【改稿版】リボーンの世界に呼ばれてしまいました   作:ちびっこ

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神様に相談

 トイレから帰ってきた優は、首をひねった。

 

「誰もいない……」

 

 まだHRが始まるまで時間があったこともあり、優は席に座る。

 

(多分、原作なんだろうなぁ。順番からすれば、山本君の話かな? 問題はリボーンの気配がするんだよねー)

 

 見に行きたいが、何も知らないのに屋上へ行くことは出来ず、優は動けなくなったのだ。

 

「……ツナ君にメールしよう」

 

 ポチポチと打っているとリボーンの気配が廊下に移動する。恐らく死ぬ気弾の準備をしているのだろう。

 

(接触してくれた方が楽なのになぁ……。ちょっと相談しよ。神様ー)

『呼んだか?』

(うん。私の行動知ってるよね?)

『まぁ一応な』

 

 当然だよねと優は心の中で頷く。神の世界で問題になっていることを放置する方がおかしい。

 

『言っておくが、プライベートは守ってるぞ?』

(ありがと。それでさ、私の行動って変だった?)

『俺は気付かなかったな』

 

 ますます疑問が生まれる。いくらリボーンでも神が気付かないことを気付くとは思えない。

 

『どっちにしろ、向こうからの接触を待つしかないだろ』

(まぁそうだよねー)

『それより、雲雀の対策はしないのか?』

 

 「またね」と言われたことを忘れたことにしていた優は、神の言葉に机に突っ伏す。ついでにこのまま眠るように顔を隠す。

 

『対策って言っても、優が本音をいうぐらいしかないけどな』

 

 その本音が言えれば苦労しないのである。

 

(そういえば草壁さんの反応を見ると、普段は群れてないっぽいんだよねー。なんで私と群れたんだろ?)

『……相性がいいのかもしれない』

(相性?)

『ああ。恐らく風と雲は相性がいいんだ。風が吹けば雲は動くからな』

(あー、なるほど。……どっちかというと、私が引きずられてる気がするけどね)

 

 愚痴りながらもこの法則で優は他の守護者の相性を考えていく。

 

 結果。晴、雷、雨は普通、嵐と雲が良く、霧とは相性が悪いと考えた。

 

(霧と相性が悪いのかぁ。クロームは可愛いから好きだったのに……)

『霧は風が吹けば無くなるからなぁ。それに幻覚封じをしている分、向こうも相性が悪いと思うだろうな』

 

 自分で相性を更に悪くしたことにショックを受ける優。

 

『ただの相性なんだ。仲良くなる奴はなると思うぞ』

 

 神のフォローにより、優は元気を少し取り戻す。

 

(あのさ、私って戦いのセンスあるの?)

 

 それでもこれ以上その話をする気力がないようで、話題をかえる。

 

『当然だな。俺が忘れるわけないだろ』

(おお。んじゃ、練習しなくても勝てるの?』

『現時点なら、風の力を使わなくても雲雀には勝てるだろうな』

(つよっ!?)

『当然だろ。身体能力も高いんだ』

 

 強すぎる力に優は不安を覚える。

 

『何もしなければ、リング争奪戦ぐらいには同じぐらいになると思うぞ。宝の持ち腐れだ。それに雲雀も天才だからなぁ』

 

 それでももっと強くならなければ死んでしまう現実に、普段は使わなければいいだけと諦める。

 

(誰にも見られず練習できる場所とかある?)

『それなら精神世界で俺が鍛えてやってもいいぞ?』

(ええ!? いいの?)

『ああ。ただ1日1時間しか出来ない。それでもいいか?』

(もちろん!)

 

 神の提案に優は両手をあげて喜びたいほどだ。練習しようとは思うが、何時間もやりたくはない。

 

(そうだ! 神様にお願いがあるんだけど……)

『なんだ?』

(フゥ太の並盛中の戦い? ケンカ? とにかくランキングがあったでしょ。それって私が1番になるってことだよね?)

『ああ。1位の名前をなんとかしたいんだな』

(流石神様、話が早くて助かる!)

 

 心を読んでるだけなのだが、優はわかってて言ってるので神も聞き流す。

 

『1位の欄を「ヒミツ」にすることは出来る。順位から抜けることは出来ないな。』

(それだけでも十分です!)

『そうか。全てを有耶無耶にすることも出来るが、それはしないほうが良いだろう』

(だねー)

 

 後々の展開を考えるとランキングは必要だ。

 

『まぁこれはギリギリの範囲だけどな』

(そうなの?)

『ああ。操作となるとフゥ太を優が見なければいけないが、今回は抜け道がある』

 

 へぇと優は相槌をする。何とかなるなら詳しく聞く気が無いのである。

 

『隠れて修行し、ランキングをヒミツってことは……正体を教える気はないんだな』

(うん。ちょっとツナ君の気持ちがわかったの)

 

 優も心配させたくないと思ったのだ。

 

『……そうか。じゃぁ服も用意しておくぞ』

(いいの?)

『もちろんだ。やるなら、幻覚作用のある服にするか。そうすれば体格や声も誤魔化せれるしな』

(そんなことも出来るんだ……)

『ああ。ただ……いろいろ詰め込む分、コンパクト化することは難しい』

(問題ないよー)

 

 気にするほどではない。刀と違い、服はカバンに入れることが出来る。

 

「優、そろそろ起きないとHR始まるよ」

 

 ツナに肩をゆすられ、慌てて神との会話を切る。

 

(神様、ゴメン!)

『気にするな。また何かあれば呼んでくれ』

 

 優が顔をあげると心配そうな顔をしてるツナと目が合った。

 

「大丈夫? 疲れてるの?」

「ちょっと眠かっただけだよ」

「そっか。……優、ゴメン! ケイタイ、教室に置き忘れててさっき気付いたんだ」

「気にしなくていいよー。返事かえしてもらっても、寝ちゃってて気付かなかったと思うし」

 

 本当は送ったときにツナのカバンから振動があったことに気付いてたが、優はツナが気にしないように言葉を返した。そして、何があったのかと聞き、ツナの口から「山本とちょっと仲良くなったんだ」と教えてもらい、優は自分のように喜んだのだった。


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