り、話や組手等をして夜になり、子供達は寝て、ボク達大人はデュオとボクの部屋に居た。
「で、カトル。ブリューヌのテナルディエとガヌロン・・・どう思う?・・・ほい、ヒイロの番だぜ」
デュオはコマを動かし、カトルに問う。
「まだ情報が少ないので何とも言えませんね・・・。ですが、両者がぶつかる可能性は高い」
「テナルディエには国王の姪、ガヌロンには姉経由で両者王家に繋がっている。動くのは時間の問題だと思うが・・・。(トッ)お前の番だ」
カトルは腕を組み、ヒイロはコマを動かす場所を考え、コマを置き言う。
「だけど、新たな可能性が生まれようとしているよ?」
ボクは空になったヒイロのグラスに発泡酒(コーラ酒)を注ぐ。
「・・・ティグルヴルムド=ヴォルン伯爵か?」
ボクの問いにヒイロが答える。
「流石ヒイロ、情報が早いね。その通り、彼はブリューヌの第3勢力になるかもよ?」
ボクはクスリと笑いながら言う。
「シャルさんの勘は良く当たりますから、本当になるかもしれませんね?」
カトルは軽く笑いながらボクに同意してくれた。
「・・・俺たちはヴォルンの勢力に入るのか?」
「多分な。ま、貸しを作るのは悪くないだろ?」
「異論はない・・・チェックメイト」
ヒイロは淡々と言い、ゲームを終わらせた」
「何ぃ!・・・マジかよ」
「デュオの負け・・・ですね」
カトルは優雅に酒を飲みながら言う。
「ちぇ~。もう少しだったのによ」
チェスを片付けながら愚痴をこぼす。
「ふ、残念だったな」
ヒイロは酒を飲むと部屋を出るため扉へ歩く。それにカトルも続く。
「それじゃあ、僕たちも寝ますね。ご馳走様でした」
そう言って扉を閉めたカトル、部屋にはボクとデュオだけになった。
「シャルが可愛いから?」
「・・・はぁ、君には敵わないな」
「何や何や?ジェイ兄、ミラ姉と喧嘩でもしたん?」
「何かあったのかな?」
「・・・おそらくな」
「久しぶりね、ティグルヴルムド=ヴォルン」
「次回、第12話。「死神と雪姫と再会の黒弓」・・・見ろ。「是非見てくださいね♪」